平成324日目
1989/11/27
この日のできごと(何の日)
【大和証券】100億円の粉飾決算が明らかに
証券第2位の大和証券が昭和50年から同55年にかけ、得意先の事業法人に対し100億円を超える「損失補償」を続けていたことが27日、明らかになった。同社はこの損失を取引関係にある有価証券販売会社に肩代わりさせ、その後に大和の子会社株を利用して欠損の穴埋めをする事実上の粉飾決算をしていた。
大和は今回の不正経理を認め、既に役員を含む関係者10人程度を処分しており、大蔵省にもこのほど報告した。
大和によると、同社の事業法人部では営業成績を上げる目的で大口取引先の企業2、30社に対し株取引で損失が生じた場合、損失分を同社が肩代わりする「損失補償」を昭和50年から始めた。同事業法人部では生じた損失を有価証券報告書に記載せず、簿外で処理していたため会社側では事実の把握が遅れ、56年の社内監査で分かったとしている。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【NYタイムズ】小錦関の優勝で日本は大揺れ
27日付けの米紙、ニューヨーク・タイムズは、大相撲九州場所で大関小錦が初優勝したことを「米国人が王座に就き、日本は大揺れ」の見出しとともに、祝勝会の写真をつけ、スポーツ面ではなく一般国際面で大きく報じた。
同紙はハワイ生まれの高見山(現東関親方)が小錦をスカウトし、その巨体を生かすことを教えたことが高見山以来、17年ぶり2度目の外人力士優勝につながったと指摘。小錦の日本語の上達が速かったことや、昭和天皇の大喪の礼の際、相撲関係者の中で最前列に並んだことを紹介し、小錦が日本に同化していることを彼の人気の一つに挙げている。
同紙はまた、プロ野球のセ、パ両リーグ最優秀選手にクロマティ(巨人)ブライアント(近鉄)がそれぞれ選出されたのに続き、日本の人気スポーツの頂点を米国人が極めた最良の週末だったと述べている。《共同通信》
【プロ野球】
ドラフト会議での指名を終えたプロ野球各球団は27日、1位指名選手の獲得に向かって本人、関係者と接触を開始した。
8球団による抽選で野茂(新日鉄堺)を引き当てた近鉄は、仰木監督が担当スカウトを伴って大阪府堺市の会社を訪ね、本人にあいさつ。野茂本人、元永野球部副部長からプロ入りについての好感触を得た。
甲子園の人気選手、上宮高の元木の交渉権を得たダイエーは、杉浦球団取締役と堀井スカウトが大阪市内の学校に出向いたが、山上監督と会っただけで、元木との接触はなかった。
このほか、巨人が慶大合宿所で大森、西武が松下電器で潮崎、オリックスが熊谷組で佐藤、阪神が法大合宿所で葛西、中日がNTT東京で与田、広島がNTT中国で佐々岡と、それぞれ本人に指名のあいさつを済ませた。
小宮山(早大)を指名したロッテと、佐々木(東北福祉大)w指名した大洋は選手の実家を訪問。ヤクルトは28日に西村(ヤマハ)の会社にあいさつの予定。日本ハムは既に26日、酒井(近大)本人にあいさつを終えている。《共同通信》
【チェコスロバキア】集会、デモ収束へ
チェコスロバキアの民主化運動を指導している「市民フォーラム」は27日、政治改革の要求が受け入れられる基盤ができたとして集会とデモを同日で一応収束させると宣言、今後は警戒を続けながらも政府との対話に重点を置く方針を打ち出した。
連続11日間の集会、デモを締めくくる形で27日に実施された2時間のゼネストを節目に、複数政党制を目指すチェコの改革運動は新段階を迎えた。
政府との対話は28日にアダメッツ首相とフォーラム代表の会談が予定されている。しかし、首相は既に24日の党中央委員会総会で幹部会員を辞任、近く首相のポストを去る可能性もあり、対話がスムーズに進むかどうかは未知数だ。《共同通信》
【稲村佐近四郎前代議士】政界引退を表明
撚糸工連事件で収賄罪に問われ、一番で有罪判決を受けた稲村佐近四郎前代議士は27日、羽咋市島出町の稲村会館に後援会幹部ら約300人を集めて政界から正式に引退することを表明した。
席上、決着をつける予定だった次期衆院選石川二区での旧稲村系後継候補者擁立問題については、結論を持ち越したものの系列県議らの間に準備期間が短いことを理由に見送る空気が強く、出馬意欲を示していた長男の稲村建男県議の擁立は極めて難しい状況となった。
同日の引退表明の席には、稲村前代議士のほか系列県議ら7員と、旧稲村系が所属する県議団派閥・中川派の中川石雄会長、福村章幹事長が同席した。
後援会幹部らの担手に迎えられた稲村前代議士は「長年のご支援に感謝しています。実んの力でいい後「継者をつくりあげてほしい」と謝辞を述べた。会場からは、8期にわたり国政の場で活躍した稲村前代議士の引退を借しむ声が次いだ。《北國新聞》
【政界メモ】カネの苦労で、つい愚痴も
◯…27日昼前、首相官邸に今期限りで引退する自民党の田村良平衆院議員がブラリと訪れ、海部首相を相手に「任期満了選挙のすすめ」をひとつくさり。田村氏は帰り際、記者団に「解散・総選挙だと参院選の二の舞いになる、と話したら首相は“今一生懸命に解散風の鎮静化に努めております”と答えていたよ」
記者団が首相に真意を問うと「僕は何にも言ってない。田村さんの意見を承っただけ」と全面否定。日ころ、解散について「今、私の頭にはない」と言い続けている首相。何を言っても影響が出るのを恐れてか「誤解しないで下さいよ」とくどいほどの念の入れよう。
◯…この日、元新自由クラブ幹事長の山口敏夫衆院議員(自民党)が「新党結成の際の政治資金」と題して日本記者クラブで講演。新自由クラブ時代、弱小政党の幹事長として資金集めに苦労した山口氏だけに「私を除いた新自由クラブの大半の人は今日までカネで批判を受けないできた」と昔の仲間に愚痴をこぼすかと思えば「宇野さんや海部さんのように苦労しなくても総理になれるとなると、資金担当者の意欲も後退していい傾向だ」と皮肉たっぷり。
自民党復党後も閣僚や党の要職に政界の牛若丸ぶりを発揮、将来の首相も狙う山口氏だけに本当は「苦労しないで、うまい汁を吸うのはずるいよ—」と言いたかったのかも。《共同通信》