平成504日目
1990/05/26
この日のできごと(何の日)
【韓国・盧泰愚大統領】両陛下訪韓を正式招請
盧泰愚韓国大統領は26日、天皇陛下とのお別れ会見で天皇、皇后両陛下が即位の礼後に訪韓されるよう正式に招請した。両陛下の訪韓が実現すれば初めてとなり、両国関係に大きな区切りをもたらすことになる。これに先立ち大統領と海部首相は第二回首脳会談で「世界的視野に立った日韓協力関保」の構築へ向け努力することで一致、海部首相の訪韓も外交ルートで検討することで合意した。大統領はこのあと日本記者クラブで記者会見に臨み、三日間の訪日の成果を「新しい時代を開こうとする両国の共通の熱意を感じた」と締めくくった。大統領夫妻は大阪を経由して夕方、帰国する。
盧泰愚韓国大統領は同日午前11時すぎ、天皇、最后両陸下が東京・元赤坂の迎賓館を訪れ、お別れのあいさつをされた際、両陛下に対し韓国ご訪問を招請した。お別れの場に同席した宮内庁の角谷式部官長が明らかにした。
訪韓の時期などについては今後、日韓両国の外交ルートを通じて具体的な検討に入る。訪韓は早ければ来春とも予想されている。
両陛下が午前11時すぎ、玄関ホールに入ると、大統領は半歩前へ進み天皇陛下と握手「またお目にかかれてうれしいです。再会を楽しみにしています」と笑顔であいさつした。皇后陛下には「心からの歓迎に満足しています」と話した。そのあと両陛下と大統領夫妻は「朝日の間」で懇談した。
角谷式部官長によると、懇談の席で、盧大統領は天皇陛下に「即位の礼(11月)の後には陛下も外国訪問をなさることになると思いますが、その際には韓国にもおいでいただきたい」と正式に招請した。これに対して陸下は「政府方と相談してご返事申し上げます」と答えられた。《共同通信》
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【海部俊樹首相】韓国・盧泰愚大統領と会談
海部首相と盧大統領は26日午前9時から約1時間半にわたり、東京・元赤坂の迎賓館で第二回日韓首脳会談を行った。
大統領は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との南北対話について「いずれ対話は進展し統一への道は開かれる。それが歴史的必然との観点から忍耐強く進めていく」との考えを表明、日本の協力・支援を要請した。首相は「北朝鮮はいずれ変わる。日本も北朝鮮に対話を呼び掛けている。韓国と十分連絡しながらやっていきたい」と述べ、対北朝鮮政策の積極的展開で一致した。首相は「いずれ韓国を訪問したい」と、時期を見て訪韓する意向を伝えた。
首脳会談では「未来志向的」な日韓関係を築いていくとの観点から、朝鮮半島情勢、経済を中心とする国際情勢、経済・科学技術協力をめぐる二国間問題について話し合い、世界的視野での協力を確認した。
朝鮮半島情勢で大統領が1988年7月7日、南北関係改善のための「七・七宣言」以来、自主、平和、民主を基本原則に対話を進める努力を続けてきたことを説明。ソ連、東欧との北方外交について「半島の平和という観点から精力的に進めてきた。半分の外交から全方位外交になったが、これを進めるに当たっては日米両国をはじめ友邦と協議し理解を得た上でやることが肝要と考えている」との認識を示した。首相はこれに対し「北方外交の成果を歓迎する」と答えた。
国際経済をめぐってはアジア・太平洋地域の役割が増大、域内相互依存も高まるとの認識から、両国の政府間協力体制を整備することで一致。盧大統領が来年ソウルで開催予定のアジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)に対して日本の積極的な協力を要請するとともに、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)では特に農業問題での両国の緊密な協力が必要だと指摘した。
大統領は①両国間の貿易不均衡の拡大を是正し、拡大均衡にしてほしい②先端技術の移転に消極的なので、日本の間企業に働き掛けてほしい③産業協力を推進してほしい―と強く求めた。《共同通信》
