平成1272日目

平成4年7月2日(木)

1992/07/02

【東海大安楽死事件】殺人罪で元主治医を起訴

神奈川県伊勢崎市の東海大学医学部付属病院で昨年4月13日、入院中の末期がん患者を、主治医だった元同大医学部助手A医師=同月25日懲戒解雇=が家族に頼まれ、薬物を注射して死亡させたとされる事件で、横浜地検は2日、医療行為を逸脱し安楽死にも当たらないなどとして、A医師を殺人罪で起訴した。

A医師に再三「早く楽にしてやってほしい」などと要請した家族については、殺人教唆などの嫌疑はあるが「立件せず」と刑事処分を見送った。「安楽死」をめぐって医師の刑事責任が問われるのは初めてで、安易な安楽死に警鐘を鳴らした形だ。《共同通信》



【日産自動車】旧ソ連で直接販売

日産自動車は2日、旧ソ連で乗用車の直接販売に乗り出すことを明らかにした。来月、バルト三国とウクライナに新会社を設立し、ロシアなど全土への販売網拡大の布石とする。日産は旧ソ連の経済改革は西側諸国の援助などにより着実に進むと判断、日本の自動車メーカーでは初めて、大量販売につながる直接販売に踏み切る。6日からのミュンヘン・サミットでも旧ソ連支援が焦点となることから、日本産業界の積極姿勢を示すものとしても注目される。

旧ソ連ではトヨタ自動車、本田技研工業が技術者養成拠点や駐在員事務所を置しており、日産の決断は他のメーカーの進出を加速させそうだ。

新会社は、バルト三国全体の販売会社としてエストニアの首都タリンに設立される、「日産バルティックス」とウクライナの首都キエフに設立される「日産ウクライナ」。いずれも現地資本と日本の商社丸紅が日産車の専売会社として合弁で設立し、9月1日から欧州日産の供給を受けた乗用車「サニー」(日本名パルサー)「マキシマ」(日本名同じ)「プリメーラ」(日本名同じ)とワゴン車「アーバン」(日本名キャラバン)を販売する。年内に最低四か所の販売店を作り、当初は年間でバルト三国、ウクライナでそれぞれ500台の販売を見込んでいる。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】北方領土「G7も全面支援」

訪米中の宮沢首相は2日夕(日本時間3日朝)、ワシントン市内のホテルで同行記者団と会見し、内需拡大策について、今秋、事業規模で6兆円にのぼった87年度の景気対策の時と同程度の大型補正予算を検討していることを示唆した。また、北方領土返還問題に関しては、「先進国首脳会議(ミュンヘン・サミット)に出席する7か国(G7)首脳はみんな共通の認識を持っていてくれ、意思統一ができたと思っている」と述べ、サミットで参加全首脳の全面的支援が得られるとの自信を示した。

首相はまず、日米首脳会談で、「世界へのグローバルな共同責任」について話し合ったことを評価。さらに、北方領土問題について、ブッシュ大統領による日本の立場への全面支援表明を、「大変心強いと思っている」と明言した。

サミット前、首相はマルルーニー・カナダ首相、アマート・イタリア首相にも協力を改めて要請する予定だが、両国はすでに支持の姿勢を示しており、これら各首脳がエリツィン・ロシア大統領に日本支持の立場を伝えることに強い自信を示したといえよう。

日米首脳会談で首相が表明した内需拡大策については、「様子を見て必要ならばかなりのものをやると申し上げた。時期は言わなかったが、秋ごろにはと考えている」と述べ、景気刺激のため今秋補正予算を編成する方針を確認。さらに、首脳会談では、大型補正予算を編成した87年の景気対策が話題になったことを明らかにし、「どういうことをやるのか(米側は)見当がついているのではないか」と述べ、補正予算の規模は87年の2兆793億円に匹敵する大型になることを示唆した。

サミットで焦点の一つになる関税・貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の見通しでは、首相は「ブッシュ大統領は、『できればまとめたい。必要ならばベーカー国務長官を(欧州との交渉に)行かせたい』との考えを表明した。しかし、交渉がまとまる可能性がなければ行ってもムダになり、そこまでは判断しきれていないようだ」と述べ、サミット前に農業交渉をめぐる米欧州共同体(EC)の合意ができるのは難しいとの見通しを示した。《読売新聞》



7月2日のできごと