平成786日目

1991/03/04

この日のできごと(何の日)

【海部俊樹首相】自衛隊派遣「変更なし」

参院予算委員会は4日、90億ドル追加支援拠出のための平成2年度第2次補正予算案の審議に入った。

海部首相は参院が難民救済のための自衛隊機派遣に対し反対決議をした場合の対応について「内閣が責任と権限をもって決めた政令だから責任を持たなければならない」と述べ、政府の責任で決定した特別政令による派遣の方針に変更がないことを明らかにした。

首相はイラクのフセイン大統領の今後について「イラク国民が決めることだが、イラクが国家として国際社会に受け入れられる形で戻ってきてほしい」と述べ、現体制の変更が必要との考えを示唆した。

首相は湾岸戦争終結に伴い多国籍軍への追加支援が余った場合の対応について「武力行使が終わっても全部が終わったとは考えていない。湾岸地域の平和と安定のためいろいろなことを行う必要があり、そのために使われるようになると思う」と述べ、停戦によって90億ドルの使徒に剰余が生じた場合も、湾岸地域を中心とした戦後復興などに充当していく考えを強調した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【中村蒼さん】誕生日

【エストニア、ラトビア】77%以上が独立支持

ソ連バルト地方ラトビア共和国とエストニア共和国で3日実施された独立の意思を問う国民投票(世論調査)は即日開票の結果、4日朝(日本時間同昼)までに両共和国選管推計で、ともに独立支持票が77%を超す見通しとなった。

2月9日に世論調査を実施して、90%以上の独立支持を得たリトアニアとは異なり、ラトビアでは非ラトビア人が約50%、エストニアでは非エストニア人が約40%を占めている。このため非ラトビア人、非エストニア人の間にも独立志向が強いことを裏付けるもので、今後バルト三国が一体となってゴルバチョフ政権との独立交渉を開始するのに有力な根拠となろう。

ラトビアでは、首都リガの6地区中2区を除く共和国全体で投票率88.39%、独立賛成77.10%、反対21.31%で、ゴルブノフ共和国最高会議議長が目指した賛成70%を大きく上回った。

一方エストニアでも、有権者の6%を占めるコフトラヤルベ市の票が不明だが、選管推計で全体の投票率は82.86%、独立賛成が77.83%となり、いずれも4分の3以上の賛成を得た。

いずれも民族構成比の高い郡部の独立支持率が高く、ラトビアで80.76%、エストニアで93.38%の高率を示した。しかも両共和国とも、独立支持票が民族構成比を大きく上回ったことは、ロシア系住民の中にも独立派が相当数いることを示しており、ゴルバチョフ政権にとっては意外な結果となった。

独自の調査は認めない立場を取っているゴルバチョフ政権も、現実に示された共和国民の意思を無視するのは難しく、今後バルト三国一体となった独立攻勢とのあつれきは一層激しくなろう。《共同通信》

【京極派選挙違反事件】大阪地裁、122人全員に無罪

昭和61年の参院選大阪選挙区で落選した京極俊明氏(自民)派の選挙違反事件で、買収など公職選帯法違反の罪に問われた元高槻市議平野一郎被告(71)=高槻市=ら127人のマンモス裁判の判決公判が4日、大阪地裁で開かれた。

谷村允裕裁判長は「被告らの捜査段階での自白は不自然、不合理で信用できない」として、平野被告ら122人(求刑は平野被告が懲役1年6月、他が罰金7万円―2万円、追徴金3万円―3700円)に無罪を言い渡した。

自白に頼りすぎた捜査当局の選挙違反捜査に警鐘を鳴らした形だ。病気欠席した5被告については後日、判決が言い渡される。

判決で谷村裁判長は、現金授受があったとされる平野被告の後援会の役員会の存在、供応があったとされ、る宴会への京極氏の出席そのものに大きな疑問を投げ掛け、「捜査員の追及によって自白を強制された疑いがある」として結局「犯罪の証明がない」と結論付けた。

平野被告は選挙前の61年3−4月、自分の後援会員など他の126被告らに現金3万円ずつを渡したり酒食のもてなしをして京極氏への投票を依頼した、として起訴された。しかし同被告を含め全員が公判で無罪を主張していた。

この事件では、平野被告から買収や供応を受けたとされる135人がいったん犯行を認め、罰金などの略式命令を受けたが、全員が無罪主張に転じ、正式裁判を請求。その後、死亡などで被告の一部は裁判を終わっている。同地裁は大多数の被告に出頭義務を免除し、公判は主要メンバーだけが出廷して行われてきた。

この日の判決は、大阪地裁の二つの法廷に被告を約半数ずつ分け、裁判長が二回にわたって言い渡すという異例の措置が取られた。

一回目62人、二回目60人に対し谷村裁判長は「各被告人はいずれも無罪」と述べ、約5年に及んだ裁判は検察側の全面敗北に終わった。《共同通信》

【政界メモ】見返り政策要求にギクリ

○…自民党の小沢幹事長は4日、横浜港で行われたペルーへの中古トラック1000台の贈呈式に出席。「多くの方々の善意と友好の熱意が結実した。今後ともフジモリ大統領とペルー国民のためできる限りの善意を示したい」と、トラックを寄贈した自動車業界など関係者の努力をたたえた。

