平成934日目

平成3年7月30日(火)

1991/07/30

【社会党・土井たか子委員長】退任あいさつ

政権政党への脱皮を目指し、改革の行方を論議するとともに、田辺新体制をスタートさせる社会党の第57回臨時党大会が、30日午前10時過ぎから、二日間の日程で、東京・一ツ橋の日本教育会館で始まった。

冒頭、土井委員長が退陣のあいさつを行い、「社会党は今日、大胆に自らを見直すことを求められている」と述べ、現実への柔軟な対応、党改革推進の必要性を指摘すると同時に、同党が掲げてきた「原則と理念の実現」を強調した。

これを受け、党改革案に対する討議が同日午後から行われるが、早くも山口書記長の党務報告に対し、「党改革案は日米安保条約、自衛隊の容認につながる。非武装理念の放棄は時代錯誤」など、改革案への厳しい批判が飛び出した。改革案の修正、先送りなどをめぐり、白熱した論争が繰り広げられることになりそうだ。新執行部人事は31日に決定される。

土井氏はあいさつの中で、「政権獲得を目指す党となることを、改革の基準とすべきだとの声がある。野党第一党としてその課題は他に数倍する」としながらも、「政策形成にかかわるあらゆる能力を強め、国民の信頼を高め、主体的力量を身につける」ことによって「おのずから政権のレールにつくことができる」と強調。党の主体的力量を強化することを優先すべきで、無原則に政権政党を目指すものではないことを訴えた。

その上で、「立党の志は、自由と平等と平和を希求するたたかいの中に生まれた。憲法はその誓いであり、わが鏡だ」と指摘。「柔軟に現実に対応し、時には現実に妥協し、現実のゆがみをも受け入れようとの決意を固めている」とした上で、「その決意は、歴史によって体得した原則と理念を、一時を要しても実現するため」と説明、党の原則、理念の堅持を強調した。

また土井氏は「田辺さんは、党務でも国会対策でもベテランだ。必ずや田辺さんが、全党、いや全国民の期待にこたえていただけると信じている」と述べた。

大会では、土井氏に続いて山口書記長が党務報告を行い、一連の証券不祥事に一触れ、特別委員会の設置によって、真相を究明していく方針を示すとともに、再発防止に向けた“日本型”SEC(米証券取引委員会)の設置を改めて提唱。また政治改革問題で、小選挙区比例代表並立制を盛り込んだ政府・自民党の選挙制度改革案を、野党共闘の構築により廃案に追い込む決意を表明した。《読売新聞》

【風の子学園事件】園長逮捕

29日午後9時半ごろ、広島県三原市、小佐木島の私塾「風の子学園」から「園生2人が仮死状態だ」と119番。消防署員が2人を病院に運んだが既に死亡していた。広島県警は同学園内を現場検証するとともに、30日夕、監禁致死などの疑いで園長のS容疑者(67)を逮捕した。

死亡したのは兵庫県姫路市の会社員(38)の長男で中学3年A君(14)と、三原市の自営業者(47)の長女で無職B子さん。

三原署の調べでは、27日夜、S園長がたばこを吸っている2人を見つけ、28日午前0時ごろから、施設内の野外貨物コンテナ(長さ約4.4メートル、幅、高さ各2.4メートル)に監禁。29日午後9時半ごろに園長が様子を見たところ、2人は既に仮死状態だったという。

コンテナ内は換気扇もなく、内部は約50度近い蒸しぶろ状態で、解剖の結果、B子さんの死因は熱射病による脱水と分かった。

28日朝、園長が扉を開けたとき、2人は「もうしません、出してください」と泣きながら訴えた。しかし園長がゆるさなかったため、2人はコップ一杯の水も与えられず、45時間も絶食状態に置かれていたという。《共同通信》

【ルチアーノ・パバロッティさん】英で野外コンサート

30日夕、世界最高のテノール歌手、ルチアーノ・パバロッティの野外コンサートがロンドン・ハイドパークで開かれ、雨天にもかかわらず、市民約27万5000人(主催者発表)が集まった。3日間にわたって行われた史上最大の野外コンサート「ウッドストック」(69年8月)の31万人に匹敵する人出で、オペラがロックばりの人気を集めていることを裏付けた。

この日のコンサートは、パバロッティが歌手生活30周年を記念、出演料を返上して企画したもの。約100万ポンド(約2億3000万円)の会場設営費や警備費用などは、1枚平均350ポンド(約8万円)の有料券を4000枚発行してまかない、その他はいっさい無料。晴天なら、収拾のつかない人出になったに違いないとされるほどの盛況で、全員がずぶぬれになりながらオペラ界の「ウッドストック」をたんのうした。

招待席にはチャールズ皇太子夫妻、メージャー首相夫妻らも姿を見せ、いずれも首にタオルやビニールをかけただけの格好。パバロッティは途中、プッチーニの「マノン・レスコー」からの一曲をダイアナ妃にささげ、「この曲のタイトルは『私はこれまでこんな女性を見たことがない』というものです」と説明して、満場の鳴さいを浴びた。《読売新聞》



7月30日のできごと