平成371日目

平成2年1月13日(土)

1990/01/13

【海部俊樹首相】ローマ法王と会見

ローマ滞在中の海部首相は13日午後(日本時間同日夜)、バチカン市国を訪れ、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世と約30分間会見した。この中でポーランド出身のパウロ二世は、日本の東欧支援に謝意を示すとともに「それぞれ歴史が違う東欧諸国の事情を理解し、独立のために苦しんできた歴史を持つこれらの国民に連帯を示してほしい」と述べ、単なる経済援助だけではなく精神的な支援を求めた。また法王は東欧支援のほか、日本が国際社会で果たす役割として南北問題があることを指摘、日本側の努力に期待を表明した。

海部首相は「これまでの東西対立の状況の下では軍事的支援を行えなかったわが国が、東欧の変革によって経済的支援が行えるようになった」と指摘。ポーランド、ハンガリーを中心とする東欧諸国に技術移転や経営管理の面で積極的に貢献していく姿勢を強調した。

法王はソ連・東欧情勢について「ソ連でもペレストロイカ(改革)が推進されているが、東欧は超大国であるソ連と違い、中規模な国で民主主義の歴史と伝統を持っており、ソ連と東欧とは事情が違う」と指摘。その上で法王は、東欧への支援の必要性を強調するとともに「ゴルバチョフ・ソ連最高会議議長の民主化へのイニシアチブは勇気ある行為だ」と、ゴルバチョフ氏を高く評価した。《共同通信》




【海部俊樹首相】伊・コシガ大統領と会談

イタリア訪問中の海部首相は13日午前11時(日本時間同日午後7時)すぎから、ローマ市内の大統領官邸でコシガ大統領と約30分会談した。会談には中山、デミケリス両外相も同席、東欧情勢や欧州共同体(EC)の統合問題などについて意見を交換した。

この中で大統領は、東欧情勢について「東欧での変化は不可逆なものと言ってよく、東西の関係が対立から安定に向かっていることを歓迎する」と表明。海部首相も東欧の動きが欧州だけでなく世界の平和と安定に役立つよう定着することを期待する」と述べ、日本・イタリア、日欧協力をさらに強化していくことで一致した。

EC統合について海部首相は「欧州のマスコミからも、ECの市場統合による欧州の要塞化を日本として心配ではないか、と聞かれるが、日本としては力強く安定した欧州を歓迎し期待している」と述べた。大統領も「国際市場のルールに従って日・米・カナダなどとの協力と密接な協議の中で欧州は統合の方向に進む」と述べた。さらに首相は東欧の民主化について「欧州の激動の中で東西が対立から対話へと進み、西側の共有する自由、民主主義、市場経済の価値を目指して東側が歩み出したことを歓迎する」と述べた。《共同通信》

【大相撲初場所七日目】千代の富士関、旭富士関が7連勝

大相撲初場所七日目(13日・両国国技館)横綱千代の富士と大関旭富士が全勝を守った。千代の富士は関脇寺尾の突っ張りに土俵に詰まったが、左上手投げの連発で逆転勝ち。旭富士は関脇水戸泉を気迫あふれる攻めから、左下手出し投げで下した。横綱北勝海は巨砲を簡単に突き出し、栃乃和歌を寄り切った大関北天佑とともに1敗を堅持。横綱大乃国も危なげなく春日富士を押し出して5勝目を挙げた。

だが横綱を目指す大関小錦は関脇琴ケ梅の注文相撲にはまって寄り切られ、2連敗して今場所での昇進が厳しくなった。十両は全勝がなくなり、北勝鬨と旭豪山が1敗で並んだ。貴花田は四日目から4連勝で5勝2敗。

【第1回大学入試センター試験】

寒風の吹く列島の336会場で13日、”試練の春”がスタートした。43万人の受験生が挑んだ初めての大学入試センター試験(新テスト)。11年間続いた共通一次試験が私大も参加する全大学型の試験に衣替えされ、国公立に私大の受験生も入り乱れての厳しい闘い。

また「アラカルト方式」の導入で、試験科目によって出席率が大きく変わるという新光景も。受験制度の変わり目に当たった受験生たちの表情には、過去のデータも役立たない迷彩色の受験地図の中で、緊張感があふれた。《読売新聞》

【全日本スプリント選手権】橋本聖子選手がV7

スピードスケートの第16回全日本スプリント選手権最終日は13日、群馬県の伊香保ハイランドスケートセンターで男女500メートル、1000メートルの各2回目を行い、女子は橋本聖子(富士急)が総合得点164.190の大会新で史上初の7連覇を達成し、最多優勝回数を8に伸ばした。混戦の男子は宮部保範(慶大)が初めて総合優勝した。

橋本はこの日も500メートル、1000メートルを制し、3年連続4度目の4レース完全制覇。総合2位は楠瀬志保(日体大)で、3位には高校新を連発した若手のホープ、島崎京子(白樺学園高)が入った。

男子は前日まで総合3位の宮部がこの日も1位はなかったが、総合得点152.025で逆転のタイトルを獲得。二日間で1種目も1位になれずに総合優勝したのは大会史上男女を通じて初めて。《共同通信》

【アゼルバイジャン】民族対立が激化

民族対立が再燃、激化しているソ連南部アゼルバイジャン共和国の首都バクーで、アルメニア人によるアゼルバイジャン人殺害事件をきっかけに13日夜、アゼルバイジャン人の群衆がアルメニア人住民を襲撃する事件が続発、アルメニア人を主に25人が死亡、26人が負傷した。

民族組織「人民戦線」を中心に共和国政府、党本部などの占拠の呼び掛けも行われており、警官隊が公共建築物の警備に集中したため、手が回らなかったもようだ。北西部リトアニア共和国の党の分離を思いとどまらせるのに失敗したゴルバチョフ政権は、再ぼアゼルバイジャン、グルジア両共和国を中心とする民族独立要求と民族間対立という、南北双方で内政上の危機に陥った。

14日のモスクワ放送によると、13日昼、二人のアゼルバイジャン人がアルメニア人のアバネソフ家を訪れ、バクーから立ち退くよう要求したところ、アバネソフ氏が肉切りオノで二人に立ち向かい、一人が死亡、一人が重傷を負った。

折からバクー中央広場で、共和国の独立を要求する人民戦線主催の五十万人集会が開かれており、この集会に事件が報告され、アルメニア人襲撃の呼び掛けが広がった。

集会解散後の夜になって、アゼルバイジャン人群衆が次々とアルメニア人居住区を武装して異撃、救急車の出動は50回以上に上り、警官による救助も数十件に上った。

両民族の間で誘拐事件も続発、互いに身柄の交換、安全の確保を要求し合っているほか、銃撃戦が行われているとの報告も警察に入っているという。14日付国防省機関紙「赤い星」によると、シャウミャノフスク市付近では、所属不明のヘリコプターが13日も、アルメニア人居住区に機銃掃射を浴びせるなど、戦争状態に近いという。《共同通信》




1月13日のできごと