平成6505日目

2006/10/30

【高校必須科目未履修問題】安倍首相、学校側の対応を批判

安倍晋三首相は30日午後の衆院教育基本法特別委員会で、いじめによる自殺者が相次いでいることを踏まえ、いじめ防止のため、児童や生徒に規範意識を身に付けさせ、スクールカウンセラーなど相談態勢を充実させる考えを示した。また各自治体の教育委員会の在り方や機能を見直す必要性も指摘した。

高校の必修科目未履修問題について首相は「受験でいい成果を出そうとルール破りをし奨励した結果だ。規範や道徳を教える資格が問われることになり、学校の責任は極めて大きい」と批判。伊吹文明文部科学相は「(生徒には)文教行政の責任者としておわびしなければならない」と陳謝した。《共同通信》




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【ソフトバンク】携帯変更契約を再開

携帯電話の「番号ポータビリティー」(番号継続制度)に伴う契約変更の申し込みが殺到し、29日まで2日連続で受け付け業務を停止したソフトバンクモバイルは30日、NTTドコモ、KDDI(au)と協議し、契約変更再開で合意、同日午前から通常通りの業務が行われた。

協議では、ソフトバンクが「システムの負荷軽減の措置をした」と報告した。ただ、ドコモなどは「今週末の3連休で再びシステム障害が起きることを懸念している」と指摘。ソフトバンクは再停止が起きないよう、週内にシステム処理能力の改善や人員増強を進める考えで、トラブル回避と信頼回復を目指す。

契約変更を再開した販売店にはこの日午前から客が訪れ、ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市北区)では「契約変更はスムーズに行っている。突出しているわけではないがソフトバンクの新料金プランに興味を持つ人は多い」という。

ソフトバンクの相次ぐシステム障害に対しては、ドコモなどが29日、原因究明と抜本的な対策に関する説明などを求める抗議文を連名で送付したが、改めて正式回答を求める考えも示している。

番号継続制では携帯会社を変更するために、新旧の会社との手続きが必要で、ドコモ、KDDIとも、ソフトバンクとの間で契約変更ができなくなっていた。《産経新聞》

【漢文学者・白川静さん】死去

漢字研究の第一人者として知られ、文化勲章を受章した中国文学者で立命館大名誉教授の白川静さんが10月30日午前3時45分、多臓器不全のため京都市内の病院で死去した。96歳だった。

1910年、福井市の洋服店の次男に生まれた。小学校卒業後、大阪の法律事務所に住み込みで働きながら夜学へ通い、35年、立命館中学教諭に。在職しながら立命館大を卒業、同大学予科を経て81年まで文学部教授を務めた。96年度朝日賞。98年に文化功労者となり、04年に文化勲章を受章した。《朝日新聞》

【この日の民主党】

野田議員、戦後教育の総括と未履修問題を質す

30日午後、衆院教育基本法特別委員会において総理大臣出席の下での質疑が行われ、野田佳彦議員(国民運動委員長)が戦後教育の総括や高校の単位未履修問題などについて政府の見解を質した。

野田議員は、教育水準の向上など戦後教育が果した一定の役割を評価しつつも、卒業生を前にして歴史・宗教・倫理について学んでいないので将来が不安だと語った会田雄次前京大教授の言葉を引き、戦後教育の総括について総理の考え方を質した。安倍総理は、機会均等の理念の下に行われた戦後教育は教育水準の向上を通じて経済水準の向上にも役立ったとしつつ、自由に対する責任や権利に対する義務を教えなければならないと答えた。

野田議員は、歴史観や宗教観などといった数字で表せない「観」の教育が欠けていると指摘し、根本的な問題点は現行の教育基本法がGHQの下でできたことであると述べた。そして、教育基本法案の民主党案と政府案の違いについて民主党案提出者に質問した。民主党からは高井美穂議員が答弁に立ち、政府案に対する民主党案の優位点は以下の六点であるとした。第一は、あらゆる人が生涯にわたって学ぶ権利を規定していること。第二は、学校現場に権限を委ねるとともに、最終的な責任は国が取ること。第三は、宗教の意義の理解を深める教育をすること。第四は、インターネットの能力向上を図ること。第五は、対GDPで教育予算の比率を示すなど、教育予算の安定的な確保に努めること。第六は、幼児教育および高等教育の無償化を進めること。

