平成2097日目
1994/10/05
この日のできごと(何の日)
【村山富市首相】解散「考えず」
国会は5日午後1時からの衆院本会議で村山首相の所信表明演説に対して与野党が代表質問を行った。
首相は衆院解散・総選挙について「景気対策や政治改革の推進など国内外の課題が山積する中、政治の空白は許されず現下の解散は考えない」と述べ、野党「改革」の羽田新生党党首らの区割り法成立後早期の解散、退陣要求を拒否した。
首相は、羽田氏らが消費税率アップを盛り込んだ税制改革は社会党の公約違反だと追求したのに対し「政党が公約の実現に努力するのは当然だが、状況の変化に対応した政策転換を図ることもある。公約違反ではない」と否定。与党3党の協議を踏まえて「責任ある決断を下したものだ」と正当性を強調した。「自民党亜流政権」との批判にも「現政権は特定政権の亜流ではない」とかわした。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【福井地裁】「選挙権は日本国籍を有するものに限る」
永住資格があり県内に居住する在日韓国人4人が地方参政権を与えられていないことで「国籍条項のある地方自治法と公職選挙法は住民の選挙権を保障した憲法に違反する」として、国と福井市など4選挙管理委員会を相手に選挙人名簿未登録の違法確認と1人100万円の損害補償を求めた訴訟の判決が5日、福井地裁であった。
野田武明裁判長は「憲法上、参政権が保障されているのは日本国籍を有する者の限られる」として請求を棄却または却下。しかし、定住外国人の地方参政権を認める立法例が諸外国にあり、わが国でも市町村レベルでは許容されるとの見解が成り立つと、消極的ながら立法政策上の可能性を示唆した。《福井新聞》
【日本新党・海江田万里衆院議員】「小沢新党」と決別
野党の統一会派「改革」や新党準備会に参加せず、日本新党に籍を置いたまま院内会派「民主新党クラブ」を旗揚げした海江田万里衆院議員が5日発売の月刊誌「宝石」に「さらば小沢新党」と題した新・新党との決別宣言を寄稿した。
海江田氏は年内に結成される新党は新党準備会実行委員長の小沢一郎・新生党代表幹事が仕切る「小沢新党」とした上で、「われわれの行動は新・新党に突き付けた『ノー』である」と断言。今後については「自民・社会・さきがけの組み合わせはおかしいと考えるので、新党さきがけへの吸収合併はない」と、さきがけへの合流を否定。「われわれが軸となって新しい第三極をつくる」と宣言している。
また公明党が新・新党に加わることについて「だれが創価学会員かが水面下に隠れてしまい、気がついた時には党の中枢の大半が、創価学会の手に握られ、日本政治が動かされていたということにもなりかねない」と、問題点を指摘している。《共同通信》
【法務省】東京地検検事正ら更迭へ
検事が取り調べ中に参考人らに暴行した事件が相次いだため法務省は5日、吉永祐介検事総長に対する前田法相の口頭注意のほか、東京地検の北島敬介検事正(57)、石川達紘次席検事(55)ら3人を戒告処分にするなど地検幹部7人の監督・責任について処分を発表した。検事総長への注意は、国家行政組織法の大臣の指揮監督権に基づくもので、初めて。
また「近く人心を一新する」として、北島検事正、石川次席を含む東京地検幹部らの事実上の更迭を考えていることを明らかにした。新しい東京地検検事正には飛田清弘・横浜地検検事正(58)が有力視されている。
これを受けて吉永検事総長は記者会見し「相次ぐ不祥事は、国民の検察に対する期待と信頼を損なった。申し訳なく、遺憾に堪えない」と謝った。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は5日午前、首相官邸にこもり午後からの衆院本会議での代表質問の答弁の勉強に費やした。時間に追われて昼食も慌ただしかった上、前日深夜の北海道東方沖地震で「午前3時まで起きていた」と首相自身がこぼしただけあってやや疲れ顔。記者団が「代表質問を乗り切るスタミナは」と尋ねると「大丈夫じゃ」と笑顔を見せた。所信表明演説を欠席するなど冒頭から対決色を強めている野党「改革」の質問には「誠心誠意答えるだけじゃ」と人柄頼み。野党の追及をかわそうとの狙いが言葉の端にチラチラ。
○…社会党の森井忠良国会対策委員長は5日午前の記者会見で、国会正常化に関連して「議院運営委員会以外の太いパイプが要ると思った。『改革』もなるべく早く態勢を整備していただきたい。国対レベルで虚心たん懐に話し合うことが必要だ」と国対協議を提唱した。記者団が「それは国対政治の復活ではないか」とただすと、森井氏は「かつての国対政治とは違う。オープンな場でやれる知恵を出したい」とこれまで自社なれ合いの象徴とされた国対政治との違いを強調。ただでさえ、自社野合政権との批判も強いだけに説明に躍起だった。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】パリの公立学校などご訪問
