平成663日目

平成2年11月1日(木)

1990/11/01

【最高裁】裁判制度100周年祝う

裁判所構成法の施行(明治23年)による近代的裁判度の確立から100周年を通えた記念式典が1日午前、東京都千代田区の最高裁大会議室で開かれた。

式典には天皇、皇后両陛下が出席されたほか、海部首相、衆参両院議長、全国の高裁長官、地・家裁所長ら約200人が出席。

草場良八・最高裁長官の式辞、首相、両院議長の祝辞に続き、天皇陛下が「社会に生じる紛争は複雑多岐にわたり、裁判所の果たす役割は、ますます重要になっており、節目の年を迎え、関係者一同が、裁判所の使命達成のため一層力を尽くすよう希望します」などと述べられた。

最高裁は100周年記念行事として2日、3日の両日、所内で資料展示会、見学会を開くが、両陛下は式典終了後、展示会場で大日本帝国憲法の原本、大津事件(明治24年のロシア皇太子傷害事件)や法定メモ訟(昨年)など有名裁判の判決書、明治時代の法服などの陳列品をご覧になった。《共同通信》




【東京都新宿区】警視庁寮で爆発

1日午後10時50分すぎ、東京都新宿区北新宿、警視庁統合寮清和寮(鉄筋五階建て)一階付近で立て続けに二回の爆発が起き、新宿署警ら課勤務のA巡査長(48)が死亡、5人が重軽傷を負った。

警視庁公安部は現場付近で火薬のにおいがしたことなどから、12日の即位の礼を前に都内で厳戒態勢を敷いている警視庁施設を狙った過激派によるゲリラ事件と断定、本格的捜査を始めた。今年に入り過激派のゲリラは60件目。

警察官が過激派のテロ、ゲリラ事件などで死亡したのは昭和52年5月9日、千葉県の芝山町長宅前警察官詰め所が過激派の集団に火炎瓶などで襲われ、1人が死亡して以来。

調べによると同10時53分ごろ同寮一階北側の台所付近で一回目の爆発音がした。このため付近を警戒中のA巡査長や寮に住む警察官、寮職員らが現場に近付いたところ、同10時59分ごろ、二回目の爆発が起きたという。

爆発直後の現場は混乱が続いており、公安部で、爆発地点の特定を急ぐ一方①一回目の爆発直後、紺色の服を着た男が現場付近から逃走②事件直後現場近くの検問を赤い車が突破—などの情報があり、目撃者捜しに全力を挙げている。

寮は独身寮で、新宿署を中心に他の署も含め、7、80人が入居している。けが人5人のうち3
人は新宿署員で2人は寮職員の親子。《共同通信》

【日本ハム・河野博文投手】球団に謝罪

9月始めから球団との連絡が途絶え、行方が心配されていた日本ハムの河野博文投手(28)が1日、東京都世田谷区の自宅に戻り、母親とともに東京・六本木の球団事務所を訪ねて持田球団社長、大沢常務に今回の騒動について謝罪した。

記者会見した河野は「もう野球ができないんじゃないかという不安感で頭の中が混乱し、ここ1ヵ月間、都内の友人宅にいた」と再起への“不安”を失踪の理由に挙げ「野球をもう一度やりたいと思っている」と出直しを誓った。

河野は5月24日の西武戦(東京ドーム)の練習中に左アキレス腱を断裂し、任意引退選手となって治療、リハビリテーションに専念していたが、9月始めから球団と連絡が取れなくなっていた。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】海部首相と会談

中曽根元首相は1日午後、官邸に海部首相を訪ね、3日からのイラク訪問のあいさつを兼ねて、約30分間会談した。

この中で、中曽根氏は「湾岸情勢は世界の危機につながる。平和的解決に日本も参加すべきだ」との考えを強調した。

さらに「今回一回限りか、何回か(フセイン大統領に)会ってみなければ分からないが、重大な関心を持って引き続き努力したい」と述べ、今回の訪問で平和的解決の糸口が見いだせない場合でも、イラク再訪問を含めて努力を継続する決意を表明した。またイラク訪問後、何らかの形で米側と接触することも検討していることを示唆した。

これに対し、海部首相は「湾岸情勢は厳しい」との認識を示すとともに「こういう時期に日本も(解決に向け)参加することは大切だ。全面的にバックアップしたい」と述べた。

首相からの親書は託されなかったが、中曽根氏は会談後「親書は必要ない。(訪問は)一人の政治家としての信念に基づいたものだ」と述べた。《共同通信》

【ネルソン・マンデラ氏】離日

南アフリカの黒人解放運動の指導者でアフリカ民族会議(ANC)副議長ネルソン・マンデラ氏(72)は1日午前10時15分、成田発の日航機で離日、次の訪問先マレーシアへ向かった。

