平成397日目

平成2年2月8日(木)

1990/02/08

【米ソ外相会談】戦略兵器削減で前進

訪ソ中のベーカー米国務長官とシュワルナゼ・ソ連外相は8日午前10時(日本時間同日午後4時)すぎ、ソ連外務省別館で第二回会談を行い、約2時間半にわたって軍備管理問題などについて協議した。

ソ連のベススメルトヌイフ第一外務次官がタス通信に明らかにしたところによると、戦略兵器削減交渉(START)の障害になっていた空中発射巡航ミサイル(ALCM)の数え方の問題で米ソ双方が新提案を提示「この問題の解決が促進されるだろう」と語った。これにより、戦略兵器削減交渉は大きく前進することが予想される。

第一次官は具体的には明らかにしなかったが、欧州通常戦力交渉(CFE)、化学兵器禁止交渉でも進展があった、と述べた。

ベーカー長官に同行している米政府当局者によると、この日午前の軍備管理作業部会では、ブッシュ提案、ベーカー提案についての米側の詳細な説明とソ連の対応を中心に協議した。

第二回外相会談冒頭の記者団とのやりとりで、ベーカー長官はCFEについて「新たな考え」という表現で新提案を行ったことを確認。シュワルナゼ外相は、ブッシュ提案を含む米の新提案は「真剣な検討に値する内容を含んでいる」と評価するとともに、ソ連側として作業部会で「前向きな対応」とその詳細を正式に米側に示すと言明した。

CFEでは、米ソともことし中に調印にこぎつけたいとの意欲を示しているが、航空機、戦車などの主要兵器で(1)それぞれの兵器の定義(2)規制数―などが主要な難題となっている。ベーカー提案は定義問題でソ連の主張を組み入れた柔軟姿勢を示したものとみられている。《共同通信》




【自民党・金丸信元副総理】政局安定、野党と協議

自民党竹下派会長の金丸元副総理は8日午後、遊説先の神奈川県相模原市内で講演し、選挙後の政局などについて見解を明らかにした。

この中で金丸氏は「日本の政治形態は不安定だ。政治が不安定だと皆さんの生活の不安定につながる。政治が不安定で世界の信用が得られるのか」との認識を表明。さらに金丸氏は(1)選挙で勝ったからといって、今までの自民党と同じであってはならない(2)襟を正した政治家、政党でなければならないのは当然だ。強行採決する政治はもうやらない(3)一日も早く国民がうなずく政治体制をつくることを自民党、野党が一緒に考えるのが今日の政治の姿だ―と述べ、野党側に対し総選挙後直ちに政局安定に向け話し合いに入るよう呼び掛けた。

また金丸氏は、与野党間の話し合いの障害となっている消費税について「前年度予算の上に増えるだけのプラスアルファ分、予算の原資が必要なのは間違いない。(だからといって)消費税はベターだと言ってるわけではない」と述べた上で、「選挙に勝っても、政府が消費税について見直しとか再々見直しとかうんぬんする筋合いではない。選挙後の特別国会で審議する以上、審議権は政府ではなく国会にあるのだから政治家に任せるべきだ」と強調、与野党のギリギリの折衝で妥協点を見いだしたい、との意向を重ねて表明した。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】テレビ朝日を告訴

中曽根康弘元首相は八日、「テレビ朝日」(全国朝日放送・横山賢二社長)の番組「モーニングショー」」の群馬三区の特集で、同番組の内田忠男キャスターが元首相を中傷する虚偽の報道などをしたとして、同社と内田キャスターを公選法違反の罪(選挙放送の公正確保)で前橋地検高崎支部に告訴した。

告訴状によると、内田キャスターは今月6日午前8時半からの放送で、同元首相が世界全体の展望について日ごろ十分発言しているにもかかわらず「世界の中曽根と言いながら世界の展望についての説明がない」と虚偽の報道などをした、と指摘、これは、選挙に関し虚偽の報道を禁止した公選法第151条の3のただし書きに違反するとしている。《共同通信》

【海部俊樹首相】ソ連の基本方針を歓迎

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

海部首相は8日午前、衆院選遊説に訪れた鳥取市内のホテルで記者会見し、ソ連共産党拡大中央委員会総会で一党独裁の放棄や複数政党制の導入などを盛り込んだ基本方針を採択したことについて「米ソが冷戦時代の発想を乗り越えて米ソの対立、対決から、(ソ連が)複数の価値を認め、民主化を図ることで、対話と協力が現実のものとして定着することになるわけで歓迎する」と述べ、米ソ両国の緊張緩和の前進に一層の期待感を表明した。

