平成7816日目

2010/06/02

【この日の鳩山総理】

退陣表明「私の不徳の致すところ」

鳩山由紀夫首相は、2日午前に開かれた民主党の両院議員総会で辞任する意向を表明した。米軍普天間飛行場の移設問題で社民党の連立離脱を招いたこと、政治とカネの問題で民主党に迷惑をかけたことを理由として挙げた。首相は、民主党の小沢一郎幹事長にも辞任を促して了解を得たことを明らかにした。


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民主党は役員会で、4日に両院議員総会を開き、後継首相となる新代表を選ぶ方針を決めた。国会会期延長はせず、参院選は7月11日投開票となる方向だ。新代表が新幹事長を含む党人事を行い、首相就任後に組閣する運び。鳩山内閣は、8カ月あまりで幕となった。

鳩山首相は、報道陣に公開で行われた両院議員総会で「この職を引かせていただくことになる」と述べた。民主党は直後の役員会で、新代表を4日に選ぶ日程を決めた。同日中に鳩山内閣は総辞職する。衆参本会議で首相指名選挙を行い、新代表を首相に選出する。週明けに、新首相が所信表明演説を行う。

首相は2日の両院議員総会で、普天間問題について「(移設先に決めた)沖縄県や鹿児島県・徳之島のみなさんにご迷惑をかけた。社民党を連立政権離脱に追い込んでしまった責任は取らなければならない」と述べた。

また、自らの政治資金管理団体をめぐる「政治とカネ」の問題にも触れ、「自分自身が政治資金規正法違反の元秘書を抱え、議員のみなさんには大変な迷惑をかけたことを申し訳なく思う」と陳謝。「小沢幹事長にも政治資金規正法の事件があった。幹事長にも職を引いて頂きたい、民主党再生のため、クリーンな民主党を作れると言った。幹事長も『分かった』と申された」と述べた。

また、「政権与党の仕事に国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきた。そのことは残念で、まさに私の不徳のいたすところだ」とも語った。

小沢幹事長は、首相の辞任表明を受けた2日の常任幹事会で「党役員も総辞職するが、新内閣ができるまでわれわれは任に当たる」と述べた。

鳩山首相は1日夕、自身の進退をめぐり、国会内で小沢幹事長、輿石東参院議員会長と会談した。輿石氏は首相に退陣を促す一方、首相は続投の意思を伝えたとみられていた。小沢氏は会談後、記者団に「継続して協議するということで別れた。協議の結果を受け、必ず記者会見という形でみなさんにご説明する」とのコメントを出していた。

だが、7月の参院選で改選を迎える議員を中心に、首相の退陣を求める声は収まらず、首相は参院選での惨敗を避けるためにも退陣もやむを得ないと決断したとみられる。

普天間移設をめぐって、首相は自ら設定した「5月末決着」のため、米国との合意を優先。日米の外務・防衛担当閣僚(2+2)の共同声明に、移設先を沖縄県名護市の辺野古周辺とする方針を明記した。

だが、閣僚だった社民党の福島瑞穂党首が反発して、共同声明に基づく政府方針の閣議決定への署名を拒否。首相が福島氏を罷免したため、社民党は連立離脱を決定。選挙協力に亀裂が入る事態となっていた。

民主党は新首相のもとで、内閣支持率を回復させ、7月の参院選に向け、態勢を早急に立て直したい考えだ。

だが、民主党は野党時代、自民党政権で行われた短期間での首相の交代を厳しく批判してきただけに、新内閣が有権者の理解を得られるかは不透明だ。また、参院で過半数を大きく割り込んだ場合、新しい連立政権の枠組みを作ることができるかどうかも問われる。連立政権で与党が過半数を確保できなければ、「ねじれ国会」となり、厳しい国会運営が予想される。《朝日新聞》

