平成736日目
1991/01/13
この日のできごと(何の日)
【ソ連】リトアニアに軍事介入
ソ連軍は13日未明(日本時間同日午前)、ソ連からの独立を目指すバルト地方リトアニア共和国の首都ビリニュスで、多数の戦車を動員してテレビ・ラジオ局などを攻撃、放送局のほか大蔵省と国際電話局の建物を占拠した。その際、銃撃を受けたり戦車にひかれるなどして市民ら少なくとも14人が死亡、140人以上が負傷する大惨事となった。
ソ連軍は親ソ派の政治団体「国家救済委員会」の名前で共和国全土に夜間外出禁止令を布告、救済委員会幹部が共和国の権力奪取を宣言しており、今回のソ連軍の攻撃は、ゴルバチョフ政権による独立運動の武力弾圧と、親ソ派共産党を中心とする救済委員会による政権樹立が目的であることがはっきりした。
昨年3月に独立を宣言した同共和国のランズベルギス政権は、最高会議(議会)への攻撃が迫っているとして「侵略者に抵抗する」よう市民に呼び掛け、約十万人の市民がバリケードで固められた最高会議前の独立広場に集まるなど、共和国側は抵抗の姿勢を強めている。
ビリニュス中心部にあるテレビ・ラジオ局は13日午前2時(日本時間同9時)すぎ、ソ連軍の攻撃を受け、約30分後に占拠された。近くの放送塔でも、戦車や装甲車数十両が、守備に当たっていた市民をなぎ倒し、無差別銃撃を加えたため、多数の死傷者が出た。《共同通信》
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ブッシュ米大統領は13日、ホワイトハウスで記者会見し、ゴルバチョフ政権によるソ連・リトアニア共和国への武力弾圧を強く非難する声明を発表、この中で「自制して行動している人々への武力行使は全く正当性がない。現状はソ連の改革の道を逆転させるものであり、人命を失わせるこれ以上の暴挙を慎むようソ連指導者に訴える」と非難した。
大統領は「米国はソ連の改革への努力を支援してきたが、こうした行動は米ソ関係を悪化させる」と述べた。ブッシュ大統領は11日に電話でゴルバチョフ大統領に懸念を伝えており、その直後の弾圧を極めて憂慮している。《共同通信》
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【大相撲初場所】初日
大相撲初場所初日(13日・両国国技館)横綱千代の富士が新小結隆三杉を押し出して幕内通算805勝となり、北の湖を抜いて史上1位になった。また横綱通算623勝は大鵬を抜いて単独2位。
他の3横綱も順当勝ち。旭富士は過去7勝7敗の苦手、再小結安芸ノ島を無難に寄り切った。大乃国は横綱初挑戦の曙を右下手投げで退け、北勝海は三杉里を押し出した。
大関小錦は右足首を痛めて突然休場したが、もう1人の大関霧島は再関脇栃乃和歌を寄り切って上位陣に波乱はなかった。《共同通信》
【フィギュアスケート】
フィギュアスケートの第59回全日本選手権最終日は13日、横浜市の新横浜スケートセンターで男女シングルとアイスダンス、ペアの自由を行い、女子は伊藤みどり(プリンスホテル)が7年連続7度目の優勝、男子は鍵山正和(愛知工大)が初優勝した。《共同通信》
【世界水泳】
水泳の第6回世界選手権最終日は13日、パースのスーパードロームで競泳の決勝6種目などを行い、女子200メートルバタフライで司東利恵(埼玉・春日部共栄高)が2分11秒06の日本新をマーク、銀メダルを獲得した。《共同通信》
【社会党・土井たか子委員長】イラク・フセイン大統領と会談
土井社会党委員長は13日正午すぎから、バグダッド市内の大統領府内でサダム・フセイン大統領と約1時間45分会談した。その中で大統領はクウェートからの撤退について「ブッシュ米大統領が決定を下していれば私の平和への気持ちは無駄になる」と述べ、国連安保理決議で設定された撤退期限の15日までに撤兵する意思がないことを強調した。《共同通信》
【英・メージャー首相】米国務長官と会談
英国のメージャー首相は13日夜、中東歴訪を終えたベーカー米国務長官と英国ケンブリッジ近郊のオルカンバリ空軍基地で約1時間15分にわたって会談し、湾岸情勢、ソ連リトアニア共和国問題について意見を交換した。
ベーカー長官は会談後、湾岸情勢、リトアニア問題で「米英両国の立場は完全に一致した」と述べ、さらに湾岸情勢に関して「(日程は)リトアニア情勢に影響されない。15日は重大な、紛れもない期限だ」と強調、期限前のイラク軍のクウェートからの無条件全面撤退を求める米英両国の立場を改めて確認した。
リトアニア問題についてベーカー長官は「現地の出来事に困惑している」と述べるとともに「旧思考への復帰はあり得ない。われわれは困惑しているが、状況を見守り続ける」と語った。
メージャー首相はリトアニア問題について「劇的な後退と見える。ソ連がバルト三国との交渉に戻ることを期待する」と述べた。
ベーカー長官は13日夜、帰国の途に就き、メージャー首相は14日、パリでミッテラン大統領と昨年11月の首相就任以来、初の英仏首脳会談に臨む。《共同通信》