令和1710日目

2024/01/04

【令和6年能登半島地震】

80代女性救出

能登半島地震で大阪市消防局は4日、生存率が大幅に下がるとされる発生72時間を過ぎた直後に、石川県輪島市の倒壊した住宅から住人の80代女性を救出したと明らかにした。救助活動の様子を写した動画を公開。ヘルメットをかぶった隊員が女性に「よう頑張ったね」などと呼びかける様子が記録されていた。

公開された動画は計約2分40秒。同消防局によると、女性は2階建て住宅の1階部分が崩落し、床下に取り残されていた。動画の中では、ふすまが倒れ家財道具が散乱する住宅内で、消防隊員が床下に潜り込み「おばあちゃん来たよ」と呼びかける様子が写っていた。

女性は複数の隊員によって抱え上げられ、床下から救出された。担架の上にぐったりと横たわる女性に、隊員らは毛布をかけ「もう大丈夫だからね」などと励まし続けていた。女性は隊員が握った手を握り返したといい、病院に搬送された。救助時間は発生から72時間を過ぎた直後の4日午後4時半ごろとされる。

大阪府内からは緊急消防援助隊として隊員ら170人が石川県能登地方に派遣されている。《共同通信》

海から輸送艦で重機搬入

地震で大きな被害を受けた能登半島北部では、土砂崩れなどで多くの道路がふさがれていた。被災者支援や復旧を急ごうと海上から重機を搬入する動きもでてきた。機上から4日、被災地の様子を取材した。

能登半島の北側に位置する輪島市の大川浜。前日の大雨で崩れた土砂が川に沿って流れ込んだ影響か、周辺は茶色く濁っている。

午前10時前、輪島市の大川浜の沖合に待機する海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から、ホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)2隻が次々と白い煙を上げながら出発し、浜に上陸した。

ヘルメットや迷彩服を着用した隊員らが浜に降り、揚陸艇からブルドーザーなどの積み下ろしを誘導した。

半島北部は険しい山が多く、至る所で土砂崩れで道路が寸断されていた。陸上自衛隊によると、支援物資などの輸送がスムーズにできるよう、通行止めの原因となっている土砂や倒木を取り除くため、重機を海側から搬入したという。

LCACは浜とおおすみの間を何度か往復し、油圧ショベルなど重機計5台や、人員輸送用の車両なども続々と陸揚げした。《共同通信》

死者84人に

石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は4日、死者が84人になったと明らかにした。連絡が取れない安否不明者として未成年3人を含む179人の氏名などを公表。被災地などに続く県内道路は93カ所が通行止めとなり、輪島市や珠洲市を中心に約780人が孤立している。4日午後には、生存率が大幅に下がるとされる発生72時間が経過。倒壊家屋などからの救助作業は難航し、警察や消防による捜索が続いた。

死者は午後3時現在の市町村別で、輪島市48人、珠洲市23人、七尾市5人、穴水町4人、能登町2人、羽咋市1人、志賀町1人。

馳浩知事は報道陣の取材に「72時間を超えたが、まだ倒壊家屋やがれきの下で救助を待っている人がいる。何としても救い出したい」と話した。

金沢市方面から輪島市や珠洲市へつながる道は大型車の通行が可能になり、支援物資の輸送が進む可能性があるが、道路が寸断されているため国道249号や県道1号の一部などアクセスは限られている。余震や降雨による土砂崩れも発生し、二次災害への懸念も高まっている。《共同通信》

自衛隊員を倍増

岸田文雄首相は4日、能登半島地震による被災者の避難生活長期化を見込み、避難所対応を強化するため自衛隊員を約2千人から4日中に4600人に倍増すると発表した。寒冷対策支援など被災地からの要望を待たない「プッシュ型支援」増強へ、9日に予備費拠出を閣議決定するとも表明。40億円規模になるとの認識を示した。官邸で記者団に述べた。

倒壊した建物などに巻き込まれた被災者を、現時点で156人救助したと説明。4日午前9時時点で確認している要救助者案件138件のうち、道路の寸断などで24件へのアクセスが困難な状況だと明らかにした。65件は対応済みで、49件は4日中に対応見込みだとした。《共同通信》

首相、地震虚偽情報への注意喚起

岸田文雄首相は4日の記者会見で、能登半島地震を巡り、交流サイト(SNS)で救助を求める偽情報が拡散している状況を懸念し、公的機関の情報を確認するなど惑わされないよう注意を呼びかけた。SNS事業者らに対し、総務省が適切な対応を要請したと説明した。

「悪質な虚偽情報は決して許されず、厳に慎んでもらう必要がある」と強調。一方、SNSには政府の情報発信ツールとしての役割や、現地の詳細情報を把握できる長所があると指摘し「災害対策での活用を図らなければならない」と述べた。《共同通信》

台湾政府、6000万円を寄付

台湾政府は4日、能登半島地震を受け義援金6千万円を贈ると発表した。これとは別に台湾の人々からの義援金を募る口座の開設も表明した。呉ショウ燮外交部長(外相)らが台北で記者会見した。

呉氏は新型コロナウイルス禍での日本から台湾へのワクチン提供などを振り返り「台湾と日本は、最も助けが必要な際に手を差し伸べ合う家族のような関係だ」と強調。「被災地の住民が一日も早く苦境から抜け出せることを願う」と述べた。

記者会見には日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)も出席。「台湾の人々の温かい思いやりと善意」に謝意を示した。《共同通信》

