平成422日目

平成2年3月5日(月)

1990/03/05

【海部俊樹首相】消費税廃止要求を拒否

海部首相の施政方針演説に対する各党代表質問が、5日午後から衆院本会議を皮切りに三日間の日程で始まり、消費税問題を最大の焦点にした論戦の幕を開けた。土井社会党委員長、加藤自民党政調会長、石田公明党委員長が質問の第一陣に立ち、首相の見解をただした。

海部首相は消費税について野党側の「廃止」の要求を退ける一方、見直し法案を提出する方針を示した上で、その前提に立った与野党の協議を要請、与野党協議には柔軟に対応する姿勢を表明した。ブッシュ大統領との緊急日米首脳会談について首相は、激動する国際情勢や構造協議を頂点とする両国の貿易摩擦問題をめぐって「胸襟を開き腹を割った意見交換が目的」と強調、「特定の交渉や取り決めをしようというものではない」と述べ、スーパー301条対象品目など個別問題での対米公約を否定した。

一番手の土井氏は、焦点の消費税について「廃止を表明した上で与野党が協議すべきだ」と迫った。首相は「総選挙が消費税の存廃を左右する国民投票との見方からすれば、消費税が認められたといっても言い過ぎでない」と指摘。その上で、社会党が提起した個別間接税構想や直間比率問題を例に挙げ「国会でぜひ願いたい」と、与野党協議には柔軟に応じる方針を表明した。ただ、再見直し論には「世論の動向を勘案」して思い切った見直し案を決めた」と強調、野党ペースによる再見直しには慎重な姿勢を示した。

これに関連して土井氏が平成二年度予算案に盛り込まれた消費税収入の歳入凍結を求めたのに対し首相は、世論を尊重して思い切った消費税の見直しを図った、と説明、凍結要求を拒否した。

首相は最重要保題の政治改革に関し「選挙制度審議会の答申を尊重して前進させたい」と強調、選挙制度や政治資金を柱にした抜本改革に積極的に取り組む意向を改めて表明。リクルート関係議員らの総選挙みそぎ論については「選挙を通じて選率区の有権者の洗礼を受けたのは事実」としながらも「党としてのけ「じめは政治改革を思い切って進め国民の信頼を回復することだ」と強調した。土井、石田両氏が主張した企築献金の禁止要求には「企業も社会的存在」として突っぱねた。

日米首脳会談について首相は、個別問題での対米公約を強く否定する一方で、構造協議をめぐって双方が(解決に)努力していくことで意見が一致したことを強調、「前向きに対応していかねばならないことは当然」と打開に向け積極的に取り組む姿勢を示した。加藤氏らが激動する国際情勢に対応する基本方針をただしたのに対し首相は「対話と協調の流れを発展させていかねばならない」と述べ、国際的な新秩序づくりに積極的に参加、貢献していく考えを表明した。《共同通信》




【永山則夫被告】文芸家協会入会申請を取り下げ

連続射殺事件の犯人で、小説も書いている永山則夫被告(40)の入会問題で揺れている日本文芸家協会(三浦朱門理事長)の理事会が5日夕開かれ、永山被告が入会申請を取り下げ、問題は意外な決着となった。

しかし、これとは別に入会を審査する入会委員会が「殺人者」の入会は協会の体面を汚すとの理由で、全員一致で拒否する決定をしていたことが明らかにされた。

同日の理事会で、青山光二入会委員長が、永山被告の作品の価値は認めながらも、定款第10条に「この法人の利益に反し、または法人の体面を汚し、もしくは会員としての義務を怠った者は、理事会においてこれを除名する」とあることから「殺人は体面を汚すことの筆頭だ」と述べ、永山被告が入会しても、すぐ。この条項によって退会を迫られることになるとして、入会委員会は全員一致で拒否する決定をしたことを報告した。これに対し、推薦人の加賀乙彦理事が「既に永山被告から入会申請取り下げの手紙が届いている」と発言した。

加賀理事によると、協会は著作活動をしている者ならだれでも入れるといわれ、永山は入会を申請した。「著作活動によって著作権が発生している。殺人者だから入会できないとか、裁判を有利にするために入会を希望しているのでは、などと言われているようだが、こういう論議は著作権の保護という会の趣目に矛盾するのではないか。誤解されてまで入会したくない」というのが取り下げ理由。《共同通信》

【政界メモ】重荷を忘れる空気?

○…日米首脳会談を終えて帰国した海部首相は5日、政府与党首脳会議で訪米報告。この後、直ちに衆院本会議での各党代表質問に臨むなど、休む間もない慌ただしさ。

日米首脳会談が開かれたパームスプリングズでは滞在時間が25時間。そのうちブッシュ大統領との首脳会談は計6時間というハードスケジュールだっただけに、記者団が「お疲れでは」とねぎらいの言葉を掛けると、首相は「自覚症状はない。ぱちっとしているでしょう」と元気な様子を殊更PR。さらに「飛行機の中で眠れたし、時差調整がうまくいった」と、何やら大張り切り。訪米で重荷を背負って帰国したことを忘れたいがための空元気?

○…防衛政務次官のポストを降りたばかりの鈴木宗男氏はこの日、議員会館で防衛庁広報課から贈呈された顕彰額を手にしながら感無量の様子。というのも、この顕彰額は昨年6月の政務次官就任以来、全国154カ所の部隊を視察し、歴代政務次官の記録を大幅に更新した記念品。感激した広報課員がポケットマネーを出し合って贈った。これまでの最多記録は村上正邦氏の88カ所。

鈴木氏は「第一線部隊を視察してこそ、日本の防衛に携わったことになる」と強調。さらに「硫黄島の部隊視察では、地元北海道のアイスクリームを土産にして喜ばれた」と、防衛政務次官時代を懐かしむことしきり。《共同通信》

【プロ野球・オープン戦】野村ヤクルト、初陣飾る

ダイエー1−4ヤクルト◇5日◇神宮

ヤクルトの野村新監督が初陣を飾ったが、若手投手陣の元気ある投球が目立った。

先発した2年目の川崎は5回を投げ、2安打1失点。三回、高めの甘い球を大道に本塁打されたのはいただけないが、それ以外はほとんどストライクが先行した。投球に緩急をつけ、ローテーション入りの期待を膨らませた。乱橋、岡も丁寧に投げ、野村監督を喜ばせたことだろう。

ダイエーは主力打者の大半を欠いたとはいえ2安打は寂しい。初登板の新人、金沢は二回に集中打され3点を失ったが、カーブはまずまず。二番手の間柴は2回を1安打に抑え、ベテラン健在をアピールした。《共同通信》




3月5日のできごと