平成5144日目
2003/02/07
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】ノーベル賞受賞者に感謝状
小泉純一郎首相は7日夕、ノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊東大名誉教授と、同化学賞の島津製作所フェロー、田中耕一氏に銀杯一組と総理大臣感謝状を贈った。首相は田中氏に「失敗を成功に結び付けたことを高く評価します」と激励。田中氏は記者団に「私は縁の下の力持ちだ。裏方に光を当てていだだいた」と喜んだ。小柴氏も「うれしいとしか言いようがない」と述べた。
首相は今国会の施政方針演説に両氏を登場させ「ノーベル賞受賞は日本人を勇気づける素晴らしいこと」と賞賛した。ただ両氏は「(演説を)聞いていません」と語り、せっかくの首相の思いも伝わっていない様子だった。《共同通信》
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【小泉純一郎首相】イラク査察継続に慎重姿勢
小泉純一郎首相は7日の衆院予算委員会で、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)によるイラクの大量破壊兵器疑惑での査察に関し、UNMOVICのブリクス委員長が再度、国連安保理に報告する14日以降の査察継続に慎重な姿勢をにじませた。
共産党の志位和夫委員長が査察継続を求めるよう主張したのに対し、首相は「今まで何年間もイラクが査察に協力してこなかった。妨害してきた。今、継続している」と述べた。
イラクが攻撃される場合の日本の対応については「ブリクス委員長の報告を待って判断する」と述べ、安保理報告や各国の対応を踏まえた上で、最終的に検討する考えを示した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】訪韓要請を受諾
小泉純一郎首相と川口順子外相は7日夕、韓国の盧武鉉次期大統領の特使として来日した鄭大哲・新千年民主党最高委員とそれぞれ会談した。
小泉首相との会談で、鄭氏は盧氏のメッセージとして、25日の大統領就任式への出席を正式に要請。首相は「喜んで出席します。盧氏との会談を楽しみにしている」と応じ、訪韓と日韓首脳会談開催が確定した。
北朝鮮問題では、鄭氏が(1)核開発を認めない(2)対話を通じ平和的に解決する(3)日米韓の連携で対処する−との盧氏の基本方針を説明。首相は「全く同感だ。日米韓の緊密な連携対応が基本だ」とし、韓国の包容政策を支持していく考えを表明した。
鄭氏は5日までの訪米で米朝対話再開を促したことも説明。首相は「米国は北朝鮮を侵略する意図はなく、平和的解決が大事だと言っている。北朝鮮が国際社会の一員になることが自身の利益になると繰り返し伝えることが大事だ」と強調した。
こう着している日朝交渉について首相は「打開へ努力したい。拉致問題もあり、国民の関心は高い」と指摘し、鄭氏も「拉致をはじめ日朝間の問題が解決されることを期待する」と述べた。
双方は日韓関係に関してサッカーワールドカップ(W杯)の共催の成功を踏まえ、友好関係を発展させることで一致した。
鄭氏は川口外相との会談で、永住外国人への地方選挙権付与を求めるとともに「正しい歴史認識のもとでお互いに歩んでいきたい」とも指摘。外相は「長い過去の歴史を踏まえ未来志向の関係を築きたい。関係が近くなればいろんな問題が生じるが、知恵と力で必ず解決できる」と強調した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の岡田克也幹事長は7日、連合主催の会合で小泉純一郎首相をやり玉に挙げ、「(3日の代表質問で)首相の顔を見て驚いた。表情がない。答弁も役所の文章を継ぎはぎしているだけで深みがない」とばっさり。連合が首相に接近していることもあってか、「(就任直後の)1年9カ月前は『コメ百俵の精神』とか気持ちが伝わってきた。私は5回も拍手してしまったが、今は不明を恥じている」と明かし、けん制してみせた。《共同通信》
【オウム真理教】「アレフ」から「アーレフ」に
00年1月から「アレフ」に改称していたオウム真理教は7日、教団名の表記を「アーレフ」に改める、と発表した。教団名は、ヘブライ語のアルファベットの最初の文字を指すといい、教団広報部は「ヘブライ語の本来の発音に従い、6日付で変更した」と説明している。《毎日新聞》
