平成503日目

1990/05/25

この日のできごと(何の日)

【韓国・盧泰愚大統領】国会で演説

韓国の盧泰愚大統領は25日午前、韓国元首として初めて衆院本会議場で演説し、21世紀に向けた新たな日韓協力関係の在り方について「いまこそ政治、経済的力の次元を超えた包括的善隣友好の時代に移行しなければならない」と強調した。それに基づき「同伴者(パートナー)」として、先頭に立ってアジア・平洋地域の平和と繁栄に向け協力する必要性を訴えた。朝鮮半島情勢について「平和的統一を今世紀中に成し遂げようとしている」との意欲を示し、そのために朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を同伴者として孤立化させることなく、開放政策へ転換するようあらゆる努力をしていく方針を示した。

演説は「変化する世界の中の新たな韓日関係」と題し、約20分間行われ、社共両党を含む各党の衆参議員が出席した。

日韓間の包括的善隣友好協力を打ち立てるに当たって大統領は「両国民の真の友情を阻む心の壁は依然、残されたまであり、過去の過ちに対する認識と感情を整理できずにいる」と、現状への不満を述べ、過去のわだかまりを断ち切るための「双方の行動」を呼び掛けた。

具体的には①欧米と同様の市場開放、貿易不均衡改善措置の韓国への適用②技術移転、基礎科学協力の促進―を実現するよう要望した。

大統領は、ソ連・東欧の激動により、世界は冷戦構造に代わる新秩序の模索を始め、欧州のように「統合化」が進むとの認識を表明。

アジア・太平洋地域でも「共同体関係を発展させるのは時代の流れ」とし、大統領自身が1988年の国連総会で提唱した米ソ中日を含めた「東北アジア平和協議会議」(六者協議)に言及しつつ「韓日関係はアジア・太平洋の努力の土台、核心的役割である」と、両国関係の意義を強調した。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係については①北韓(北朝鮮)に間もなく変化が訪れ、開かれた世界に登場するだろうし、われわれにはそのためにあらゆる努力をする②東欧諸国と外交関係を樹立し、ソ連、中国との関係を改善する韓国の「北方外交」は、南北統一の条件整備に寄与する―とし「われわれは決して北の孤立化を望んでいない」と述べた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【B’z】シングル「BE THERE」発売

【大相撲夏場所】13日目

大相撲夏場所13日目(25日・両国国技館)横綱千代の富士と大関旭富士が順当勝ちして1敗を堅持、優勝争いはこの2力士にほぼ絞られた。千代の富士は寺尾の突っ張りを受けて立ち、逆に押し出した。旭富士も力強い取り口で久島海を寄り切った。

十両は大若松と大翔山が3敗を守りトップに並んでいる。《共同通信》

【巨人・木田優夫投手】プロ初完封

巨人3-0大洋◇25日◇横浜

木田が散発4安打、無四球の力投でプロ初完封勝利をマークした。

木田は制球が抜群だった。早いカウントから追い込んで、速球とフォークボールで勝負。甘いコースはほとんどなく、大洋打線を完全に抑え込んだ。これで3連続完投勝ちの6勝目。

大洋も中山が中盤まで互角にけ合った。だが、球威のやや落ちた七回に村田の中援飛で1点を失い、八回は二死一、三塁のピンチで降板。代わった岡本透が代打呂を歩かせた後、駒田に2点適時打を浴び、勝敗の大勢が決まった。

大洋は今季二度目の零敗で、首位巨人とのゲーム差が4.5と広がった。《共同通信》

【中山太郎外相】韓国・崔浩中外相と会談

中山外相と崔浩中外相による日韓外相会談が25日夕、東京・元赤坂の迎賓館で行われた。冒頭、両外相は日韓原子力協力取り決めなどに署名した。

会談の中で中山外相はアジアの平和と安定について相談するため、ことし秋、ニューヨークでの国連総会の際にアジア諸国の外相会談の開催を提案した。崔外相は「有益だ」と同意した。

二国間問題では国際経済の変化に対応するため、経済担当外務審議官クラスによる定期的な経済協力会議の設置の方針で合意した。崔外相は技術協力について「いろんな分野での積極的協力をお願いしたい」と述べた。三世問題では崔外相が一、二世、特にこれから出生する二世にも三世同様の法的地位を与えるよう要請。在韓被爆者援護問題への対応は高く評価した。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】韓国大統領夫妻と散策

