平成5652日目
2004/06/29
【小泉純一郎首相】消費税率引き上げに言及
小泉首相(自民党総裁)は29日、報道各社の共同インタビューに応じ、将来の社会保障費の財源として消費税率の引き上げが必要との見方を示した。ただ、引き上げ率を自らの任期中に決めることは困難と表明。また任期中の教育基本法の改正実現に意欲を示した。参院選では改選議席数(欠員の鹿児島選挙区を含む)の51議席を目標にする方針を改めて示したが、これを下回った場合の責任の取り方については明言を避けた。
首相は社会保障費の財源について「法人税を上げるか、所得税を上げるか、となると、消費税が大きな財源になるという方向だろう」と述べた。ただ、「(党総裁任期の06年9月までの)2年間は年金一元化の議論、納税者番号の議論だけで大変だ」と指摘。具体的な消費税の引き上げ率については「2年の間に何%というのはちょっと無理だろう」と語った。
年金改革関連法が採決強行で成立したことや、厚生労働省が財源に影響する出生率のデータを関連法成立後に公表したことについては「反省すべき点はある。不信を与えた。そのようなことがないようにしていかねばならない」と語った。
参院選での自民党の獲得議席が目標の51議席を下回った場合の責任については「現有議席が取れるように努力する。今から『(こう)ならば』という議論は必要ない」と述べるにとどめた。
また任期中に教育基本法改正をめざす方針を明確にし、「愛国心」の表記など公明党と意見が違う点についても「だれでも国を愛するという心は当然持っている。調整でどう表現するかという問題だ」と語った。
一方、NHKの討論番組で「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃されたときに、集団的自衛権を行使できないのはおかしい」などと述べたことに関しては、小泉内閣では憲法解釈の変更による集団的自衛権行使はしない、との従来の見解を改めて説明。「(各党の憲法改正)案が出てくるまでに調整すればいいのでは」と述べた。《朝日新聞》
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【懸賞詐欺】全国で相次ぐ
懸賞やキャンペーンの事務局を名乗り、「車が当選しました」などと経費を振り込むよう要求する電話やファクスが全国で相次いでいることが29日、自動車メーカーの調べで分かり、各社が注意を呼び掛けている。
日産自動車には6月中旬以降、全国16道府県から計約80件の相談が寄せられた。実際に支払った例は確認されていないという。
要求のほとんどが電話で「昔のアンケートの再抽選で当たった」「2、3日中に権利が消失する」などとして、自動車取得税など約3万−約60万円を振り込むよう指示されたという。
ホンダには5月上旬以降「『懸賞で車が当たった』というはがきが来たが本当か」などの問い合わせが数件あったほか、マツダには6月下旬「車の購入資金が当たったので手付金の振り込みを」と請求するはがきを受け取ったと相談があり、トヨタ自動車にも5月中旬に同様の相談が寄せられた。いずれも実害はなかった。
業界関係者は「これまでも懸賞詐欺はあったが、年に1回あるかないか。今回は大規模で注意が必要だ」としている。《産経新聞》
【この日の民主党】
岡田代表、山形で農業再生へ向け真剣な議論を展開
民主党の岡田克也代表は29日、参院選候補応援のため青森・岩手両県を回った後、夕方から山形県・高畠町を訪れ、およそ50人の農業従事者らと対話集会を開いた。集会では、有機農業先進地域ならではの日本農業再生に向けた突っ込んだ意見交換が行われた。
民主党はこれまで、農林漁業再生運動本部を立ち上げ、現地視察や関係者との意見交換会等を重ねながら「農林漁業再生プラン」をまとめあげた。参院選マニフェストに示した「民主党8つの約束」でも「『直接支払い制度』を確立し、意欲ある担い手が農業・農村を活性化する」との項目を掲げ、農業再生へ向けた政策実現を目指している。参加者を前に岡田代表は、こうした民主党の農業ビジョンを力説。「みなさんの農業にかける期待をお聞かせいただき、ご意見を参考に、民主党の農林漁業再生プランをよりよくしたい」と語った。
山形県選出で『次の内閣』ネクスト農林水産大臣を務める鹿野道彦衆院議員は「自民党農政は行き詰まっている」として、先進諸国中でも極めて低い40%の食料自給率、減少の一途をたどる耕地面積の深刻さを指摘し、農村の活性化と自給率の向上、安心・安全な食の確立につながる農業再生の方向性を示した。同県選出の近藤洋介、中塚一宏の両衆院議員も参加した。
参加者からは「食料自給率向上にむけた具体策を打ち出した民主党は画期的」など民主党の農業再生策を積極的に評価する意見が出され、岡田代表も改めて、自給率向上に資する米、麦、大豆、雑穀等を当面対象とし、耕作面積を基準に耕作者に直接支払いを行うこと、米の生産調整は廃止することなど党の政策のポイントを説明。「市販の食材はもとより学校給食で使われる食材もどこでどんな栽培法で作られたかわかるように情報開示のシステム確立を」との意見には「生産者と消費者を直接つなぐ、あるいは情報がきちんと伝わっていく仕組みをつくらなければならない。子どもたちの体を考え、一定の安全基準が必要」と指摘した。民主党農林漁業再生プランでは輸入牛肉に対するトレーサビリティ(生産履歴)表示の義務付け、加工食品や外食においても可能な限り原料産地表示を義務化すること等も明記している。
「夢がもてる農業再生が必要」農業視察で岡田代表
民主党の岡田克也代表は29日、山形県・高畠町で農業関係者と意見交換を行った後、有機栽培による米づくりに取り組む農家の水田を視察。水田一面に特殊な紙を敷き詰める雑草防止法や、米ぬかを使った土づくりなどの説明を受けるとともに、手押し車を使った手作業での除草作業を体験した。
視察を終えて感想を問われた岡田代表は「農業はものすごく大事だから、今までの与党のお役所お仕着せの政策ではなく、現場をしっかりふまえた、夢の持てる農政をつくっていかなければならないと思っている。最先端でやっておられる方々のお話を直接聞けたことは役に立った」と語り、食の安全確保や環境保全型農業への転換にも意欲を示した。
岡田代表、米沢市で政府与党の横暴を許さぬよう訴え
民主党の岡田克也代表は29日午後、参院選山形選挙区公認候補の応援で米沢市内に入り、「民主党の果たすべき使命、すなわち政権を変えてこの国の政治を変える、国民の手に政治を取り戻すことのために全力を挙げていく」と力説。集まった聴衆から期待の拍手が沸き起こった。
岡田代表は、国民への説明責任を果たさないまま強行採決に踏み切った年金法をめぐる政府・与党の政治姿勢を批判した上で、「来年は介護保険の見直し、再来年は医療制度の見直しの年だ」と語り、今回の参院選で小泉政権に「NO」を突きつけない限り年金法と同様の与党の横暴が繰り返されかねない、と指摘。参院選でのはっきりとした意思表示を聴衆に呼びかけた。《民主党ニュース》