【日本郵政公社】ロゴマーク発表
今年4月に日本郵政公社に移行する郵政事業庁は7日、公社のロゴマークや郵便局員の制服を発表した。郵政公社の初代総裁に就任する生田正治商船三井会長は記者会見で、「新しく発足する郵政公社を視覚的にアピールしていきたい」と語った。
公社のロゴマークは、赤を基調に英字表記の「JAPAN POST」を加えた。赤い正方形は東西南北の四方向を示し、「日本全国でサービスを提供する会社の姿勢を表した」という。従来のシンボルマークである「〒」と併用し、郵便ポストや貯金通帳、職員の名札などに使用する。
同時に、公募による1432作品から選んだ制服と、公社のキャッチフレーズ「真っ向サービス」も発表。生田氏は「シンプルでいいものができた」と自画自賛した。《共同通信》
【イラク】「禁止兵器」の施設公開
イラク国家監視局は7日、パウエル米国務長官が国連安全保障理事会への報告で、イラクの大量破壊兵器開発の「証拠」として衛星写真で提示したバグダッド近郊のミサイル実験場とミサイル工場を報道陣に公開した。
イラク当局者によると、実験場はこれまでに4回、工場は10回、国連の査察を受けており、米国がイラクの脅威の「証拠」として示した施設が国連査察団の監視下にあったことは、米国の主張に疑問を投げ掛けるものといえる。
ミサイル実験場はバグタッド西方のアメリヤにあり、パウエル長官は「射程1000キロ以上の弾道ミサイル開発施設で、イラクは衛星写真を撮られないように屋根を設けた」と主張していた。
しかし、同施設の当局者によると、これは禁止対象外の射程150キロ未満のミサイルの実験施設で、現地を調べた査察官に資料を提出済みだという。当局者は「安全性の高い水平方向の噴射式なので施設が大きい。屋根は風雨から守るため」と説明した。
バグダッド南東のムサイブに近いミサイル工場では、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の査察済みの標識が張られたミサイル、ファタハ(長さ7メートル)数基が戸外に置かれていた。パウエル長官はトラックによる化学兵器運搬の疑いを指摘したが、施設当局者は「トラックはミサイル部品を運ぶため毎日動いている」と反論した。《共同通信》
【フランス、中国】イラク査察継続で一致
中国外務省によると、中国の江沢民国家主席とフランスのシラク大統領は7日、イラク問題について電話で意見交換し、国連による査察を継続して対イラク武力行使の回避に努める考えで一致した。
江主席は「イラク問題の政治的解決を求める国際社会の声は高まっており、国連安全保障理事会は全力を挙げて戦争を回しなければならない」と指摘した。
さらに、国連監視検証査察委員会と国際原子力機関による査察継続を「支持すべきだ」とした上で「国連の枠組み内で政治的に解決することを国際社会が広く希望している」と重ねて強調した。
シラク大統領も国連決議1441に基づき査察を強化していかなければならないとした。《共同通信》
【この日の民主党】
前原議員、決議なきイラク攻撃への対応を質す
衆議院予算委員会で、6日から03年度予算案をめぐる質疑が始まり、民主党から菅直人代表に続いて前原誠司議員が質問に立った。前原議員は、国連決議なきイラク攻撃の国際法上の根拠を質し、米国の行動を無条件で容認する政府の外交姿勢の危険性を浮き彫りにした。
前原議員はまず、国連加盟国が他国を攻撃する場合の法的根拠が、国連憲章に定められた自衛権の行使、安全保障理事会の決議の2つしかないこと、および対イラクではその後者以外に妥当しうる根拠がないことを川口外相らに確認。その上で、国連安保理が昨年11月に採択した国連決議1441はイラク攻撃の根拠となりうるかを質した。
川口外相は、決議1441に基づいてイラクを武力攻撃することはできないと認めたが、湾岸戦争時の武力行使を容認した決議678(90年)や、大量破壊兵器撤去を求めた決議687(91年)は攻撃の根拠になりうるという考えを示した。前原議員は、全会一致で採択された最後の安保理決議(1441)において、「重大な違反」があったら安保理に報告し再度議論することが謳われているにもかかわらず、昔の決議を引っぱり出してきて決議なき攻撃を容認するのか、と批判。また、そうして米国による決議なき攻撃を日本が無条件で支持した場合、その報復としてテロが起こったら誰が責任をとるのか、と迫った。しかし川口外相は、「仮定に仮定を積み重ねた話には答えられない」などと逃げた。
