平成5455日目

2003/12/15

この日のできごと(何の日)

【衆院テロ防止特別委員会】

小泉純一郎首相は15日午後の衆院テロ防止特別委員会で、米国がイラク復興事業からフランス、ドイツ、ロシアなどの企業を排除する方針を示したことに対し「米国一流の外交的駆け引きもあるが、国際協調体制を作るためにも他国を排除する姿勢は感心しない」との認識を明らかにした。

米国の小型核兵器開発問題については「いろいろな議論があるのはいいことだ」と述べた。「懸念は表明している」とも指摘したが、核廃絶へ努力する政府の方針と食い違っているとも受け止められる答弁で、首相の姿勢にも批判が出そうだ。

首相はイラクの治安情勢について「非戦闘地域があるということは戦闘地域もある」として自衛隊を派遣できない戦闘地域が残っていることを認めた上で「自衛隊を出さなければテロの攻撃に対象にならないという状況にはない」と派遣方針を強調した。

日本人外交官殺害事件には「かなり準備された計画的犯行だったのではないか」との見方を表明した。

福田康夫官房長官は、首相が自衛隊は武器・弾薬を運ばないと明言したことに関し「兵員が少し長めの銃を持っていても趣旨い反することはない」と指摘。治安維持活動に当たる他国兵士を携行武器と一緒に運ぶことは首相発言と矛盾しないとの認識を重ねて示した。

石破茂防衛庁長官は「(輸送物資を)一つ一つ開けて調べるというのでは、信頼関係は成り立たない」と述べ、米英軍などの物資を輸送する際、武器・弾薬かどうかをチェックすることは事実上困難との考えを示した。石破長官は自衛隊の武器使用に関連し「撃ち合いになるということは、正当防衛の武器使用の仕方として想定していない」と述べた。

公明党の太田昭宏、民主党の岡田克也、前原誠司、社民党の照屋寛徳各氏への答弁。《共同通信》

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【Jリーグ・アウォーズ】

Jリーグの年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」は15日、横浜アリーナで行われ、最優秀選手はリーグ戦で得点ランク3位の18得点を挙げ、チーム初タイトルとなるヤマザキナビスコカップ制覇に貢献したFWエメルソン(浦和)が初受賞した。同選手には賞金200万円と副賞が贈られた。

就任1年目で横浜Mを年間優勝に導いた岡田武史監督は最優秀監督賞、優勝監督賞を同時受賞。新人王には2年目の今季、主力として横浜Mの優勝に貢献したDF那須大亮が選ばれた。

ベストイレブンには横浜MからDFドゥトラ、中澤佑二、MF奥大介、FW久保竜彦が選ばれ、得点王はリーグ戦22得点のFWウェズレイ(名古屋)が初受賞した。

市原を年間3位に引き上げた市原のオシム監督には監督特別賞、優秀審判賞には上川徹氏が選ばれた。《共同通信》

【NTTドコモ】携帯電話で電子マネー

NTTドコモは15日、インターネット接続サービス「iモード」対応の携帯電話機にソニ一の非接触型ICカード「フェリカ」を搭載し、電子マネーで買い物ができ財布代わりに使える新サービスの実験を17日から順次始めると発表した。

セガや全日本空輸、東京三菱銀行、日本コカ・コーラ、ローソンなど幅広い業種の27社が実験に参加。計5000台の端末を利用し、来年夏ごろまで続ける。

15日には、チケット販売大手ぴあが、イベントで携帯を「電子チケット」として使い、紙のチケットなしで入場できるサービスなどを公開した。《共同通信》

【大阪市】天王寺公園の青空カラオケを強制撤去

「青空カラオケ」として知られる大阪・天王寺公園のカラオケ屋台や露天に撤去を求めていた大阪市は15日、自主退去に応じなかった7店などの建物を行政代執行法に基づき強制撤去した。午前8時ごろ、市職員約200人らが屋台周辺の通路をフェンスで封鎖すると、店主や支援者ら約30人から怒号が飛び、一時もみ合いとなった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党「次の内閣」の前原誠司外相は15日の衆院テロ防止特別委員会で、米国が研究している小型核兵器について「ブッシュ米大統領に直に(使用禁止を)言うべきだ」と小泉純一郎首相に注文。首相に「(首脳会談で)どういう話題になるかはその時々で判断したい。野党と首相とは違う」と言われ、前原氏は「全く主体性のない外交を行っている。われわれが与党ならそんな外交はしない」ときっぱり。「外相」に就任したばかりだけに、存在感発揮に懸命の様子。《共同通信》

【イラク情勢】

イラクの首都バグダッドと周辺で15日、フセイン元大統領拘束発表後、初の連続テロとみられる自動車爆弾の爆発が警察署2カ所で相次ぎ、ロイター通信によると、少なくとも9人が死亡、30人以上が負傷した。

元大統領拘束に反発する報復テロの可能性が強い。ブッシュ米政権がイラク戦争後、最大の成果と誇示する元大統領の拘束にもかかわらず、反米武装勢力による破壊活動は衰えず、イラクの治安回復がままならないことを浮き彫りにした。

爆発があったのはバグダッド西部のアメリヤ地区と郊外のズフール。いずれも警察署に爆発物を積んだ車が突っ込み、ズフールでは少なくとも8人が死亡、20人以上が負傷。アメリヤでは自爆犯1人が死亡、12人が負傷した。アメリヤの警察署には、2台目の車も突入を試みたが、米軍や警察側の発砲で運転手は逃走した。

