平成622日目

1990/09/21

この日のできごと(何の日)

【中国・楊尚昆国家主席】「金丸氏訪朝に期待」

中国を訪れている竹下元首相は21日午後、楊尚昆国家主席、呉学謙副首相とそれぞれ会談した。竹下氏は、金丸元副総理らが24日から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問することを説明、「これを契機にアジア、特に朝鮮半島の平和につながれば幸いだ」と述べた。

これに対し楊主席は「中国としても朝鮮半島の緊張緩和を望んでおり、金丸氏らの努力を大変称賛している」と金丸氏らの訪朝が朝鮮半島情勢の安定に役立つことに強い期待感を表明した。

呉学謙副首相は「北朝鮮は今までは米国と(関係正常化の)交渉をする空気が強かったが、日本とも交渉したい機運が強まっているようだ」と述べ、北朝鮮が日本との関係改善を望んでいるとの分析を明らかにした。《共同通信》

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【海部俊樹首相】総裁親書で北朝鮮に謝罪へ

金丸元副総理が24日から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問する際、海部首相の金日成主席あての「自民党総裁親書」を携行することが21日に最終的に決まり、その内容が明らかになった。

親書のあて先は「朝鮮労働党中央委員会 金日成総書記」で、焦点となった過去の植民地支配について「朝鮮民主主義人民共和国の皆さまに対し、過去における日本の行為により耐え難い苦痛と多大な損害をもたらせたことについて深い反省と遺憾の意を表明したい」などと率直に謝罪。併せて初の自民党代表団の訪朝という新たな事態を踏まえ、日朝関係の改善に全力を挙げる決意を表明している。

北朝鮮側はこれまで、謝罪問題について「植民地時代の36年間の恥辱の歴史を忘れることはできない」との立場を一貫して表明。先に訪朝した自民、社会両党先遣団に対し、労働党の実力者である金容淳書記(国際部長)は「最高位当局者の公式で直接的、明確な謝罪」を要求した。

日朝間には国交がないことなどから、最終的には「総裁親書」の形で謝罪表明することで決着したが、親書の中で、北朝鮮を正式国名の「朝鮮民主主義人民共和国」と呼んだ上で、植民地支配をわびるとともに「このようなことを二度と繰り返してはならない」としている。

金丸氏自身も金日成主席との会談の席で「北朝鮮の人々に大きな苦痛を与えたことを深く反省する」と謝罪し、「総裁親書」を手渡す。

竹下首相(当時)が昨年3月、衆院予算委で北朝鮮を含む朝鮮半島全体に謝罪を表明した際、金日成主席が「日本当局の一部の人たちが良い発言をしている」と評価した経緯があり、金日成主席の対応が注目される。《共同通信》

【海部俊樹首相】関係改善へ意欲

24日から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問する自民、社会両党代表団の結団式が21日午後、東京・永田町の憲政記念館で開かれ、あいさつに立った海部首相は「今後、政府間の話し合いの窓口ができることを望む。政府としても将来に向かってできるだけの協力を続けていかなければならない」と述べ、日朝関係改善に強い意欲を表明した。

首相は、過去の植民地支配への謝罪問題について「わが国の行為により耐え難い苦痛を与えたことに対し、済まないことをしたというおわびの気持ちを表明してきた」と述べ、首相としても謝罪の意思があることを明確に示した。

冒頭、自民党代表団団長の金丸元副総理は「日朝間の厚い壁をぶち破り、風穴を開けることが訪朝の第一目標だ」と強調、第18富士山丸問題の決着に全力を挙げる考えを改めて表明した。

また、金丸氏は謝罪問題にも言及し「長年にわたって与えてきた苦しみや不幸について、歴代内閣は何とか解決しなければならないと考えてきたが、今日、まさにその時が来た」と、謝罪問題の重要性を指摘した。

社会党代表団団長の田辺副委員長も「これまで日朝両国民の友好が図れなかったのは遺憾だ。今回の訪朝を契機に関係正常化に向け努力しなければならない」とあいさつした。《共同通信》

【政府】多国籍軍支援へ「平和基金」

政府は21日の閣議で、中東貢献策の柱である多国籍軍支援経費の拠出先として、サウジアラビア、クウェートなどペルシャ湾岸6カ国でつくる湾岸協力会議(GCC)内に「湾岸平和基金」を設置することを正式決定した。同日中にGCC理事会との間で交換公文を締結する。

第一弾の多国籍軍支援経費は総額10億ドルだが、このうち政府が民間航空機、船などをチャーターして行う「輸送協力」と医療団派遣など「医療協力」にかかる費用1億ドル強を除いた9億ドル弱(約1228億8000万円)が同基金に拠出され、米軍主体の多国籍軍による資器材調達、輸送、据え付け等の経費に充てられる。また、今月14日に追加支出が決まった10億ドルの大半も同基金に拠出されることになる。

交換公文によると、同基金はリヤドに本部があるGCC理事会に置かれる。同時に、恩田宗駐サウジアラビア大使とビシャーラGCC理事会事務局長(クウェート)が代表を務める運営委員会を設置、拠出金の具体的使途を含む運用、管理全般に責任を持つ。使途など日本政府への報告は事後連絡となる。