マンデラ氏は先月27日に来日、東京や大阪での集会に参加したほか、滞在中、財政援助を求めて海部首相ら閣僚や財界人などと精力的に会談した。

会談はマンデラ氏にとって期待外れに終わったが、同氏は離日前に日航VIPルームで「間違えて報道されたことがあるので訂正する」と前置きしたうえ「市民の大きな支援に勇気づけられた。来日前、日本からお金がもらえない、と分かっていても、私たちは日本に来ただろう」と語った。

この日は空港に見送りの市民の姿はなく、静かな離日となった。《共同通信》

【ソ連・ロシア共和国】500日計画がスタート

ソ連・ロシア共和国は、大胆な市場経済移行を決めた500日計画(シャタリン案)を予定通り1日から実施した。タス通信によると、同共和国最高会議はこれに先立ち10月31日、同計画実施を賛成155、反対9で決定するとともに、共和国内の資源は共和国の資産であり、国家資産も共和国が権限を連邦側に移譲したものを除いて共和国の資産、と宣言する「経済的主権の保護に関する法」を採択した。

同共和国のシラーエフ首相は最高会議での演説で、ゴルバチョフ政権が、より中央集権色の強い市場移行計画を採択したため、シャタリン案を一部修正すると述べた。

同法は、連邦政府が保有しているダイヤモンド、金や外貨についても各共和国の資産であると主張し、また共和国の同意なしに連邦政府が海外と結んだ石油など共和国資源の売却契約を無効と規定している。ことし夏に最高会議が決定していたが、今回は法として採択された。

この決定については、ゴルバチョフ大統領が8月末、無効とする大統領令を出しているが、ロシア共和国が法律として改めて採択したことは、大統領令を無視したことになり、今後大統領から厳しい反応が出るとみられる。《共同通信》

【政界メモ】さながら兵士の壮行会

◯…1日昼の自民党安倍派の総会で、中曽根元首相のイラク訪問に同行する中島源太郎元文相と野沢太三参院議員があいさつ。中島氏は「日本人人質だけでなく各国の人質の解放と和平のテーブルに着くようイラクに主張してくる。特別機には慰問品、医薬品を議員一人当たり20キロ持って行く」と決意表明。続いて野沢氏も「私が身代わりになれるものであれば、代わりになっても人質を連れ帰りたい」とぶち上げると総会は拍手のあらし。

その後も、両氏は握手攻めにあうなどさながら戦地に赴く兵士の壮行会のよう。あまりのはしゃぎように幹部の一人は「野沢君の人質では荷が重いのでは。中曽根御大の人質ならともかく…」と皮肉っていた。

◯…公明党の坂井国対委員長はこの日の記者会見で、国連平和協力法案について「衆院段階で法案をつぶすとのわが党の決意通りに“衆院廃案”、はますます、ますます濃厚になった」と威勢のいいところを見せた。

金丸元副総理など自民党-内には法案の大幅修正で公明党と妥協、成立を目指すべきだとの声が出ているだけに、坂井氏としては自民党の“すり寄り”は迷惑千万らしく、会見でも「公明の不動の決意」をしきりと強調。この分だと坂井氏の“ますます”発言は日ごとに多用されそうだ。《共同通信》

【大阪府警】本部長ら14人処分

大阪府警の刑事汚職事件で、暴力団組長らから総額約1200万円のわいろを受け取っていた元西成署捜査四係巡査長A被告(39)=10月3日付で懲戒免職=が1日、収賄罪で追起訴されたことを受け、国家公安委員会と大阪府警は同日、椿原正博・同府警本部長に国家公安委員会訓戒など、A被告を監督する立場にあった14人に対する処分を発表した。

最も重い処分は、直接の上司に当たる香味幸雄・西成署長と同署の刑事課長、同暴力団担当係長の3人に対する減給100分の10、1カ月。A被告の収賄の期間が昨年2月から今年3月にわたっていたため、前、元職を含む監督者が処分の対象にされたほか、暴力団捜査の最高責任者である林則清刑事部長も国家公安委員長訓戒を受けるなど、広範な処分となった。

同府警では今年2月にも犯歴データ流出をめぐり、椿原本部長をはじめ17人を対象にした処分があったばかり。現職本部長が一年以内に2度も処分を受けたのは前任の新田勇本部長と同じで、またしても不祥事続きの大阪府警を印象付けることになった。

処分発表の会見で、椿原本部長は「組織を管理する者として深くおわびする。再発防止に努め、暴力団取り締まりを強化。信頼回復に努めたい」と、深々と頭を下げた。

また、会見の席上、古川定昭警務部長が、今回の不祥事を契機として、よりきめの細かい人事管理を図る目的で、警視庁などが既に採用している多方面本部制を来春にも導入することを明らかにした。《共同通信》




11月1日のできごと