フランスを訪れている天皇、皇后両陛下は5日午前(日本時間5日夕)、パリ市内の公立学校「リセ・シャン・ド・ラ・フォンテーヌ」を訪問、生徒たちと交流された。同校は、日本の小学校6年生から高校3年生までに当たる7学年で、生徒数約1600人。両陛下は講堂で約100人の生徒と歓談したが、生徒たちに囲まれて質問攻めに。
「日本はなぜ経済大国になったのですか」「フランスの伝統についてどう思いますか」などの難問に、両陛下が困ったように笑顔を浮かべられる場面もあった。この後、両陛下は第二外国語として日本語を勉強している教室を訪れ、会話レッスンなどを見学された。《共同通信》
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フランスを訪問中の天皇、皇后両陛下は5日午後(日本時間5日深夜)、6歳から20歳の若者を対象にしたパリ市内の身障者施設「レザミ・ド・カレン」を訪問、続いて駐仏大使主催の答礼レセプションに出席された。
身障者施設では、青年クラスを訪れた天皇陛下に絵が、皇后さまには花束がプレゼントされた。陛下はモミジの葉を使った絵を広げ「どうもありがとう」と述べられた。皇后さまは子供に名前を聞いては、一人一人呼び掛けられた。
リハビリとして子馬を使う「ポニークラブ」では、2人の少年が馬に乗りながら体を動かす訓練をにこやかに見守られた。
両陛下はこの後、駐仏大使主催の答礼レセプションに出席、ミッテラン大統領やシラク・パリ市長らに歓迎に対するお礼を述べられた。《共同通信》
【台湾・徐立徳行政院副院長】国会議員らと相次ぎ会合
広島アジア大会に出席した後、東京入りしている台湾の徐立徳・行政院副院長(副首相に相当)は5日午前、国会議員2人のほか、秦野章元法相と面会。さらに同日夕には親台湾派議員」でつくる日華関係議員懇話会の議員らとも会食した。
徐副院長は来日後、広島で与謝野文相と接触したほか、4日にも国会議員6人と会食しており、相次ぐ政治家との活発な会合は「徐訪日は政治的行為」と非難している中国の強い反発を呼びそうだ。
徐副院長は5日午前、台湾の大使館にあたる台北駐日経済文化代表部を訪問した後、宿泊先のホテルに戻り、まず椎名英夫参院議員(無所属)、村上正邦参院議員(自民)=元労相=の2人と面会。これに、遅れて来た秦野氏も加わり、自室で約1時間半にわたり面会した。
さらに、同日夕には都内の料亭で日華懇会長の藤尾正行氏(自民)=元文相、同会長代理の佐藤信二氏(自民)=元運輸相、山中貞則氏(自民)=元通産相=ら6人の衆院議員と会食した。《共同通信》
【スイス】焼け跡から48遺体
スイス西部のフリブール州とバレ州で5日早朝(日本時間同日午後)、火災後の農家と山小屋から相次いで、少なくとも48人の遺体が見つかり、警察当局はカナダに本拠を持つ宗教団体の集団自殺事件とみて捜査を進めている。カナダのケベック州でも現地時間4日に同じ宗教団体関連のアパートで火事があり、3人が死亡したという。
スイス警察当局の発表や現地からの報道によると、フリブール州シェリでは、農家の火災跡から23人の遺体が見つかった。シェリから南方約160キロのバレ州の山村グランジュでは3軒の山小屋が焼け、うち2軒から子供をめ少なくりとも25人の遺体が見つかった。
農家での死亡者は手足を縛られ、頭にビニール袋をかぶせられ、銃で撃たれた形跡があったという。死亡者らはスイス、カナダ、フランス人で、スイス生まれのカナダ人ルック・シュレ氏の主宰する宗教団体「太陽寺院教団」の関係者とみられているが、シュレ氏が死亡者の中にいるかどうかは不明。
太陽寺院教団の教義などは不明だが、世界の終末に向け武器を備えるよう説き、ジュレ氏は特殊な医療活動もしていたという。また17世紀の秘密結社「バラ十字団」との関連も推測されている。《共同通信》
【ザイール】自衛隊キャンプ間近で発砲
ルワンダ難民援助のためザイール東部ゴマに展開している自衛隊の宿営地に近いゴマ国際空港の滑走路で5日、ザイール軍兵士がザイール市民に発砲する事件が発生した。事件は、ザイール軍の“強盗化”に抗議する市民が銃で鎮圧される状況の中で発生しており、ゴマの治安の悪さを浮き彫りにしている。
目撃者によると、自衛隊宿営地近くに集まった市民を解散させるためザイール兵士が小銃で群衆に射撃、ザイール人1人が殺害されたもよう。自衛隊は直接巻き込まれなかったが、銃声を聞いて慌てて銃を構えた隊員もみられたという。同日朝も、ゴマ空港で銃声が響いており、この日は、一日中、軍が市内をパトロールするなど緊迫した情勢だった。
事件の発端は4日夜に発生した殺人事件。国連や消息筋によると、ゴマの有力ビジネスマン、カマテコンビさん(40)が最近、日本製の新品の小型トラックを購入し、そのトラックを奪おうとしたザイール軍の大尉と兵士1人が同日、カマテコンビさんの頭に発砲、即死させた。
一夜明けて市民らがザイール兵の横暴に怒り出し、市内各地でデモを計画したが、市民の動きを察知した軍側が逆に鎮圧。自衛隊の間近で発生した発砲も、こうした鎮圧の一環だったとみられている。《共同通信》