平成1242日目

1992/06/02

【関東鉄道列車衝突事故】

2日午前8時15分ごろ、茨城県取手市中央の私鉄・関東鉄道常総線取手駅構内で、新守谷発取手行き普通列車=ディーゼル4両編成=が、満員の乗客を乗せたまま暴走、車止めを乗り越えて駅ビル二階部分の壁を突き破り、一両目が大破、二両目も前半分が浮き上がった状態で、三両目も前半分が脱線した。

この事故で乗っていた通勤、通学客ら約800人のうち1人が死亡、運転士を含む158人(午後1時現在、茨城県警調べ)が負傷して取手市内などの病院に収容された。茨城県警はブレーキ故障が事故原因とみて取手署に捜査本部を設置。関東運輸局も事故対策本部を設置した。

関東鉄道や乗客らの話によると、同列車は終点・取手駅から一駅手前の西取手駅に停車した際、車掌が「ブレーキ故障のため、いまから修理します」と車内放送した。同列車は定刻よりやや遅れて西取手駅を発車、走行中の数分後、再び車事が「ブレーキが利かなくなった」と車内放送、定員の1.5倍の乗客で満員の車内はつり革につかまったり、シートにしがみついたりする人で騒然となった。

しかし、同列車は減速できないまま25キロ以上のスピードで取手駅8番ホームに突っ込んで、車止めを乗り越えたうえ、5メートル先の駅ビルの厚さ10センチの壁を突き破り、ビル内の店舗を壊して、ようやく止まった。事故の瞬間、乗客は将棋倒しとなった。

取手市消防本部によると、死亡したのは、同県守谷町、会社員Aさん(40)。負傷者は駆け付けた救急車で次々に病院へ運ばれた。事故のあった8番線には列車の停止線の約5メートル先に高さ1.2メートルの誘導型油圧式車止めが設置してあり、時速10.1キロに耐えられる構造だった。

茨城県警は車掌や乗客らの話から、ブレーキ故障のまま無理に運行したのが原因とみて業務上過失致死傷などの疑いで関東鉄道関係者から事情を聞いている。ブレーキは手動式だった。

また、乗客の話では、一週間ほど前にも同じ車両が西取手駅でブレーキ故障していた。

関東鉄道は茨城県内の常総線(取手—下館)、竜ヶ崎線(佐貫―竜ヶ崎)を経営。常総線は総延長51.1キロ。取手—水海道間が複線、水海道以北が単線で、取手駅からJR常磐線で都心方面へ結ばれている。常総線は大正2年開業で、現在は一日128本を運行、取手駅の乗降客は日に3万人。

関東鉄道取手駅構内で起きた列車暴走事故を重くみた運輸省は2日午前、事故原因究明のため、関東運輸局の与田俊和鉄道部長ら係官7人を現地へ派遣した。《読売新聞》

「ブレーキが利かない。後方に下がって」。暴走する満員列車。車内放送で、後部車両に殺到する通勤、通学者。末にひれ伏す女性。「キャー!」という悲鳴—。

茨城県取手市の関東鉄道取手駅ホームで2日朝起きた列車事故は、死者1人、重軽傷者158人を出す惨事となった。先頭車両は20メートルほどある車体の半分以上を車止めに乗り上げ、先端部は駅ビルのコンクリートをぶち破り、スクラップ状態、駅ビル二階の商店街にも突っ込み、事故のすさまじさを物語っていた。

「ブレーキがかかりません。後ろの車両に詰めてください」。張りつめた声の車掌のアナウンスからわずか数分後に事故は起きた。列車が西取手駅についたのは午前7時58分ろ。最前部の車両にいた乗客によると、到着後運転士は運転席でブレーキ操作を繰り返したり、ホームに出て車両を点検。その後車両はいったんパックし、ブレーキをかけて止まったのを確認し、8時5分ごろ発車した。運転士は何度もブレーキ操作を繰り返し、その直後「ブレーキ故障」と必死の声のアナウンスがあった。

車内アナウンスで乗客は、後部車両に移ろうとしたが、スシ詰めでスムーズに移動できない状態。一両目の車両の中央付近まで全員が移った時、「ドカン」という音がして、乗客が折り重なるように倒れた。同時に車内の電気が消え、割れた窓ガラスの破片が飛び散り、ほこりと油のにおいが立ち込めたという。

