平成467日目
1990/04/19
この日のできごと(何の日)
【野党4会派】「消費税廃止法案」提出
社会、公明、民社、社民連の野党4会派は19日午前、消費税廃止のための関連4法案を桜内衆院議長に提出した。4会派は引き続き歳入面の消費税収部分を削除することを柱とした平成2年度政府予算案に対する組み替え共同要求を自民党側に提示、今月25日正午までに回答するよう求める。共産党も独自に予算案の組み替え要求書を提出した。自民党は野党側の組み替え要求に対し「消費税の税収を全く外す前提では応じられない」(小沢幹事長)と拒否する方針だ。
野党側は自民党の拒否回答を受けた段階で、衆院予算委の審議拒否を含めた強硬姿勢で臨む構えを見せており、今月末からの連休前か連休後かの予算案の衆院通過時期をめぐって本格的な与野党攻防の局面を迎えることになった。
4会派提出の消費税廃止関一連法案は①消費税廃止法案②消費譲与税廃止法案③消費税を地方交付税の対象項目から除外する地方交付税法改正案④消費税廃止後の税制改革の手順などを盛り込んだ税制再改革基本法案の4本。昨年秋の臨時国会で参議院に提出、可決(衆院で廃案)された法案をほぼ踏襲した内容で、施行期日を今年4月1日から10月1日に変更するなど一部を手直ししている。
予算組み替え共同要求は、10月1日からの消費税廃止を前提に、それ以降の消費税収入(半年分)2兆176億円の減額が柱。代替財源として①キャピタルゲイン(有価証券譲渡益)課税是正②物品税、通行税、入場税の復活③税収見積もり是正(自然増収)―などを掲げる一方、歳出面では福祉・医療、教育、労働、中小企業、農業、土地・住宅対策などでの新規施策を求めている。《共同通信》
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【民社党】次期委員長に大内啓伍氏
難航した民社党の次期委員長人事は19日午後、永末委員長、佐々木元委員長、塚本前委員長による5回目の三者協議の結果、大内啓伍前書記長(60)を推すことで一致、決着した。書記長には米沢隆氏(50)の留任が決まった。永末委員長は引き続き開かれた中央執行委員会に、調整作業の経過を報告し、了承を得た。24日からの党大会で正式に選出する。
民社党は1990年度運動方針案で、昨年4月以来、社会党などとの間で進めてきた連合政権協議の事実上の打ち切りと社公民路線からの転換を打ち出しており、自民党との連携に前向き姿勢をのぞかせている大内氏の委員長就任でこの方向がより鮮明になると予想され、今後の政局や政界再編にも影響を与えそうだ。《共同通信》
【政界メモ】持ち前の強気ぶり発揮
○…自民党の小沢幹事長は19日、都内で講演、持ち前の強気ぶりを発揮し外交、内政にわたって怪気炎を上げた。会場には米国人らしい外国人も多数見られたが、自ら携わった日米建設市場交渉のエピソードにかこつけて「アメリカン・デモクラシーが絶対の正義だ、という米国人のやり方はやめるべきだ」「米国人の独善とごう慢さは正してもらわなければ」と痛烈に批判した。
内政面でも選挙制度改革を取り上げた小沢氏、「(首相が)やるということになれば命懸けの勝負になる。その覚悟でやる」と小沢節の勢いはとどまるところを知らず。
◯…この日、野党四会派共同の本年度予算案組み替え要求を自民党に示した社会党の大出国対委員長は「(野党要求は)おおむね目標通りまとまった」と記者会見でも意気高々。
ところが記者団が「回答期限の25日まで自民党が返事してこなかったらどうするのか」と質問をぶつけると、「まだ時間があるので諸般の状況を眺めた上で野党間で相談する」と一転して歯切れの悪い口調に。同氏も加わった前日の三役会議では「ゼロ回答なら黙っているわけにはいかん」などと激しい言葉が飛び交っていたが、一夜明けてのトーンダウンに「平穏な国会で大出さんも売り物の鋭い舌ぼう忘れたか」の声。《共同通信》
【森山真弓参院議員】女性長官の実績消えず
「有史以来初めて女性として官房長官を務めた実績は、日本の政治史に消えることなく残る」―。第一次海部内閣で官房長官だった森山真弓参院議員が19日午後、都内のホテルで講演し、高らかに自画自賛した。
山下徳夫官房長官(当時)の辞任で急きょ環境庁長官から横滑りした森山氏、「昨年8月25日、海部首相、河本元国務相から突然電話が入り頼まれた。官邸へ呼ばれてからも“非常識な”と断ったが、首相に“僕が総理執務室に座っているのも非常識”と説得されて…。官房長官室に押し込まれひとりになってからも、うそじゃないかと半信半疑で」と、当時のうろたえぶりを明かした。
しかし「どうせ選挙向けの看板と言われたけど、今の世は内容だけじゃ駄目。周りにどう見せるかも大事で、看板役に誇りを持って頑張った」と、文字通り胸を張った。そして「官房長官の在り方がこのままでいいのか。日本の国際的影響力が強まるなか今の仕事を一人でやればだれでも百点はあり得ない。米国のように分けたらいい」と問題提起する形で「森山氏は十分職責を果たさなかった」との一部批判に反撃し、締めくくった。《共同通信》
【ソ連】リトアニア制裁第2弾
ソ連リトアニア共和国のリトアニア・ガス企業合同技師長が19日、共同通信モスクワ支局に明らかにしたところによると、ソ連からの天然ガス供給元である白ロシアの「西部ガス輸送公社」は、天然ガス供給量を約80%削減すると通告、同日正午(日本時間同午後6時)すぎには供給量は通常の15.7%に大幅削減された。18日の原油供給停止に続く経済制裁第二弾である。
公社総裁が署名した通告は「ソ連政府の18日の指令に基づき、公社は19日正午からリトアニアへのガス供給を一日当たり1850万立方メートルから350万立方メートルに削減する。この量は市民生活の需要を満たすのに十分である」と述べている。
18日の原油供給停止により、共和国政府は19日からガソリンの配給制を実施、乗用車一台当たり一日10リットルに制限した。このためガソリンスタンドには車の行列が続いているという。
リトアニア・ガスでは、直ちにガス供給先の削減調整作業に入ったが、技師長によると、これによりリトアニアのほぼ全企業が操業停止に追い込まれる見通しである。
今回の原油供給停止、天然ガスの供給削減は、ゴルバチョフ大統領の警告書簡に対する
ガスには、ゴルバチョフ大頃の告書に対する16日のリトアニア政府回答、18日の共和国最高会議の回答のいずれも、独立宣言以来の諸法律・決定の取り消しという大統領の要求を全く受け入れず、まず話し合い求める内容だったことから、大統領が制裁実施に踏み切ったものである。
しかし依然としてソ連政府の公式発表はなく、実務レベルで処理するという異例の制裁となった。共和国最高会議は19日は休会、20日再開するが閣僚会議は国家燃料委員会と合同対策会議を開いている。《共同通信》