平成974日目

平成3年9月8日(日)

1991/09/08

【台風15号】成田足払い

関東東部をうかがうルートで北上中の大型台風15号は8日、早くも各地に被害をもたらした。成田空港に直結するJR、私鉄とも雨のため全面ストップ。利用客の足は大きく乱れ、国際空港へのアクセスの意外なもろさをみせつけた。

千葉県内では、浸水で約200世帯の住民がボートで避難する場面も。気象庁では、台風はきょう9日の正午前後に房総半島に上陸する可能性も残っているとみており、強い風雨に悩まされる通勤・通学風景が繰り広げられそうだ。

都心と成田空港を結ぶJR総武、成田線と京成電鉄は成田市内などで線路への土砂流出などがあり、ほぼ終日にわたって、運行がストップした。JRのエクスプレスはこの日一日で上下計42本が運休、これを含め、運休は計513本で約21万人の足が乱れた。

京成も佐倉駅構内の冠水などのため、午前10時過ぎから終電までスカイライナー上下37本が運休。一般列車は臼井-佐倉間でバスによる振り替え輸送を行なった。

東京・箱崎町のリムジンバス乗り場では待ち時間が通常の約4倍の1時間待ちとなったため、東京空港交通は22本の臨時便を増発、乗客をさばいた。

成田空港へ向かう道路はタクシーやマイカーで大渋滞に。航空機の出発時刻が迫り、「せっかくの海外旅行の機会をフイにしたくない」とスーツケースを持ったまま、高架道路を走る旅客の姿がみられた。

定刻より1時間近く遅れてチェックインカウンター一に現れ、混雑をかき分けて出国手続きのゲートを通過、走って搭乗口に向かう乗客も。対応に当たったカウンター職員は「高速道路から『遅れて行くが待ってもらえないか』と電話され、息せき切って来られる方もいた」と話していた。

到着客も自宅への足を奪われ、リムジンバスやタクシーの乗り場は長蛇の列。シンガポールへの社員旅行から午後5時過ぎに帰国した横浜市の会社員(56)は、やっととれたバスの出発が5時間後と知って、地下コンコースに座り込み、「機内では台風についての放送はなかった。こんな目に遭うとは」とうんざりした様子だった。

成田空港は、アメリカン航空の4便が欠航。羽田空港でも、エアーニッポンの伊豆諸島へ向かう便が11往復全便欠航。日本エアシステムの和歌山・南紀白浜行き1便が天候不良で途中で引き返した。

海の便では、伊豆七島へ向かう東海汽船の2便が欠航。神奈川・久里浜と千葉・金谷を結ぶ東京湾フェリーは1便を除き全便が欠航した。

千葉県習志野市では、集中豪雨で市内を流れる菊田川が各地で増水、津田沼地区では8日午前9時過ぎから、防衛庁宿舎やマンションなど15棟が床上や床下に浸水。約200世帯の住民が身動きが取れなくなり、同市消防本部では、ボート3隻を出して住民を避難させた。《読売新聞》

【宮沢喜一氏】総裁選「私は降りない」

自民党宮沢派の宮沢喜一氏は8日の民放テレビ番組で、党総裁選への出馬について「私は降りるつもりはない」と述べ、改めて総裁選立候補に向け不退転の決意を表明した。その上で宮沢氏は「(総裁選は)話し合いにはならない。私が引かなければ選挙にならざるを得ない」と指摘、公選により総裁選を戦い抜く考えを力説した。

海部首相に関しては緊急避難内閣としての役割に関し一定の評価をしながらも「待ちの姿勢だけでは駄目ではないか」と述べ、使命は終わったとの認識を示した。《共同通信》

【海部俊樹首相】ハンガリー首相と会談

海部首相とハンガリーのアンタル首相との首脳会談が8日夕、東京・元赤坂の迎賓館で約1時間半にわたって行われた。

この中で海部首相は、ハンガリーの民主化と経済改革成功のために「引き続きできる限りの資金的、技術的援助を惜しまない」と支援継続に積極的姿勢を強調。具体的には(1)昨年1月のハンガリー訪問の際に表明した日本輸出入銀行融資による5億ドル(1990年から3年間)の金融支援の上積みと期間延長(2)改めて今後2年間に4億ドルの貿易補償枠を設定、などを約束した。《共同通信》

【リトアニア】ソ連軍の一部が撤退

ソ連邦から51年ぶりの独立を達成した沿バルト・リトアニア共和国の首都ビリニュスから八日、駐留ソ連軍の一部部隊が、西隣のロシア共和国飛び地、カリーニングラードに向けて移動した。ソ連の暫定政策決定機関「国家評議会」が6日、沿バルト3か国の独立を認めて以来、駐留軍が共和国外に移動するのは初めてで、事実上の撤退開始と受け止められている。

ランズベルギス・リトアニア共和国最高会議議長は、ソ連軍は「外国軍」だとして、年末までに全部隊を撤退させるよう要求。リトアニア・テレビによると、共和国政府代表が交渉に臨むため、7日モスクワ入りしていた。

