平成1241日目
1992/06/01
この日のできごと(何の日)
【政府】「新ユーゴ」制裁実施
政府は1日、国連安全保障理事会がボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関連して新ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロで構成)に対する制裁決議を採択したのを受け、わが国にある新ユーゴの資産凍結、新ユーゴとの貿易の禁止や文化・学術交流の停止などを柱とする湾岸戦争の際の対イラク制裁並みの厳しい。制裁措置を実施に移した。
政府が安保理の制裁決議に素早く対応したのは、日本が安保理非常任理事国であることに加え、米国や英、仏など欧州共同体(EC)が制裁実施の主導権をとったことを踏まえ、全欧安全保障協力会議(CSCE)への参加を求めている日本としても迅速な対応をとることで、欧州の安全保障に寄与する積極姿勢を示そうとの狙いによるものだ。
この決定を受け外務省の兵藤長雄・欧亜局長が同日午後、外務省にランコ・ラドゥーロビッチ・ユーゴ大使を呼び、わが国の制裁措置実施を伝えるとともに、「一日も早く平和を回復する」よう要請した。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【谷口雄也さん】誕生日
【日産・レパードJ・フェリー】発売
日産自動車は高級乗用車「レパード」を全面改良し4ドアセダン「レパードJ・フェリー」として1日、発売した。エンジン排気量は4130ccと2960ccの2種類。全体を曲線的で優しいデザインとしたほか、内装も本木目などを使って高級感を高め、また助手席にも初めてエアバッグを標準装備するなど安全性にも配慮したという。2960cc「タイプL」が386万円(東京地区)。《読売新聞》
【元関脇・巨砲】引退
大相撲の関取最年長で元関脇の巨砲=大鵬部屋、三重県出身=が1日、日本相撲協会に引退、年寄「大嶽」襲名願いを提出し、持ち回り理事会で承認された。
巨砲は昭和46年夏場所初土俵。52年名古屋場所で十両入りを果たし、父親の元十両検竜とともに“親子二代関取”を達成、54年春場所には大鵬部屋第1号の幕内力士となった。《共同通信》
【ネルソン・ピケさん】レース生活に幕
自動車レースのインディ500の練習走行中の事故で重傷を負った元F1ドライバー、ネルソン・ピケ(39)(ブラジル)が1日、自動車レースからの引退の言葉を残して、入院中だったインディアナポリスのメソジスト病院を退院、リハビリ生活に入った。ピケは先月7日、インディ500(5月24日)への練習走行中の事故で両足を数か所骨折する重傷を負って病院に運ばれて治療中だった。
「私のレース生活は終わった。素晴らしい成果を残せたし、これからは人生を楽しみたい。もうレースの心配をしなくていい。それよりもう一度歩きたいんだ」と地元紙のインタビューに答えたピケ。四度の手術を受けた今回の負傷の痛手は大きく、担当医は「六週間で歩けるようになるかも知れない」と話している。
ピケは1978年のF1デビュー以来、通算23勝の実績を残した。《読売新聞》
【社会党・田辺誠委員長】PKO協力法案「常識の範囲で対応」
社会党の田辺委員長は1日午後、社会党本部で全電通、全逓、電機労連など社会党を支持する9労組委員長らと会談し、国連平和維持活動(PKO)協力法案への対応について、「参院の良識にまかせている。常織の他囲で対応し、非常識なことはしないのではないか」と述べた。そのうえで田辺氏は、「自民党の出方次第で、委員長を包囲して、マイクや紙を奪うことはしないだろう」と、自民党が委員長席をガードするようなことがなければ、強硬な物理的抵抗に出る可能性は低いとの見通しを示した。
ただ田辺氏は同時に、「牛歩戦術は少数政党の権利た」と指摘、本会議での牛歩戦術はとる考えを表明した。
