平成333日目

平成元年12月6日(水)

1989/12/06

【比・アキノ大統領】全土に非常事態宣言発令

フィリピンのアキノ大統領は6日午後4時半(日本時間同5時半)、全土に非常事態を宣言した。軍反乱事件発生から6日目のこの日、マニラのマカティ地区の高級ホテルなどに閉じ込められていた邦人約460人を含む外国人全員を解放したものの政側との交渉の中で依然、抵抗姿勢を崩していない反乱軍に対し強硬措置で事態収拾を図る方針を明らかにしたものとみられる。

アキノ政権の発動は、政権発足直後の1986年の大統領への非常大権付与以来。フィリピン政局はさらに緊迫を深めている。

大統領は宣言に当たり「殺りくと破壊を防止するために緊急措置が厳密にとられるだろう」と述べた。非常事態宣言に伴う具体的措置について大統領は明らかにしなかった。

同国の憲法によれば国益に応じ、公共性の強い施設、事業を国が接収または直接管理できることを規定、アスクナ大統領報道官は非常事態宣言は当面、経済の正常化を図るのが目的であると説明しているが、場合によってはこれをてこに戒厳令に近い措置がとられる可能性もあると受け止められている。

一方、反乱軍はこの日朝、政府との間で成立した一時停戦合意に基づいて邦人を含む外国人約2000人を解放後も、引き続きマカティ地区のホテルなどでのろう城を解く構えは見せていない。《共同通信》




【大分県警】豪遊中学生を補導

横浜、川崎市内の中学生の男子4人グループが家出した上、川崎市内のマンションから現金660万円を盗み、九州まで1200キロ余りをブルートレインで旅して、6日、大分県警鉄道警察隊に補導された。

少年らは三年生1人、二年生3人の不良仲間で、盗んだ金のうち260万円を使って箱根や熱海のホテルを泊まり歩き、ゲームセンターなどで遊び回っていた。4人は「学校がつまらないし、親からもいろいろ言われてうるさかった」と話しており、警察では冬休みを前に、学校や家に嫌気がさして家出したものとみている。《共同通信》

【4野党、連合】選挙協力具体化に着手

土井社会党、石田公明党、永末民社党の各委員長、江田社民連代表の4党首は6日夜、東京都内のホテルで、日本労働組合総連合会(連合)の山岸会長を交えて会談、総選挙を控えた当面の政局への対応を中心に約1時間半、意見交換した。

この結果、4党首らは消費税廃止問題について「総選挙で決着をつけるよう張る」(土井氏)との基本姿勢を確認。総選挙での与野党逆転を実現するため(1)参院での消費税廃止関連法案をめぐる4党共闘を発展させ、総選挙でも力を合わせていく(2)連合政権協議の行き詰まりを打開するため、書記長レベルで努力を重ねる(3)4党で280人程度の候補者擁立を目指し、連合、総評センター、友愛会議の3者が選挙協力の青写真を作成、4党書記長・選対委員長で具体化作業に着手する。《共同通信》

【ジム・アボット投手】海部首相を表敬訪問

来日中の「片腕の大リーガー」ジム・アボット投手(22)=カリフォルニア・エンゼルス=が6日午前、首相官邸に海部首相を表敬訪問。アボット投手がサインボールを贈れば海部首相が「一球入魂」としたためた色紙をプレゼントし、固い握手を交わした。海部首相は大勢の報道陣を前に終始、笑顔。総選挙を控えているだけにアボット人気にあやかりたいとでも言いたげだった。《共同通信》

【政界メモ】名投手にあやかり完投を

◯…海部首相は6日朝、新聞各紙が「1月下旬衆院解散、2月18日投票」を報じたため、首相の専権事項を侵された気になったのか、ご機嫌ななめ。首相官邸で記者団に対し「だれが決めたのか」などと当たり散らした。

しかし、米大リーグのカリフォルニア・エンゼルスのアボット投手の訪問を受けると笑顔を取り戻し「あなたのプレーは日本のファンに勇気と感動を与えている」と絶賛しながら、サインボールの交換。さらにアボット投手の野球帽をプレゼントされ大喜び。入団1年目で12勝利を挙げた同投手にあやかり、試練の総選挙を乗り切って“完投”を目指したそう。

◯…この日の自民党安倍派総会で、宮下政調会長と加藤税調会長代理が消費税見直し案について説明。いつもなら20分足らずで終わる総会も、この日は2人の説明だけで30分にもなったが、出席した議員は総選挙を控え地元での演説材料にしようと、メモをとりながら静かに聞き入った。

宮下氏は「食料品の全段階非課税よりも、この見直し案の方が値下がり幅が大きい。それにネコババ論も解消される」などと理解を求め、、加藤氏も「ギリギリのギリで決めた案だし、究極の選択だった」と強調した。しかし出席者の間からは「説明を聞くとなお分からない」という声がしきりで、熱心な“講義”の効果もいま一つな感じ。《共同通信》

【仏ソ首脳】ドイツ再統一は非現実的

ソ連ウクライナ共和国の首都キエフで6日夕、非公式首脳会談を行ったゴルバチョフ・ソ連共産党書記長兼最高会議議長とミッテラン・フランス大統領は、東西ドイツ再統一問題や東欧を含めた欧州情勢を中心に約2時間、突っ込んだ話し合いをした。

会談では、2つのドイツ国家の存在が欧州の安全保障の基盤であり、現時点でのドイツ再統一は現実的ではないとの認識で一致した。両首脳がドイツ再統一に反対の立場を示したことは、将来の再統一を目指したコール西ドイツ首相の国家連合構想を両国が共同で受け入れないことを示したもので、今後の再統一論議に大きな影響を与えることになろう。

また、大統領は、書記長が先のイタリア訪問で提唱した全欧安保首脳会議(ヘルシンキ2)の来年繰り上げ開催に対し西欧として初めて賛成の立場を表明、ヘルシンキ2の来年開催の可能性が極めて高くなった。《共同通信》




12月6日のできごと