前原議員は、国際社会の意志が成熟しないうちにイラクを攻撃するのは、かえって報復テロに理由を与えることになりかねないと指摘し、攻撃を認めた新たな国連決議を実現するために政府としてどのような努力を行うのか、と質した。しかし小泉首相は、「各国の対応などを見ながら」などとごまかすだけで、新たな決議が「望ましい」としながらも、そのために主体的に努力する意志のないことが明白になった。
また前原議員は、イラク攻撃とテロ特措法に基づいて展開している自衛隊活動との関係についても追及。とりわけ、広い範囲をカバーし、米軍とデータリンクしているイージス艦の情報収集活動は、イラク攻撃が起きた場合、テロ特措法に基づく部分(9.11テロに対するアルカイダ掃討作戦への後方支援)とそうでない部分とに切り分けられるのか、と質した。石破防衛庁長官は、データリンクのシステム上の問題などを挙げながら、「きれいに切り分けることは難しい」と認めた。前原議員は、「切り分けられないなら、テロ特措法に基づく自衛隊活動を中止するか、イラク攻撃支援の新規立法を行うしかない」と指摘し、なし崩し的なイラク攻撃支援にクギを刺した。
前原議員は最後に、1.4兆円もの公的資金注入を受けながら、架空融資や仮名口座などの手口で北朝鮮への不正送金を行っていた疑惑が持たれている朝銀の問題を取り上げ、全容解明と責任の明確化が一向に進まないことに抗議。政府として委員会に調査報告書を提出するよう強く要求した。
枝野議員、政府のデフレ促進税制を追及
衆議院予算委員会で03年度政府予算の基本的質疑2日目を迎えた7日、民主党の前原誠司議員に続いて枝野幸男政調会長が質疑に立ち、デフレの現状認識、酒・たばこ増税、医療費3割負担、政府の予算案と民主党の予算案の対比、道路公団民営化、郵政改革、公務員制度改革、中小企業金融などのテーマを取り上げて政府の姿勢を質した。
枝野政調会長は、政府が予定している酒・たばこ増税や配偶者特別控除廃止などの大衆増税、「多年度税収中立」方式による将来の増税予定、医療費本人負担の5割増などについて、デフレ克服とは反対に消費をいっそう冷え込ませるものだと強く批判。小泉首相が「確かに酒・たばこで2000億円増税するが、研究開発や住宅取得などで2兆円も減税する。発泡酒は1本10円、たばこは1本たった1円(の増税)だ」「経済は消費者だけではない。企業にいかにやる気を出させるかだ」などと答えると、枝野政調会長は「設備投資は重要だが、最終的に消費が伸びなければ供給過剰になるだけ。民間企業が頑張るためにも、消費者の財布のヒモを緩めることをしなくてはいけない」と畳みかけた。
枝野政調会長はまた、負担増の前提として歳出の「大胆なカット」をしたのかと追及。03年度予算で公共事業を3%、6000億円削減したことを「かなり大胆なこと」と表現した小泉首相に対して、「民主党の予算案では、一般会計から公共事業費を3.6兆円削る。これくらいを『大胆』と言うのではないか」と応酬。小泉首相が「民主党の予算案は見せてもらったが、ODAの50%削減は本当に可能なのか。医療費も上げないというが、財源をどうするのか」と言えば、今度は民主党委員席から「公共事業だ!」の声。「民主党にも、公園や河川、公共施設をやってくれという声は来るでしょう。そんなに削って国民の要望に応えることができるのか」と言えば、「できる!」の声。「たいしたもんだ。しかも国債30兆円は法律で縛るという」との小泉首相お決まりの逆襲には、枝野政調会長が「小泉内閣の1年9か月の間違った経済運営で税収減になり、30兆円を守れなくなったのをわれわれ野党のせいにされても困る。われわれにやらせてくれていれば、30兆円は守れた」ときっぱり。
公務員制度改革問題では、本省局長以上の「指定職」の退職金が事務次官で8000万円にも上ることについて、「公務員全体が高いというわけではない」とし、指定職になった途端、管理職手当などの各種手当相当分が本給に組み込まれるために、退職金が25%上がる仕組みとなっている「カラクリ」を指摘。「このアンバランスを変えるべきだ」と迫った。
