平成5395日目
2003/10/16
この日のできごと(何の日)
【所沢ダイオキシン報道訴訟】最高裁、農家敗訴の二審破棄
テレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」が、埼玉県所沢市産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたと報道したことで、野菜の価格が暴落したとして、所沢市内の農家29人がテレビ朝日などに約2600万円の損害賠償と謝罪放送などを求めた訴訟の上告審判決が16日、最高裁第1小法廷であった。
横尾和子裁判長は、農家側敗訴とした1、2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。
問題となったのは、1999年2月1日に放映された特集番組で、東京都内の民間調査会社「環境総合研究所」のデータを基に、所沢市産の野菜から1グラム当たり0.64-3.80ピコ・グラムの高濃度のダイオキシンが検出された、などと報じた。ところが、その後、3.80ピコ・グラムを示したのは野菜ではなく「せん茶」で、テレビ朝日はこれを知らないまま放映していたことが判明。裁判ではこの報道が真実といえるかどうかが最大の争点となった。
1審・さいたま地裁、2審・東京高裁は、所沢産のハクサイから同レベルのダイオキシンが検出されたとする別の調査結果が存在することなどを理由に、「報道内容は主要な部分で真実と認められる」と認定。農家側の請求を退けていた。《読売新聞》
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【プロ野球】
阪神が18年ぶりに優勝したセ・リーグは16日、ヤクルト−広島最終戦(神宮)で今季の全日程を終了した。パ・リーグは12日に全試合を終えており、今季の両リーグ公式戦が終わった。中日が2位に入り、連覇を逃した巨人はヤクルトと同率3位、5位は広島、横浜が6位。
投手部門では20勝を挙げ阪神の優勝に貢献した井川が最多勝、最優秀防御率の2冠を獲得。最優秀救援投手はセーブ、セーブポイントのプロ野球記録を更新した高津(ヤクルト)が2年ぶり4度目の受賞。
打撃部門の本塁打王はウッズ(横浜)と、この日の最終戦で本塁打したラミレス(ヤクルト)が分け合った。ラミレスは本塁打王に加え、124打点、189安打で打点王、最多安打の3部門を制した。阪神勢では今岡が初の首位打者を獲得し、61盗塁の赤星が3年連続で盗塁王に輝いた。
観客動員数は阪神が球団史上初めて300万人を突破する330万人を動員、他の5球団は減少したが“阪神効果”で1352万500人と昨年より増やした。《共同通信》
◇
今季フリーエージェント(FA)の権利を取得した西武の松井稼頭央内野手(27)が16日、球団側に米大リーグに挑戦したい気持ちがあることを伝えた。
松井はこの日、西武ドーム横の球団事務所で小野賢二球団代表から残留を要請され「メジャーリーグに挑戦したいという気持ちを伝えた」という。大リーグでプレーする夢は昨年から具体化してきたそうで「今がチャンスといえばチャンス。メジャーに挑戦できる位置にいることはすごく良いこと」と語った。
再契約金として推定1億8000万円を提示するなど残留を訴えた小野球団代表も「自分の心象として(松井が)大リーグに挑戦したいという気持ちになっていると感じた」と慰留が困難な認識を持ったことを明らかにした。
ただ不安もあるようで11月初旬に出場するアテネ五輪予選を兼ねたアジア選手権後に大リーグ挑戦か国内残留かに一本化する意向を明らかにした。松井は「本当に悩んでいる。今は正直言って五分五分」とも話した。《共同通信》
【福井県警】手製爆弾男を逮捕
福井市の民家脇で今年7月、手製爆弾が爆発した事件で、福井県警捜査一課と福井署は16日、自分で製造した消化器爆弾を爆発させたとして爆発物取締罰則違反(爆発物使用)の疑いで住所不定、無職A容疑者(34)を逮捕した。
A容疑者は爆発直後、捜査員に「いじめられた仕返しに来た」と話しており、元同級生の実家を狙ったとみられることから、県警は動機の本格的な追及を始める。
