平成5254日目
2003/05/28
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】「りそなは改革の副作用」
衆院予算委員会は28日午後、小泉純一郎首相が出席して経済、外交問題に関する集中審議を行った。首相はりそな銀行への公的資金再投入について「残念なことだが、持続的成長に向けた努力の一環だ」と強調。「経済失政」との批判には「失政とは思っていない。改革をやる過程の副作用だ」と反論し「いずれ(衆院)選挙がくる。(責任は)選挙で国民に信を問いたい」と述べた。
りそな銀行の自己資本比率を10%以上にすることに関して、首相は「今後の再生のためにも、混乱や不安を起こさないためにも必要」と説明。竹中平蔵金融・経財相は、金融危機対応会議の議事録を公表することを明らかにした。
首相は北朝鮮の核開発問題への対応に関し「日本だけでは北朝鮮への対応は十分でないし効果も限られる。米国、韓国、中国、ロシアからの圧力、働き掛けが必要だ」と述べ、国際社会の力が必要との認識を強調。さらに「覚せい剤や麻薬の密輸に北朝鮮当局が関与しているのではないかとみられる事案がかなり起きている。非常に深刻な問題だ。厳正に対処する」と述べた。
イラク復興支援策について、首相は「(にほんが)独自にできること、国際機関を通じてできること、国連決議に沿ってやらなきゃいけないことなどいろいろある。国力にふさわしい復興支援に向け、努力する」と述べ、積極的に関与する考えを示した。《共同通信》
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【ヤミ金融対策会議】5200以上の業者を一斉告発
法定利率を大幅に超える高金利で金を貸し付け、暴力的な取り立てで問題となっている悪質金融業者について「全国ヤミ金融対策会議」(代表幹事・宇都宮健児弁護士)は28日を皮切りに、出資法違反(高金利)容疑で、19都道府県の延べ5200以上の業者に対し、各地の警察本部への一斉告発を実施した。
東京では同日、警視庁に約1300業者の告発状を提出し、29日以降も4県で告発する予定。
対策会議は昨年9月と12月にも、全国で合わせて延べ5000以上の業者に対する告発状を提出している。
対策会議によると、最近は脅迫的な言葉でしつように取り立てる業者が増えただけではなく、「債権を回収に行く。あらゆる手段を使って取り立てる」などと書いた弔電を送りつけるなど、より陰湿な取り立ても目立つという。《共同通信》
【米・ブッシュ大統領】減税法案に署名
ブッシュ米大統領は28日、向こう11年間で総額3500億ドル(約41兆円)規模の減税法案に署名し、同法が成立した。大型減税実施で景気浮揚と雇用創出を図り、2004年の大統領選での再選を確実にする狙いがある。
大統領は署名に先立つ演説で「減税法が米経済の回復を勢いづかせる」と強調。1991年の湾岸戦争後に経済のかじ取りを誤り、再選に失敗した父親のブッシュ元大統領の轍を踏まない決意をあらためて示した。減税規模は過去3番目の大きさだが、議会での財政悪化に対する懸念の高まりを背景に、政権が当初求めていた総額7260億ドルの半分以下となった。
しかし、政権の思惑通り米景気が本格回復に向かわなければ、減税による財政圧迫は避けられない。このため、停滞傾向の根強い米景気動向が今後の焦点となる。《共同通信》
【この日の民主党】
海江田議員、りそなへの資本注入の根拠質す
りそなグループへの公的資金投入について集中審議が行われた衆院予算委員会で28日、民主党の海江田万里議員が菅直人議員の関連質疑を行った。
海江田議員は菅議員に対する首相答弁を確認する形で「この問題に関して竹中金融・経済財政担当相から報告を受けたのはいつか」と小泉首相に質した。首相はあいまいな答弁に終始。竹中金融・経済財政担当相が17日にりそなグループ取締役会から決算報告を受けて首相に報告し、公的資金投入を決定したことを明らかにした。また小泉首相は、竹中金融・経済財政担当相の判断に基づき、金融危機対応会議を開催したと述べた。
こうした経緯を踏まえて海江田議員は「総理が金融危機対応会議を開いたということは、まさにその時点で金融危機だ」と指摘したが、小泉首相は「危機を回避するための危機対応会議だ」「危機を未然に防ぐことが重要だと判断」などと答弁。あくまでも「金融危機」を否定した。
