平成5596日目
2004/05/04
この日のできごと(何の日)
【日朝政府間交渉】
北朝鮮による日本人拉致問題などをめぐる日朝政府間交渉が4日午後、北京市内で始まった。日朝両政府の高官による本格交渉は、2月中旬に平壌で開かれて以来、約2カ月半ぶり。日朝双方とも詳しい交渉内容は明らかにしていないが、日本側は最優先課題としている拉致被害者の家族8人の早期帰国を改めて要求、これが実現すれば国交正常化交渉を再開するとの方針を伝えた模様だ。交渉は5日午前に再開する。
日本側出席者の薮中三十二外務省アジア大洋州局長はこの日の交渉を終えた日本時間5日未明、「率直で真剣な、問題解決のための議論を行った。お互いの立場もあり、話し合いの途中なので(交渉の中身は)申し上げられない」と記者団に語った。
日本側はこのほか田中均外務審議官らが出席。北朝鮮からは鄭泰和(チョン・テファ)日朝交渉担当大使と宋日昊(ソン・イルホ)外務省副局長らが出席した。
鄭大使は昨年12月、北京で当時拉致議連事務局長だった平沢勝栄衆院議員らと会談し、「被害者5人が平壌に迎えに来れば、家族をかえしてもいい」と提案した。だが、この「出迎え案」には被害者の家族会などが強く反発した。
今回の交渉では、これに代わる8人の具体的な帰国方法が議論される可能性もある。日本側は、8人の帰国のほか北朝鮮側が「死亡」または「入国の事実はない」とした拉致被害者10人の再調査を改めて求める方針だが、北朝鮮側が8人をかえす条件として小泉首相の訪朝などを求めた場合には、持ち帰って検討する構えだ。
また、4月下旬の竜川(リョンチョン)駅での列車爆発事故について、医薬品など10万ドル相当の緊急援助を行ったのに続き、追加的な人道援助を実施する方針を伝えることも検討している。
前回2月の交渉で北朝鮮側は、外為法改正など日本側の経済制裁の動きに強く反発し、双方の主張は平行線に終わった。その後、2月末に北京で開かれた6者協議の場でも、日本側は政府間交渉の早期再開を求めたが、北朝鮮側は応じてこなかった。
交渉の会場は、双方が宿泊しているホテルの日本側スイートルームの応接室。関係者によると、冒頭は双方がソファに座り、穏やかな雰囲気で始まったという。4日の交渉は断続的に計7~8時間にわたって続いた。政府は交渉は5日までとしているが、進展次第では延長もありうるという。
今月12日から北京で核問題をめぐる6者協議の作業部会が始まるのを前に、北朝鮮側が政府間交渉に応じたのは、核問題での米国との協議に備えて、対日関係では対立ムードを和らげたい狙いがある、と日本政府はみている。
さらに北朝鮮船舶を念頭にした特定船舶入港禁止法案の成立や、北朝鮮向けの送金を規制する改正外為法の発動など、日本国内での北朝鮮に対する経済制裁に歯止めをかけたい思惑もある、とみている。今回の交渉で具体的な進展がなかった場合、日本ではこうした圧力強化の動きが加速しそうだ。《朝日新聞》
◇
小泉純一郎首相は北朝鮮が拉致被害者家族の早期帰国を確約すれば、自ら平壌まで出迎えに行く意向を固めた。複数の政府筋が4日、明らかにした。首相自身が訪朝する姿勢を示すことで、こう着状態を一気に打開できると判断した。
拉致問題をめぐる日朝政府間協議は同日午後、北京市内のホテルで再開。日本側は北朝鮮の出方を見極めながら、「首相出迎え案」を提示するか決める方針だ。《共同通信》
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【民主党・菅直人代表】首相との会談提唱
民主党の菅直人代表は4日午前、ローマ市内で同行記者団と会談し、与野党が激しく対立する年金制度改革関連法案をめぐり、連休明けにも小泉純一郎首相と党首会談を行い、「2009年までに国民、厚生年金の一元化を行う」などで合意できれば、政府案の衆院本会議採決に応じる考えを明らかにした。
菅氏周辺には合意事項が盛り込まれれば、民主党も法案に賛成するとの見通しを示した。
菅氏は懇談で「09年一元化」に加え(1)本人が意図しない形で起きた保険料未納問題の再発防止策を今国会中か、遅くとも年内に実施(2)07年までに国民年金を除く、各種共済年金を厚生年金に一元化−の三段階の改革が必要だと強調。「三段階の抜本改革を目指すことで合意できればいい。単なる覚書でなく、法案などで担保できれば望ましい」と述べた。《共同通信》
【民主党・鳩山由紀夫前代表】天皇元首化、女帝も容認
民主党の鳩山由紀夫前代表は4日、長野県軽井沢町で開いた鳩山グループの勉強会で講演し、年内にまとめる予定の憲法改正に関する「鳩山私案」の一部を明らかにし、天皇の元首化と女帝容認を盛り込むべきだとの考えを示した。
鳩山氏は「(天皇は)国内でも国外でも違和感なく国家元首として受け入れられている」と指摘。ただ、君主制のイメージを薄めるため、元首規定の前に「国民主権」規定を起き、「日本は民主主義国家」と明記することも提唱した。
女帝については「皇統に属する男子または女子が継承する」との条文を憲法に盛り込み認めるが、皇位継承順位は男女を問わず第一子を優先する「長子優先主義」ではなく、男子がいない場合に限り女帝を認めるとしている。《共同通信》