モスクワからの情報では、この代表団とシャポシニコフ・ソ連国防相の間で、ソ連軍撤退を年内に開始することで合意したと伝えられており、ソ連側が「善意のしるし」として一部撤退を行ったとの見方もある。

リトアニア政府スポークスマンによると、午前5時、装甲兵員輸送車9台、トラック16台とともに約50人の兵士が、ピリニュス北部の駐屯基地から、リトアニアの2台の警察車両に先導されて移動を始めた。ソ連軍は沿バルト3か国全体で約10万人が駐留していると見られ、うちリトアニア駐留分は推定約8万人。

駐留軍は、リトアニアで独立運動の盛り上がった昨年から今年にかけて、周辺地域から部隊が増強されていた。《読売新聞》

【F1・イタリアGP】ナイジェル・マンセル選手が今季4勝目

自動車レースのF1世界選手権シリーズ第12戦、イタリアGPは8日、モンツァ・サーキット(1周5.8キロ)で決勝レース(53周)が行われ、ナイジェル・マンセル(英、ウィリアムズ・ルノー)が1時間17分54秒319(平均時速236.749キロ)で、第9戦以来の今季4勝目(通算20勝目)を挙げた。

2位は1時間18分10秒581のアイルトン・セナ(ブラジル、マクラーレン・ホンダ)。選手権ポイントはセナが77で、マンセルに18点差をつけ依然トッープ。中島悟(ティレル・ホンダ)は24周目でリタイアした。《読売新聞》

【大相撲秋場所初日】貴花田、白星スタート

大相撲秋場所初日(8日・両国国技館)史上最年少関脇の貴花田は初日を白星で飾ったが、小錦が琴錦に完敗する波乱。貴花田は左を差し、右からおっつけて寄り立て、巴富士の、捨て身の腕ひねりに傾いたものの、右上手投げで仕留めた。小錦は、琴錦のノド輸攻めに後退した後、引き技に落ちた。旭富士は、先場所平幕優勝の琴富士を問題にせず、雪辱を果たした。《読売新聞》

十両以上の取組は32番あったが、「待った」は一番もなく、まずはきれいな立ち合い。しかも、相撲内容もそこそこの初日だったが、中でも、曙の突っ張りをさばいた若花田とともに、館内を沸かせたのは新入幕の舞の海だった。 1メートル74、94.5キロ。。関取ではただ一人、100キロに満たない小兵が、鮮やかな技で初日を飾った。 琴稲妻が飛び込まれてはうるさいと見て突っ張った。しかし、舞の海は、相手が右を突き外したのにつけ込んで、左を深く差して食い下がり、右で内無双。左のひねりが強烈だったため、見事に決まった。最近では、珍しく切れ味の鋭い技で、幕内前半の土俵の人気を集めそうだ。《読売新聞》

【ゴルフ・関西オープン】杉原親子が1、2位

男子ゴルフの関西オープン最終日は8日、兵庫ライオンズCC(パー72)で最終ラウンドが行われ、杉原輝雄(54)の長男、敏一(27)が初出場で優勝、賞金500万円を獲得するとともに、10月10日からの日本オープンの出場権を得た。この大会10度目のVを目指していた杉原輝は1打及ばず2位。同一大会の親子優勝は史上初めて。

ベストアマは、総合で18位に入った木村憲明(37)(花屋敷)が通算5オーバー、293で2年連続3度目の獲得。《読売新聞》

【全米テニス】ステファン・エドベリ選手が初優勝

8日閉幕したテニスの全米オープンの男子シングルス決勝は、第2シードのステファン・エドベリ(スウェーデン)が第4シードのジム・クーリエ(米)を下し、苦手としていた大会で念願の初優勝を飾った。

自ら「最高の出来。すべてのプレーが良かった」と言うエドベリは持ち味のサーブアンドボレーで先手を取り、要所は好リターンから相手サービスをプレーク。焦りと力みが目立ったクーリエを、優雅で冷静なワンマンショーでほんろうした。

過去、ウィンブルドン、全豪で2勝ずつを挙げているエドベリだが、この大会だけは極めて相性が悪く、過去8年間で2度ベスト4入りしただけ。初の第1シードになった昨年は1回戦で敗退とまさに鬼門。そこで今季はウィンブルドン終了後はこの大会に照準を合わせてコンディションを調整。静かな郊外の家で疲れをいやしたのも吉と出た。

この決勝進出の時点で再び世界ランキング1位返り咲きが決まった。昨年、ウィンブルドンを制した後「1位のプレッシャーに負けて、グランドスラムで好成績がなかった」と言うが、この日の快勝でそれも吹っ切れたことだろう。

残るビッグタイトルは2年前に決勝まで進みながら逃した全仏オープンだけ。1969年にロッド・レーバー(豪)が年間グランドスラムを果たして以来、男子ではだれもマークしていない四大タイトル制覇に向け、同じく全仏だけを残しているライバル、ボリス・ベッカー(独)との先陣争いが見ものになった。《読売新聞》



9月8日のできごと