同容疑者は爆発に失敗して大やけどを負い、入院していた。
調べでは、A容疑者は7月13日午前5時半ごろ、自分で作った消化器爆弾を福井市内の元同級生の実家脇駐車場で爆発させた疑い。《北國新聞》
【日本・メキシコ】FTA交渉決裂
日本とメキシコの自由貿易協定(FTA)締結に向けた閣僚交渉は16日、農産物や鉱工業品分野の対立が解けずに決裂し、フォックス・メキシコ大統領来日時に実質合意を目指すとした両国首脳の公約は果たせなかった。日本は初の包括的なFTAを実現しようとしたが、交渉失敗は、農産物貿易の一段の自由化がいかに難しいかをあらためて示す結果となった。
世界貿易機関(WTO)の多国間の自由化交渉がとん挫する中で、メキシコとの交渉決着をばねに、FTAに軸足を移そうとした日本の通商戦略は大きくつまずいた。今後のアジア各国とのFTA交渉も、農林産品の市場開放などをめぐり難航が予想される。
小泉純一郎首相とフォックス大統領はこの日、FTA協議を継続する方針を示した共同声明に署名。今後の協議再開は外交ルートを通じて調整し、事務レベル協議の早期再開を目指すとしているが、具体的なめどは立っていない。《共同通信》
【中国】有人宇宙船帰還
中国が初めて打ち上げた有人宇宙船「神舟5号」は予定通り21時間かけて地球を14周し、16日午前6時23分、中国内モンゴル自治区中部の草原地帯に着陸した。飛行士の楊利偉・軍中佐(38)は元気で中国は初の有人宇宙飛行を成功させた。国営通信、新華社が伝えた。
有人宇宙飛行の成功は米国、旧ソ連(ロシア)に次いで3カ国目。中国は米ロに次ぐ「宇宙技術大国」になったといえ、宇宙の軍事利用やビジネスの分野でも一気に存在感を高めるのは確実。今後、宇宙開発を加速させ、2、3年後には将来の月面探査実現に向けた探査衛星の打ち上げを目指す。
中国中央テレビによると、温家宝首相は楊中佐と交信し「順調な帰還」を祝福。その後、乳白色の宇宙服を着込んだ楊中佐が手を振りながらカプセルから姿を現すお、待ち構えていた捜索隊員ら数百人から大きな歓声が上がった。楊中佐はやや疲れた様子だが、健康状態は良好だという。《共同通信》
【韓国】大統領側近逮捕
韓国最高検は16日未明、盧武鉉大統領側近の崔導述・前大統領秘書官を、あっせん収財と政治資金法違反の容疑で逮捕した。通信社の聯合ニュースによると、前秘書官は、大統領選直後の昨年12月25日、高校の先輩の紹介でソウルのレストランでSKグループの孫吉丞会長と会い、グループを支援してほしいという請託とともに譲渡性預金証書で11億ウォンを受け取った疑い。《共同通信》
【国連安保理】イラク復興決議を採択
国連安全保障理事会は16日午前、公開協議を開き、イラクへ一の多国籍軍派遣や戦後復興への協力を求める米国提案の決議を全会一致で採択した。
イラク戦争に反対し、決議案をめぐって米国と対立していたフランス、ドイツ、ロシア3カ国が同日、首脳による電話会談で決議賛成に転じ、中国、シリアも支持。イラクの戦後復興では国際協調の枠組みが形式上整った。米国は23日から、マドリードで開かれるイラク復興支援会議で、各国に対し決議を盾に一層の協力を要請するとみられる。
しかしフランス、ドイツ、ロシア3カ国は決識採択後、国連の役割強化と主権移譲の時期でさらに踏み込むべきだったと不満を示す共同声明を発表。今後の軍事的関与や財政貢献を行うかどうかについても「現在われわれが約束している以上のものを計画する状況ではない」と否定した。
米国は今後、憲法制定や選挙実施に向けた動きを加速させる必要に迫られる。《共同通信》
【MLB】
ワールドシリーズ進出を懸けた米大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)、ヤンキース(東地区1位)−レッドソックス(ワイルドカード)の最終第7戦が16日、ニューヨークで行われ、延長十一回にヤンキースがブーンの本塁打で6−5でサヨナラ勝ちし、2年ぶり39度目のリーグ優勝を果たした。
松井秀喜外野手はポストシーズン初の「5番(左翼)」で先発し、5打数2安打だった。一回二死一、二塁は中飛で、四回は二死から中越え二塁打。七回は二ゴロで、八回一死一塁では右翼線二塁打。十回先頭での第5打席は一ゴロだった。
