平成2284日目

平成7年4月10日(月)

1995/04/10

【青島幸男氏】「ノックさん、よろしく」

「今朝の天気のように、晴れやかな気分でずっと行きたい」。新東京都知事に決まって一夜明けた10日朝、青島幸男さん(62)はさっぱりした表情で、澄み切った青空を見上げた。

10日の青島さんは、早朝から深夜まで、テレビやラジオへの出演など30近い取材予定がびっしり。分刻みで移動する車中でラジオのインタビューを受けるなど、慌ただしく都内を駆け回った。

午前6時すぎ、青島さんは黒のダークスーツに身を固めて、都内にある自宅マンション前に姿を見せた。集まった報道陣は約50人。制服、私服の警官が早くも周囲に。前夜は家族の労をねぎらって、午前2時すぎに床に就いたという。「ぐっすり眠った。そう快な気分です」と柔らかな口調で話した。

知事になる実感は「さあ、それがねえ。まだ、ひしひしとした感じがない」とほほ笑む。「都政のことを何も知らないので、勉強したい。職員には心からよろしくと、都民には健康を心配されるが、この通りですから安心してください、と言いたい」。都民や都庁職員へのメッセージを口にした。

午前7時からはNHKニュースに登場した。ビッグプロジェクトの世界都市博について「既に幻想に終わっている。全面中止してしまっていい」とばっさり。臨海副都心開発については「スタート時の(構想の)まま推し進めると、無理が生じる。利用の仕方を都民とご相談したい」と大幅見直しを強調したが「議会との摩擦は大きいかもしれないが話し合いで解決できれば」と、ちょっぴり不安も。

別のテレビ局では、新大阪府知事に決まった横山ノックさんとデレビ対談。ノックさんが「以前『このごろ、酒を飲んでない』と言われたのが印象に残っていたが、今は健康そのものですね」と話し掛けると、青島さんは「ノックさんとは参院に一緒に初当選したまさに同級生。今回はあえて手紙や電話はしませんでしたが、今後もよろしくお願いします」と語り合った。《共同通信》



【東京都・鈴木俊一知事】都市博中止は無理

首都東京の新知事に青島幸男氏が決まり一夜明けた10日、財政問題、世界都市博覧会開催など新知事にゆだねられる重要課題を抱える都庁では鈴木俊一知事が登庁、「都民の幸せを考えるならそう違った政策にならない。世界都市博覧会の中止は無理」と語るなど都庁には衝撃が広がっている。議会創は「青島さんとまず話し合わなければ」と早くも協調姿勢を示す議員も。

午前10時前、登庁した鈴木知事は、記者団に青島氏当選の感想を聞かれ「意外な結果で大変驚いている。それに尽きる」などと感想を述べた。

鈴木知事は「都政だけでなく国政や今の(政治)体制への批判があるのではないか。私も含めて…」と答えたが「特定のことが大きく扱われ、それが都政のすべてのようにとらえられている」と不満も漏らした。

青島氏が都市博中止を表明していることについて「世界の国々などに開催を約束してるので、簡単に中止しようとしてもできない」と話し、むっとした表情に。

最後に「青島さんも都知事になった責任をこ自覚して、各党と協議しながら適切、円滑に都政を運営してもらいたい」と“エール”を送った。《共同通信》

【連立与党】結束強化を確認

連立与党は10日、東京と大阪両知事選での敗北、既成政党批判を深刻に受け止め、3与党の結束強化を確認する一方、統一地方選後半戦や参院選に向け、それぞれ党内態勢の立て直しに入った。

執行部への責任論は統一地方選への後半戦への影響や政権基盤を揺るがす事態を避けるため表立っては出ていない。村山首相は緊急円高対策の取りまとめなどを挙げ、政権の求心力確保を目指す方針だ。

これに対し、新進党は「対立軸をはっきりさせ、村山政権を攻める」(首脳)と対決姿勢を鮮明にしており、首相は後半国会の運営で苦しい局面に立たされそうだ。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は10日、東京都知事選で青島幸男氏が当選したことについて記者団に聞かれ「都民の声を反映させ、開かれた都政にしてもらいたい」。選挙戦では「政策も分からず、人の前に顔を出さない人では心配でならない」と痛烈に批判していただけに表情も複雑。記者団から「青島さんはテレビの『意地悪ばあさん』役で有名だが」と水を向けられても、「あれは演技なんでな」と言葉少な。旧東京協和、安全両信用組合問題で都の低利融資を否定するなど、国との連携を不安視する声も強く、首相にとって青島新知事誕生が「芝居の話」ならよかった。