これを受けて海江田議員は、預金保険法102条は本来、預金の大量流出や連鎖破綻など、極めて深刻な金融危機が迫ったときの安全網と位置づけられている点に言及。「危機を起こさない・再生のための措置」などとする小泉首相に対し、危機を認めない限り同法102条は適用できないことを改めて指摘し、適用に踏み切った政府の判断根拠のあいまいさを明らかにした。
海江田議員はまた小泉首相に対し、2兆3000億円にものぼる注入資金の回収のめどを質したが、首相はあいまいな答弁に終始。竹中金融・経済財政担当相の提言を鵜呑みにしただけの小泉首相の姿勢、丸投げの実態が改めて浮き彫りになった。
菅代表、外交・経済問題で首相を追及
衆議院予算委員会の28日の集中審議で、民主党の菅直人代表が質問に立ち、政府の外交・安保政策および経済問題への対応をめぐって小泉首相らを厳しく追及した。
菅代表は、外交・安保政策をめぐっては、米国の一国主義への対応、イラク復興支援、対北朝鮮政策について質した。米国ブッシュ政権の一国主義的対外政策について菅代表は、世界各国が懸念を深めていることを指摘しながら、これに政府としてどう対応するか、とりわけそれを規定しているいわゆるネオコン勢力の主張をどう考えるか、と質した。しかし小泉首相は「それぞれの国の考え方がある」などとはぐらかすばかりで、具体的な評価や見解は何一つ示さなかった。
イラク復興支援をめぐっては、先の日米首脳会談で首相が“C130を使用して人道的輸送を行いたい”との意向を語ったことを取り上げ、「何を、どこからどこまで運ぶことを想定しているのか」と質問。ところが首相は、「イラク周辺国で必要があれば自衛隊機を派遣してもいい、ということ」などと 述べ、何ら具体的な検討などなく発言したことを自己暴露した。菅代表は、「たんなる“思いつき外交”だ」と厳しく批判した。
また菅代表は、首相が日米首脳会談で北朝鮮に対して「対話と圧力」をもって対応すると述べたことについても問題にし、「日朝平壌宣言に沿って対応するという従来の方針は転換したのか」と質した。首相が「変わっていない」と答えたため、菅代表は「(北朝鮮がNPT脱退や核保有を宣言している中で)まだそんなことを言っているのか」と一喝。「だから宣言を遵守させることが大事」などとピンボケな答弁を繰り返す首相に対し、「思いつきどころでなく、まったくの無原則外交だ」と指弾した。
経済問題をめぐっては、りそな銀行への資本注入決定について追及。2兆円以上の公的資金を注入しなければならない事態に至ったのは小泉内閣の経済失政が原因だとして、首相の責任を質した。しかし首相は、「改革に向けての努力の過程でのできごと」「残念だ」などと他人事のような答弁に終始した。
また菅代表は、りそな銀に対する資本増強の必要の認定をめぐる問題も追及。同銀の会計監査を行った2つの監査法人のうち、朝日監査法人が繰り延べ税金資産を自己資本に算入すべきでないという見解を示していたことを指摘し、「繰り延べ税金資産を算入しなければ、りそな銀行は債務超過で破綻していた。金融庁が再検査すべきではないか」と主張した。しかし竹中金融・経済財政担当相は、「りそな銀と正式に契約しているのは新日本監査法人。適正な検査が行われた」として、再検査の必要を否定した。
上田議員、政府の対北朝鮮二元外交を批判
民主党の上田清司議員は28日、衆議院予算委員会の集中審議で質問に立ち、先の日米首脳会談に関する外務省の説明資料から「対話と圧力」の「圧力」の文字が削除された問題について「外務高官の判断で勝手に削除されるとは、まさに対北朝鮮二元外交ではないか」などと外務省の姿勢を批判した。小泉首相は「内容を全部公表するわけではない。二元外交ではないのでご安心を」と述べるにとどまった。
上田議員はまた、外務省が、北朝鮮による拉致事件に関する国連人権委員会から関係国政府への照会に対し、「(02年11月の拉致事件被害者家族の国連人権委への申し立て以後)失踪者の有用な情報はない」などとするわずか1枚、12行の回答書を3月に提出していたことを取り上げ、「あまりにひどい対応だ。この回答書は誰がどのように作成したのか」と質した。茂木外務副大臣は、「対応に至らない点があった。家族の立場に立ってものを考えるように、担当部局を指導した」と陳謝した。
りそな銀行グループへの公的資金注入問題では、「(国内業務しか行わない)りそな銀行を、なぜ他のメガバンク並の10%超の自己資本比率になるように、2兆円もぽんぽん出すのか。説明もほとんどない。これでは国民は許さない」と政府の姿勢に疑問を表明した。《民主党ニュース》