平成520日目

1990/06/11

この日のできごと(何の日)

【ノーラン・ライアン投手】6度目のノーヒットノーラン達成

米大リーグ、レンジャースのノーラン・ライアン投手(43)が11日、カリフォルニア州オークランドで行われたアスレチックス戦で自己の持つ大リーグ記録を更新する通算6度目の無安打無得点試合を達成した。

ライアン投手は今季、4月中に4勝をマークしていたが、5月に入って腰痛を起こし「15日間の故障者リスト」に載って戦列離脱。この日が復帰後2試合目の先発登板だった。同投手はJ・カンセコ、マグワイアを欠いたとはいえ現在大リーグ最強といわれるア軍打線から14三振を奪う快投を演じてノーヒットに封じた。許した走者は四球による2人だけだった。また43歳での快挙達成は、サイ・ヤング投手(レッドソックス)の41歳を抜く最年長記録。

同投手は1966年、メッツで大リーグに昇格。快速球を武器に主戦投手となり、工ンゼルス時代に4度(73年2、74年、75年)ノーヒットノーランをマーク、アストロズに移籍後の1981年に大リーグ記録の通算5度目の偉業を達成していた。大リーグ通算成績は294勝266敗。《共同通信》

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【中国・楊尚昆国家主席】韓ソ首脳会談に不快感

中国の楊尚昆国家主席は11日、笹川平和財団の笹川良一名誉会長ら一行と会見し「南朝鮮(韓国)の盧泰愚大統領の外交活動の結果、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の孤立化が深まり、このままでは「(朝鮮半島に)二つの国家が出現することになるので望ましくない」と述べた。盧、ゴルバチョフ両大統領による韓ソ首脳会談に対する中国指導者として初の不快表明として注目される。

楊主席はさらに、北朝鮮が立化しないよう日本は交流強化に乗り出すべきだとし、「北朝鮮の態度も少し緩んでいるようだ。イメージを変えようと努力している」と強調した。また、カンボジア国民政府大統領のシアヌーク殿下とヘン・サムリン政権のフン・セン首相が東京会議で共同声明に調印したことについて、楊主席は「それなりに評価している」と述べつつも「四派間の合意でなければ、支持できない。会議は成功しなかった」と指摘した。

台湾の李登輝総統が最近、中台間の統一を目指す「政府間協議」を提案したことについては、改めて「拒否」の立場を確認。「人民と人民、共産党と国民党の交渉なら歓迎する」と述べ、台湾に「政府」の存在を認めない姿勢を強調した。日本に対しては「第三次円借款を早急に実行してほしい。できればアジア大会以前を望む」との要望を明らかにした。

江沢民総書記、李瑞環・共産党政治局常務委員もこの後、相次いで笹川氏一行と会見した。《共同通信》

【露天風呂・漁火】落成式

越前町が厨地区の海岸沿いに建設を進めていた越前温泉露天ぶろ「漁火」が完成し、11日落成式が行われた。日本海をじかに眺めながら入浴でき、観光客の人気を集めそう。

「漁火」は、鉄筋かわらぶき平屋建て150平方メートルの和風造り。露天ぶろは男湯14平方メートル、女湯12平方メートルのほか、ガラス張りで外が見える内ぶろも男女それぞれがあり、計50人ほどが一度に入浴できる。総工費は1億1000万円。《福井新聞》

【森光子さん】海部首相に“注文”

恒例の海部首相主催による「芸術文化関係者との懇親のつどい」が11日午後、首相官邸中庭で開かれた。歌舞伎、日本画界の重鎮をはじめ人気歌手、女性タレントら約1200人が招かれ、首相は「公正で心豊かな社会を21世紀につくり上げるため、それぞれの分野で理解と協力を」とあいさつした。

これを受けてベテラン女優の森光子さんが招待客を代表してマイクを握り「総理がお忍びで劇場に来たとか、吉元ばななの本を徹夜で読んで国会で眠たかったとか、そんな温かいほほ笑ましいことを国民が耳にすることも文化に関係が深いのです」と、首相に“注文”を付けた。

会場は雨を心配してテントが張られ蒸し蒸しする暑さ。首相はメーンテーブルで人気絶頂のタレント宮沢りえさんや歌手の柏原芳恵さんらヤングアイドルに囲まれご満悦だった。《共同通信》

