平成993日目
1991/09/27
この日のできごと(何の日)
【台風19号】九州、中国で猛威
大型で非常に強い台風19号は27日夕、長崎県佐世保市付近に上陸、九州から近畿地方にかけての広い地域を暴風域に巻き込みながら速いスピードで北上している。これに伴い、台風の周辺を取り巻く発達した雨雲と秋雨前線の影響で、九州北部や中国、四国では一時間当たりの雨量が局地的に50ミリ前後の大雨となり、九州各地を中心に土砂崩れなど被害が続出、28日午前0時30分現在、長崎、福岡、山口など9県で死者・行方不明25人が出た。
気象庁の観測によると、台風は28日午前0時現在、石川県輪島市の西約270キロの海上を時速約80キロまで北東へ進んでいる。中心の気圧は950ミリバール、中心付近の最大風速は45メートルで、中心の南東側440キロと北西側260キロ以内では風速25メートル以上の強風。
台風は28日正午には、札幌市の東約60キロを中心とする半径110キロの円内に達する見込み。
台風の上陸に伴って暴風域に入った九州北部では、同日午後6時すぎ、熊本・阿蘇山で昭和27年以降の観測で最高の最大瞬間風速60.9メートルを記録したほか、広島市でも午後7時すぎに観測史上最高の58.9メートルを記録した。
九州ではJR在来線、山陽新幹線が全線ストップした。空の便も、九州各地を発着する便がほとんど欠航、この日一日で400便以上がフライトを中止し、計5万7000人の足が乱れた。
警察庁が28日午前1時現在でまとめたところによると、住宅の全半壊66棟、一部損壊146棟、床上浸水1174棟、床下浸水3197棟、堤防決壊7か所、土砂崩れ58か所、道路損壊24か所などとなっている。
九州電力の調べによると、午後9時現在の停電被害は、九州全域で過去最高の約210万戸に達した。また、中国電力の調べによると、午後9時現在、広島県内で84万600戸、広島市内ではほぼ全域の39万戸が停電。通産省のまとめによると、停電総戸数は約400万戸と過去最悪になった。《読売新聞》
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【阪神・田尾安志外野手】現役引退が明らかに
阪神の田尾安志外野手(37)と伊藤文隆投手(37)の現役引退が27日、明らかになった。中村監督がこの日、両選手の引退試合を今季の阪神最終戦で行う意向を示したもので、田尾外野手は中日ー西武ー阪神と続いた16年間、伊藤投手は阪神14年間の選手生活にピリオドを打つ。
阪神の今季最終戦は現在、10月14日の広島戦(甲子園)となっているが、今後の天候状態などで変更の可能性もある。《共同通信》
【プロ野球・ダイエー】今井雄太郎投手、広橋公寿内野手が引退
ダイエーは27日、今井雄太郎投手(42)と広橋公寿内野手(34)の現役引退を発表した。記者会見で今井は「21年間、精一杯やった。得意のシュート、シンカーが打たれるようになり限界を感じた」と引退理由を説明。通算成績130勝の中には「昭和53年の完全試合(ロッテ戦)達成などがあるが「思い出はたくさん。ビールをちょっと口にふくんで?投げたこともある」と笑わせた。また、長男の有樹君(佐賀・竜谷高一年)は同高野球部で投手としてプレーしており「一緒にプロでがんばろうと思ったが…….」と残念そう。
八幡大(現九州国際大)出身の広橋は西武、中日、ダイエーと11年間「左投手キラー」として活躍。両一選手とも進路は未決定。《読売新聞》
【天皇陛下】バンコク・戦勝記念塔に供花
タイ訪問2日目の天皇陛下は27日午前、バンコクの中心部にある戦勝記念塔を訪れ供花。陛下とは別行動の皇后さまは、国王一家の住まい、チトラダ宮殿内にあるシリキット王妃が後援する救援施設工芸訓練センターを慰問された。
戦勝記念塔は1940年フランスとの間に起きた国境紛争での勝利を記念したもので、この戦闘で死亡したタイ軍兵士の名前が刻まれており、タイを訪問をた国賓の献花が恒例となっている。
陛下は記念塔正面入り口でパオ副首相の出迎えを受け、儀じょう隊を閲兵した後、記念塔前に進み「エンペラー・オブ・ジャパン」と英語で書いた直径1.2メートルの花輪を備えられた。《共同通信》
【北朝鮮・延亨黙首相】「核査察で米と協議」
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の延亨黙・首相と金永南・副首相兼外相は27日午後、国連総会出席のためニューヨークに向かう途中、成田空港に立ち寄り、出迎えた石井一・日朝友好促進議連会長らと約20分間、同空港内で会談した。
延、金両氏は、焦点の核査察問題について、「今回のような機会を通じて米国の関係者と意見を交換する」と述べ、ニューヨークで米側関係者と接触、北朝鮮の主張する在韓米軍の核撤去問題などについて意見を交換する考えを表明した。また、延氏は、「核査察に関して、日本側の対応にはいささか不満がある」と述べ、国際原子力機関(IAEA)の理事会で北朝鮮核査察受け入れ決議を提案、また、無条件受け入れを国交正常化への条件にしている日本政府の姿勢に不快感を示した。
