平成2119日目
1994/10/27
この日のできごと(何の日)
【 JT】上場
東京、大阪、名古屋の各証券取引所第一部に27日上場された日本たばこ産業(JT)株は午後になってようやく119万円の値がついた後もほぼ一本調子で値下がりを続け、東証終値は売り出し価格の143万8000円(額面5万円)を33万円余りも下回る110万円となった。JT株はNTT株、昨年のJR東日本株に次いで3番目の上場だが、民営化企業の中では初めて上場初日に売り出し価格を割り込むき厳しいスタートとなった。
上場前の売り出し価格が高過ぎて投資家に嫌われ、大量の売れ残りが出たため、市場関係者の間では「上場後に値下がりすることは予想されていた。JT株上場は失敗」(大手証券)と失望感が伝がった。
東証では、取引開始前から入札で取得した大口投資家から大量の売り注文が出される一方、買い注文はほとんどない状態が続き、売り気配のまま午前の取引を終了。午後に入って気配値があまり安いため売り注文の取り消しが相次ぐ一方、銀行、生命保険会社となどが買い注文を入れ始め、1時すぎに119万円の初値がついた。その後は110万ー120万の間で推移し、終値はこの日の最安値だった。出来高は4万460株。《共同通信》
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【プロ野球日本シリーズ第5戦】第5戦
長嶋巨人が日本一へ王手。プロ野球日本シリーズ、西武ー巨人第5戦は27日夜、西武球場で行われ、巨人が9−3で西武を下し、5年ぶり18度目の日本シリーズ制覇にあと1勝とした。
吉村の本塁打で三回に同点とした巨人は六回、緒方が史上13本目の満塁本塁打を放ち、終盤にも4点を加点。先発桑田は西武打線を3点に抑え完投勝利を挙げた。長嶋監督は監督として3度目の日本シリーズで初めて先に3勝し、念願の日本一に大きく近づいた。一方、継投策を打ち砕かれた西武は、清原の終盤の2打席連続本塁打も届かず、窮地に追い込まれた。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は27日、来春のフランス大統領選に出馬するシラク・パリ市長と東京湾岸の世界都市博覧会起工式にそろって出席。「なかなか良い都市計画ですね」と称賛するシラク氏に、首相も「東京もこれからですから」と応じるなど和気あいあいムード。ところが首相官邸での会談では、一転してシラク氏から日米包括経済協議後の日欧関係や、日口、日中関係などについて、矢継ぎ早に鋭い質問を浴び、首相もたじたじの様子。会談後「スケールの大きい人ですね」と印象を語った首相だが、大統領選を目指すシラク氏の鼻息に終始、圧倒されっ放し。
○…この日、野党統一会派「改革」の加藤六月筆頭理事は衆院税制改革特別委員会が改革抜きで審議入りしたことへの不満を記者団にぶちまけた。加藤氏は消費税導入が決まった際の委員会審議を例に挙げ「(当時の)金丸信・税制改革特別委員長以下、そうそうたる面々でやったが、とにかく与党はひたすら(野党側に審議入りを)お願いするものだ。理事会で了承していない委員会には出られない」として高鳥委員長の謝罪と公聴会日程の再協議を主張。しかし一度は理事懇談会で公聴会日程に合意したという都合の悪い点には、正式な話ではないと強弁。《共同通信》
【米・モンデール駐日大使】ダイエーを視察
モンデール米駐日大使が27日、東京・目黒区のダイエー碑文谷店を訪れ、牛肉や野菜のほか、コーラ、ビールなど米国から輸入した「価格破壊商品」の販売状況を視察した。
ダイエーの中内功会長兼社長の説明を聞きながら店内を回った大使は「ブロッコリーやオレンジジュースなどの価格は数年前に比べて半分になっている。米国からの輸入拡大は日本の消費者の利益につながり、日米の貿易不均衡の改善にも役立つ」と盛んに米国製品を売り込んでいた。
大使は、米国産の牛肉が並んだ肉売り場の前で、焼いた牛肉を口にしながら、「牛肉の自由化で日本の消費者もこのような安い牛肉を食べられるようになった」とアピール。この後、39円のコーラや138円の缶ビールなど、タイエーが売り物にしている米国製の価格破壊商品を手に取り満足げな様子だった。
最後に「日本市場は米国の農産物の最大の輸出先。この店は、市場開放によってどういうことが起こるかをよく示している。中内社長には感謝したい」と述べて、約40分の視察を終えた。《共同通信》
【米・クリントン大統領】シリア・アサド大統領と会談
アンマンからダマスカス入りしたクリントン米大統領は27日、アサド・シリア大統領と約3時間にわたり会談した後、共同記者会見し、会談は「一定の進展」があったと語った。アサド大統領は、イスラエルがゴラン高原とレバノン南部から完全撤退すれば「完全な和平(関係正常化)」の用意があると表明した。
クリントン大統領はまた、シリアとイスラエルの平和条約は「包括的な中東和平達成のかぎ」と述べ、今後も両国の和平交渉を続けることでアサド大統領と合意したことを明らかにし、た。しかし両大統領は、今年2月のヘブロン乱射事件に抗議してシリアが中断した両国の個別交渉がいつ再開されるかについてや、米国がシリアを「テロ支援国家」のリストから除外するかどうかなどについては具体的に言及しなかった。
米大統領がシリアを訪れたのは1974年の二クソン氏以来20年ぶり。クリントン、アサド両大統領の会談は今年1月のジュネーブでの会談に続き2度目。
会見で両大統領は、イスラエルが67年の第三次中東戦争で制圧した占領地の返還と、平和の達成などをうたった国連安全保障理事づいて和平を達成しなければならないとの立場を確認。クリントン大統領は和平推進のために「できる限り努力する」と述べ、今後もシリアとイスラエルの交渉を側面から支援していく姿勢を明らかにした。
米国は79年以来、シリアをテロ支援国家に指定しているが、アサド大統領は、「シリアがテロを支援したという証拠はない」と述べ、シリアが対イスラエル・テ口を支援しているというのは根拠のない非難だと主張した。
クリントン大統領は「和平を壊そうとするテロは受け入れられないとの点で、アサド大統領と同意した」と述べ、一般論ながら、和平を妨害するテロは許さない考えを示した。《共同通信》