平成6350日目
2006/05/28
【この日の民主党】
菅代表代行、富山県連大会で、これからの民主党を語る
28日午後、党富山県総支部連合会が定期大会を開き、来る統一自治体選挙と参院選挙に向けての方針を確認するとともに、菅直人代表代行を招いて「これからの民主党」と題する講演を聴いた。
県連大会は、島田県連代表代行によるメール問題後の党再建を図ろうとの開会の挨拶で始まり、村井宗明県連代表(衆議院議員)が県連を代表して挨拶を行った。村井代表は、富山県は自民党王国と言われているが、民主党が全国的に退潮した先の衆院選においても得票を伸ばしていることを指摘し、民主党が前進を始めていることを訴えた。同時に村井代表は、それにもかかわらず自民王国とのイメージが定着し二大政党という状態が実感できないのは地方自治体議員の擁立が進まず人数が少ないからであるとし、人材を集めて自治体選挙に全力を挙げるとともに、比例代表の広野ただし参院議員を含めて参院選での必勝を期する、と決意を述べた。
また、大会来賓として挨拶に立った草嶋連合富山会長は、社会の二極化が進む中で、さらにサラリーマンを狙い撃ちにする増税が企図されていると語り、民主党が安心・安全・信頼の社会をつくるために働くもののための政策を進めていることに感謝すると述べた。
続く議事の中の「活動方針案」の提案において坂野幹事長は、富山県連として挑戦すべき三つの課題として、地方自治体議員の拡大、党員・サポーターの拡大、参院選の勝利を挙げ、満場の賛同を得て承認された。
大会宣言の承認を以って議事が終了した後、菅代表代行が「これからの民主党」と題して講演を行った。菅代表代行は冒頭に、「蛍烏賊に釣られて富山に来た」と述べて満場の笑いを誘った後メール問題に触れ、「雑巾がけも含めて伝えていかなかった責任はある」と述べて老壮青の連携の重要性を説き、小沢代表を中心とする執行部は結党以来のしっかりした挙党体制だと語った。
また菅代表代行は、小泉政権の評価について、不良債権処理と景気回復の裏で膨大な税金の銀行への投入と預金者の超低金利があることなどに触れ、小泉改革の欺瞞性を指摘した。そして菅代行は、結婚の契機が変わり絶対数も減っていることを例にとり、社会の絆が希薄化しているのは危険な状況だとし、人間のつながりを深める政策の重要性を説いた。ここで菅代表代行は、自らが本部長を務める農林水産再生対策に触れ、子育てができる農政、自給率を向上させる農政の必要性を説き、現在までの農政は農業の設備面のみを整備する政策であると批判した。菅代表代行は国連常任理事国入りが失敗したことを例に取り、対米関係のみを重視する外交の限界を指摘するとともに、アジア諸国との間で問題となっている靖国問題について、靖国神社は戦死者を祀るためのものであってそうでない人を祀るためのものではないとの意見を傾聴に値するものだとした。
菅代表代行はさらに自治体の問題を取り上げ、自治体の権限を増やしていくことは「国のかたち」を帰ることだと位置づけつつ、かつては自治体が変われば国も変ると考えていたが国の政治そのものは国会議員が変えていかねばならないと述べた。
最後に菅代表代行は、衆院千葉補選での勝因は地道な票の掘り起こしにあったと述べ、秋の衆院神奈川補選でもこの勝ちパターンを再現し、さらに全国に広げて行きたいと語った。
菅代表代行は、懇親会後の記者会見において記者団の質問に答えて、参院選における富山選挙区をはじめとする一人区の持つ重要性を強調するとともに、参院における与党の過半数割れを実現するためには野党間の幅広い連携も視野に入れていることを述べた。《民主党ニュース》
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【森喜朗元首相】総裁選「安倍氏と福田氏が戦っていいのか」
自民党の森喜朗前首相は28日のテレビ朝日の番組で、自民党総裁選をめぐる安倍晋三官房長官の対応について「もし支持率に差がなくなれば先輩の福田康夫元官房長官と戦っていいのか、との悩みがある」と指摘、世論調査で急速に支持を拡大している福田氏との支持率が拮抗すれば安倍氏が出馬を見送る可能性があるとの見方を示した。《共同通信》
【民主党・小沢一郎代表】「本当の議会制民主主義確立のためにも政権交代を」
小沢一郎代表は28日午後、徳島県を訪れ、県内の企業・団体を精力的に訪問するとともに、市内のホテルで党支持者との懇談や経済団体および関係企業との意見交換を行った。意見交換には、県連代表の仙谷由人衆議院議員(『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣)、高井美穂衆議院議員(男女共同参画推進本部副本部長)、県連幹事長の橋本幸子阿南市議会議員、中谷智司県参議院選挙第一総支部長も同席した。
意見交換で挨拶に立った小沢代表は、任期は前原代表任期の残存期間である9月までであることを改めて明らかにしたうえで、しかし、来年の参議院選挙を目指した場合、9月の代表戦後に準備を始めるのでは時間が足りないとの認識を示し、「候補者選びと地元の皆さんへのお願いのご挨拶だけは、この任期中に、いわばお盆前に何としても全国を歩きたいということで今日は伺った」と述べた。
同時に、「勝負は29ある一人区で決まる」と語った代表は、来年の参議院選挙は自民党の65議席の改選期にあたり、自公との議席差は15しかない現状にあっては、この改選で2年前の参議院選挙で民主党が勝利したときと同様に民主50対自民49という議席比になれば参議院での自公の過半数割れは可能だと分析。「十分戦えるし、それがわれわれの政権への大きな一歩になるだろうと思っている」と述べ、民主党へのご理解を求めた。「四国4県のうち3県の候補者が決まるという大変いい状況にあるので、勢いでがんばっていきたい。ご期待いただきたい」とも語るとともに、日曜日の時間を割いて出席いただいたことに心からの謝意を示した。
意見交換のなかで、政権交代して何をしようとしているのかと問われたのに対して代表は、小泉首相は5年間、改革を叫び続けてきたが、結果的にはいわゆる戦後体制・官僚支配は何も変わっていないとまず指摘。「行政でいうと中央官僚のコントロールによる規制社会は基本的に限界にきているのではないか。また、戦後の矛盾が毎日の問題や現象を引き起こしているのではないかと思う」との見方を示し、戦後のあらゆるしくみの本当の意味での改革をしなくてはならないと表明した。「ぜひ政権をとって、何とかして本当の意味での改革をやり遂げたいと思っている」と重ねて力説した。
また、政治には何ら期待していなかったし、自民党はもちろん民主党も好きではないと断言したある企業経営者からは、「ただ、あなたになら期待できる」として小沢代表への強い支持と期待の声が寄せられた。
意見交換後に改めてマイクを握った小沢代表は、「いただいた貴重なご意見を自分の胸に畳み込んで、何としても頑張っていきたいと思う」と表明したうえで、政権交代のない民主主義はあり得ないとする持論を改めて提示。「今度の(総選挙で)政権交代ができないと、本当の議会制民主主義は日本では定着しないことになる。そうなると、待っているのは悲劇だけだ」とも分析し、「政権交代を成し遂げ、そこから構造改革、世直しが始める。その役割をわれわれが担わなければいかんというつもりでいる」と語った。自分自身の政治生命をかけて、その大目標を何としても達成したいとも力をこめて訴え、挨拶を締めくくった。《民主党ニュース》