平成657日目

平成2年10月26日(金)

1990/10/26

【プロ野球MVP】(セ)巨人・斎藤雅樹投手(パ)近鉄・野茂英雄投手

1990年プロ野球セ、パ両リーグ公式戦の最優秀選手(MVP)最優秀新人(新人王)ベストナインを選ぶ記者投票は26日開票され、近鉄の新人、野茂英雄投手がパのMVPと新人王を獲得した。MVP、新人王両方に選ばれたのは80年の木田(日本ハム)以来、プロ野球史上2人目。セのMVPは巨人・斎藤雅樹投手が初受賞し、新人王には中日・与田剛投手が選ばれた。

4月29日のオリックス戦でプロ野球タイ記録の17奪三振をマークした野茂は、登板するたびに三振奪取で球界の話題をさらい、7-8月には5試合連続で2けた奪三振のプロ野球新記録を残したほか、21試合2けた奪三振、三振奪取率10.99(1シーズン)といずれも前人未到の記録を作った。

2完封を含む18勝(8敗)は渡辺久(西武)と並ぶ最多勝。防御率(2.91)勝率(6割9分2厘)最多奪三振(287)と合わせ4タイトルを独占した。投票は清原(西武)との接戦が予想されたが、1位票で大きく差をつけてMVPを奪い、新人王は独走の選出だった。

セのMVPは対抗選手がいないまま斎藤が選ばれた。2年連続20勝をマークして巨人のリーグ優勝に貢献し、最多勝、最優秀防御率(2.17)の2タイトルがMVPを不動のものとした。

また35セーブポイント(救援勝利4、セーブ31)を記録して最優秀救援投手となった与田は佐々岡(広島)を抑えて新人王に輝いた。《共同通信》


ベストナインは、セ投手の斎藤とパ一塁の清原が満票で選ばれた。斎藤は54年の杉下(中日)以来2人目、清原は70年大杉(東映)以来3人目4度目の同部門満票選出。セ一塁の落合(中日)は他部門やパ時代を含めて9度目の受賞で、パ外野の秋山(西武)は5年連続、パ三塁の松永(オリックス)は3年連続になる。

球団別ではセが巨人3、大洋、中日、ヤクルト各2人で、2位広島からは選ばれず、パでは西武から4人が選ばれた。

MVP、新人王、ベストナインの表彰は31日、都内のホテルで行われる。《共同通信》


近鉄の野茂英雄投手(22)は26日、近鉄の選手会ゴルフ大会が開かれた大阪府泉佐野市のゴルフ場でのプレー中に吉報を聞いた。ナイン、球団関係者から掛かった「おめでとう」の祝福の声に「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げる。最多勝に勝率、防御率1位、奪三振王と投手の四タイトルを独占し、パ・リーグでは初の沢村賞も受賞した。この日の三賞と合わせて“八冠”の達成にも、いつもの律義な姿的は全く変わらなかった。

クラブハウス内で記者会見が行われた。「今までで、一番うれしい。うれしいとしか言いようがない」。淡々とし、た「野茂ペース」の中で精いっぱいの自己表現をし「ナインが僕のやりやすいようにしてくれたおかげ」とも。そんなふだん通りの表情が「税金対策が大変だね」と聞かれて「そうですね」とニヤハッと笑った時と「発表は朝から気にはならなかったか」との問いを「きょうはゴルフを頑張るぞ、と思っただけです」とかわした時に緩んだ。

プロ野球に入って多くのタイトルと賞を取ることは、子供のころからの夢だった。鳴り物入りで入団し、その夢をわずか一年目で実現してみせた。《共同通信》




【中曽根康弘元首相】イラク訪問が決定

中曽根元首相は26日、イラクに拘束されている人質の解放や、中東危機の平和的解決を働き掛けるため、イラクを訪問することを決めた。同日午前、自民党の小沢幹事長ら党四役、渡辺派幹部で中曽根氏に近い佐藤孝行幹事長代理が協議、党としても中曽根氏の訪問をバックアップする態勢をとることを確認したのを受け、決断した。