両氏の発言は、石井氏が、北朝鮮の国連加盟を「日蓮国交正常化交渉の好材料になる」と歓迎しながらも、懸案になっている核査察問題への対応をただしたのに答えたもの。北朝鮮の首相、外相級の要人の成田立ち寄りは初めて。延首相ら国連総会参加代表団は18人。帰国する途中の10月7日にも成田空港に立ち寄る予定だ。《読売新聞》
【自民党・三塚博元政調会長】「後輩よ、応援頼む!」
自民党の三塚博・元政調会長が27日午後、早大と東大の技術関係施設、日赤医療センター付属乳児院を視察した。来月の自民党総裁選出馬を目指す三塚氏の教育、看護問題重視の姿勢をアピーールするとともに、海部首相や宮澤喜一・元副総理、渡辺美智雄・元政調会長に劣る知名度アップを狙い、側近が計画したもの。
母校の早大を訪れた三塚氏は、今年4月にオープンした総合学術情報センターを視察した後、すれ違った後輩たちに「総裁選に向けてがんばっている三塚です。応援頼むよ」。男子学生から「本当に首相になる気はあるんですか」と突っ込まれると、「一生懸命やってるよ。(総裁選の)相手が海部さん(首相)だと、同窓の戦いになるなあ」「公開討論はやるよ。フェアプレーでやらないといかんな」などと応じていた。《読売新聞》
【グルジア】内戦の様相
非常事態令下にあるソ連グルジア共和国の首都トピリシでは27日未明、ガムサフルジア大統領を支持する特殊警察隊(オモン)が、野党側と連携する軍事組織「国家防衛隊」のシャプナバダ基地を包囲して占拠。また、同日午前5時(現地時間)ごろには、別の武装部隊がジープ型車数台に分乗、野党陣営が本部を置く共和国テレビ局を急襲し、テレビ局を守る「国家防衛隊」側と銃撃戦を展開した。いずれも死者はなかったものの、情勢はすでに内戦に近い様相を呈し始めている。このほか、26日夜から27日朝にかけてトビリシ市内で間断なく自動小銃の連射音が響いた。
シャブナバダ基地には先月、ガムサフルジア政権から離反したキトバニ前政府国防委議長率いる「国家防衛隊」数千人が駐屯していたが、オモンに包囲された時点では部隊のほとんどがテレビ局の防衛に出はらっており、残っていた少数の将兵は捕虜になった。一方、テレビ局での銃撃戦では、攻撃側が猛スピードのジープ型車からテレビ局のビルに一斉射撃をあびせたが、反撃にあい、そのまま走り去った。
現在市内では、野党側がテレビ局など3拠点を装甲車、野砲を中心とする武装部隊で固めているのに対して、大統領側に残った「国家防衛隊」、オモンなど合わせて約千人が大統領執務室のある政府ビルを中心に防衛線を張っている。
ガムサフルジア大統領は、野党側に対抗するための「義勇兵」を募っており、自動小銃など大量の武器が配られているとの証言もある。大統領は野党側に対して、「武器を提出しなければ、テロ集団として制裁を加える」との最後通告をつきつけており、情勢の一層の先鋭化が懸念される。《読売新聞》
【米・ブッシュ大統領】核軍縮を提案
ブッシュ米大統領は27日夜(日本時間28日午前)、テレビを通じ全米国民向けに演説し、世界全域に配備された米国核兵器の規模と種類の大幅削減を柱とする画期的な提案を発表した。大統領は同時にソ連が同様の措置をとるよう呼びかけ、同日、ゴルバチョフ、エリツィン両大統領と電話で会談した結果「前向きで希望的な」反応を得たことを明らかにした。
ブッシュ提案の最大の眼目は、地上配備の全戦域核の撤去・破壊と海洋配備の全戦術核の撤去・破壊であり、これが実現した場合、ヨーロッパはもとより韓国国内配備の核兵器もなくなることになる。
大統領はこの方針を「米国核戦力に関し四十数年間で最も根本的な転換」と位置づけた。大統領は今回の提案が民主化・人権擁護、市場経済化に向かうソ連の人々を助けるためであることを強調した。また発表に先立ち、チェイニー国防長官や軍幹部はもちろん、メージャー英首相、ミッテラン仏大統領、コール独首相ら西側首脳と事前協議を経たことを明らかにした。
提案の主な内容は、まず地上発射戦域核兵器の分野では、すべての核砲弾および短距離弾道ミサイル用のすべての核弾頭を米国内に引き揚げ、現在米国内にある同様の兵器は破壊するというもの。海洋配備の戦術核兵器については、巡航ミサイルも含めてすべてを洋上艦及び攻撃型潜水艦、地上配備の海軍航空機から撤去し、多くを廃棄するもので、ソ連の呼応が得られれば、やがて地上・海上(中)から米ソの短距離核は姿を消すことになる。これは、米軍の洋上艦・潜水艦配備のトマホーク・ミサイル、空母搭載の核爆弾もなくなることを意味する。
ただし大統領は、「北大西洋条約機構(NATO)の安全保障に不可欠なもの」として効果的な空中発射核戦力は堅持する方針を示し、TASM計画(新型の航空機発射ミサイル開発計画)推進の考えを確認した。《読売新聞》