対戦成績3勝3敗で迎えた大一番。レッドソックスは二回にニクソン、四回にもミラーが本塁打し、4点をリードした。しかし、ヤンキースは五、七回にジアンビの2打席連続本塁打で反撃し、3点を追う八回には松井の二塁打を含む4連続長短打で追いついた。《共同通信》
【この日の民主党】
羽田最高顧問、東京22、23区で支持訴える
民主党の羽田孜最高顧問は16日、東京の京王線調布駅前(調布市)、聖蹟桜ヶ丘駅前(多摩市)などで街頭演説を行い、「本当の民主主義を確立するため、みなさんの一票で新しい政治を実現してほしい」と熱心に呼びかけた。
羽田最高顧問は「自民党の一党独裁政治に安穏としていては随所に膿がたまるだけだ。政権交代がなければ、国民の意思を反映させる政治は行えない」と指摘。政権交代を担う政党間の緊張感こそが、新しい発想を生み、国民本位の政治を実現させていく原動力になると唱えた。その上で、「民主党が政権をとったらどんな社会を実現するか、マニフェストに示した」とし、民主党に政権をまかせてほしいと訴えた。
調布駅前の演説会には民主党の山花郁夫東京22区総支部長が参加。「高速道路をはじめとして、インフラの高コスト構造を改めていくべき」との考えを示し、そのために官僚主導ではなく意思決定権を政治家が担うこと、中央から地方へ、霞ヶ関から市民へ政治を取り戻すことなどを主張した。
聖蹟桜ヶ丘駅前には民主党の石毛えい子東京23区総支部長が駆けつけ、7年間の国会活動の中で「介護保険の使い勝手と質を確保する」観点から介護保険事業計画づくりへの市民参画を実現させたこと、遺伝子組み換え食品の表示を義務化させたことなどを報告。「国会議員は政策をつくってみなさんのお役に立つのが務め」として、国民本位でまとめ上げた民主党のマニフェストに注目してほしいと訴えた。
「よりよい議論を深め、政策本位の選挙戦を」岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は16日の定例記者会見で、28日の衆院選公示を控えて本番さながらの高まりを見せている選挙戦の印象を「いつもと違う。政権を選択する選挙だとする国民の期待感がひしひしと伝わってくる」と語った。
岡田幹事長は、民主党のマニフェストに対して「絵空事」との批判を繰り返す自民党の姿勢を「非常に残念」と断じ、政策論議を深めるなかで政権政党を選ぶ「政策本位の選挙」を自民党に求めたいとした。
日本道路公団疑惑でその去就が注目されている藤井治芳総裁については、17日に行われる聴聞を踏まえ、場合によっては参議院で閉会中審査を求める考えを示した。
広中議員、ニュージーランド元国防副長官と会談
民主党の広中和歌子参議院議員は16日、来日中のニュージーランド元国防副長官ディック・ジェントルズ氏と会談。日本とニュージーランドの防衛政策、アジア・太平洋地域の防衛問題等について、意見を交換した。この会談は、平和問題に関する情報収集・調査研究活動を行うNGO「ピースデポ」の紹介で実現した。
ジェントルズ氏はニュージーランドの防衛政策について「安全保障の概念をより広範囲に捉えたもの」と説明し、ニュージーランド軍は救援活動、沿海警備等にあたり、本土防衛より国連平和維持活動などの国際協力が重視されている現状を明らかにした。「『テロ対策』よりも『テロが生まれる原因の解決』を優先する必要がある」とジェントルズ氏は主張。ニュージーランドの非核政策については「米国やオーストラリアとの軍事協力において多少の影響を及ぼしたが、経済的なマイナスはなく、国民の8割以上はこの政策を支持している」と強調した。
広中議員は非核政策などに積極的に取り組むニュージーランドを高く評価し、それに比べてイラク問題においてやみくもに米国追従を貫いている政府の姿勢を「正義がなく、非常にいらだたしい」と批判。日本はODAなどを含めて、安全保障の面で重要な役割を果たすべきだとし、「民主党が政権をとれば(ニュージーランドの政策を)大いに参考にしたい」と語った。ジェントルズ氏は賛同し、日本がアジア外交を重視する必要性を指摘、米国と中国の「重要な架け橋となるのではないか」とコメントした。《民主党ニュース》