平成569日目

平成2年7月30日(月)

1990/07/30

【宮沢喜一元蔵相】中国・江沢民総書記と会談

中国訪問中の宮沢元蔵相は30日午前、北京の中南海で、江沢民・中国共産党総書記と1時間余にわたり会談した。宮沢氏が超党派議員団で訪米した際、ブッシュ米大統領の中国の一層の民主化努力を求める伝言を伝えたのに対し、江総書記は「私は米国の多くの友人からそのような話を聞いている。中米関係は大切だと考えているのでできるだけ早く回復したい。ブッシュ大統領に会ったらよろしく伝えて下さい」と述べ、対米関係の早期回復に意欲を示した。

これに関連し、民主化問題について江総書記は①われわれも民主公正を大切にしてきたが、西欧の民主化とは違う②民主は絶対的なものではなく、その国の歴史的伝統、経済の発展段階などに関係する③天安門事件は民主を要求し過ぎたとは思わないが、西欧の民主を持ち込もうとしたが受け入れられないものだ−−と述べ、中国の民主化と西欧の違いを強調した。

また朝鮮半島情勢について宮沢氏が、今後統一の方向に向かうのか、あるいはクロス承認になるのかとただしたのに対し、江総書記は「半島情勢が早く緩和することを望む。もともと一つの国だから統一できれば願ってもないことだ。韓国側から相互に貿易事務所を開こうとの誘いがあり検討している」と述べ、中韓間の経済関係促進のため貿易事務所の相互開設を検討していることを明らかにした。

また、中国の改革開放路線について江氏が「ソ連の中央集権的なやり方はあいまいだと気付いたので、開放路線を取った。西欧では計画経済と市場原理は相いれないという考えもあるが、われわれは公有制の下で市場原理の導入を進めようと模索している」と説明した。

今後の中国経済について江総書記は「中央の力と地方の権限のバランスをいかに取るかが大切だ。年6%の成長率でいけば、今世紀末に経済規模を倍増することは可能だ」と指摘した。《共同通信》




【原子力船むつ】洋上試験中断、帰港

原子力航行試験の際、原子炉の制御棒の動きを示す計器の信号回路で電気ノイズ(雑音信号)が発生するトラブルがあった原子力船「むつ」は点検・修理のため洋上試験を中断、予定より2日早い30日午後5時、青森県むつ市の母港。関根浜港に帰港した。《共同通信》

【オウム真理教】信者を両親が監禁していると告発

オウム真理教に入信している長男を両親が監禁し、出家の妨げをしているとして、同真理教東京本部の代表が30日、徳島県小松島市内の開業医夫婦を監禁罪で徳島地検に告発した。また、同代表は同日までに徳島地裁に人身保護請求を出した。《共同通信》

【第61回都市対抗野球】ヤマハ(浜松)3年ぶり3度目の優勝

第61回都市対抗野球大会最終日は30日、東京ドームで新日鉄広畑(姫路市)ーヤマハ(浜松)の決勝を行い、計7本の本塁打が飛び交った打撃戦の結果、ヤマハが12−11で3年ぶり3度目の優勝をした。《共同通信》

【中山太郎外相】米・ベーカー国務長官と会談

中山外相は30日午前9時(日本時間同10時)から、アジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)に先立ち、会場となっているホテルで、ベーカー米国務長官と約30分間、アジア・太平洋地域の情勢を中心に意見交換した。

会談では、日米両国が緊密な協力関係を維持しアジア地域の民主化支援を行うことを確認。アジア地域の最大の紛争であるカンボジア問題では、ポル・ポト派に影響力を持つ中国に対し、日米両国が働き掛けを行うことで合意した。

中山外相は①秋の国連総会の際、アジア・太平洋地域の外相会談を呼び掛けたい②モンゴルのアジア開発銀行加盟を進めたい―と提案したのに対し、ベーカー長官も賛成した。

会談では、ベーカー長官がアジア・太平洋地域の情勢をめぐり①アジア地域では改革の可能性が大きいミャンマー(旧ビルマ)、ラオス、ネパールなどの民主化支援、フィリピンの安定化が必要だ②カンボジア、インド、パキスタン、朝鮮半島などの地域扮装解決への協力が必要だ③ヨーロッパの緊張感泡の流れをアジアにも波及させ、将来の安定を目指さねばならない–とした上で、日米がパートナーシップを発揮してアジア地域、世界全体のための共同作業を行いたい、と提案した。

【中山太郎外相】APECで演説

日本、米国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)6カ国などアジア太平洋地域の12カ国が経済協力の推進について話し合う「第2回アジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)が、30日午前10時(日本時間同11時)、二日間の日程でシンガポールで開幕した。

会議には各国の経済・外交担当閣僚が出席。東欧諸国の変革など欧州を中心とする激変をにらんで、アジア太平洋地域の重要性を強調するのが討議の中心になるほか、貿易振興、人材育成など七分野の具体的プロジェクトの積極的推進を確認した。

初日午前、中山外相は冒頭演説で、難航している関税貿易一般協定(ガット)新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)について「交渉は現在、大きなヤマ場を迎えており、自由貿易体制で今日の発展遂げたわれわれアジア太平洋諸国は年内合意達成のため一層の貢献を行うべきだ」と訴えた。

中国、香港、台湾の参加問題については「アジア太平洋地域の繁栄にとって重要な役割を果たすものであり、その参加なくしてはアジア太平洋経済協力の真価は達成できない」と指摘した。

武藤通産相は東欧改革に伴い、先進国の資金がアジアから東欧にシフトする懸念について「日本はアジア諸国との結び付きが圧倒的に強く、心配ない」と強調した。

午後は「世界貿易の自由化」を議題に、関税貿易一般協定(ガット)新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の年内最終合意達成のため、各国が先進国と発展途上国の利害の対立を超えた政治的な決意を表明する。《共同通信》

【政界メモ】仙人のようなひげになる?

◯…海部首相は30日、首相官邸で自民党の山口敏夫・経済調整特別調査会長の訪問を受けた。かつては「海部降ろし」の急先ぼうとみられ、最近もコメの輸入自由化論を展開するなど何かと話題の多い山口氏から政権の順調ぶりを持ち上げられた首相は「あなた方のおかげですよ」と余裕たっぷり。

海部政権が続く限り、ひげをそらないという山口氏が今度は「中国の仙人のようなひげになりかねない」と探りを入れると、首相は「じゃあ白くなっちゃうんじゃないか」ー。さすがの山口氏も「そこまでやられちゃかなわない」と早々に退散。

◯…中山外相はこの日、シンガポールでベーカー米国務長官と会談した。冒頭、長官は「きょうは日米経済が議題でなく、国際情勢」とニヤリ。痛いところを突かれるのではと身構えていた外相もほっとしたのか、近くモンゴルを訪問する長官に「モンゴルの選挙は投票率91.9%だった」などと事前説明の大サービス。

ジャカルタでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)からの日本脅威論に対し、長官が「小さな意見」と助け舟を出すなど、構造協議のころのギクシャクがうそのようで、外相も「長官とは深い信頼関係を確立している」と上機嫌だった。




7月30日のできごと