【海部俊樹首相】消費税「見直しへ努力」

政府提出の消費税見直し法楽と野党四会派提出の税制再改革基本法案など消費税廃止法案の趣旨説明が11日午後、衆院本会議で行われ、今国会最大の課題である消費税問題の本格論戦が始まった。

海部首相は「見直し法案が一日も早く成立するよう最大限努力する」と述べる一方で、与野党による協議機関の設置には「異論を差し挟むものではない」と両法案の相打ちを念頭に与野党の話し合い決着に前向きの姿勢を示した。これに対し提案者を代表して趣旨説明に立った社会党の伊藤政審会長は「欠陥消費税は見直しによって矛盾を解消できない」と廃止を主張した。

質問には、自民党から塩川党税調会長、野党側から島崎前党政審会長ら5人が立ち、廃止法案関連の質問には伊藤氏ら提案者人が答弁した。

野党提案者は、消費税廃止後の税制再改革の進め方について政府の審議会として国民税制改革協議会を設置し、新税制の在り方など幅広く検討する方針を改めて表明した。これに関連し、再改革の具体案を示していないとの指摘には、「前もって明らかにしては租税民主主義に反する」として同協議会にゆだねる考えを示した。

さらに今回は代替財源案が一欠けているとの批判に対しては昨年の国会提出案を踏襲するとしながらも「与野党の責任のもとで措置されるべきだ」と述べるのにとどまった。

政府側は海部首相が「具体的な代案がなされないのに廃止をすることは考えられない」と廃止法案を批判。橋本蔵相も「国民的、長期的利益という高い次元からの議論を期待する」と述べた。しかし、与野党の協議機関の設置については首相が「国会の状況など諸般の事情により与野党が責任を果たすとの立場から各党合意しきたんない意見が交わされる」との考えを示し、両法案がいずれも成立の見込みがない以上、見直しを前提に話し合いに入るべきだとの考えを強調した。

首相は、参院福岡補選の自民党候補敗北にも触れたが、「率直に受け止め国政の重要課題の解決に努力する」とし、消費税論議との関連には言及を避けた。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】東独・デメジエール首相と会談

ブッシュ米大統領は11日、訪米中の東ドイツのデメジエール首相とホワイトハウスで約2時間にわたり初めて会談した。

両首脳は①北大西洋条約機構(NATO)を大幅に変革②通常・核戦力削減交渉を一層推進③全欧安保協力会議(CSCE)を強化–などの手続きを踏み、ソ連の安全保障上の懸念を取り除けば、統一ドイツのNATO加盟は可能となり、こうした手続きが重要との点で一致した。

一方、フィッツウォーター米大統領報道官は同日、統一ドイツのNATO加盟問題に関し、先の米ソ首脳会談で米側が9項目の基本的立場を提示したことにより、ソ連は米政府がソ連の安全保障に配慮していることを理解したもようで「かなりの進展をみたと感じている」と述べた。

報道官によると、ブッシュ大統領とデメジエール首相は①東西ドイツが統一時点で主権を完全に回復②統一ドイツのNATO加盟問題はCSCEのヘルシンキ最終宣言に従いドイツ人が自由に選択③欧州の安定、安全保障を保証するためNATOと在欧米軍は重要な役割を維持–の三点でも合意した。

デメジエール首相が同行の東ドイツ記者団に説明したところによると、両首脳は将来の欧州安全保障の枠組みにソ連を含めるべきだとの点でも一致。首相は、統一ドイツのNATO加盟問題でゴルバチョフ・ソ連大統領が「心理的な困難」に直面しており、これを解消するのに重要なのは東ドイツ駐留ソ連軍の扱いでの合意達成であると説明した。

首相はまた東ドイツ記者団に、ワルシャワ条約機構が年末までに再度首脳会議を開くことになるとの見通しを示した。また、ドイツ統一は年内に可能かの問いに、戦勝四カ国と東西ドイツによる六カ国協議が順調に進み、さらに諸条件が整えば「可能性を除外しない」と語った。

東西ドイツ誕生以来初の米・東ドイツ首脳会談は、昼食を共にして行われ、ブッシュ大統領はデメジエール首相の改革の努力を称賛、会談の最後には室内楽団が招き入れられ、音楽家でもある首相の愛好するハイドンの曲が演奏された。《共同通信》



6月11日 その日のできごと(何の日)