訪問の形態は今後詰めるが訪問団は佐藤幹事長代理を代表とする自民党代表団を派遣、中曽根氏をその顧問格とする方向。当初取りざたされていた政府特使としての派遣は見送られた。訪問は11月1日から5日までで、チャーター機を使用する。

中曽根氏のイラク訪問に関してはイラク友好平和連帯協会(会長・サルマン大統領府長官代行)のマーリブ事務局長が日本アラブ友好協会の佐藤文生前代議士を通じて招待。またイラクの在留邦人緊急対策委員会も中曽根氏の特使としての訪問を要請していた。

中曽根氏自身は事態打開に役立つのであれば訪問したい考えを以前から持っていたが、「全体的な和平への糸口ーがつけられるかどうかの見通しが立たない。また米国など「友好国との調整が必要」(中曽根氏周辺)として慎重な姿勢をとってきた。

さらに個人の資格で訪問した場合、スタンドプレーと受け取られかねないことから同氏周辺に慎重論が強かった。しかし離党中の中曽根氏に自民党議員団を随行させることで、党としての支援態勢を明確にしたことや、イラク側がフセイン大統領との会談実現を約束したことなどから、訪問に踏み切った。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】イラク訪問へ決意

中曽根元首相は26日午後、都内の渡辺派事務所で記者会見し、自らのイラク訪問について「大事な時機なので世界各国の立場を踏まえて、武力衝突なしの和平が実現できるか、フセイン大統領と会談して模索する。また各国の人質を同時に解放するよう訴える」と決意を述べた。

この中で中曽根氏は「会談の結果、武力衝突のない合理的な解決策(が見いだせれば、それ)を考慮しながら、どうやって達成できるか(各国の首脳と)相談することも考えたい」と述べ、訪問後に「各国首脳と会談する可能性を示唆した。

ただ具体的な解決策の腹案があるかどうかについては「行く前にタネを明かすものではない」と言及を避けた。また、中曽根氏は訪問を決断した理由として①最近のイラクの出方や国際情勢をみると傍観しているわけにいかない②現地の日本人が精神的にパニック状態になっており、一日千秋の思いで解決の手だてを待っている③これまでアラブ諸国と親しくしてきた政治家として責任を感じる—などを挙げ、「日本が和平や人質解放に向け積極的に活動しないと国民も残念に思うだろう」と強調した。

さらに、イラク訪問の際の自らの肩書について「一個の政治家として、衆院議員、元首相で行くのが一番いい。それ以上の肩書はいらない」と述べた。《共同通信》

【海部俊樹首相】「(中曽根氏イラク訪問は)二国間対話の一環」

海部首相は26日の衆院国連平和協力特別委員会で、中曽根元首相のイラク訪問が決まったことについて「私が中東訪問の際にラマダン・イラク第一副首相と二国間対話継続で合意したが、中曽根氏だけでなく、ほかのルートでもいろいろな努力をする」と述べ、中曽根氏のイラク訪問も二国間対話の一環との認識を示した。《共同通信》

【海部俊樹首相】平和協力法案成立に不退転の決意

海部首相は26日午前の衆院国連平和協力特別委員会で、焦点の国連平和協力法案について「戦争か平和かを問い掛ける法案ではない。平和政策をどうするか考えて出した法案であり、不退転の決意でお願いしている」と述べ、成立を目指す強い決意を表明した。

また首相は、「国連決議を受けてその実効性を高める目的で武力による威嚇、武力行使はしないことを限度に平和協力を行うのは憲法前文に書いてある責任だ」と述べ、同法案に盛られた平和協力隊の任務は憲法上の責務との認識を示した。自民党の鈴木宗男氏の質問に答えた。

首相は最近の各種世論調査での内閣支持率低下について「世論調査の結果は謙虚に受け止める。今後も精魂込めて努力する」と強調した。その上で「同法案の内容は誤ったイメージで受け取られている懸念がある」とし、政府として国民の理解を求めるため法案内容をPRする考えを示した。

鈴木氏が国連憲章の旧敵国条項に触れ「法案を成立させることが同条項の削除と日本が(安保理)常任理事国になることにつながるか」とただしたのに対し、中山外相は「その通りだ」と述べ、鈴木氏と同様の認識を示した。

