平成132日目

平成元年5月19日(金)

1989/05/19

【朝日新聞】記事捏造事件で写真部記者を解雇

朝日新聞の青山昌史取締役は19日夜、同社東京本社で同社カメラマンによる沖縄のサンゴ落書き記事ねつ造事件について記者会見し、無傷のサンゴにカメラマンが傷を付けたことを認めた。そして、これまでのカメラマンの報告より重大、悪質として、撮影を担当した東京本社のA写真部員(41)を懲戒解雇、同行したB西部本社写真部員(41)を停職3ヵ月、編集担当のC専務取締役ら幹部5人を減給などとする厳しい処分を同日付で行ったと発表した。

この事件は、沖縄・八重山群島西表島で4月12日、Aカメラマンがオオアザミサンゴに刻まれた「KY」の落書きの写真を掲載した。Aカメラマンは、ねつ造が問題化すると「もともとあった落書きの上をこすった」と弁明していた。同カメラマンは16日付で停職3ヵ月の処分を受けていた。

この日の会見で青山取締役は「調査の結果、無傷のサンゴに文字を刻んだと考えざるを得ない」と、処分をさらに重くした理由を説明、事実上これまでのカメラマンの弁解がウソだったことを認めた。《共同通信》



【中国・趙紫陽総書記】ハンスト中止訴え

中国の趙紫陽総書記と李鵬首相は19日午前4時45分、北京の天安門広場を訪れ、対話や民主化を求めてハンスト1週間目に突入した学生たちを見舞った。趙総書記は「君たちは善意から国を守ろうとしている。問題は今や全北京市民が考えており、党と政府は対話を引き続き行う。冷静になってすぐハンストを中止するよう希望する」と学生らの説得工作に当たった。

新華社や中央テレビ局のニュースによると、人民服姿の趙総書記らが、広場内に持ち込まれた大型路線バスに近づくと、ハンスト学生らの間から「(趙)紫陽、李鵬同士が来た!」との歓声が上がり、窓から身を乗り出す学生らは次々と握手を求めた。

趙氏らはこの後バス内に乗り込み、一人ずつハンスト中の学生に声をかけた。

こうした趙総書記らの懸命な対応のききめもあって、19日朝の北京・天安門広場は、デモ隊やヤジ馬の市民がぐっと減り、学生指導部の統制がかなり回復、100万人以上のデモ隊が繰り出した前日の興奮はやや鎮静した。この日朝のデモ隊の数は、天安門広場、周辺の路上など合わせてざっと50万。《読売新聞》

【中国・北京】緊張高まる

民主化を要求する学生運動への対応に苦慮する中国共産党・政府指導部保守派の間で19日、軍を出動させて強硬鎮圧すべきだとの声が高まり、これに反対する趙紫陽総書記が孤立し、辞任を願い出たとの見方が北京の消息筋の間で広まっている。

また、この日オーストラリア特使と会談した李鵬首相は「北京は混乱状態となっているが、政府は適当な措置をとって社会秩序を回復する」と述べており、これは戒厳令の実施を示しているのではないかとの観測が出てきた。学生のハンストをきっかけに100万人を超える市民、労働者を巻き込んだ民主化要求運動が引き起こした中国の政治情勢は極めて深刻な段階を迎えた。《共同通信》

【自民党】政治改革大綱を決定、竹下首相に答申

自民党の政治改革委員会(後藤田正晴会長)は19日、党内論議を集約した「政治改革大綱」を正式決定し、竹下首相(総裁)に答申した。

大綱は(1)小選挙区制導入を基本とする選挙制度の抜本改革(2)「国対政治」の弊害除去など国会の活性化(3)自民党首脳、閣僚らの派閥離脱を柱とする派閥解消などの党改革(4)政治資金の「出」と「入り」の規制強化など政治資金の見直しと政党への公的資金導入に向けた政党法制定の検討ーを中心的な課題として、政治改革の具体的方策を打ち出している。《共同通信》



5月19日のできごと