1998 平成10年9月1日(火)　長野県須坂市・缶ウーロン茶に青酸

平成3524日目

1998/09/01

この日のできごと(何の日)

【長野県須坂市】缶ウーロン茶に青酸

1日午後3時40分ごろ、長野県須坂市高梨、スーバー「信州楽市」のA店長(29)が「店の陳列棚にあった缶入りウーロン茶を飲んだところ苦い味がした」と須坂署に届けた。同県警科学捜査研究所で鑑定した結果、同日夜、缶に残っていたウーロン茶から有毒のシアン(青酸)化合物を検出した。

長野県警捜査一課は、何者かがウーロン茶にシアン化合物を入れて置いた毒物混入事件とみて捜査を始めた。A店長の体に異常はなかったが、検査のため同日夜、長野市内の病院に入院した。同県警は缶の内容物を警察庁科学警察研究所に送り、詳しく鑑定する。

調べでは、ウーロン茶の缶は340ミリリットル入り。握ると簡単にへこむ状態で、底に小さな穴があり、半送明の接着剤のようなものでふさいであった。県警は注射器のようなものでシアン化合物を注入したのではないかとみている。

陳列棚に残っていたほかの缶に異常はなく、ウーロン茶を購入した客からは被害の報告はないという。店内に防犯カメラはなかった。

A店長は「棚の整理をしていて、缶がへこみ、売り物にならないと思ったので自分で購入した。昼食後の午後1時40分ごろ、一口だけ口に含んですぐに吐き出した。枯れ葉の腐ったようなにおいがした」と話しているという。

同スーパーは長野電鉄須坂駅西約1.5キロの県道沿いにある郊外型大規模スーパー。午前10時から午後7時まで営業し、週末には長野市内からの客も多い。《共同通信》

【大相撲・若乃花関】横綱昇進披露宴

大相撲の横綱若乃花(27)=東京都出身、二子山部屋＝の昇進披露宴が1日、東京都内のホテルに約1000人を集めて行われた。

贈呈された横綱土俵入り用の三つぞろいの化粧まわし12組が飾られ、華やかな雰囲気。時津風理事長(元大関豊山)貴乃花、曙の両横綱ら相撲協会関係者に交じって、サッカーの三浦知良選手、橋本龍太郎前首相ら各界の著名人の顔が多く見られた。

披露宴に先立って行われた記者会見では「わたしは優勝を狙うとかは口に出さない。お客さんに喜んでもらえれば一番うれしい」と秋場所への抱負を淡々と話していたが、招待客の前では「今後も相撲道に精進してまいります。ご指導、ご声援よろしくお願いします」と力強くあいさつした。《共同通信》

【政界談話室】

○･･･自民党の亀井静香元建設相は1日、衆参両院議員21人の三塚派退会届を提出、同派の分裂が確定したが、亀井氏は記者団に「これですっきりした。感無量です」と晴れやかな表情。さらに「(これからは)永田町にとどまらず、日本中に発信してあらゆる職業の人から意見を聞くなど国民運動的に行動するプランを練っている」と抱負を語った。「こういう時に派閥抗争をやっている場合じゃない」と言い続けてきた同氏だが、野党には「亀井氏が身軽になったことで、抗争がますます激化するのでは」との見方も。《共同通信》

【北海タイムス】廃刊

経営をめぐる混乱が続いていた北海タイムス社(本社札幌、資本金2億7144万円、従業員215人)は1日、資金繰りに行き詰まったとして札幌地裁に自己破産を申請した。2日午前にも破産宣告を受ける。負債総額は約28億円。従業員は1日、全員解雇通知を受けた。50年以上の歴史を持つ同紙は2日付朝刊で事実上、廃刊となる。《共同通信》

【小渕恵三首相】北朝鮮ミサイル「極めて憂慮」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が発射した弾道ミサイルが三陸沖に着弾したとされる事態を受け、首相官邸や防衛庁、外務省は1日午前、緊迫した空気の中で情報収集に追われた。「極めて憂慮している」と小渕恵三首相。防衛庁幹部は「気が抜けない緊張が続いている」と語った。

防衛庁の海上幕僚監部では朝早くから担当者らが机に向かい、部署などとの連絡に当たった。10時前から記者会見した額賀福志郎防衛庁長官は「日本上空を飛び越えて太平洋に着弾したことは、国民に不安感を与えた。安心してもらうため、全力投球していきたい」と緊張した顔つき。

防衛庁幹部の一人は「北朝鮮がさらにミサイルを発射する可能性もあり、気が抜けない緊張が続いている」と疲れきった様子で話した。《共同通信》

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民主党の羽田孜幹事長は1日、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に抗議する談話」を発表した。

談話では「北朝鮮のミサイル発射は、我が国の安全保障に重大な脅威を与え、また我が国の主権侵害の疑いもある許しがたい行為」として厳重に抗議するとともに、政府に対して情報力強化や、「国連安全保障理事会の緊急開催を求め、同国のミサイル開発とミサイル技術輸出を国際社会の意思として禁止することを働きかける」など、早急な対応を要求している。《民主党ニュース》

【米・クリントン大統領】ロシア・エリツィン大統領と会談

クリントン米大統領とエリツィン・ロシア大統領の首脳会談が1日、2日間の日程で始まった。金融、政治危機、健康不安で政権崩壊寸前にあるエリツィン大統領。クリントン大統領も不倫もみ消し疑惑で権威が失墜、指導力低下が著しい。

これほど威信が低下した両国首脳の会談は前代未聞。かつて核軍縮交渉など世界の命運を決する問題でわたり合った「超大国同士」の面影はもはやない。《共同通信》

9月1日　その日のできごと(何の日)