反米武装勢力は、駐留米軍の占領政策に協力しているとしてイラク警察施設を繰り返し攻撃対象にしている。

国を恐怖政治で支配したサダム・フセイン元大統領の拘束が伝えられた14日から、イラク市民は異様な興奮に包まれている。旧政権に虐待されてきたイラク南部では15日も多くの市民が参加する「拘束」歓迎のデモが行われる一方、元大統領の出身地ティクリットでは元大統領を支持する集会が開かれるなど、各地で歓喜と落胆、そして抵抗の声が交錯した。

長年イラクを統治してきた元大統領の拘束を、多くの市民はいまだに「信じられない」と繰り返した。自衛隊派遣の候補地、南部サマワでは同日午前9時半ごろから「拘束」を歓迎する市民ら1000人以上が中心部に集まった。ある男性(45)は「イラクは新しい一歩を踏み出した」と興奮を抑えきれない様子。一方「米軍が占領軍であることは変わらない」と話す男性(36)も。

「拘束を知り、家族とともに悲しんだ」と話す男性(25)は「イラクには大統領の支持者がたくさ話んおり、拘束への復しゅうが始まるだろう」と警告した。

ティクリット中心部では15日、元大統領を支持する若者約100人が市の民中心部で集会を開き、米軍が戦車などで取り囲み緊張が走った。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】フセイン元大統領裁判「イラク人参加の公開形式」

ブッシュ米大統領は15日、ホワイトハウスで記者会見し、イラクのフセイン元大統領の裁判について「国際的な検証に堪える必要がある」と述べ、イラク人が参加する公開形式で公正に行う考えを表明した。

大統領の発言は、国連が関与した国際戦犯法廷や米軍主導の軍事裁判は念頭にないことを示唆している。ブッシュ政権は米国が深く関与しながらも、フセイン元大統領の圧政で苦しんだイラク人主導で元大統領を裁く形を取ることで「過去の精算」を図り、イラク国民と国際社会の理解を得たい方向だ。

バウチャー米国務省報道官は15日の記者会見で、イラク統治評議会が設置に合意した特別法廷に国際社会が関与する機会が与えられていると述べた。

ブッシュ大統領は「イラク国民が深く関与し、公開裁判である必要がある。すべての残虐行為を白日の下にさらす必要もある」と言明。

元大統領に死刑を適用する可能性について「私の個人的意見は重要ではない。イラク国民の意見が反映されるべきだ」と述べ、否定しなかった。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院イラク特]前原議員・岡田幹事長が自衛隊派遣の疑義を指摘

衆議院イラク支援特別委員会で15日、イラクへの自衛隊派遣に関する基本計画などをめぐり小泉首相出席のもとに閉会中審査が行われた。民主党からは前原誠司ネクスト外務相と岡田克也幹事長が質問に立ち、現在のイラクに自衛隊を派遣することに反対する立場を明確に表明するとともに、イラクの現状、米英の占領統治への加担の是非、憲法上の疑義などについて小泉首相の説明責任を厳しく追及した。

前原議員は、「新たな国連決議によって各国が国際的に協力できる枠組みを作る努力をするほうが、結局はモラトリアムではなく近道になる。ボタンのかけ違いをそのままに自衛隊を派遣しても、占領軍に加担しているとみられるだけ」と指摘。米国のウォルフォヴィッツ国防副長官が「協力したものしか復興事業に関わらせない」と発言したことについて首相の所感を求めると、小泉首相は「国際協調態勢をつくるためにも他国を排除することは感心しない」と述べた。

続いて質問に立った岡田幹事長は、まず小泉首相がイラクに派遣する自衛隊の任務についてもっぱら人道復興支援活動のみを説明し、安全確保支援活動については触れないことを批判。とりわけ首相が「武器・弾薬は運ばない」と表明していることについて、「米軍の兵員や物資を運ぶ時に、武器・弾薬はないと確認できるのか」と質した。首相が「常識的に考えて」「お互いの信頼関係で」などと答弁したため、幹事長は国民に恣意的な説明をすべきでないと厳しく指摘した。

また岡田幹事長は、国連憲章に反する米国ブッシュ政権の単独行動・先制攻撃主義に対して欧州諸国などで懸念が高まっていることを挙げ、政府の対応を質したが、首相は「日米同盟を否定するのか」「どうしろと言うのか」などと気色ばんだ。幹事長は「軌道修正するよう働きかけるのが本当の同盟関係だ」とし、米英占領軍でなく、国連を中心とした復興支援体制を構築すべきことを明確に提起した。《民主党ニュース》

イラク元大統領拘束で「派遣反対に変わりない」岡田幹事長

民主党の岡田克也幹事長は15日、イラクのフセイン元大統領拘束を受け、国会内で記者団に「イラク国民にとっても世界全体にとっても極めて喜ばしい」とコメント。ただ、今後のイラク情勢への影響については「テロが悪化するという意見と終息するとの両論あるが(今後を見ないと)分からない。元大統領が全体を指揮していたわけではないので、拘束による影響は限定されたものになる」との見方を示し、イラクへの自衛隊派遣に「このことが影響を及ぼすことはない」とし、自衛隊派遣反対の民主党の立場に変わりがないことを改めて強調した。

フセイン元大統領をどう裁くかが重要との見方を示した岡田幹事長は、「イラク国民が裁判へ関与できる形をつくることが大事」と語った。また、自衛隊派遣の実施要項が出た時点で、改めて閉会中審査を求めていくと明言した。《民主党ニュース》



12月15日 その日のできごと(何の日)