平成795日目

平成3年3月13日(水)

1991/03/13

【米国】日本に掃海隊派遣を要請

イラクがクウェート侵攻とともにペルシャ湾に敷設した機雷を除去するため、米国が掃海隊派遣を日本に要請してきていることが13日、明らかになった。これは自民党の加藤政調会長が同日、国会内で開かれた自民、社会、公明、民社4党の政調・政審会長会談で野党側に伝えたもので、加藤氏は各党の考えを打診した。

野党関係者によると加藤氏は「外務省は問題になるとして派遣要請の公表を渋っている」とも付け加えたとされている。

これに対し社会党の伊藤政審会長は過去のイラン・イラク戦争のケースを持ち出して派遣に難色を示したが、民社党の中野政審会長は「自衛隊の保有する掃海艇を海上保安庁に所管替えして派遣したらどうか」と前向きな考えを示した。

掃海艇派遣については、自民党の国防関係三部会が同日、加藤氏に「実行に移すべきだ」と提言しているが、加藤氏は①イラン・イラク戦争の時と違い、今回は戦争が既に終結している②機雷は約千個もあり、放置すれば日本の原油供給にも影響が出る、と指摘し、野党側に協力を求めた。

反対の意思を表明した伊藤氏に対し加藤氏は「湾岸地域からの原油供給を阻止したのは社会党と(国民に)言われてもいいのか」と反論、派遣に重ねて理解を求めた。

これに関連して自民党の政策担当首脳は「新しい問題が出てきた」と述べ、掃海艇派遣問題が国連の平和維持活動(PKO)へ参加する組織づくりとともに当面の政治課題になるとの識を示した。

同首脳によれば、海上自衛隊は現在32隻の掃海艇を保有しているが、現地に輸送するのに「相当な期間がかかる」ため、派遣する場合には決定を急ぐ必要があるとみられている。

掃海艇の海外派遣は、イラン・イラク戦争当時に中曽根内閣で検討され、「公海上ならば法的には可能」とされたが、野党や世論の強い反発を考慮、政治的判断で見送られた経緯がある。今回は、日本と並んで多国籍軍に直接参加しなかったドイツが派遣を決めたことを背景に、国防族の間で派遣論が高まっている。《共同通信》



【東京都知事選】保守分裂が決定

海部首相は13日午後3時半から、都内のホテルで自民党都連などの推薦で東京都知事選に立候補する鈴木俊一都知事と2人だけで会談し、保守分裂のまま18日の告示で選挙戦に突入することを避けるため立候補を断念し、「候補一本化」へ協力するよう政治決断を強く求めた。しかし鈴木氏は首相の説得を拒否、立候補への意思を変えなかった。このため都知事選は保守分裂の泥仕合になることが事実上確定した。

自民党総裁として会談した首相は会談後、記者団に「分裂選挙だけはやめたいということを誠意を持って要請したが、それでよろしいとか、受諾したということではない」と述べ、話し合いが物別れに終わったことを認めた。鈴木知事も記者団に「機を逸した。今からでは(立候補辞退は)困難だ」と首相に答えたことを明らかにするとともに、首相と再会談する可能性もないことを強調した。

海部首相は都知事選候補問題では、小沢幹事長ら党側のさい配にすべてをゆだね、9日の新都庁舎落成式にも出席せず、鈴木氏との接触を慎重に避けてきた。しかし自公民3党の中央が推す磯村尚徳元NHK特別主幹が、事前の世論調査で現職の鈴木氏にリードされ、その理由の一つとして小沢幹事長ら自民党の露骨な“鈴木降ろし”に対する「有権者の反発があるとみられることから、「三顧の礼」(自民党前)を尽くした形をとるため、首相の側から異例の会談申し入れに踏み切った。

都知事選を乱戦含みとさせてきた猪木寛至(アントニオ猪木)参院議員が福田元首相の説得で出馬を断念する展開もあり、首相は「党総裁として誠意をもって(一本化へ)最後のお願いをする。これまで党選対任せだったが、できる限り努力する」と意気込んでいた。しかし、短時間(30分)の会談で鈴木氏に拒絶されたことにショックを隠していない。

この日の海部・鈴木会談は急きょ決まったもので、当初、首相は東京都渋谷区の知事公邸に鈴木氏を訪問することで打診したが、鈴木氏側から「公邸はパプリックな場であり、一国の首相をお迎えするのはどうか。どうしても会いたいなう場所は設営する」と公邸訪問を断られ、ホテルで会談することになった。《共同通信》

【政界メモ】社民結集やはりつかの間

◯…海部首相は13日、首相官邸で北海道知事選の自民党推薦候補佐藤静雄氏と会談。「相手が百とすればこちらは一」との佐藤氏の厳しい。情勢報告に、「自民党の国会議員がみんな自分の票を集めれば勝てるんだがなあ」「ベルリンの風が北海道にも吹かないのはどうしてだろう」と出るのはため息ばかり。

続いて都内のホテルで鈴木俊一都知事と会い、「分裂選挙回避」のため出馬断念を要請し+たが、にべもない返事。記者団の質問に首相は「誠意を持って話しました」と繰り返し、厳しい表情で「(鈴木氏が)受諾したということではありません」。統一地方選を前に、いまだなお春は遠い?

◯…この日の与野党政調・政審会長会談に社会党の伊藤茂氏とペアで現れた民社党の中野寛成氏は「こういうのもいいでしょ。社民仲良く手をとって」。すかさず伊藤氏が「僕のワープロには自公民という単語はない。自、公、民と一字ずつ打たないと出てこないいんだ」とエール。わきでこのや.りとりを開いていた公明党の二見伸明氏は「社民勢力の再結集かと。思いましたよ。まだ社公民は時効(自公)になっていないんだ」とまぜかえした。

そこへ最後に自民党の加藤六月氏が現れると、中野氏が「今日は一段とスーツとネクタイが似合いますね」と、あっさりくら替え。《共同通信》

【大相撲春場所4日目】

大相撲春場所4日目(13日・大阪府立体育会館)全勝の横綱北勝海と横綱旭富士、大関小錦が敗れる波乱の土俵となり、早くも役力士の全勝が消えた。4日目で小結以上に勝ちっ放し不在は昭和61年春場所以来。

北勝海は新小結曙のタイミングのいい引き落としに不覚を取り、手痛い初黒星を喫した。旭富士は引き技に出たのが失敗して貴闘力に押し出されて2敗目。かど番脱出を目指す小錦は安芸ノ島のとったりを食って2勝2敗。

しかし横綱大乃国は久島海を寄り切って3勝目を挙げ、大関霧島は栃乃和歌を下し連敗を2で止めた。幕内の全勝は平幕の貴闘力と貴花田の藤島部屋勢2人に減り、十両も栃司と舞の海の両力士になった。《共同通信》



3月13日のできごと