【海部俊樹首相】「過去」に区切りで一致
海部首相は26日午前の日韓首脳会談後に首相官邸で記者団のインタビューに答え「盧泰愚韓国大統領の訪日は、日韓新時代を構築する上で大きな、喜ばしい成果を上げることができた」と二度にわたる会談の成果を強調するとともに、両国間の過去の歴史について「過去の問題に区切りはついた、との点で両首脳の認識は一致した」と述べ、首脳間では過去の歴史問題に決着がついたとの見解を表明した。
首相は、最大の懸案となっていた日本の植民地化など過去の清算問題について「歴史の経緯を踏まえて、その反省に立って率直に申し上げた。盧大統領も(日本側の)歴史認職について高く評価してくれた」と述べた。さらに今後の日韓関係再構築に向け「自由と民主主義の価値を共有する、近くて近い隣人として前進しなければならない。両首脳に将来に向かっての共通の認識が生まれた」と強調した。
韓国側が強く求めている技術移転、原子力平和利用などの諸問題については「できることについては双方で協議続けながら、なるべく早く実一現していく」と述べ、韓国側の要求に前向きに対応していく姿勢を示した。同時に「日韓の二国間関係を乗り越え、アジア・太平洋地域の発展や平和と安定に協力していきたい」と述べ、日韓が協力してアジア・太平洋地域の平和安定に取り組んでいく考えを強調した。《共同通信》
【石川県】7市で土曜閉庁スタート
金沢、小松、七尾など石川県内7市で26日、土曜閉庁がスタートした。各市とも事前のPR活動が徹底し当直職員を増員するなど対応したためか目立った混乱もなく、閉庁を知らずに訪れる市民もわずかで、まずはスムーズな閉庁初日となった。今月12日には松任市がひと足早く実施に踏み切り、これで県内全8市で四週六休体制が整ったことになる。
すべての部、課が業務を取りやめた金沢市本庁舎では、午前中、電話の問い合わせが約80件、直接足を運んだ市民らが約50人を数え、当直員と臨時で出勤した人事課、市民課、管財課職員の計6人が対応に当たった。
金沢市の場合、電話の問い合わせは土曜閉庁を知りながら、閉庁でも受け付けできる手続きについて確認するケースが大半だったが、住民票の交付や年金の住所変更、軽自動車の登録を求めに訪れた市民らの多くは閉庁を知らなかった。出生、婚姻、埋葬許可などの届け出関係は通常の土曜午後、休日同様に夜間休日受付窓口で扱い、午前中は婚姻届1件、埋葬許可3件を受理した。土曜閉庁でも生活環境、福祉、教育文化施設などはこれまで通り業務を行い、職員約3600人のうち53.6%が休んだ。
窓口センター入り口前では、人事課職員が市民一人ひとりに用件を聞いたうえで閉庁を知らせ、午前9時ごろに週末を利用し埼玉県から本籍地の確認に訪れた夫婦は、肩を落としながらも「ご苦労さまです」「すみません」と盛んに頭を下げる職員の説明を受け、引き揚げた。
小松市では正面通路に車の進入を禁止する鎖が張られUターンしていく車も。しかし、当直室の電話はふだんと変わらず鳴り、女子職員や様子を見にきた市幹部らが応対に追われる場面もあった。また、七尾市では朝から市民ら約10人が訪れたものの、緊急を要する人の姿はみられなかった。《北國新聞》
【大相撲夏場所】14日目
大相撲夏場所14日目(26日・両国国技館)1敗の千代の富士が小錦に完敗、1敗を守った旭富士が二度目の優勝に後一歩と迫った。
千代の富士は立ち合い負けして小錦に一方的に押し出された。一方の旭富士は厳しい相撲を取り、右突き落としで栃乃和歌を土俵上にたたきつけた。
千秋楽に旭富士が北天佑に勝てば昭和63年初場所以来の優勝が決まる。旭富士が敗れ、千代の富士が霧島に勝つと、ともに13勝2敗となって春場所に続く優勝決定戦となる。
千代の富士戦4連勝の小錦は11勝目、横綱北勝海は霧島を押し出して10勝目をマーク。新大関霧島は5敗目を数え、北天佑は久島海の小手投げに6敗目。再関脇寺尾が負け越して関脇、小結は全員負け越した。十両は大若松と大翔山が3敗を守って千秋楽を迎える。《共同通信》