平成3555日目
1998/10/02
この日のできごと(何の日)
【日本興業銀行、第一生命保険】全面提携
日本興業銀行と業界第2位の第一生命保険は2日、今後2年間で資本関係を強化した上、資産運用や商品開発など幅広い分野で業務を補完し合う全面的な提携で合意した。将来的には持ち株会社設立も視野に入れている。大手銀行と大手生保の本格的な提携は初めて。興銀は既に業界首位の野村証券と提携関係を結んでおり、銀行、証券、保険の異業種が連携した巨大金融グループが誕生する。
金融界では、三菱、住友といった旧財閥系の金融機関がグループの結束を強める動きを加速。一方、旧財閥グループに属さない独立系は、外資も含めた再編の道を模索している。日本を代表する独立系同士が手を組んだ今回の提携で、日本版ビッグバン(金融制度改革)での合従連衡の勢力図がほぼ見えてきた。
会見した興銀の西村正雄取と第一生命の森田富治郎社長によると、平成10、11年度の2年間で、第一生命が興銀の第三者割当増資に応じ、最大、独禁法の上限である10%まで持ち株比率を引き上げる。興銀は株式会社の資本金に当たる第一生命の基金に同額を拠出する。
持ち株会社について西村頭取は「可能性も継続して検討していきたい」とし、第一生命が株式会社化されれば、設立する可能性もある。
興銀と野村が設立する合弁会社への出資についても、森田社長は「重要な方向性と認識している」と前向きの姿勢を示した。《共同通信》
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【青森・六ケ所村】原燃再処理工場に使用済み核燃料搬入
東京電力福島第二原子力発電所4号機(福島県富岡町)から出た使用済み核燃料8トンを積んだ輸送船「六栄丸」(3000トン)が2日午前、青森県六ケ所村のむつ小川原港に接岸し、日本原燃(本社青森市)の六ケ所村再処理工場の同燃料貯蔵プールに使用済み燃料が搬入された。機器調整のための試験用で、同工場へ使用済み燃料を搬入するのは初めて。
再処理で生じる放射性廃棄物処分の見通しが立たず、プルトニウムを使う高速増殖炉の開発も行き詰まるなど核燃料サイクル政策の行方が不透明な中で、民間初の六ケ所村再処理工場は稼働に向け一歩を踏み出した。《共同通信》
【新党平和】公明との合流が決定
新党平和(神崎武法代表)は2日午前、都内で議員総会を開き、公明との合流を全員一致で正式決定した。神崎代表は「3000余人の地方議員と60余人の衆参両院議員を合わせ、本格政党を作り、庶民の党として国民に直結する政治を目指したい」と決意表明した。
平和と公明は来月7日に「合流大会」を開く予定で、1994年に旧公明党が公明新党と公明に分党して以来、約4年ぶりの統一となる。合流によって両党は、来年4月の統一地方選挙や次期衆院選挙に向けた基盤固めを進める。《共同通信》
【和歌山保険金疑惑】5億円以上取得か
和歌山市の毒物カレー事件前にヒ素中毒とみられる症状が出ていた無職男性(35)に多額の保険金が掛けられていた疑惑で、保険契約を仲介した同市園部地区の住民夫婦が、これまでに夫婦自身と知人や親族ら計7人の保険金総額5億円以上を取得していた疑いの強いことが2日、和歌山東署捜査本部の調べで分かった。
この中には、無職男性が住民宅で食事後に中毒症状が表れ入院したり、住民自身がやけどの理由を偽って入院給付金を取得したりした疑いがあるなど不審な保険契約があり、捜査本部は保険金の取得経緯の解明を急いでいる。
男性には、住民の仲介で7社約10件の保険が掛けられており、給付金六百数十万円が支払われたが、そのほぼ全額が住民夫婦周辺に流れた疑いが出ている。
一方、住民自身も平成8年2月、「自宅の庭でバーベキューをしていたところに自転車で突っ込み、湯をかぶった」として、数千万円の入院給付金などを受給していた。
住民の夫は体の障害を認定されたことに伴い保険金や入院給付金など二億数千万円を受給。夫婦で受け取った保険金は三億数千万円に上る。
このほか、住民宅の夫の仕事を手伝っていた男性が昭和60年に死亡したほか、別の男性(36)も63年に半身不随になり、死亡保険金など計数千万円が住民に流れたとされる。
住民宅に出入りしていた元社長(46)も住民宅で食事後に体調が悪化、たびたび入院したが、入院給付金数百万円は、その大半が住民に渡ったとみられる。また、住民の親族も多額の保険が掛けられた後に死亡し、この住民だけが保険金一億四千万円を受け取っていたという。《共同通信》