○…自民党の森幹事長はこの日の記者会見で、道府県議選の結果について「公共放送が、40分間のうち3回も『自民党惨敗』と言っていた」と、テレビの報道姿勢をやり玉に。森氏は「700を超える無所属候補が当選していることも冷静に見て、結果を述べるべきだ。惨敗という解説は遺憾」と、隠れた自民系候補の存在を強調。さらに「素人の解説なら分かるが、選挙を知っている人のああいう論評は一方的で困る」とボルテージは上がりっぱなし。東京、大阪両知事選で無党派候補が大勝、執行部の責任を問う声も強まる気配のためか、少々八つ当たり気味?《共同通信》

【金大中氏】来日

1973年8月の拉致事件以来、約22年ぶりに日本を公式訪問した韓国のアジア・太平洋平和財団の理事長で前民主党共同代表の金大中氏は10日午後、成田空港に到着、空港内で記者会見し「かねてからの宿願を達成したような心境」などと語った。

同行の韓国国会議員や出迎えた田英夫参院議員らとともに会見した金大中氏は「拉致事件やその後の死刑宣告に対し救援運動をしてくれた日本国民や在日同胞に心から感謝するため参りました」と韓国語で声明を読み上げた。

しかし金大中氏がこれまで日韓両国政府に求めてきた事件の真相究明と原状回復については「(究明などを)あきらめたわけではない。今回の訪日は、韓国政府から旅券、そして日本政府からビザの発給を受けたが、それと(私の求める)原状回復は別」と述べ、今回の訪日が原状回復に結びつくものではないことを強調した。《共同通信》

【米大統領選】ロバート・ドール氏が出馬表明

米共和党のロバート・ドール上院院内総務(71)は10日、地元カンザス州の州都トピカで、来年11月の大統領選挙への出馬を正式に表明した。

ドール氏は知名度、実績、安定感などを背景に幅広い支持を得て、各種世論調査では共和党の他候補を大きく引き離して優位に立っている。現時点では、クリントン大統領との一騎打ちを想定した場合でもリード、序盤戦の最有力候補となっている。

1980、88年の大統領予備選に敗れており、出馬はこれが3回目。再選を目指したフォード大統領がカーター氏に敗れた76年の大統領選では副大統領候補になった。

外交面では対ロシア政策の見直し、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府への武器禁輸解除、国連より国益の優先などを主張し、クリントン政権を批判。人工中絶には原則反対で、共和党内の傾向を無視できず、中道寄りから保守化しつつある。

クリントン大統領、ギンクリッチ下院議長(共和党)など、ベビーブーマー(第二次大戦後生まれ)が中心になろうとする米政界で、当選すれば史上最高齢の73歳での就任。このため当選しても1期4年限りとの観測も完全には消えない。《共同通信》

【オウム真理教・麻原彰晃教祖】「独裁者になる」

警視庁など捜査当局の強制捜査を受けているオウム真理教の麻原彰晃教祖が、全国の教団施設で「私は独裁者になろうと考えている」「新しい入信者をどんどん洗脳しなさい」など教団の“裏面”を象徴するような説教を重ねていたことが、内部資料で10日、明らかになった。

資料に記載された説教の時期は、教団の関与が取りざたされた坂本弁護士一家失そう事件(平成元年11月)や、幹部らが立候補し全員落選した総選挙(平成2年2月)、国土利用計画法違反での強制捜査(同年10月)の時期に当たっており、捜査当局は、教団の実態把握の資料として分析を急いでいる。

資料は、山梨県上九一色村の出家信者向けに作った「特別教学システム」という冊子で、昭和62年7月から平成2年12月までの説教を一字一句再現している。

その中で麻原教祖は、自分自身をヒンズー教の最高神・シバや仏教の釈迦と同等の「神」であるとし、師のために窃盗を犯したインドの修行者の話を引用するなどして、信者に対し絶対的な服従を求めている。

昭和63年秋の説教では信者に「私は信仰的独裁者に、世界の独裁者になろうと考えている」という決意を述べている。《共同通信》



4月10日のできごと