平成542日目

平成2年7月3日(火)

1990/07/03

【九州地方】大雨による死者が24人に

集中豪雨に襲われた九州中・北部では、3日早朝から警察、消防団などが捜索活動を再開、災害現場の本格的な復旧作業も開始した。被害がもっとも大きかった熊本県阿蘇郡一の宮町で行方不明の5人の遺体が発見され、熊本市、熊本県鹿本郡、佐賀県多久市でもそれぞれ1人が遺体で見つかった。

行方不明者が3人いた大分県竹田市では2人の無事が確認された。

九州管区警察局によると、1日からの被害は死者24人、行方不明3人、負傷者26人、家屋全壊108戸、床上・床下浸水3万1084戸、道路損壊256カ所、がけ崩れ736カ所。《共同通信》




【ゴルフ・伊藤涼太さん】誕生日

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【海部俊樹首相】内外格差縮小を推進

政府は3日午前、首相官邸で政府・与党経済構造調整推進本部(本部長・海部首相)の会合を開いた。

会合では社会資本の充実などを盛り込んだ日米構造協議最終報告取りまとめを受け、日本の経済構造調整の進ちょく状況について「国民生活の質の向上、消費者利益の増進の観点から、まだ十分な成果が表れていないところもある」との認識で一致。今後①内外価格差の縮小②労働時間の短縮③土地対策―など各分野での一層強力な施策を推進することを確認した。

これを受けて海部首相は、9日からの先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)で日本の政策努力を説明するとともに「各国首脳との対話を通じ、各国との政策協調を進め、世界経済の安定的発展に貢献したい」と、サミットに臨む決意を表明した。

大蔵、経企、通産などの関係閣僚が過去一年間の経済構造調整の取り組み状況について「今や内需主導型の経済成長が実現し、対外貿易不均衡も縮小傾向にある」などとおおむね改善されていることを報告した。

これに対し、自民党側からは奥野行財政調査会長が内外価格差縮小への取り組みの必要性を強調。山口経済調整特別調査会長が外交、文化、環境問題などについて日本が積極的な役割を果たすよう求めた。《共同通信》

【アルベルト・フジモリ氏】IMFに融資を要請

来日中のペルーのアルベルト・フジモリ次期大統領は3日、日本記者クラブ(東京・内幸町)で記者会見し、国際金融界での孤立脱却が新政権の「対外政策の柱」であると強調、その第一歩として国際通貨基金(IMF)に累積債務返済のため総額18億ドルのつなぎ融資を要請したことを明らかにするとともに、2日の会談で海部首相に対し、先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)で中南米諸国の債務問題を取り上げるよう依頼した、と述べた。

18億ドルのつなぎ融資については、6月29日、ニューヨークでのIMF側との会談の中で、「IMF、世界銀行、米州開発銀行への債務返済遅延分支払いのため」として提案。IMFを通じて日本など先進国がローン供与国グループを形成するよう求め、「早ければ10月にも支援が始まるだろう」との見通しを示した。

会見でフジモリ氏は、深刻な経済危機と社会不安でペルーは重大な局面を迎えていると指摘。不安の「温床」である麻薬、テロ問題については、貧困の解決以外に打開策はないとして、外国民間投資の受け入れなどによる経済開発、雇用拡大、教育・厚生施設整備で対応すると訴えた。《共同通信》

【金丸信元副総理】時代に沿った防衛計画を

金丸元副総理は3日夕、都内のホテルで開かれた日本戦略研究センター(金丸会長)の創立10周年記念祝賀会であいさつし「国民の生命や財産守るのが政治の基本だ」と防衛力整備の必要性を強調すると同時に「時代に沿った防衛計画でなければならない」とも述べ、次期防衛力整備計画に当たっては東西冷戦の終結など国際情勢に配慮して策定すべきだとの考えを明らかにした。

金丸氏は2日開かれた同センター役員会で、次期防について「慎重に検討するということなら、来年度予算は今年と同規模でいいのではないか」として、次期防の先送りを示唆したとされる。この点について金丸氏は「問題提起をした」とだけ説明したが、従来、防衛力整備に熱心だった金丸氏が、国際情勢の変化を念頭に置いてやや慎重な姿勢を示したことは注目される。

金丸氏は、日本を取り巻く国際環境について「ゴルバチョフ・ソ連大統領がペレストロイカ(改革)の一環で進める軍事力削減努力が、日本の平和にもつながることを考えると、これを支援するのがわれわれ西側陣営務めだ」とし、ペレストロイカの成功がアジア・太平洋地域の平和と安定に大きく貢献するとの考えを強調した。《共同通信》

【中山太郎外相】NATO事務総長と会談

ベルギー訪問中の中山外相は3日(日本時間4日未明)、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部でウェルナー事務総長と約1時間会談した。

この中で外相は「日本は今後、NATOとの対話をさらに強化したい」と表明。具体策として①1991年度以降の次期防衛力整備計画(次期防)策定を進める上で情勢判断のためNATOとも緊密に情報交換したい②ウェルナー氏を現職事務総長としては初めて日本に招請すると―の考えを示した。事務総長は来日を了承した。

また外相は、欧州の緊張緩和を背景に東西間の軍備管理・軍難交歩が進む中で、欧州で削減されるソ連兵力、兵器のアジアへの移転に懸念を示し、事務校長は、そうした事態にならないよう対処を約束した。

年内の取りまとめが予定されている次期防をめぐり、政府は6月から安全保障会議(議長・海部首相)を頻繁に開催する一方、日米安保条約に基づいて防衛庁の日吉防衛局長(当時)らを米国に派遣、意見交換を進めている。外相が今回、「情勢判断のため」という限られた範囲であっても、次期防に関連、集団軍事機構であるNATOとの接触に初めて言及したことは、集団的自衛権を禁じている憲法との関係で論議を呼ぶのは必至とみられる。

会談で、外相は事務総長の質問に答えてアジア・太平洋の軍事情勢を説明し「ソ連の艦隊など装備数は減っているが、装備近代化により軍事力はむしろ増加している」などと述べた。その上で日本の防衛力について「次期防を策定中だが、この重要な時期にソ連の内政、軍縮問題が変化しているので、NATOと緊密に連絡、情報交換して正しい情勢判断をしていきたい」と強調した。《共同通信》




7月3日のできごと