大谷選手、ドジャースと共同で寄付

米大リーグの大谷翔平(29)が4日、所属球団のドジャースと共同で能登半島地震の被災地に寄付をすると発表した。球団は100万ドル(約1億4500万円)を送り、大谷も個人で寄付をする。

大谷はインスタグラムにユニホーム姿の写真とともに「復興活動に参加してくださった方々に感謝するとともに、今後も私たちが団結していき被災された方々を支援していきたいと願っています。行方不明者の早期発見と被災地域の復興を心より願っています」との声明を出した。

大谷は岩手県出身。昨年12月にドジャースに10年契約で加入した。《共同通信》

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【高校サッカー】

サッカーの全国高校選手権第5日は4日、さいたま市の浦和駒場スタジアムなどで準々決勝の4試合が行われ、準決勝(6日・国立競技場)の組み合わせは市船橋(千葉)―青森山田、近江(滋賀)―堀越(東京A)に決まった。

2大会ぶり4度目の優勝を目指す青森山田は昌平(埼玉)に4―0で大勝。優勝5度を誇る市船橋は初出場の名古屋(愛知)を2―1で退けた。

近江は神村学園(鹿児島)との点の取り合いを4―3で制し、堀越は2―1で佐賀東に勝った。ともに初の4強入りとなった。《共同通信》

【東京株式市場】

今年最初の取引となる大発会を迎えた4日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)が続落した。大発会での値下がりは2年連続。

1日に発生した能登半島地震による経済への影響を見極めたいとの慎重姿勢から売り注文が優勢だった。前日に米国株が下落したことも響いた。

終値は前年末終値比175円88銭安の3万3288円29銭。東証株価指数(TOPIX)は12.40ポイント高の2378.79。出来高は約16億7612万株だった。《共同通信》

【立憲民主党・泉健太代表】年頭会見

立憲民主党の泉健太代表は4日、党本部で年頭記者会見に臨み、自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題を受け「自民党、岸田内閣に正当性はない。腐敗政治を根本から変える」と述べ、政権交代を目指す考えを表明した。日本維新の会や国民民主党など野党各党に政権獲得への連携を呼びかける方針を示した。

松野博一前官房長官ら裏金疑惑が取り沙汰されている議員については「自ら説明し、政界から一度身を引くのが正しい選択だ」と辞職を要求した。

野党で目指す政権に関し「ミッション(使命)は明確だ」と強調した。《共同通信》

【岸田文雄首相】年頭会見

岸田文雄首相(自民党総裁)は4日、官邸で年頭記者会見に臨んだ。自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題を受け「国民の信頼を回復すべく党の体質刷新の取り組みを進める」と強調。総裁直属の「政治刷新本部」を来週発足させると表明した。政治資金の透明性拡大や派閥の在り方に関するルール策定を検討する。

裏金問題に関し「心からおわび申し上げる」と陳謝した。政治刷新本部は自ら本部長を務め、党執行部に加えて若手議員や外部有識者に参加してもらい透明性の高い検討を進めると説明。「1月中に中間的な取りまとめを行い、党のガバナンス強化に反映するとともに、必要なら関連法案を提出する」と述べた。《共同通信》

【イスラム国】イラン爆発で犯行声明

過激派組織「イスラム国」(IS)は4日、系列メディアで、3日に起きたイラン南東部ケルマンでの爆発に関して犯行声明を出した。死者が84人、負傷者が280人以上になり、近年のイランでは最大のテロ被害となった。

犯行声明によると、1人目の戦闘員が群衆の中で爆発物が入ったベルトを爆破させ、約20分後に2人目も爆破させた。国営通信は3日、情報筋の話として、2回あった爆発のうち1回目は監視カメラの映像から男の自爆だったと伝えた。2回目も自爆の可能性が高いという。

現場は米軍に殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の墓地の近く。《共同通信》

【ウクライナ侵攻】

北朝鮮、ロシアにミサイル提供

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は4日の記者会見で、北朝鮮が弾道ミサイル数発と発射装置をロシアに提供したと明らかにした。ロシアがウクライナに対し、この弾道ミサイルを発射したとしている。

カービー氏はミサイル提供は国連安全保障理事会の決議に違反していると非難し、兵器を提供した関係者に追加制裁を科すと明らかにした。《共同通信》

【篠山紀信さん】死去

「激写」という流行語を作るなど写真界の第一線で活躍してきた写真家、篠山紀信さんが4日、死去した。83歳だった。

東京都出身。日本大学芸術学部写真学科在学中に広告制作プロダクションに入社。新進写真家として頭角を現し、数々の賞を受賞した。昭和43年からフリーに。広告から肖像、芸術的表現までジャンルを問わずに幅広く活躍。45年、作家の三島由紀夫さんに依頼され、自決直前の姿を撮影した。

1970年代に女性のグラビア撮影で使い始めた「激写」は流行語になった。「週刊朝日」などの雑誌の表紙写真や巻頭特集を数多く担当した。落語や歌舞伎の撮影も長年に渡って継続した。

時代を象徴する人物や場面を逃さずに撮り続けてきた。刊行した写真集などは300冊を超える。

平成3年には樋口可南子さんの写真集「Water Fruit」や宮沢りえさんの写真集「Santa Fe」を刊行し、女優のヌード写真集ブームを牽引した。

複数のカメラで撮影する「シノラマ」など新しい表現も切り開いた。ジョン・レノンの遺作「ダブル・ファンタジー」のジャケットを撮影したことでも知られる。赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」にカメラ小僧「篠山紀信君」として登場する。令和2年菊池寛賞。

妻は元歌手の南沙織さん。次男は俳優の篠山輝信さん。 《産経新聞》