平成5263日目
2003/06/06
この日のできごと(何の日)
【有事関連3法】成立
日本が他国の武力攻撃に直面した際の対応を定めた有事関連3法が6日の参院本会議で、与党3党と民主、自由両党の賛成多数で可決、成立した。首相の権限強化や自衛隊の展開に伴う私権制限などが柱で、今月中に施行される見通し。今後は3法の施行後「1年以内」を目標とする国民保護法制などの整備が課題となる。
これにより、1963年の統合幕僚会議事務局による図上演習「三矢研究」から約40年、77年の福田内閣下での有事法制研究の着手から約26年を経て、わが国で戦後初めて、有事法制の骨格が整う。
本会議採決の結果は賛成202票、反対32票。共産、社民両党は反対した。《共同通信》
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小泉純一郎首相は6日夕、有事関連法の成立について「備えあれば憂いなし。当然のことなんです。野党の協力を得て安全保障の基本的認識を共有できたことは大きな前進」と述べ、その意義を強調した。
近隣のアジア諸国が懸念を示していることについては「私は(懸念は)あまりないと思います。日本は専守防衛ですし」と否定。「侵略されたらどのような対応をしようかということはどの国もしていること。日本だけがしなかったのはおかしなことだ」と述べた。《共同通信》
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【韓国・盧武鉉大統領】来日
韓国の盧武鉉大統領が6日、国賓として日本を公式訪問した。大統領は皇居・宮殿で天皇、皇后両陛下と初めて会見。夜には両陛下主催の宮中晩さん会が「豊明殿」で開かれた。天皇陛下は晩さん会のお言葉で、植民地支配など特定の過去には言及せず「古くから両国の人々がたどってきた歴史を、常に真実を求めて理解しようと努め、国民間の絆を揺るぎないものにしていかなければならない」と、歴史を基点に未来を見据える思いを表明された。
盧大統領は「サッカーワールドカップ(W杯)の情熱と感動を未来を切り開くためのエネルギーに昇華させねばなりません。世界の模範となる『韓日パートナーシップ時代』を」と呼び掛けた。
5回目となる韓国大統領を迎えた宮中晩さん会で、天皇が「過去」に直接触れなかったのは初めて。未来志向のスピーチを交わし、盧大統領は「両国が『近くて近い国』、お互いに尊重し合う隣国になるよう、最善を尽くします」と強調した。
晩さん会に先立つ会見で、大統領は「(1998年に来日した)金大中前大統領の招請は現在も生きています」と、韓国訪問をあらためて要請。天皇陛下は「どうもありがとう。訪問するかどうかは政府が検討します」と答えた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】フィリピン・アロヨ大統領と会談
小泉純一郎首相は6日午後、フィリピンのアロヨ大統領と首相官邸で会談した。
大統領は今月16日からカンボジアのプノンペンで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で、北朝鮮の非核化に関する決議案を提案する考えを表明。首相は「両国で一層緊密に連絡し、協力を進めたい」と歓迎の意向を示した。《共同通信》
【MLB】
米大リーグは6日、各地で交流戦を行い、ドジャースの石井投手はホワイトソックス戦に先発し7回を4安打1失点、今季最多の9三振を奪う力投で5勝目(2敗)を挙げた。試合はドジャースが2−1で競り勝った。
ヤンキースの松井外野手はカブス戦に「6番・中堅」で先発し2打数無安打で打率を2割5分9厘に下げた。ヤンキースが5−3で勝った。
マリナーズのイチロー外野手はメッツ戦に「1番・右翼」で4打数1安打、打率は3割1分8厘。メッツの新庄外野手は九回から守備固めで出場した。試合はメッツが3−2で勝ちマリナーズの連勝は9でストップ。
カージナルスの田口外野手はオリオールズ戦の八回に代走で出場し左翼に入った。田口に打席は回らず、試合はカージナルスが8−6で勝った。《共同通信》
【この日の民主党】
[参院本会議]有事関連法案が可決・成立
衆議院で与党と民主党の合意により修正された武力攻撃事態対処法案など有事関連3法案が6日、参議院本会議で与党3党、民主党、自由党の賛成で可決・成立した。
採決に先立つ討論では、民主党・新緑風会から榛葉賀津也議員が賛成討論に立ち、「当初の法案は、シビリアンコントロールが不十分、基本的人権にかかる規定があいまいなことなど、多くの問題点が含まれていたが、民主党が『緊急事態対処基本法案』という明確な対案を衆議院で提出、縦割り行政の弊害を排した『危機管理庁』の設置なども真正面から示した結果、政府・与党案の不備を補う形で、法案の根幹に関わる部分での改善が見られた。民主党は、修正案の共同提出者として、修正協議での約束や委員会審議での確認項目などを中心に、国民が安心できる法律の整備、運用をしていくようチェックする重大な責務を果たす」などと表明した。
