平成886日目
1991/06/12
この日のできごと(何の日)
【雲仙・普賢岳】爆発的噴火を確認
11日深夜、長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)から島原市内を直撃した噴石は爆発的噴火によるものだったことが12日わかった。爆発的噴火が確認されたのは初めて。
九州大島原地震火山観測所などでは一連の噴火活動が新たな段階を迎えた証拠として、緊張感を高めている。爆発的噴火は今後も続くとみられ、同市は市内の全小、中学校10校を臨時休校にし、市民にもヘルメットの着用を呼びかけた。一方、島原地方は12日未明から断続的に強い雨が降り、土石流の恐れも強まっている。
噴石が降ったのは、南千本木、北千本木両町など普賢岳の北東部で、市中心部にある眉山の北から東にかけての一帯。火口から7、8キロ離れた有明海沿岸にも達した。
同市災害対策本部の調べによると、民家の屋根や窓ガラスのほか21台の車のフロントガラスが割れ、破片で2人がけがをするなどの被害が出た。また、県立島原工業高校グラウンドに駐機していた陸上自衛隊災害派遣部隊のヘリコプター4機のうち2機が、回転翼に幅1.5センチの亀裂ができるなどして飛行不能となったため、北千本木地区を中心にジープ型車で被害状況を調べている。
市災害対策本部では全市民に「外出時にはヘルメットをかぶるよう」呼びかけるとともにデマ防止のため、鐘ヶ江管一市長名で「現在の避難地域以外は安全です。ご安心下さい」というチラシを配った。
普賢岳の新たな活動について加茂幸介・火山噴火予知連会長代行(京大教授)は「従来の火砕流とは明らかに異なる震動波形で、落下した石も大きい。火口から真上に向かって爆発的噴火が起きたものとみられる。火山活動が新たな局面に入ったのは間違いない」としている。
普賢岳が新たな局面を迎えたことで、火山噴火予知連絡会は12日午前1時過ぎ九大島原地震火山観測所で緊急会議を開き、今回の爆発的噴火の原因、予測などについて検討した。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【中村橋之助さん、三田寛子さん】婚約会見
歌舞伎の若手俳優中村橋之助さん(25)とタレント三田寛子さん(25)が婚約し、12日午後、東京都内のホテルで記者会見した。
2人は昭和63年、中村さんが「ダウンタウンヒーローズ」、三田さんが「男はつらいよ!寅次郎サラダ記念日」と、それぞれ山田洋次監督の映画に出演したことがきっかけで知り合い、交際を続けてきた。《共同通信》
【自民党農村振興議員協】「コメ開放反対」海部首相に決議文
自民党農村振興議員協議会の長谷川峻会長らは12日午前、首相官邸に海部首相を訪ね、コメ市場の部分開放に反対する決議文を手渡した。決議文はコメの国内自給は国会で決議されており、これに反する国政の運営は国民の信頼を失う、とした上で、国土保全の面からもコメの市場開放は断じて認めることはできないとしている。《共同通信》
【社会党】日韓基本条約を承認
社会党の党改革委員会(田辺誠委員長)は12日、前日に続いて同党の基本政策についての集中討議を行い、このうち、日米安保条約については、軍事同盟的性格をなくしていくことを前提に、「(条約が)あることについては、自衛隊と同じように直視する」(田辺氏)として、事実上容認することで大筋一致した。さらに、「アジアにおける新しい安全保障体制の確立を目指す」とし、全欧安保協力会議(CSCE)的な新たな安全保障の枠組みの構築を目指すべきだとしている。
また、朝鮮半島、エネルギー政策については、田辺氏と改革案起草小委員会事務局長の山花貞夫副書記長に一任。同改革委終了後、記者会見した田辺氏は、①現在の日韓基本条約を承認するとともに、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と同様の基本条約締結を急ぎ、南北朝鮮と等距離外交を進める②原子力発電については、安全性の確保に努め、同時に原発依存の比率を減らしていく―との考えを示し、日韓基本条約を承認していなかった朝鮮半島政策、さらに、エネルギー政策についても、従来の方針を転換する方針を明らかにした。《読売新聞》