「お疲れではありませんか」と天皇陛下。「一つひとつの行事が日韓を近寄らせるもので疲れません」と盧泰愚韓国大統領―。来日二日目を迎えた盧大統領夫妻は25日午後、天皇、皇后両陛下の招きで東京・元赤坂の赤坂御用地内にある赤坂御苑を、両陛下とともに約20分間散策、日本庭園の緑や風景を見ながら、リラックスした。

宮内庁関係者によると、前夜の晩さん会で、不幸な過去について「痛惜の念」を表明された陛下と、「過去を洗い流して」日韓新時代の幕開けを訴えた大統領が、庭園わきの玉砂利を敷いた小道で再会、まずにこやかに握手した。

大統領から「忙しい中、心和む機会を設けていただいたご配慮に感謝します」とあいさつがあった。天皇陛下と大統領はそれぞれグレー、紺色の背広姿、皇后さまはクリーム色の小紋の着物、大統領夫人はフジ色のチマチョゴリ姿。

両陛下は大統領夫妻と、キショウブや紫ラン、サツキが黄、紫、ピンクの花を咲かせる中池の周囲、約350メートルをゆっくりと歩きながら、時に立ち止まってご歓談。

別れの際には淡い日差しを避けるように木陰で約7分間対話を楽しみ、すっかり打ち解けた様子。来日以来、多忙を極めただけに、大統領夫妻にとっては心やすまるひとときだったようだ。《共同通信》

【韓国・盧泰愚大統領】日韓間の核心問題は解決

盧泰愚韓国大統領は25日、韓国特派員団との懇談で「日韓間の核心問題は解決されたと思う」と述べ、両国関係の障害となっていた植民地化など「過去の歴史」に起因するわだかまりが今回の来日で完全に払拭(されたとの認識を示した。日本側も天皇陛下の「痛惜の念」とのお言葉と海部首相の「謝罪発言」、25日の国会を代表する衆参両院議長の遺憾と反省の表明で「過去の清算」問題は一応の区切りがついたと判断しており、少なくとも両国の政府レベルでは「お言葉問題」を契機とした対立は解消された。

これを受けて海部首相、大統領は25日夜の官邸夕食会で重ねて、未来を志向する新たな日韓関係の構築を確認した。日韓新時代への最大の象徴となる天皇陛下の戦後初の韓国ご訪問が早くも現実的課題として浮上してきているほか、具体的な協力関係の在り方として、大統領が繰り返し求めている貿易不均衡の是正、高度技術の移転などの懸案打開が今後の焦点となろう。

来日中の盧泰愚韓国大統領は25日、東京・元赤坂の迎賓館で駐日韓国特派員らと懇談し、24日の宮中晩さん会での天皇陛下の「お言葉」について「国内的制約を少し超えたと思えるほど明白な謝罪であり(韓日間の)核心問題はかたがつき、解決されたと思う」と述べ、日韓間で最大の焦点となっていたお言葉問題について完全に決着したとの見解を示した。

大統領は「天皇陛下との会話は、明らかにしないのが日本の慣例で、それに従う」として24日の天皇陛下との会見内容や25日の天皇陛下との散歩での会話内容は明らかにしなかったが「非公式、公式で出た発言をみると、私は(天皇陛下が)首相の謝罪と同じ認識であることを確認した」と語り、天皇陛下が晩さん会以外の非公式な会話の中で「お言葉」より踏み込んだ、謝罪の姿勢を見せたことを示唆した。

「訪日前に(お言葉の中で天皇陛下が)加害者と被害者をはっきりさせるよう期待すると言っていたが」との質問に対し、大統領は「お言葉の中に含まれた精神は十分期待にこたえるものだった」と満足の意を表明した。

また大統領は在日韓国人三世問題が先月末の日韓外相協議でほぼ合意したことに触れ「ひとつの穴を掘ったようなものだ。今後、実務レベルで努力すれば(一、二世問題の解決も)達成できると思う」と語った。しかし、在日韓国人の法的地位・待遇、在韓被爆者、サハリン(樺太)残留韓国人の三つの問題が依然残された課題であると強調した。