これを受けて日本自動車会議所の石原俊会長は「自民党が自ら音頭をとったことに大変意義がある」と言ったあとで「われわれも大きな贈り物を自民党から頂こうと考えている」と、見返りとして自動車業界向けの政策で何らかの注文を付けることを示唆。上機嫌だった小沢氏も、この時ばかりは内心ギクリ。

◯…自民党政治改革本部・定数是正小委員会の加藤紘一・元防衛庁長官は、このところ伊東本部長、羽田選挙制度調査会長から中選挙区での定数是正案作成をせっつかれて思案投げ首。政治改革本部は小選挙区比例代表制の実現を目指しており、加藤氏によると定数是正委は「開店休業のはずだった」。

伊東本部長らの意図は、100選挙区以上を動かす本格的な是正を実施しようというもの。しかし党内には“四増四減”程度でお茶を濁すことを期待する向きも多い。加藤氏自身「ちゃちな改正案は出せない」と腹をくくっているものの、まだどうするかの“決め手”はなさそう。《共同通信》

【イラク】反体制組織議長が会見

イラク反体制組織、イラク民主連合のサレハ・ダクラ議長は4日、共同通信に対し「イラクは湾岸戦争で敗北し、多数の人々が死亡した。このためフセイン大統領はイラク民衆の怒りを買っており、多数の町や市で民衆のデモが起きている」と述べ、「フセイン政権は数週間のうちに打倒されるだろう」との見通しを表明した。

議長は「フセイン政権と何ら交渉の余地はなく、軍事的に打倒するしかない」と強調、現在反体制勢力が、イラク南部の都市で、民衆のオルグ活動を展開中であることを明らかにした。

クウェートから敗走してきたイラク軍のエリート部隊の大統領警護隊も、一般民衆と協力関保を築きつつあるという。

またイラク北部のキルクーク、モスルでは、長年分離独立を求めて戦っているクルド人とイラク軍の不満分子が連合し、反政府活動を行っていることを明らかにした。北部での総兵力は5、6000人に達しているという。

さらにダクラ議長は10日にベイルートで開催される反体制連合組織の会合では、バスラに反政府革命政府の樹立が宣言されるだろう、と述べた。《共同通信》

第二の都市バスラを中心にイラク南部一帯に広がっている反フセイン政権暴動はさらに拡大、首都バグダッドにも波及していると伝えられ、5日付の英紙タイムズは「シーア派暴動拡大、バスラは反政府勢力の手に」との一面トップ記事で、フセイン大統領が既に四方を包囲されたと報じた。

国営イラク放送は4日夜(日本時間5日未明)、イブラヒム・イラク革命評議会副議長がワシット州に派遣されたと伝えた。副議長は州知事、マイサン州知事、ワシット州駐屯の第一軍団司令官らを集めてフセイン大統領に忠誠を尽くし、重大な事態に決然と対処するよう指示した。

イラクの報道機関が南部の暴動について、間接的な表現ながら言及したのは初めて。フセイン政権が事態を深刻に受け止め始めた証拠とみられている。《共同通信》

【西シベリア】ゴルバチョフ大統領退陣求めスト

ソ連第二の炭鉱地帯、西シベリアのクズネツ炭田で4日、賃上げと、ゴルバチョフ大統領の退陣、連邦会議への権力移行を求める24時間の政治ストライキが行われた。

ソ連で炭鉱労働者が大統領退陣を公然と掲げてストを打ったのは初めてで、保守化傾向を強めるゴルバチニョフ政権と急進派との間で始まった権力闘争が、労働運動にも波及していることを示している。

ケメロボ市のスト委員会が共同通信に明らかにしたところによると、同炭田の76炭鉱のうち28炭鉱で実施されたストはエリツィン・ロシア共和国最高会議議長の先の大統領退陣要求に呼応、連邦支配下のマスコミ機関の一部を共和国のものにせよ、などの要求に、ゴルバチョフ政権が12日までに応じなければ、無期限ストに入ると警告している。

労働者らはこのほか、マスコミ検閲の廃止や、軍隊での共産党支配の中止などを要求、急進派側に立つ姿勢を明確にしている。

この日は、ソ連最大のドネツ炭田でも賃金を2.5倍引き上げるよう要求して約250の炭鉱のうち、6炭鉱がスト入りした。

一昨年夏に大規模な炭鉱ストが全土で起きたソ連では、昨年7月にも、当時のルイシコフ政府の退陣を要求して、クズネツやドネツなどで政治ストが実施されたが、今回はついにその矛先が大統領に向けられた。

ドネツ炭田とカザフ共和国のカラガンダ炭田では1日に賃金引き上げを求め、一部で24時間の警告ストが行われている。《共同通信》



3月4日 その日のできごと(何の日)