平成578日目

1990/08/08

この日のできごと(何の日)

【中国、インドネシア】国交回復

インドネシアと中国は8日、1967年から凍結していた外交関係を回復する覚書に調印した。両国は、65年の共産党クーデター未遂事件(9.30事件)を機に関係が悪化したが、これにより世界一、五位の人口を持つアジアの二つの大国は23年ぶりに歴史的和解を実現した。

覚書調印式に列席のためジャカルタを訪問した李鵬首相は11日から国交樹立に向けてシンガポールを訪問。これに伴いブルネイも対中国交樹立に動くことは確実で、中国の東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化はアジア太平洋地域の政治、経済に大きな影響を与えよう。

覚書はスハルト大統領、李首相の立ち会いの下、アラタス外相と銭外相の間で調印され、①両国は平和五原則、パンドン十原則に基づき友好を深める②大使館を相互に開設する–などが主な内容。

覚書のほか両国の新貿易協定も調印され、85年の直接貿易再開以来、中国が外交関係のないインドネシア産品に課していた30%の付加関税の廃止や経済交流の促進などを盛り込んでいる。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【第72回全国高校野球選手権】開幕

第72回全国高校野球選手権大会は8日、地方大会を勝ち抜いた49校が参加して甲子園球場で開幕。開会式に引き続き1回戦3試合が行われ、春夏連続出場の浜松商(静岡)が初陣の岡山城東(岡山)に打ち勝ったほか、沖縄水産(沖縄)成田(千葉)が2回戦に進んだ。

浜松商は1点を先行されたが、すぐに主導権を奪い返し、水島の大会史上20本目の満塁本塁打などで着々と得点。岡山城東の反撃をかわし12-6で勝った。沖縄水産は五回に先手を取り七、九回に加点。神谷が力投して7-1で高崎商(群馬)に快勝した。開幕試合は35年ぶりに出場の成田が、同点の二回に集中打で勝ち越し、6-2で都城(宮崎)を下した。《共同通信》

【政界メモ】消費税より高校野球?

◯…税制問題両院合同協議会の専門者会議が8日、前日に引き続き国会内で開かれたが、加藤自民党政調会長は、開口一番「この時間に会議をセットしたのは失敗だったなあ」とバットを振るまね。

甲子園の高校野球を気にしてのしぐさだったが、つられて伊藤社会党政審会長も「保利文相が始球式をやるそうだが、球は(ホームベースまで)-届くのかなあ」。加藤氏は「大丈夫。引退した田中竜夫さん(元文相)でさえ届いた。もっとも届いたといっても山なりだったが」などと甲子園談議ばかりに花が咲き、肝心の消費税問題のプレーボールには至らず。

◯…この日昼前、国会勤続25年議員となった小渕元官房長官の肖像画が衆院別館の第18委員会室に掲げられた。30号の作品で、小渕氏も「本物よりスマートでハンサムだ」と満足げ。肖像画の下の方には、官房長官として新元号を国民に発表した時の「平成」の書が入った額がさりげなく描かれており、ちゃっかりと“平成長官”をPR。

「やっと(肖像画が)揚がったなあ」と感想を漏らした後、慌てて「これで上がっておしまいでは(困る)…」と、肖像画と天井の間にすき間がまだあることを指して、今後の政治活動に意欲満々のところをアピールしていた。《共同通信》

【イラク政府】「クウェートを統合する」と発表

イラク政府は8日午後6時半、イラク国営放送を通じ、クウェートを統合すると発表、さらに強硬姿勢を強めた。

一方エジプトのムバラク大統領はこれに先立ちカイロで緊急会見し、米軍のサウジアラビア派遣とは別に、エジプトを含むアラブ合同軍がイラクに敵対行動をとらざるを得ない事態が切迫していると述べ、イラクに対し、クウェートからの撤退と、クウェート正統政府に復帰を認めるよう警告した。また危機回避のため緊急アラブ首脳会議を24時間以内にカイロで開催することを提唱した。

