平成453日目

1990/04/05

この日のできごと(何の日)

【第55回社会党大会】最終日

東京・一ツ橋の日本教育会館で3日から開催された第55回社会党大会は最終日の5日、全体会議で「政権を担う党へ」をスローガンとした1990年度運動方針を執行部提案通り承認するとともに、土井委員長の3選のほか、副委員長に田辺誠前書記長らを選任するなどの党中央執行委員会人事を正式に決定し閉幕した。

運動方針では「国民連合政権」に向けた政権党への脱皮が前面に打ち出されているものの、論議を通じては、中断している「公明、民社、社民党との連合政権協議再開の具体的な方策なども明らかにされず、肝心の政権への明確な展望は見いだせないままに終わった。

今大会は、昨年の参院選に続く先の総選挙での大勝を受けて開かれたことから、左右両派対立の焦点とみられた「社会主義革命の達成」を削除して「社会民主主義」への転換を打ち出した党規約前文の改正をめぐっても、厳しい対決には至らないなど「土井翼賛体制」(党中執)ぶりが際立った。

土井委員長は、党大会で「国民は政権交代を強く求めている」などとして、政権獲得に向けた4野党との政権協議継続の重要性を強調。同時に「広範な社会民主主義勢力」の結集」にも言及した。

大会閉幕に際して採択された大会宣言では「国民連合政権を粘り強く追求し、その主軸となり得る人材、政策、運動、組織、財政を確立するため、党の自己改革を大胆に推し進める」と強調した。

しかし大会討議では、与野党逆転に向けた具体的な戦略は浮かび上がらず、自民党の「総主流派体制」にも似た論議の低調ぶりが目立った。《共同通信》

平壌放送によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成・朝鮮労働党総書記兼国家主席は5日、日本社会党の土井たか子委員長に対し委員長再選の祝電を送った。祝電は「私は、貴党が国の自主的平和統一のためのわが人民の正当な闘争に常に固い連帯を表しており、朝日両国人民間の親善関係を発展させるために積極的に努力していることに感謝している」と指摘している。《共同通信》

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【三浦春馬さん】誕生日

【海部俊樹首相】政治改革に決意

自民党政治改革本部(伊東正義本部長)は5日午後、党本部で総選挙後初の総会を開いた。この中で、海部首相は政治改革について「自ら痛みを伴うことで、自らにメスを入れていくことになる。これを乗り越えていくことで自民党が永遠の生命を保ち、政治自身が国民の信頼を取り戻すことになる」と、強い決意を示し、具体的課題として選挙制度改革、政治資金、国会改革に取り組む考えを強調した。

また、伊東氏は4月末に予定される政府の選挙制度審議会の答申をを最大限尊重し、「選挙制度、議員定数、政治資金を中心にことし11月の議会開設百年までに改革の端緒をつけたい」と述べ、今秋にも改正の法案化を図る意向を示した。

海部首相はこれまで再三にわたり現内閣の最重要課題として、外交における日米構造協議とともに内政では「政治改革」を挙げ、改革への熱意を示している。しかし、継選挙後、政治改革に対する党内の熱気が冷めていることも事実。また、制度改革は議員一人ひとりの利害に直接かかわるだけに成案を得るのは容易でないことからも、改革の前途は多難だ。《共同通信》

【政界メモ】前途多難うかがわせる

〇…坂本官房長官は5日、日米構造協議が難航を重ね同日朝も合意に至らなかった割には、にこにこ顔で午前の記者会見にんだ。

早速、ブッシュ大統領と松永前駐米大使との会談に関するホワイトハウス報道官の声明を引用し「海部首相がこの1カ月に成し遂げたすべての仕事を大統領は極めて高く評価する」「海部首相は個別貿易問題の打開と構造協議の大きな前進という点で功績を挙げた」と首相を褒めた文章をそのまま読み上げ、「一応紹介しました」と得意気。もっとも、声明文では、7月の最終報告とその後のフォローアップでの一層の前進を求めてくぎを刺されているが、これには触れずじまいで、おいしい所だけをつまみ食い?

〇…社会党の土井委員長はこの日、党大会終了後記者会見し「激論や騒然たる大会を期待された方がいたかもしれないが、意に沿わないことになった」と、執行部提案が原案通り承認されたことを自画自賛。

しかし、記者団から「連合政権協議で他の野党に対しどのような努力をするのか」と突っ込まれると、「具体的なことなら書記長に答えてもらいましょう」と急に逃げ腰に。最後に三役そろっての写真撮影を求められても、田辺新副委員長がさっさと席を立ってしまうなど、土井氏の言葉とは裏腹に新体制の前途多難さをうかがわせていた。《共同通信》

【スパイクタイヤ】市町村単位で禁止指定

道路粉じん公害の原因となっているスパイクタイヤの規制方法を検討してきた環境庁は5日、交通量が多く粉じん発生の恐れが強い市町村をスパイクタイヤ使用禁止地域とする地域指定制度を導入する方針を決めた。これまで同庁は、道路の状態に応じて使用、不使用を区別する案を警察庁など関係省庁に提示していたが、規制が難しく運転者も混乱すると批判が多かったため、だれにも分かりやすく市町村単位で禁止することにした。環境庁は同日開いた中央公害対策審議会に諮問し、即日答申を受けた。これを基に関係省庁と最終協議し、「スパイクタイヤ粉じん発生防止法」案としてまとめ、今国会に提出する。

答申では、積雪など地域の状況を踏まえてスパイクタイヤの使用を禁止することを掲げたうえで①消防車や救急車などの緊急車両と身体障害者が使用する自動車は適用外とする②スタッドレスタイヤなど代替タイヤの開発が遅れているトラック・バスの大型車両も一定期間猶予する―ことも盛り込んでいる。

禁止地域となる市町村は、交通量が多く粉じんが実際に発生しているか、発生する恐れがある場合に指定される。この市町村内では、積雪がないか、まばらに残っている道路で使用禁止となる。

同庁は、市町村ごとにスパイクタイヤの対応が違うことから、運転者に多少の戸惑いが出るものの、車の広域性か
らみて実質的に使用禁止に向かう、と期待している。

スパイクタイヤは路面を傷つけて粉じんを舞い上がらせ、ぜん息などを引き起こす。積雪地帯でも交通量の多い都|市部で特にひどく、使用禁止める声が強い。

1988年6月に国の公害等調整委員会で、91年3月末で国内での製造・販売を中止することが決まった。しかし、輸入タイヤなどの出回りでしり抜け状態になる恐れもあり、法律での規制が急務となっていた。《共同通信》

【セ・リーグ】「延長15回」正式決定

セ・リーグは公式戦開幕を二日後に控えた5日、東京・銀座の連盟事務所で理事会を開き「延長十五回、引き分け再試合制」の新しい公式戦試合方式を正式決定した。「新方式には、延長制限が従来の十二回から3イニング延びるほか、降雨コールドゲームを含む引き分けは後日に再試合を行う。

セ・リーグは1962年と66年から68年まで引き分け再試合制を実施しており、22年ぶりの制度復活となる。再試合制の導入により公式戦順位は単純に勝利数によって決まり、引き分け数の多少が順位を左右する問題も解消されることになる。

同リーグでは①再試合は引き分け試合のホームチームの本拠地または指定する球場で行う②変則ダブルヘッダーを行うこともある―などの事項をアグリーメントに盛り込む一方、深夜の騒音問題を懸念する球場周辺住民への対策として、神宮と甲子園両球場のナイター開始時間を、当初予定より10-30分繰り上げることを決定。試合のスピードアップ励行も再確認し明文化した。《共同通信》



4月5日 その日のできごと(何の日)