【中山太郎外相】ベトナム書記長と会談
ベトナム訪問中の中山太郎外相は12日午前8時半(日本時間同日午前10時半)過ぎからハノイ市内の主席府でグエン・バン・リン・ベトナム共産党書記長と約40分間、会談した。
この中で書記長は、カンボジア和平問題に関連して、停戦実施方法や大量虐殺再来の防止に関する技術的措置を盛り込んだ、国連安保理五常任理事国による包括和平案を補強する日本の独自案について、「良い提案であり歓迎する」と評価。「これを活用しながらカンボジア各派の調整を進めることを期待する」と述ベ、ベトナムとして初めて日本案の支持を表明した。
日本案については、カンボジア各派のうち国民連合政府のシアヌーク派とソン・サン派が支持を表明。ポル・ポト派とプノンペン政府が態度を保留している。外相同行筋は、この書記長の発言により、同国の影響力が大きいプノンペン政府も支持に回る可能性が出てきたとして、13日午前に予定されるプノンペン政府のフン・セン首相との会談で、日本案への支持を求める方針だ。
一方、書記長はソ連の経済悪化の影響により鉄、原綿などの購入が困難になっていることを指摘し、「石油など資源は豊富だが、資本や技術が不足しており、日本や米国の企業の協力が必要だ」と述べ、日本、米国との経済面での関係強化に期待を表明。特に米国との関係正常化について「我々は過去よりも未来を見ていこうという姿勢だ」と述べ、強い意欲を示した。《読売新聞》
【東武鉄道・スペーシア】ブルーリボン賞受賞
全国の鉄道ファンで作る「鉄道友の会」(八十島義之助会長、5600人)は、今年の最優秀車両を投票で選ぶブルーリボン賞に、東武鉄道の「スペーシア」(100系)を決め、12日、発表した。また、ベテラン会員14人の選考委員が選ぶローレル賞には、JR東日本の「スーパービュー踊り子」(251系)と、大阪市交通局の鶴見緑地線用ミニ地下鉄(70系)が選ばれた。
昨年一年間にデビューした新型車両が対象で、ブルーリボン賞を受賞したスペーシアは、日光・鬼怒川行き特急用車両。軽合金車体に最先端制御システムを採用、私鉄電車としては戦後初めて四人用個室を設けている。《読売新聞》
【勝新太郎さん】起訴
俳優の勝新太郎「勝プロモーション」元社長(59)のコカイン、大麻の国外持ち出し事件を捜査中の東京地検は12日、勝元社長を麻薬、大麻取締法違反(密輸出)で東京地裁に起訴した。元社長は、日本から持ち出したのではなく、「機内でもらった」と密輸出容疑を全面的に否認しているが、警視庁と東京地検の調べでは、勝元社長が航空機内でコカインなどを受け取った形跡がなく、国内で入手していたと判断、起訴に踏み切った。
起訴状などによると、勝元社長は、昨年1月16日、羽田発ハワイ・ホノルル行きの中華航空機に搭乗、法律で定められた事由がないのに、日本から米国内にコカイン、大麻合わせて約10.5グラムを持ち込んだ。
警視庁保安二課の調べや、ホノルル税関の捜査報告書によると、勝元社長は、一昨年1月17日に同税関に逮捕された際、コカインが入ったビニール袋に長さ5センチのストローがあった。このストローは日本製のうえ、国内でしか入手不可能なもので、付着物を分析したところ、コカインの反応が出て、吸入に使った疑いが強まった。ビニール袋が入っていた有名ブランド製の小物袋は使い古されたもの。同課が、勝元社長の帰国直後に行った自宅の家宅捜索でも同じブランドの製品が見つかり、勝元社長を含む家族が愛用していた可能性が強くなった。
帰国直後の尿検査でも、コカインを使用した時のみ排せつされる物質が検出され、帰国前夜にホノルルで吸っていたことも確認された。これらのことから同課では、コカインの入手ルートの特定には至らなかったものの、国内から持ち出した(密輸出)ことは間違いないと判断していた。《読売新聞》