最後に、大統領は今回の来日に対し韓国内で反発があったことについて「訪日問題に関して是々非々の論議があり、感情的な火種にまでなった。国内的な難しさから訪日を一時延期することも考えたが、日本はわれわれと密接な利害関係を持っており、国内の複雑な問題を乗り越えて日本へだけは来るべきと思った」と、今回の来日への決意を明らかにした。《共同通信》

※管理人注:元記事の表現があまりにもひどいので一部修正しています

【海部俊樹首相】韓国・盧泰愚大統領夫妻招き夕食会

韓国の盧泰愚大統領を歓迎する海部首相主催の夕食会が25日夜、首相官邸で開かれた。首相はあいさつで植民地支配など「過去の歴史」について「謙虚に反省し、率直におわびの気持ちを述べたい」と、公式の場で改めて謝罪を表明した。大統領も答辞で「両国は真の歴史認識の上で過去の陰を消し去り、より深い善隣友好関係を築き上げねばならない」と述べ、両首脳は新しい日韓関係構築への決意を確認した。

夕食会には大統領夫妻はじめ韓国側から崔浩中外相ら随員のほか朴炳憲在日韓国人居留民団団長も招かれた。日本側からは海部首相夫妻のほか土井社会、石田公明、大内民社の各委員長、中曽根、竹下両元首相、宇野前首相らが出席した。

あいさつで首相は日韓両国が「一衣帯水の最も近い隣人」の関係にあることを強調したうえで「両国の量的交流の拡大に満足せず、協力関係の次元をさらに高めて世界の要請にこたえていかねばならない」との考えを示し、日韓新時代を切り開きたいとの決意を表明した。

大統領はこれに対し「両国が最も近い隣人として生きていくことは神の摂理であり、21世紀のアジア・太平洋時代を開く最も緊密な同伴者にならなければならない」と強調した。特に大統領は在日韓国人問題に触れ「彼らがこの国で仲の良い隣人として不自由なく暮らせるようになった時、両国国民は韓日友好を胸で受け止めるようになる」と述べ、日本側が在日韓国人の待遇改善で一層の努力をするよう求めた。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】統一ドイツのNATO加盟に警告

ソ連のゴルバチョフ大統領とフランスのミッテラン大統領は25日、首脳会談の後、記者会見し、ゴルバチョフ大統領は「統一ドイツが北大西洋条約機構(NATO)に加盟するなら、ソ連は東ドイツへの軍隊の駐留継続を含め欧州での軍縮と安全保障をめくる交渉についての政策を再検討せざるを得ない」と述べ、西側諸国の間にある統一ドイツのNATO加盟を当然とする受け止め方に強く警告した。

ソ連が統一ドイツのNAT0加盟問題でこれほど明確に警告したのは初めてで、31日からワシントンで開かれる米ソ首脳会談を前に、ドイツ統一問題で西側の譲歩を引き出すための交渉の切り札にしようとの狙いがあるとみられる。

ゴルバチョフ大統領は会見で「ミッテラン大統領は統一ドイツがNATOの一部になるのを当然視している」と前置きした上で「もしそうなら、全欧安保協力会議(CSCE)、欧州通常戦力交渉(CFE)などすべての欧州軍縮交渉の枠組みについて、新たな角度から検討せざるを得なくなる」と発言。統一ドイツがNATOとワルシャワ条約機構の二つの組織に同時に帰属すべきだとのソ連のこれまでの立場を繰り返した。さらにゴ大統領は、統一ドイツがNATOの政治的活動にだけ参加すべきである、との新たな考え方を示した。

これに対しミッテラン大統領はCSCEなどに触れながら、国境の保障など6点を挙げ「出発点は違うが、同じ到運点を目指していく努力を続けたい」とソ連側に理解を求めていく立場を強調した。

またソ連リトアニア共和国の独立問題についてミッテラン大統領は「ゴルバチョフ大統領が対話を組織するよう望む」と改めて繰り返したが、ゴルバチョフ大統領は「(独立宣言をした)3月11日より前の状態に戻し、ソ連憲法の枠内で交渉すべきだ」と述べ、あくまでも宣言の撤回を求める立場に変わりのないことを強調した。《共同通信》



5月25日 その日のできごと(何の日)