今回、与党と民主党は、(1)基本法の制定について、政党間で真摯に検討し、速やかに必要な措置をとる。国民保護法制の制定は1年以内を目標に実施(2)「憲法14条(法の下の平等)、18条(意に反する苦役の禁止)、19条(思想及び良心の自由)、21条(表現の自由)、そのたの基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない」との条文を追加。基本的人権の尊重は「国民保護法制」でも措置(3)国会の議決で対処措置を終了させる手続きを追加(4)危機管理庁の設置について、法律附則に「迅速かつ的確な対処に資する組織のあり方について検討を行う」旨追加(5)首相の自治体への代執行に関する法14条、15条、16条については、国民保護法制の制定後を念頭に、「別に法律に定める日から施行」とする条文を法律附則に追加–とすることで合意し、衆議院の審議の最終段階で法案を修正するとともに、基本法の制定や危機管理庁の設置については今後検討を進めることになっている。
参議院本会議では、小泉首相のサミット報告に対する質疑も行われ、民主党・新緑風会からは長谷川清議員が質問に立った。長谷川議員は、イラク復興支援をめぐり、日本が重点とすべき分野、財源、自衛隊の派遣などについて小泉首相の方針を質したが、首相は「今後の事態の推移を見守る必要がある」と述べ、具体的な答弁を避けた。
「与党は残る課題に誠実に取り組め」有事関連法成立で岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は6日、拡大定例会見を開き、同日、有事関連3法案が成立したことについて「100%ではないが、かなりわが党の主張を採り入れる形で成立させることができたことを評価している。基本法・国民保護法制の制定、日本版FEMA設置など、残っている課題について誠意をもって約束を果たすよう与党に求めていく」と語った。
会見で岡田幹事長は、4日に行われた米・イスラエル・パレスチナの3者会談で米国が提起した新中東和平案の履行が合意されたことについて「率直に評価したい」と言及。「手放しで喜べない要素」も認めながら、今後合意がどのような方向に進んでいくかを注視したい、と述べた。
また、7日に予定されている韓国の盧武鉉大統領との会談について、「北朝鮮の問題を日韓協力して乗り切っていくために話し合いたい」と期待を表明。また、小泉内閣の対北朝鮮政策について「はっきりしないところがある」と指摘し、日米首脳会談でブッシュ大統領が「(北朝鮮問題に対して)すべてのオプションをテーブルの上におく」と語ったのに対して小泉首相が理解を示したことを取り上げ、「武力による体制転換などを含むともとれる。真意を質す必要がある」とした。
さらに岡田幹事長は、戦争終結後もイラクで大量破壊兵器が発見されず米議会などで問題になっていることについて記者の質問に答え、「あの戦争は一体何だったのか。戦争によって多くの方が亡くなり、被害が出たにもかかわらず、それが正当化される理由が明確でないというのは、大変由々しき事態だ」「小泉内閣は(イラク戦争の正当性について)米国以上に大量破壊兵器の存在に重点を置いて説明してきた。首相には説明責任がある」と述べ、この問題で政府を追及する姿勢を示した。
有事関連3法案の成立を受けて(談話)
民主党 政策調査会長 枝野 幸男
本日、参議院において、民主党が与党3党と共同で修正した「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」、および関係2法案が可決され、成立した。
民主党は結党以来、緊急事態に際する対処にあたって、シビリアンコントロールと基本的人権を確保しつつ、国民の生命・身体、財産を守るために超法規的行為がとられないよう、関係法制の整備が必要であると主張してきた。それを踏まえ民主党が今国会に対案として提出した「緊急事態・未然防止基本法案」及び「武力攻撃事態対処法修正案」は、従来の政府・与党案の不備であった諸点を浮き彫りにしたとともに、これら民主党案の主張が世論に広く評価された結果として、その後の与野党修正協議において、基本的人権・民主的統制・国民保護法制の整備などにつき大きな譲歩を引き出し、本法をよりよい内容へと改めることができたものである。
本日までの経緯を振り返るとき、我が国の安全保障の根幹に関わる極めて重要な法案について、党所属国会議員が熱心かつ真摯な議論を重ね、一つの方向性で結束し、法案の成立という形で成果を得ることができたことは、我が党の発展のため、また日本の政治史上においても、大変意義深いことであったと考えるところである。
しかしながら、今後1年以内に整備される国民保護法制や、本法附則に規定された緊急事態対処のための組織の検討、与野党合意により今後4党間で実施することとなっている基本法制の検討など、残された課題は数多い。民主党はこれらの点につき、今後とも国民の視点に立った真摯な取り組みを行っていく旨、ここで改めて決意するものである。《民主党ニュース》