田辺委員長の発言は、社会党支持の有志9労組の委員長がPKO法案の審議・採決に関して、物理的抵抗を避け、現実的対応をするよう要請したのに、答えたもの。
また、田辺氏は今後の審議の行方について、「参院の段階は通過点だ。会期末まで勝負の機会はある。望みは捨てていない」として、衆院段階でなお廃棄に追い込む考えを強調した。《読売新聞》
【渡辺美智雄外相】近く手術の可能性
東京都新宿区の東京女子医大病院に急性腹症として入院した渡辺副総理・外相(68)の病名は「堪能胆管結石」および「胆道感染症」と判明した。外相の長男喜美氏が1日夕、病院で行った記者会見で精密検査にあたっている医師団の現時点での診断結果として明らかにしたもので、喜美氏は手術の可能性について「あると思う」と語った。自民党渡辺派幹部も手術が避けられないとの見通しを示した。《共同通信》
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加藤官房長官は1日の参院国際平和協力委の理事会に出席し、渡辺外相の入院のため宮澤首相が臨時代理を務めることを報告、了承を求めた。《共同通信》
【埼玉県知事選挙】告示
参院選の前哨戦・埼玉県知事選が1日告示され、前参院議長・土屋義彦氏(66)(無=自民推薦)、前県議・小山行一氏(67)(無=社会推薦)、埼玉協同病院長・高橋昭雄氏(64)(無=共産推薦)、前所沢市長・中井真一郎氏(46)(無)ら新人5氏が立候補を届け出た。
同知事選は自民党の金丸副総裁の調停に端を発し、六選出馬を表明していた畑和知事の突然の不出馬、土屋氏引き降ろし工作と告示直前になって混迷を重ね、五期二十年間続いた畑革新県政からだれがバトンを引き継ぐか、保革入り乱れての戦いとなった。
県政奪還を目指す土屋氏は、4月末の金丸調停で自民党本部から立候補断念を強く迫られたが、出馬の意思を貫いた。小山氏は社会党県本部書記長。畑知事の出馬辞退で、告示10日前に急きょ出馬が決まり、畑県政の継承を唱えている。高橋氏は、畑知事の突然の不出馬を非難する一方で、「二十年間にわたって築かれた革新県政を守る」と主張している。「若い力で県政を変えたい」と中井氏は、県権限の市町村委護など新しい地方自治の実現を訴えている。
投票は6月21日で、即日開票される。知事選の結果は、7月26日投票が有力視されている参院選にも影響を与えるとみられている。《読売新聞》
【PKO法案】自公民、再修正案を提出
自民、公明、民社三党は1日午前、国連平和維持活動(PKO)協力法案の再修正案を下条進一郎参院国一際平和協力特別委員長に提出した。
自公民3党は、1日午後の一般質疑の冒頭、修正案の提案理由説明を行い、2日の修正案に対する質疑を経て、できるだけ早期に採決をめざす方針だ。しかし、社会、共産両党は修正案の問題点を厳しく追及、採決阻止を図る姿勢を強めているため、採決は週後半にズレ込む公算もある。
発議者は、岡野裕(自民)、峯山昭範(公明)、田渕哲也(民社)の3氏。
再修正案は、国連平和維持隊(PKF)の参加凍結について、①紛争停止状況の監視および撤退、武装解除の履行監視②緩衝地帯の駐留、巡回③武器搬出入の検査④放棄武器の処分⑤停戦線設定の援助⑥捕虜交換の援助—について、「別に法律で定める日までの間は、これを実施しない」と、付則で明記している。
また、国会の事前承認は、本文の中で、PKF業務を対象に「自衛隊の部隊等の海外への派遣の開始前に……国会の承認を得なければならない」となっており、衆参両院では、政府が承認を求めてからそれぞれ「7日以内に議決するよう努めなければならない」と、議決までの期間を限ることで、国連のPKF派遣の要請に迅速に対応できるようにしている。このほか、付則の中で、施行後3年後の「法律の実施のあり方」についての見直し規定を盛り込んでいる。《読売新聞》