平成816日目
1991/04/03
この日のできごと(何の日)
【イラク】政府軍、最後の反乱拠点を制圧
イラク国内で続いていたクルド人反体制組織の反乱は3日、政府軍が最後に残った主要都市スレイマニアを制圧した。クルド人約10万人はトルコ国境山岳地帯に避難したが、トルコ当局に入国を拒否されて、十分な保護もなく放置されている。
国営イラク通信は、イラク政府軍が3日、北部クルド人居住地帯の主要都市のうち、最後までクルド人反体制ゲリラが掌握していたスレイマニヤから「破壊・反逆分子」を一掃した、と報じた。スレイマニヤの住民は政府軍の市内への進入を「喜びとともに歓迎した」という。
一方シリアのダマスカスでイラクのクルド反体制組」一織、クルド愛国同盟(PUK)スポークスマンが、イラク最北部のザーフーの町が政府軍の手に落ちたことを確認。ゲリラは周辺の山中から政府軍に攻撃を加えており、キルクーク、スレイマニヤ、キフリ間の道路で攻防戦を続けているという。
スポークスマンはイラク国内のクルド人解放区からの無線連絡によって情報を、得ていると述べ、ゲリラ側は民間人の犠牲者をこれ以上増やさないために都市部から撤退した、と語った。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【海部俊樹首相】日米首脳会談「コメ問題も議題に」
参院予算委員会は3日午後、6日間にわたった平成3年度予算案に対する総括質疑を終了した。4日から一般質問に移る。
答弁の中で海部首相は、日米首脳会談でのコメ市場開放問題への対応について「二国間で取り上げる次元のものではないが、関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)全体の話の中で、あるいは話題になれば率直に話をしたい」と述べ、日米首脳会談の議題として想定していることを明らかにした。
社会党の細谷昭雄氏が「日米首脳会談でコメ問題に触れないのか」とただしたのに答えた。《共同通信》
【海部俊樹首相】米国へ
海部首相は3日午後9時、ブッシュ大統領との日米首脳会談に臨むため、羽田発の日航特別機で米国に向け出発した。首相には自民党の船田外交部会長、柿沢国防部会長らが同行。羽田では坂本官房長官、小沢幹事長ら自民党の首脳が見送った。
首相は3日午後(日本時間4日午前)、会談場所の米西海岸カリフォルニア州ニューポートビーチ入りし、4日午後(日本時間5日早朝)、首脳会談に入る。
このあと両首脳は異例の内外共同記者会見をし、日米関係の緊密さ、日米グローバル・パートナーシップ(地球規模の協力)の重要性を世界にアピールする。首相は6日早朝、帰国の予定。《共同通信》
【政界談話室】平常心強調もつかの間
○…海部首相は3日朝、好天の空を見上げて「天気も協力的だな」とにっこり。難題山積の中でこの笑顔はなぜ?とばかり記者団が東京などの知事選の苦境を問うと「各地方それぞれ事情があって苦戦だと聞いてます」とさらり。訪米についても「コメ問題を話しに行くんじゃないもの。もっと幅広い目盛りでやるから。(機中でも)よく眠れますよ。平常だもの」と平常心を強調した。
ところが政治改革法案の行方に質問が及ぶと途端にむっとして「一生懸命やってるじゃないか。君ら「(マスコミ)にも協力してもらわんと困る」と、今国会提出断念の観測にせっかくの平常心も忘れがち。
○…福岡市で記者会見した共産党の不破委員長は、北方領土問題について見解をひとしきりぶった後「実はいいものを見つけましてね」と黄ばんだ小冊子を取り出した。サンフランシスコ平和条約調印直後に外務省が出した「平和条約」と題する解説書で、北方四島のうち国後、択捉両島は放棄したことになっているという。
「だからサンフランシスコ条約やヤルタ協定の枠内でソ連と交渉したのでは、らちがあかない」と全千島列島返還論を展開したが、二島か四島かが焦点になりつつある今、これも独自の戦い?《共同通信》
【日経連・鈴木永二会長】コメ自由化「日米首脳会談で政治決断を」
日経連の鈴木会長は3日の記者会見で、5日の日米首脳会談で主要テーマとなるとみられるコメの市場開放問題について「海部首相はこの際殻を破ってやるべきだ。“コメは一粒も入れない”では、7月のロンドン・サミットを乗り切れるわけがない」と述べ、ブッシュ米大統領との会談の際、コメ自由化について政治決断すべきだ、との考えを表明した。
財界では、コメの部分自由化論が大勢となっているが、鈴木会長は、部分自由化の具体的方法として「例えば最初は全体の5%とか7%とかを自由化し、数字を十年後に見直すといった歯止め条項を設ければいい。日米政府間できっちり交渉すべきだ」と、首相の政治決断後に速やかに政府間交渉に移るべきだ、と強調した。
鈴木会長は、会見の中で首相の政治姿勢について「首相を応援してきたが、昨年8月の湾岸危機発生後は、危機管理や貢献問題でつまずきさっぱりだ。ここらで巻き返して、日本の態一度を鮮明にしてほしい」と、首相の奮起を促した。
その具体例としてコメ自由化問題を挙げ、「自民党の小沢幹事長は恐らく先のブッシュ大統領との会談で自由化問題を話し合ったと思う。地方選挙が終わらないとコメ問題を持ち出せない、と思っているとしたら問題だ」と指摘した。
さらに会長は、幕張メッセ(千葉市)での米国産米撤去問題やコメの自給体制に関連して農水省の姿勢を批判、「農水省は、第三次行革審会長である私との会談を申し入れているが、同省の姿勢が一向に変わらないようでは会う必要はない」と、農水省への対話を拒否する考えを示した。《共同通信》
【第63回選抜高校野球大会第8日】松商、64年ぶりベスト4
ベスト4に名乗りを上げたのは伝統校2校と初陣2校―。第63回選抜高校野球大会第8日は3日、好天の甲子園球場で準々決勝4試合を行い、松商学園(長野)が第4回大会以来64年ぶりでベスト4入りしたほか、春夏を通じ甲子園大会初出場の市川(山梨)が大会史上初の2試合連続の逆転サヨナラ勝ちで準決勝に進出した。広陵(広島)は11年ぶりで準々決勝を突破し、市川と同じ初陣の国士館も勝ち残った。
松商学園は、上田が天理戦(2回戦)に続いて大阪桐蔭(大阪)を完封し、3ー0で勝った。長野県勢のベスト4は1954年の第26回大会で優勝した飯田長姫以来。同じ初出場の桐生一(群馬)と対戦した市川は、1点を勝ち越された延長十一回、粘りを発揮、3ー2で逆転した。広陵は序盤の得点を小土居が守り切り、5―2で鹿児島実(鹿児島)を下した。国士館は集中打で中盤に逆転し、8ー1で坂出商(香川)を退けた。《共同通信》