平成565日目

1990/07/26

【宮澤喜一元蔵相】中国副首相と会談

北京訪問中の宮澤元蔵相らは26日夕、市内の中南海で呉学謙副首相(外交担当)と約1時間会談した。

呉副首相はこの中で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が金丸元副総理を団長とする自民党代表団を9月に招請する方針を明らかにしたことについて「金丸氏のようなハイレベルの人が北側(北朝鮮)と接触することは朝鮮半島の緊張緩和にプラスになると考える」と積極的に評価した。

これは宮澤氏に同行している加藤元防衛庁長官が「北朝鮮が今後、外国とより接触するようになるのか」と質問したのに答えた。呉副首相は「われわれも朝鮮半島情勢が緊張緩和の方向に向かうことを望んでいる。日本と北朝鮮の接触には賛成で、ますます多くなることを望んでいる」と日朝間の交流進展に期待を示した。

さらに朝鮮半島情勢に関して「南(韓国)も北も平和の旗の下にあり、緊張緩和を望んでいるが、具体的なことになると意見が一致しない。日本が南だけでなく、北とも接触し、相互理解を深め、朝鮮半島情勢の緊張緩和を進めてほしい」と要望した。

また呉副首相は東欧の社会主義体制の激変について、「社会主義はう余曲折の状況に入り、低調な状態だ。変化から一年たったところもあるが、今後も変化は続くだろう。一部の国は明らかに社会主義をやめたが、一部の国は社会党に名称を改めてはいるが共産党が依然主要的地位にある。今後も注目していく必要がある」と述べた。《共同通信》



【神戸高塚高校校門圧死事件】教諭を懲戒免職処分

兵庫県立神戸高塚高校1年のB子さん(15)が校門で圧死した事故で、同県教委は26日午前、門扉を閉めたA教諭(39)を同日付で懲戒免職処分に、校長を戒告、教頭と教育長を訓告とし、教育次長2人を厳重注意とする関係者計6人の処分を発表した。校長はこの日辞表を提出、受理された。

同日午後2時、記者会見場の県教委記者クラブに現れた教育長は、50人を超える報道陣を前にまず、自らの訓告を含む6人の処分を読み上げ「死亡した生徒と、父母らに重ねておわび申し上げる」と改めて頭を下げた。

処分理由については「A教諭が安全確認を怠った。教育者として著しく配慮に欠けていたと断ぜざるを得ない」とばっさり。

しかし「何を根拠に判断したのか」との問いには、「総合的に判断」と繰り返すだけで、結局調査内容は一切明らかにしなかった。

教育長はまた、校門指導について「神戸高塚高校では先生方が交代で校門に立ち、指導していたのは効果的。各校の事情に応じて考えてほしい」などと完全に学校側にげたを預けた格好。「県教委としての取り組みは」との問いにも「報告を受け」「協議して」と具体的なスケジュールや体制は示さずじまいだった。

「校則至上」「管理主義」への厳しい批判の声に対し、同県教委の答えは背景となった教育体制への反省は一言もなく、事故を起こした教諭を最も重い懲戒免職処分として事足れりとする明らかな“トカゲのしっぽ切り”に終わった。《共同通信》

【ソ連共産党・ヤコブレフ氏】関係深めれば領土解決

桜内衆院議長を団長とする国会代表団は26日午前10時(日本時間同午後3時)から約2時間半、ソ連共産党中央委本部でヤコブレフ大統領会議メンバーと会談した。

ヤコブレフ氏は「領土問題は障害というが乗り越えなければならない。幅広い関係で話し合っていけば解決する」と述べ、日ソ関保全般の改善の中で領土問題の解決を図る意欲を表明した。

これはゴルバチョフ大統領が桜内氏に「領土問題は存在しない」と原則論を述べたのを補足、大統領来日に向け領土問題で現実的に対応する柔軟姿勢を示したものである。また、アジア・太平洋地域の軍縮問題については「大幅な軍縮の動きもあるし、その「意もある。二国間、多国間の話をする機会もある」と指摘し、中国、韓国との関係改善を基盤にした近く新たなアシア軍縮を提案する考えを示唆した。

ヤコブレフ氏は日ソ間の交流の中でも「経済が一番大事だ」と表明、日ソ関係改善の決め手が日本側の経済支援と強調した。さらに同氏の持論の「第三の道」について「三段階論とかいわれているが、私はそんなことは言っていない」と述べたうえで、「双方の立場を尊重しながら幅広い関係を深めれば領土問題は解決できるとの考えだ」と強調した。《共同通信》

モスクワ滞在中の桜内衆院議長は26日もヤコブレフ大統領会議メンバーとの会談など、活発な議員外交を続けたが、前日のゴルバチョフ大統領との会談での北方領土問題に対する厳しい反応は「外相など閣僚経験豊富な老練政治家、桜内氏にとっても計算外だった」(同行筋)ようだ。

この間の東西緊張緩和の進展もあって、桜内氏としては「訪ソに当たって北方領土問題を何とか前進させたいとの意欲をひそかに燃やしていた。結果は「領土問題は存在しない」との冷ややかな回答を引き出しただけに終わったが議長周辺は「日本の楽観ムードに水を差し、現実に目覚めさせた意味はあった」と元気づけていた。《共同通信》



7月26日のできごと