平成6358日目

2006/06/05

【民主党・小沢一郎代表】重要法案軒並み継続審議は総裁選優先の現れ

民主党の小沢一郎代表は5日午後、佐賀市内で記者会見し、小泉純一郎首相の終盤国会への対応について「自分の責任、使命、自覚がまったくない。あとは自民党総裁選でどうだこうだとポスト争いのことを優先している」と厳しく批判した。《共同通信》

小沢一郎代表は5日、佐賀市を訪れ、比例九州(佐賀2区)選出の大串博志衆議院議員、来年の参議院選挙で党公認候補として擁立予定の川崎稔氏とともに市内で会見した。

まず、参院選に向けた全国行脚の4番目に佐賀県を選んだ理由、佐賀でどう参院選を戦うか等を問われたのに対しては、「一人区でいろいろとお願いしたり、結束を呼びかけたりする作業は候補者が基本的に定まった地域から順に行っている」と説明。来週末も再来週末も地方に出かける予定であることを明らかにするとともに、公認候補者決定の進行次第では全国行脚のテンポが速まる可能性もあるとした。

佐賀県の情勢をめぐっては「一昨年はスタートがかなり遅れたが、そういう状況下でも県民のみなさんの多くの支持を得たということは、来年(の参院選)に向けて心強い感じだと思っている」との認識を示し、党公認候補には一人でも多くの方に会って、自分の支持を広げていくべきだと思うし、そう指示していると語った。

従来、自民党の支持基盤とされてきた商工会議所、農業協同組合を訪問先に選んだ理由を問われたのに対しては、「別にその2つだけをどうこうしたわけではない。一番の大きな県内での組織体ということで出向いた」と述べたうえで、時間があればもっと多く訪問したかったとの意向を示し、機会を見つけてまた訪れたいとの考えを示した。地方組織強化へ向けた方策等を問われたのには、「地方組織を固めるということはもちろん大切なのだが、国会議員がいるいないで卵が先か鶏が先かの話になるが、ぜんぜん違ってくる」と指摘。地方議員だけで地方組織を作れといっても無理で、候補者や国会議員がまず自分の足元を固めることが先決であり、それが強固になれば、相乗作用として地方組織はできあがっていくと分析。「日本の風土のなかでは国会議員が組織作りの突破口にならなければだめ。そういう意識で候補者や国会議員にはやってもらいたい」とも語った。

内閣不信任案を提出するか問われたのに対しては、「そのときの状況にもよる」として、国会終盤の政府・与党の動きを見ての判断となるとの見方を示すとともに、「基本的には幹事長が判断すればいいこと」として、最終的な判断は鳩山幹事長に委ねる意向を示した。

教育基本法改正案をはじめ、重要法案が軒並み継続審議となる見込みとなった現状を受けて、小泉首相の対応をどう見るか問われたのに対しては、「自分の責任、使命、自覚がまったくない。自民党総裁選でどうだこうだと自分らのポスト争いのことを優先している」と厳しく批判するとともに「自分で(法案を)出しておいてどちらでもいいというのは、首相として非常に無責任でいい加減だと思う。どちらでもいいなら出さなければいい」と指摘した。そうなるとますます内閣不信任案提出の可能性が高まるかとの重ねての問いには「それも(選択肢の)ひとつだが、(提出しても与党が衆院の3分の2を占める現状では)不信任案が通るわけではないから、以前のように年中行事のように出しても意味がない」と述べ、最終版での政府与党の態度を見極め、鳩山幹事長が状況を判断して決めていくことになるとの考えを重ねて示した。

村上ファンドの村上代表逮捕に関連してライブドア事件をはじめ小泉政権下で経済事件が相次ぐ現状をどう見るか、問題点はどこにあるか問われたのには、「問題点は小泉政治そのものにある」と批判。村上ファンドもライブドアもモラルやルールを守ることよりも金儲けを優先させた小泉政治の結果だと分析した。あわせて、自由は大事だが、最低限のルール、モラルは人間社会である以上、必ず存在するものであり、それを日本で一番の権力者である小泉首相が軽視する姿勢を示していること自体が無責任であり、モラル軽視の風潮を小泉政治がますます加速化させ、助長させたと指摘。「規制を撤廃し、自由をより大きくしていく一方で、多くの人が安定して生活していけるよう、セーフティネットを社会のしくみとして用意していかなければならない」として本来の社会の在り方を提示した。《民主党ニュース》




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【東京地検】村上ファンド代表を逮捕

ニッポン放送株の売買をめぐる村上ファンドの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は5日午後、同ファンドを率いる村上世彰容疑者(46)を、同法違反(インサイダー取引)の疑いで逮捕し、関係先の一斉捜索に乗り出した。「株主利益」を掲げ、様々な企業の株売買で多額の利益をあげてきた同ファンドの手法が、刑事責任を問われることになった。

特捜部の調べでは、村上代表は05年1月ごろ、ライブドア(LD)側がニッポン放送株の大量取得に乗り出す方針になったことを聞きながら、その公表前に同ファンドを通じて同放送株を買い付けて、証取法違反のインサイダー取引を行った疑い。

LD側は同月6日、村上代表に対し、「もしニッポン放送株の公開買い付けをしたら村上さんは協力してくれますか」などと話していたが、これは同放送株を5%以上買い集めることの準備行為にあたるとされる。上場企業の発行済み株式数の5%以上を買い集めることは、証取法上の「重要事実」に該当し、未公表の重要事実を知って株を購入することはインサイダー取引となる。

逮捕に先立ち、村上代表は5日午前、東京証券取引所で会見を開き、証取法違反容疑を大筋で認め、「認識が甘く、罪を犯してしまった」と謝罪した。

村上代表はこれまで、特捜部の任意の取り調べに対し、容疑を否認してきたが、4日夜になって、大筋で認める意向に転じ、その旨の検事調書に署名した。《朝日新聞》

【この日の民主党】

小沢代表、佐賀を訪問 精力的に関係者と意見交換行う

小沢一郎代表は5日午後、佐賀県を訪れ、学校法人松尾学園弘学館中学校・高等学校で講演を行うとともに、商工会議所、農業協同組合などを精力的に訪問。関係者との意見交換を行った。比例九州(佐賀2区)選出の大串博志衆議院議員、来年の参議院選挙で党公認候補として擁立予定の川崎稔氏らが同行した。

学校法人松尾学園弘学館中学校・高等学校では、体育館に集まった在校生と一部保護者を前に講演。自分自身も同じような年代があったと振り返り、長い人生を生きて行くうえでは夢を持ち続けていくことが大事。夢を持ち続けることで、自分の一生を意義のあるものとすることができ、夢は毎日を生きて行くうえで大きな支えとなっているのではないかと語った。自分自身についてもまた、「政治のうえから言っても、人生そのもので言っても、最後まで若い人に負けない、大きな自分なりの夢を持ち続けていきたい。死ぬまで夢を追い求めながら元気で頑張っていきたい」とも述べた。

農業協同組合の関係者との意見交換では、「自由も大事だがセーフティネットの構築が不可欠」との認識を示し、食糧問題・農業政策には国として本気で取り組まなければならないとの従来から主張してきた考えを表明した。同時に単なる産業としての生産性向上だけを目指す現在の農業行政のあり方にも疑問を呈したうえで、食料自給率向上に向けた取り組みの必要性を強調。自分自身も農村の出身であるとも改めて紹介し、「だからことさらに農業に愛着を感じているのかもしれないが、それを離れても食糧問題・農業政策には国家としてセーフティネットを構築していかなければならない」と重ねて語った。



6月5日 その日のできごと(何の日)