衝突のショックで一両目車両の中央のドアが開き、乗客が次々に逃げ出した。列車がぶつかった駅ビル二階は、消火用スプリンクラーの水道管が破れて水浸し。逃げる乗客はあふれる水の中を必死に脱出した。

また、突っ込んだ列車の最先端部は壁を突き抜けて二階ファッション街のエスカレーター付近まで達し、車両の床はグニャグニャに曲がっていた。《読売新聞》



【宮澤喜一首相】「渡辺外相はあと2日検査」

宮沢首相は2日昼、入院中の渡辺外相から同日朝、電話がかかってきたことを、国会内で記者団に明らかにし「渡辺さんはあと2日検査をするといっていた。とてもしっかりした声で。国際平和協力委員会のことを大変心配していたので、大丈夫ですと言っておいた」と述べた。《共同通信》

【宮澤喜一首相】今秋に補正予算

宮沢首相は2日、自民党本部で開かれた第29回党市長連絡協議会であいさつし、景気の動向について、「いまはもう、底を過ぎようとしているところだと思う。これは私には自信がある」と述べ、景気は最悪の状況から景気回復過程に向かっているとの見方を示した。

そのうえで「公共事業の前倒しで先に決まったものはんどん消費していただきたい。あと、入り用なものはいくらでも作る」と、今秋、公共事業を主体に補正予算を編成する考えを、改めて強調した。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】「禁煙閣議」に上の空

わが国初の禁煙週間(31日から)にちなみ、2日、国会内で“禁煙閣議”が開かれた。先週、山下徳夫厚相の提案を受けて、期間中の閣議での禁煙を申し合わせた。ところが、申し合わせを忘れていたのか、宮沢首相は閣議後に感想を聞かれて、「そういえば閣議には灰皿がなかったなあ」。

かつて一日60本というヘビースモーカーだった首相は、10年前に禁煙を実行したものの、-「あまりご利益はなかった」とか。そのせいで「禁煙閣議」に関心が薄かったとの見方もあるが、それよりも国連平和維持活動(PKO)協力法案や政治改革など難問山積で、禁煙まで頭が回らないと、いうのがホントのところ(?)。《読売新聞》

【自民党・金丸信副総裁】公共事業主体の補正予算

自民党の金丸副総裁は2日午前、党本部で開かれた同党系の市長連絡協議会総会であいさつし、1日の宮沢首相との会談で取り上げられた景気対策に触れ、「補正予算を(所得税などの)減税に使うのは反対だ。あくまで公共事業に投資すべきだとの考えで(首相と)合意した」と述べ、内需拡大を図るためにも公共事業を主体とした四年度補正予算案を組むべきだとの考えを強調した。《読売新聞》

【自民党】和歌山2区の3氏事情聴取

自民党の綿貫幹事長は2日、衆院和歌山2区選出の、野田実、東力、二階俊博の3氏を党本部に呼び、衆院定数是正の焦点となっている同選挙区の減員問題をめぐり、初めて個別の事情聴取に入った。

3氏は依然強く反発しているが、編貫氏ら党執行部は、説得を急ぎ、5日の総務会で、「九増十減」案を正式に決定、9日をめどに自民党案として野党側に提示したい方針だ。

綿貫幹事長は、2日の事情聴取の中で、「諸君の苦衷は分かるが、原理、原則を曲げるわけにはいかない。党内の様子を見極めたい」と述べ、重ねて、定数の緊急是正に対する理解を求めた。《読売新聞》

【カンボジア】難民が大規模デモ

カンボジア・タイ国境の難民キャンプ「サイト2」で2日、“帰還援助金”の増額を求める難民ら約5000人が大規模なデモを行い、帰還キャラバンの進路を妨害、外部からの立ち入りが一時禁止される騒ぎにまで発展した。難民らの大規模デモは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が中心となって今年3月30日に帰還作業をスタートさせて以来初めて。UNHCRでは難民代表らと善後策を協議しているが、デモは帰国後の生活に不安を抱く難民らによるもので、他キャンプへ拡大する可能性もあり、帰還プログラムが大きく狂う懸念が出てきた。

関係者らの話によると、デモに参加した難民らは、現在、国連機関により大人一人当たり50ドル支払われている“帰還援助金”を700ドルに増額するよう要求、増額が認められない場合、帰還を拒否する考え。この日も440人の難民がカンボジア国内ー時受け入れセンターへ向け出発することになっていたが、このうち約140人がデモ隊に参加したため、実際に帰還したのは300人足らずにとどまったという。《読売新聞》



6月2日のできごと