原口議員、小泉流財政再建路線の虚実を暴く
衆議院予算委員会で7日、03年度予算案をめぐる質疑が行われ、民主党の3番手として原口一博議員が質問に立った。原口議員は、小泉首相の政治姿勢・政治責任、政策不況と財政再建、金融政策、外交・安全保障問題、医療・健康問題などをめぐり、小泉首相および関係閣僚の見解を質した。
原口議員はまず、小泉政権下の20ヶ月を振り返り、日経平均株価の推移資料を提示。「デフレ対策第2弾は出されたがそれは効かずに、同時多発テロ、青木建設破綻、補正予算編成を経て、株価は下がり続けている」と指摘した。また、昨年7月7日に竹中経済財政政策担当相は「補正予算を編成するなど愚の骨頂だ」と発言したにもかかわらず、その補正予算が組まれたことを指摘。さらに「厳しい社会状況下で、来年度予算案を審議しているが、総理は最初、抵抗勢力に対し既得権益を壊すとの政治姿勢をとっていたにもかかわらず、今や抵抗勢力の方々にとって扱いやすい、歓迎すべき総理になったのではないか」と断じた。小泉首相は「改革への決意は本物だと困っているのが抵抗勢力の実態。私の決意は全く変わっていないし、今後もその決意に向け、批判に耐えながら実施に移していく。原口議員の見方とは全く違う」などと開き直った。
次に原口議員は、一般会計歳出の当初予算と前年度決算の比較を示したグラフを示し、平成13年度で-7.4、14年度で-4.2、15年度で-2.3と、一般会計ベースでずっとマイナスの予算を組んでいることを明らかにした。その上で原口議員は「30兆円も国債を出している国は緊縮財政ではないと総理はおっしゃるが、それは間違い。エネルギーの法則と等しく、変化率×量で見ていかなければならないところ、総理は量だけを見ている。経済に対して大きな変化率=負荷をかけている実感はあるか」として小泉首相の見解を質した。
首相は「限られた状況のなかで、経済情勢に対応すべく努力している姿だ」などとした。原口議員は「変化率が急激なために、経済に対するマイナスのインパクトが激しすぎる」と指弾。原口議員は続いて「一般会計税収及び歳出総額の推移」を表したグラフを示し、財政赤字が拡大している実態を明らかにした。小泉内閣の財政再建・構造改革・社会の再生・経済改革は、「そこに向かう道がまちがっているとしか思えない」と断じた。
原口議員はまた速水日銀総裁に、国債保有に伴う価格変動リスクに関連して質問。速水総裁は、長期金利が上昇した際のリスクについて、「保有する国債の価格変動に対してはリスクの適切な把握を行いながら、十分な引き当てを実施している。現状、財務の健全性に問題があるとは認識していない」と述べた。
日銀が約57兆円保有している長期国債については、長期金利が1%上昇(債券価格は下落)すると、日銀が保有する国債に、2002年9月末時点で「1兆円程度」の含み損が発生する計算になることが、速水総裁との質疑を通じて明らかになった。
「医療費3割負担阻止へ力を入れる」岡田幹事長会見
民主党の岡田克也幹事長は7日の定例記者会見で、4月1日から実施予定の医療保険の本人3割負担について、これを阻止することに「党の運動として力を入れていく」と表明。4野党共同で12日提出予定の凍結法案の国会審議、成立へ向けての闘いとともに、国民に直接訴える活動を展開する意向を示した。
また、イラク攻撃について「国連の安全保障理事会での結論が尊重されるべきだ。新たな決議を経ない単独または数カ国での攻撃は支持できない」と改めて党の見解を述べた。さらに北朝鮮への対応に関しても「安全保障理事会を軸に議論されるべき」と語った。
「政権交代へ選択肢示す」連合集会で岡田幹事長が挨拶
連合が国会内で7日、「景気回復! 雇用創出!」政策実現集会を開き、野党3党の幹事長がそれぞれ連帯の挨拶を述べた。
民主党の岡田克也幹事長は、5日にまとめた民主党版の予算案に触れ「雇用の創出を中心に政府案と総額で同額だが、100万人の雇用を作ることができる。細かく綿密に積算した。どのような反論、質問にも答える自信がある。この民主党案と政府案では雇用に対する影響が全く違ってくる」と自信をもって説明。「自民党の政権では何もできない。政権交代の選択肢を明確に示していく」と野党第1党としての決意を示した。
連合は、この国会で政府予算案の組み替えを中心に、雇用保険の給付率削減反対など8つ重点政策要求を掲げている。《民主党ニュース》