また首相は、ソ連共産党の改革について「(米ソ両国の平和協力関係が)ひいてはアジア・太平洋地域の安定、平和にもつながる」と述べ、極東・アジア地域の緊張緩和にもつながっていくとの見方を示し、今後のソ連の極東外交の進展に大きな期待を寄せていることを明らかにした。

さらに首相は、今後の日ソ関係の在り方について「経済使節団の受け入れや実務レベルなどの人物交流を図り、領土問題を解決して平和条約を締結するという目標に向けて、拡大均衡の外交姿勢で安定した関係の構築をしたい」と述べ、従来の基本方針を踏まえながら、日ソ関係を改善、発展させていくとの強い意欲を改めて強調した。《共同通信》

【海部俊樹首相】中曽根氏の復党に慎重

海部首相は8日午前の鳥取市での記者会見で、唐沢自民党総務会長が中曽根元首相の総選挙後の復党を容認した「総選挙みそぎ論」に触れ「選挙が終わったからといって、そうなるとは考えていない」と慎重な姿勢を示し、総選挙後すぐに復党することはないとの考えを明らかにした。

総選挙みそぎ論について、首相は「元首相は自らの意思で党を離れている。党としてはけじめは政治改革を思い切ってやって、国民の信頼を回復することだ」との認識を示し、政治改革さらに推進していく考えを表明した。《共同通信》

【立正大学】東京ドームで入学試験

私大入試たけなわの8日、全天候型野球場の東京ドームで都内の中堅私大・立正大経済学部の入試が行われ、約4000人の受験生が1万5000平方メートルのグラウンドに設営されたマンモス会場で試験問題に取り組んだ。

第二次ベビーブームの波の中、同大もここ数年、志願者が急増している。人気の経済、経営(9日実施)両学部の試験会場探しに頭を悩ました末、ひらめいたのが東京ドーム。ところがふたを開けてみると、両学部とも志願者は昨年を1000人近く下回り4000人台。7500人収容の会場づくりを予定していた大学側は肩透かしを食った格好だ。

大学側は「経済学部が難しくなるのを見越した受験生が文、法両学部に流れた」と分析しているが、外野席からは「ドームは巨人軍の本拠地。アンチ巨人派に嫌われた」との声も。《共同通信》

【福井県高浜町】海岸に重油が漂着

京都・経ヶ岬沖でリベリア船籍貨物船マリタイム・ガーデニア号が座礁した事故で、2月7日夜から8日朝にかけて、流出重油の一部とみられるタール、スラッジ状の油塊が高浜漁港周辺の海面、海岸線に漂着した。

延長5キロの広い範囲で、大量の油が見つかったのは初めて。高浜町では回収などの対応に追われる一方、水産業や海水浴場への影響に強い懸念を示しており、9日に町民らの人海戦術で回収する。《福井新聞》

【マイク・タイソンさん】傍若無人

ボクシングの統一世界ヘビー級タイトルマッチ(11日・東京ドーム)を三日後に控えた8日午後、チャンピオンのマイク・タイソンと挑戦者のジェームズ・ダグラス(ともに米国)の共同記者会見が都内のホテルで行われた。

目についたのはタイソンの非礼ぶり。当初午後1時の会見開始の予定を練習の都合で午後3時に変更。さらに、グレーのスーツ姿で定時に現れた挑戦者がイライラしながら待ち続ける会場に、20分以上も遅刻してチーム・タイソンのTシャツ姿でやって来た。

記者会見の間も、ヘッドホンステレオを聴いたり、指力で机をたたいてリズムをとったりと落ち着きのないこと。来日以来の取材拒否や、テレビ出演キャンセルなどの傍若無人な振る舞いは依然続いている。

荒れている原因は、調子がなかなか上がらないためといわれているが、現在のコンディションを聞かれると「パーフェクト」。体重もベストの99キロに近い状態だと言い、スパーリング中のダウンは「大したことではない。倒れてあげたようなものだ」と説明した。しかし、内心のいらだちは隠しようがない感じ。木で鼻をくくったような返事をしたり、女性記者の質問に失礼な言葉を返したりと、およそチャンピオンらしくない態度に一終始した。

紳士然としたタグラスが「コンディションは非一常にいい。ベストを尽くして闘いたい」と控えめに話していただけに、よけいに横着な姿勢が際立っていた。《共同通信》




2月8日のできごと