野田議員は、政府はいじめや履修漏れなどの教育基本法に盛り込むべき内容を全て教育再生会議に委ねてしまっていると批判したが、伊吹文部科学大臣は基本法にどこまで書き込むかは立法政策の問題であると答弁するのみであった。

野田議員は議題を高校の単位未履修問題に移し、その全容把握のための調査が遅く、また全国で発生したことは文部科学省の責任であるとして、文部科学大臣の責任を問うた。文部科学大臣は、全国一律の教育水準が達成されていなかったことについて責任を認めながらも、国には学校に直接介入する権限はないと答弁した。野田議員は、知事部局が監督している私立高校の調査も含めて、早急に未履修問題の全容を過去にまで遡って明らかにすることが問題解決のために必要であるとし、教育特の委員長に資料の提出を要請した。さらに野田議員は、教育現場に規範精神が失われていることは根深い問題であることを指摘した。

野田議員は、民主党案は前文に「日本を愛する心を涵養する」と明記したが、政府案は「わが国を愛する態度」とするにとどまり、見せ掛けだけを整えようとしていると批判し、内容のある民主党案の優位性を強調した。安倍総理は、国を愛する心の発露が態度として示されるのであり、決して心を教えないということではないと答弁した。野田議員は、宗教教育についても政府案は宗教についての一般教養を与えるに過ぎず、民主党案の方が真の宗教心の涵養になるとし、政府案は連立維持のためのもので、自民党も最善のものとは思っていないはずだと指摘して、質問を終えた。

鳩山幹事長、いじめへの対応など質す

鳩山由紀夫幹事長が、衆議院教育基本法に関する特別委員会で30日午後質問に立ち、相次ぐいじめ、学校現場の対応などで政府に見解を質した。特に北海道滝川市でのいじめによる自殺と、その隠蔽工作について、「まず、被害者のご両親を訪ね線香の一本もあげて、話を聞くべきでなかったか」と詰問した。伊吹文部科学大臣は「対応していきたい」と前向きに答えた。

冒頭、鳩山幹事長は、党の日本国教育基本法について「今日的に課題について対応できるもの」として、提出しているとしたうえで、質問に入り、まず、伊吹大臣の審議時間に関する発言は大臣としては不適切と批判。「この場で謝罪」を求めた。伊吹大臣は、「教育基本法のこととは言っていない」と逃げ、「一般的な言い方をすれば良かった」と間接的ながら、不適切だったことをしぶしぶ認めた。

さらに、鳩山幹事長は、憲法と教育基本法の関係について質問。憲法の改正を待ち、例えば「家庭の価値を憲法に書き込み、そのうえで教育基本法に、教育の基礎として家庭を教育基本法に書き込むべきではないか」と迫った。伊吹大臣は「『憲法の精神に則り』と前文に書き込んでいる」とだけ答え、まともには答えなかった。

また、党の教育基本法ではすべての人びとに、教育権を保障すべきで、憲法にも「何人も」と書き込み、それを受け、「すべての国民」ではなく「何人も」と教育基本法にも書き込むべきではないかと迫った。伊吹大臣は「一つの考え方で否定はしない」としながらも、「そういう考えは国民の多数ではないのでは」と答えた。

また、国際人権規約にうたわれている高等教育の無償化を日本が保留していることを取り上げ、高等教育の無償化を目指すべきで、経済力の格差が、学力の格差につながり、格差が固定されることのないようにするためにも必要であると訴えた。これに対しても、伊吹大臣は「無償化は難しい」と拒否した。

最後に、北海道滝川市の事件を取り上げ、被害者のお宅へお悔やみ行ったことを明らかにした上で、「文部科学省も聞き取りきたが、ご両親のところまで来ていない。最初に被害者のところに行くべきでなかったか」と追及。伊吹大臣は「ご意見を拳拳服膺して対応したい」と答えた。

鳩山幹事長は「いじめは今に始まった話ではない」として、「責任のたらい回しになっている。やはり最終責任は国が持つ。そして現場の責任は選挙で選ばれた首長が持つようにすべき」で、学校理事会制度も創設を盛り込んだと、党の日本国教育基本法の骨格を改めて説明し、感想を求めた。伊吹大臣は「一つの提案と受け止める」としたが、具体的な点には言及しなかった。《民主党ニュース》



10月30日 その日のできごと(何の日)