また中山外相は自民党の杉浦正健氏の質問に対し①アジア諸国の法案への懸念を払しょくのため成立後、私自らが説明に行くことを含め特使を派遣したい②国連と日本との関係について日本の安保理加入問題を含めて議論する。有識者による諮問機関を設置したい—との考えを明らかにした。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】スペイン訪問

ゴルバチョフ・ソ連大統領は、ソ連最高指導者として初のスペイン公式訪問のため26日午後1時(日本時間同9時)すぎ、シュワルナゼ外相らとともにマドリードに到着、ゴンサレス首相らの出迎えを受けた。大統領は3日間のスペイン訪問後28日から、フランスを訪問する。

今回の訪欧は、欧州での冷戦終結、ドイツ統一後初めてで、ことし末までに予定されている西欧五カ国への訪問外交の皮切りともなる。

スペインのゴンサレス首相とは首相府で2回の会談が予定されており、両国の関係強化をうたう共同政治宣言に調印するほか、領事館の相互設置など約10件の定文書にも調印する予定。

両国間では特に懸案もないことから、首脳会談では、スペインからソ連への金融支援問題やペルシャ湾岸危機が焦点になるとみられる。

金融支援では、ソ連がスペインから消費物資を輸入するために必要な十億ドルの信用供与をスペイン側が行うことで事前の協議が進められているが、ソ連筋によると、双方の間では信用供与の具体的内容をめぐり一部不一致点が残されているという。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】スペイン国会で演説

スペインを訪問中のゴルバチョフ・ソ連大統領は26日国会で演説し、ペルシャ湾岸危機について「われわれは政治的解決のためにあらゆるチャンスを利用する」と述べて、ソ連が平和的解決を目指すことを改めて強調した。大統領に同行しているシュワルナゼ・ソ連外相は記者団の質問に対し「(湾岸問題で)新しい提案ではないが、頭の中に何らかのものはある」と答え、ソ連が政治解決に向けた解決策を具体的に示す可能性を示唆した。

この日マドリードの首相府で行われたゴルバチョフ大統領とゴンサレス首相との第一回首脳会談は主に、ソ連のペレストロイカ(改革)への支授問題を中心に話し合われ、湾岸問題についての意見の交換は27日午前の二回目の首脳会談に持ち越された。

大統領は国会演説で「各国が共同で、または二国間ベースで政治解決を目指すというソ連の姿勢は、国連決議履行に消極的と受け止められては困ると」述べ、ソ連が和平工作に当たりイラクに対してクウェートからの無条件撤退を求めた国連決議の枠を守るとの立場も改めて表明した。

大統領は冷戦終了後の欧州の在り方について将来の欧州は安全を保障する共通の構造を備えた国家連邦になるだろうと述べた。

これは、フランスのミッテラン大統領がことし1月に期待を表明した1990年代における「欧州連邦構想」と軌を一にするもので、スペインに続く28日からのフランス訪問を前に、来月19日からパリで開かれる全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議で、ゴルバチョフ大統領がミッテラン大統領と連携して、欧州の新しい秩序作りをめぐり主導権を握ろうとsていることを示しているとみられる。《共同通信》

【中国・楊尚昆国家主席】国連平和協力法案に警告

中国の楊尚昆・国家主席は26日、宇都宮德馬・日中友好協会会長(参院議員)ら一行と約1時間半会談、国連平和協力法案について、国会で可決されれば、中国人民の一部から「激しい感情的反応が出てくる」と、日本政府に強く警告した。

中国の最高指導者が直接的に同法案に対する厳しい見解を明らかにしたのはこれが初めてで、国会審議にも影響を与えるとみられている。また、朝鮮半島情勢については、先に貿易代表部の相互開設で合意した韓国との交流拡大の方針を明らかにした。

同行した久野忠治同協会副会長が明らかにしたところによると、楊主席は日本の周辺諸国侵略の歴史がなお、被害を受けた国民の記憶に生々しく残っていると指摘。「将来、過去の歴史が再現されることを心配している」と述べ、自衛隊の海外派兵を旧日本軍の侵略と重ね合わせて受け止めていることを明らかにした。《共同通信》




10月26日のできごと