平成457日目
1990/04/09
この日のできごと(何の日)
【社会党】三役で集団指導体制
社会党は9日午後、党本部で先の党大会で選任された田辺副委員長らも交えた初の党三役会議と中央執行委員会を開いた。
初中執委の冒頭、あいさつに立った土井委員長は今後の党運営方針に関し「党三役を中心とした集団指導体制をとりたい」として、重要問題については、すべて党三役で協議し、党の方針として決定、実現していく意向を表明した。
これは「国民連合政権」づくりに向けた社会党をはじめとする公明、民社、社民連の4野党連合政権協議問題などを抱え、土井執行部の機動的な運営を図ろうとの狙いからで、「政権を担う党へ」を党大会のスローガンとして掲げた土井新体制の意気込みを示すものだ。
党内右派の実力者である田辺前書記長が副委員長に就任したことで、挙党態勢と党三役の強力な指導性を誇示したものと受け止められている。《共同通信》
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【橋本龍太郎蔵相】民社党の提案に同調
衆院予算委員会は9日午後も平成2年度予算案をめくる二日目の総括質疑を続行、社会党の藤田高敏氏、共産党の金子満広書記局長、民社党の米沢隆書記長、進民連の猶崎弥之助氏らが質問に立ち、日米構造協議、消費税問題、深谷郵政相へのリクルート社の資金提供問題について政府側の見解をただした。
消費税問題について米沢氏は、衆参ねじれ現象下では政府、自民党の見直し案、野党側が今後提出を予定している廃止法案がともに成立しないとの状況を指摘。その上で「お互いに白紙の状態にして、与野党がオープンで、国民の代表も入れて議論をし直すべきだ」と述べ、消費税問題に限らず税制全般について協議の場を設けるよう提唱した。これに対し橋本蔵相は「税制を広くオープンに協議しようということに異存はない」と協議機関設置に同調する考えを表明した。
橋本蔵相は「税制だけでなく、行革や他の問題もやったらいい」と述べ、幅広い与野党協議機関設置の必要性を指摘した。米沢氏は国会に、消費税関連法案を審議する特別委員会の設置も提言した。
消費税をめくる与野党協議には、自民党の小沢幹事長が、公明、民社両党を念頭に幅広い与野党協議を呼び掛ける考えを示しており、米沢氏の提唱に対して橋本蔵相が即座に同調したことは、民党と民社党の間で合意ができる可能性が出てきたものと言え、他の野党の対応にも微妙な影響を与えることになろう。
藤田氏も「消費税の最終決着をどう図るかを考えるべきだ」と追及したのに対し、海部首相は「見直しか廃止かではなく、野党も間接税を認めている。ただし政府(の案)とは違うと言うなら、その考え方を示してもらい、議論がかみ合っていくところを見いだしたいと願っている」と、「野党との話し合いの中で消費税問題に決着を図る考えを示した。
ただ橋本蔵相は「私どもの考え方は国民から寄せられた考えをすべてそ上に乗せて検討したものだ」と述べ、「政府の見直し案が最善であるとの考えは崩さなかった。《共同通信》
【政界メモ】勝因の分析も控えめに
○…海部首相は9日昼、首相自身が2回も応援演説に出掛けた横浜市長選で自民党推薦候補が当選したことについて、国会内で記者団から勝因を聞かれ「皆さんが応援して、下さったこと、それに候補者が訴えた政策が支持されたということでしょう」と控えめな分析。
記者団が「総理の応援もかなり効果があったのでは」と水を向けても「それよりも候補者の政策が良かったという-ことでしょう」と同じ答えを繰り返すばかり。京都府知事選でも自民推薦候補が当選し“順風満帆”に見える海部政権だが、深谷郵政相問題、構造協議の国内調整など難問を抱えているだけに、ここは首相自身が目立たない方が得策との心境か?
○…自民党の小沢幹事長はこの日の政府与党首脳会議後の記者会見で「総理が日米構造協議について“おかげさまでまとまった”と言っていた」とそっけなく内容を説明。記者団が「政府与党が一体となって取り組んでいかなければならないという総理の指示はなかったのか」と問い詰めても「当たり前だろう。言わずもがなだ」と突き放したような口ぶり。
ところが自民党推薦候補が当選した京都府知事、横浜市長選については「自民党の努力の結果だ」と急に相好を崩した。これには「官邸主導の構造協議と、党主導の地方選挙とでは、幹事長の意識の中でかなりのギャップがあるのでは」との陰口も。《共同通信》
【ネパール】勝利祝い10万人気勢
政党活動解禁が発表されたネパールの首都カトマンズは9日、民主化要求勢力の勝利を祝う人たち数万人が中心部に繰り出し、終日デモや集会を行った。複数政党制導入は決まったものの、憲法改正、選挙日程、暫定内閣問題など、政府と民主化勢力との間で詰めねばならない課題は数多くされており、難航も予想される。
カトマンズ首都圏では「民主主義の勝利」などと叫びながら女性、子供を含む市民10万人近くが街に出て気勢を上げ、街中がお祭り騒ぎとなった。軍や警察も一切規制せず、外出禁止令が三日ぶりに全面解された朝以降は警官隊との衝突や発砲はなく平穏だった。商店も営業を再開し、街は平常に戻った。
一方、チャンド首相は同日午後記者会見し、今後の手続きとして①NCPら民主化要求勢力代表を加えた委員会による憲法改正案作成②国王による改正憲法公布③次期選挙日程発表―を挙げた。首相は「自らの内閣が選挙実施のための暫定内閣」と述べたが、NCPらは自派代表も参加する暫定内閣を要求している。《共同通信》
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ネパールの民主化運動を求めるゼネストや大規模衝突のため6日以来ホテルなどに閉じこもっていた日本人ら外国人観光客は9日、ようやく自由になった。三日間閉鎖状態となっていたカトマンズ空港も発着便とも同日朝から平常運航に戻り足止めされていた観光客らが次々に飛び立って行った。《共同通信》
【成田三樹夫さん】死去
個性的な敵役などの演技で知られる俳優の成田三樹夫さんが9日午後6時45分、胃がんのため東京都渋谷区の東海大学医学部付属東京病院で死去した。55歳。山形県出身。昨年暮れから病状が悪化、同病院で治療中だった。
山形大学英文科を中退し、昭和34年、俳優座養成所に入る。38年、同養成所を卒業と同時に大映と専属契約を結び、映画「殺られる前に殺れ」でデビュー。「座頭市地獄旅」「兵隊やくざ」シリーズ、「女賭博師」シリーズなどに立て続けに出演し、ニヒルな雰囲気を漂わせる敵役で活躍した。45年にフリーとなり、東映の「仁義なき戦い・広島死闘篇」など、実録路線でユニークな持ち味を発揮した。《共同通信》