両院議員総会が2日午前開かれ、鳩山由紀夫代表(総理)が、辞任を表明、承認された。近日中に代表選挙が実施される。

鳩山代表は、万雷の拍手の中、挨拶に立ち「今日まで職を務めてきた」として、「国民のための予算を作れたことを誇りに思う」と切り出した。

このなかで、子ども手当、農業の戸別所得補償制度、水俣病の救済、医療費の増額を挙げ、「もっと人のいのちを大切にする政治を進めなければならない」とした。

しかし、次第に、国民の皆さんが民主党の訴えに聞く耳を持たなくなったことを、「私の不徳の致すところ」と述べ、その理由を二つ挙げた。

一つは、普天間基地の移設問題で県外移設を実現できなかったこと、結果として沖縄の皆さん、徳之島の皆さんに迷惑をかけ、社民党の政権離脱を招いたこと。

もう一つは、政治とカネの問題だとして、自身がクリーンな政治を訴え、自民党を飛び出し、さきがけを作り、民主党を作ったにもかかわらず、政治資金規正法違反の秘書を抱えていたこと、幹事長にも同様な問題があったことを挙げ、「自身も身を引くので、恐縮だが幹事長にも引いていただきたいと申し上げ、『分かった』と言ってもらった」とした。また、小林千代美議員の問題にも触れ、その責めを負ってほしいと述べた。

そのうえで、「トコトンきれいな政党に戻らなければならない。新たな民主党に国民の皆さんは聞く耳をもっていただけるようになり、国民の皆さんに声が届くようになる。また、国民の皆さんの声が通る党になる」と、新たな政党として生まれ変わることを求めた。

さらに、「手を携えて国難に耐えながら、新しい時代をつかみ取っていこうではないか」と全議員に訴えた。

このメッセージは全議員の万雷の拍手で承認され、近日中に代表選挙が実施されることになった。

全議員は、立って拍手で鳩山代表を見送った。《民主党ニュース》

鳩山由紀夫総理は、2日夜官邸で記者団の質問に答え、次期衆院選に出馬しないと明言した。総理を辞めてから影響力を行使しすぎてはいけないとのかねてからの自らの考えを改めて示し、自分は総理を辞めたからには衆院選に出馬しないとした。

また、いつ辞任を決意したのかの問いに、10日から1週間前から辞すべきかどうかを自問自答していたとして、5月31日に小沢幹事長と会った際には、「私の方から身を引きたいと申し上げた」ことを明らかにし、1日には、クリーンな民主党に戻すために一緒に身を引いてもらいたいと幹事長に申し上げたことを明らかにした。《民主党ニュース》




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【鳩山邦夫元総務相】「(兄が)こんなみじめな辞め方をするのは耐えがたい」

鳩山邦夫元総務相は2日午前、都内で開いた自身の政治資金パーティーで、兄の鳩山由紀夫首相の辞任表明について「こんなみじめな辞め方をするのは耐えがたい」と述べた。

また「兄は民主党の悪しき体質につぶされた。小沢一郎氏と労組に押さえつけられて身動きが取れなかった。そういう体質をこの国からどう一掃させるかだ。『ストップ・ザ・民主党』をさらに強くしないといけない」と訴えた。《産経新聞》

【民主党・小沢一郎幹事長】「補佐の役目果たせず反省」

民主党の小沢一郎幹事長は2日正午すぎ、鳩山首相の辞意表明について「任期半ばでこのような事態になり、大変残念に思うし、自分自身として補佐の役目を十分に果たし得なかったと反省している」と国会内で記者団に語った。首相との2回の会談については「国会運営の厳しさや選挙の状況やらを意見交換した」とだけ述べた。

小沢氏は「政治空白を長くつくるわけにはいかない。できるだけ早く次のリーダーと党再生を果たさねばならない」としたうえで、代表選については「私はいま残りの仕事をしている立場。そういうたぐいの質問に答える立場にない」と語った。また、記者団に「私はもうみなさんと会うのも最後でございます」と述べた。《朝日新聞》

【社民党・福島瑞穂党首】首相辞任「沖縄と国民を無視した結果」

米軍普天間飛行場の沖縄県内移設に反対して罷免された社民党の福島瑞穂党首は2日、訪問先の同県・那覇空港で記者団に「沖縄と国民の声を無視した結果だと思う。総理がかわっても、辺野古と決めた日米共同声明を変えない限り、社民党の立場は変わらない」と話した。この日は党首として同県名護市辺野古の視察などを予定していたが、急きょ予定を変更し、東京への帰途についた。《朝日新聞》



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