こうした中で米軍部隊は8日午後から、サウジに空路到着、ペルシャ湾情勢は一層緊迫の度を深めた。

イラク政府の声明では「クウェートはイラクの一部であり、歴史がそれを証明している」と統合の根拠を挙げ、侵攻後のイラクの強力な支援を受けて発足したアリ首相率いる「暫定自由政府」から、イラクへ帰属しフセイン・イラク大統領の指導の下に入りたいと要請を受けたと述べた。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】サウジへ5000人派兵

ブッシュ米大統領は8日、ホワイトハウスの執務室から全米向けテレビ演説をし、イラク軍の侵攻の脅威に対抗するため米陸軍の第82空てい師団と米空軍部隊をサウジアラビアに向け派遣、これらの部隊は同日中に到着すると発表した。

大統領は、米軍の派遣はサウジアラビアの要請によるもので、米軍はイラク軍侵攻を「抑止」するため他の諸国の軍隊とサウジアラビア防衛の任務に当たるとし、多国籍軍を編成することを明らかにした。

大統領は米軍派遣が「全く防衛的」であると強調、駐留が「あまり長くならないことを白む」と述べた。派遣規模は、米議会指導者に通告された内容によると、空てい師団を中心とした4000−5000人とみられる。

大統領はこの危機に対応する四原則として①イラク軍の即時、無条件、完全撤退②クウェートのジャビル政権の復帰③ペルシャ湾岸地域の安定確保④米国市民の生命の安全ーを挙げ、国際的な協議を経て軍隊派遣を決定した、と述べた。

大統領は演説の中で、イラクのフセイン大統領はクウェート侵攻はしないと約束しながら侵攻した上、四日後には撤退すると発表したにもかかわらず撤兵しなかったと指一捕、「約束は全く中身がない」と厳しく制した。

大統領はクウェートの新政権を「かいらい」とし、「受け入れられない」と述べた。イラクのクウェート侵攻事件については単に中東の問題にとどまらず「世界の問題だ」とし、日本を筆頭に挙げて先進諸国のイラク経済制裁を評価、ソ連、中国の対イラク武器禁輸にも言及。イラク軍のクウェート撤退を促すため国連安保理の制裁決議の実施に向けて強い決意を示した。《共同通信》

【中国・李鵬首相】ASEANとの関係強化

ジャカルタ訪問中の李鵬・中国首相は8日、インドネシアとの外交関係を回復する覚書などの調印式後、内外記者と会見した。

李首相は、カンボジア問題でボル・ボト派への軍事援助を当面継続する意向を改めて示す一方、カンボジア全四派の合意による和平達成を求め、インドネシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)と連携を強める姿勢を強調。「中国とインドネシアは、シアヌーク殿下を議長とする最高民族評議会(SNC)設置を求めることで意見が一致した」と述べた。

中国のポル・ポト派への軍事援助については「ソン・サン派やシアヌーク派へも援助をしている」と“特殊な関係”を打ち消したうえで「国連によるベトナム軍完全撤退の検証が終わり、各国がカンボジアへの軍事援助を停止するならば、中国の援助停止に困難はない。戦場でいかなる一派も勝利を得られないことは11年の実践が示している」と述べ、現段階での中国援助停止説を否定した。

李首相は、政治解決に向けて国連安保理常任理事国五カ国会議やパリ国際会議の役割を強調する一方「インドネシアを含むASEANの新たな努力を称賛する」と語り、近隣地域主導による和平努力を高く評価。さらにインドネシアがジャカルタでカンボジア四派の代表会議を開催することを支持すると述べた。

インドネシアとの二カ国間関係では中国に亡命したインドネシア共産党員らについて「人数は少なく、生存者も老齢で(両国間に)不愉快なことはもたらさない」と述べた。《共同通信》



8月8日 その日のできごと(何の日)