今回の基金への拠出を含めて、貢献策第一弾の多国籍軍支援経費10億ドルは全額、本年度予備費で賄われる。

政府は「基金を利用して武器、弾薬類を購入することは考えていない」(外務省筋)とし、運営委の日本側代表がチェックする方針である。しかし、多国籍軍が基金を利用して武器、弾薬類を購入したかどうかを日本側が厳密に点検することは事実上、困難視されている。

中山外相も閣議後の記者会見で「多国籍軍の展開上、必要なものを処理していくということで(武器・弾薬類購入の懸念については)これからいろいろ対策を考える」と述べるにとどまっている。これに関連して外務省筋は運営委の活動を国内でバックアップするため、同省に基金担当職員を置き、物資の調達や点検作業を行わせる考えを明らかにした。《共同通信》

【イラク・フセイン大統領】撤退、妥協は絶対ない

イラクは21日未明(日本時間同日早朝)、国営テレビの深夜映画番組を中断して異例の革命評議会声明を発表、米国などが空域封鎖まで検討してイラク国民を「監獄」に閉じ込めようとしていると非難、クウェートからの撤退などで妥協する意思が絶対にないと強調した。

テレビは軍服を着け、厳しい表情で革命評議会とバース党の合同会議に出席しているフセイン大統領の姿を映し出した。

声明はこの合同会議(20日)の決定で「勝利までわが目標が揺れ動いたり変更されたりすることは絶対にないことを保証する」と断言した。声明は①空域封鎖などイラク制裁の一層の強化にもイラクは負けない②政治解決の誘いに乗って何らかの譲歩を考えるつもりもない—の2点を特に国内向けに強調しており、人心の動揺を防ぎ、今こそ正念場というムードを国内にもう一度つくり出すのが狙いとみられる。《共同通信》

【政界メモ】

◯…梶山法相は21日朝の閣議前の写真撮影の際、いきなり右手を上げて「官房長官、ちょっといいかい?きのう、外国人不法労働者の摘発で新宿へ行ったら100人近い。ストリートガールがいてね…」。

不穏当な発言と早トチリしたのか、これに驚いた海部首相は、法相の前に両手を広げて立ちはだかり「まあ閣議ですから、梶山さん」と発言を制止、首相に促される形で全員、閣議室へ。記者団が閣議終了を首を長くして待っていると、法相が悠々と姿を見せ「閣僚級でその話をした。首相は(梶山など)あそこ(夜の新宿)でぶん殴られて死んじまえと思ってるだろうから、ねぎらいの言葉などなかったよ」とケロリ。

◯…中国を訪れている竹下元首相はこの日、北京市内のアジア大会選手村に足を運び、北京市長を務めた焦若愚村長の案内で村内を視察。日本選手団の代表80人から出迎えを受けると、竹下氏は相好を崩して突然、両手をメガホン代わりに口にあて、大声で「アジア全体が競い合う中で、友好が促進される」「皆さんの元気な姿を見て、私も本当に元気付けられた」と激励。選手団から大きな拍手を浴びるとご満悦の様子。

首相退陣後、国内では努めて隠忍自重の竹下氏だけに「北京秋天」の下、久々の晴れ舞台に張り切りぶりも相当なもの。《共同通信》

【大相撲秋場所】13日目

大相撲秋場所13日目(21日両国国技館)横綱旭富士が1敗大関霧島の左外掛けに敗れ初黒星。平幕隆三杉に快勝した横綱北勝海を加えた3人が1敗で横一線に並ぶ白熱の優勝争いとなった。

大関小錦は寺尾の立ち合いの変化に敗れて4敗目を喫し、寺尾は8勝を挙げて再関脇の座を守った。新入幕の元気者貴闘力は、気合十分の取り口で新小結琴錦を破り10勝目をマーク。同じく新入幕の曙は花ノ国に勝って8勝目、昭和63年夏場所の序ノ口から15場所連続勝ち越しを記録した。十両は3敗力士がなくなり久島海ら4人が4敗で並び、人気者貴花田は勝ち越しを決めた。《共同通信》

【初井言栄さん】死去

意地悪な姑役などで、お茶の間にも知られた新劇女優の初井言栄さんが21日午後2時54分、胃がんのため東京都新宿区の東京女子医大病院で死去した。61歳。横浜市出身。

高校卒業後、俳優座を経て昭和29年、青年座創立に参加。巧みな演技で個性的なわき役として活躍した。舞台では「謀殺」の持統天皇役で主演、昭和53年の芸術祭優秀賞を受けた。ほかの代表作に「ザ・パイロット」。「豚と軍艦」など映画にも数多く出演したが、昭和52年に始まったフジテレビ系の“嫁と姑シリーズ”で市毛良枝ふんする嫁をいびる姑をコミカルに演じ、お茶の間の人気者になった。《共同通信》



9月21日 その日のできごと(何の日)