平成5016日目

2002/10/02

この日のできごと(何の日)

【北朝鮮による日本人拉致事件】政府、生存者5人を本人と確認

安倍晋三官房副長官は2日午後の記者会見で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件をめぐる政府調査団の調査結果の概要を公表した。小浜市で失踪した地村保志さん(47)、浜本富貴恵さん(47)ら4人と、新たに判明した曽我ひとみさん(43)の5人について本人と断定した。

死亡したとされる8人の死因について北朝鮮側は、有本恵子さん=失踪当時(23)=が就寝中に石炭ガス中毒で石岡亨さん=同(22)を含め家族全員が死亡、横田めぐみさん=同(13)=はうつ病による自殺、田口八重子さん=同(22)=は交通事故死と伝えた。また、既に安否を伝えている14人以外の拉致はないと強調した。《共同通信》

安倍晋三官房副長官は2日午後、緊急記者会見し、政府が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件で、事実確認などのため平壌に派遣していた政府調査団(団長・斎木昭隆外務省アジア大洋州局参事官)の調査結果の概要を公表した。福井県で失跡した地村保志さん=事件当時(23)、浜本富貴恵さん=同(23)、新潟県で失跡した蓮池薫さん=同(20)、奥土祐木子さん=同(22)=の四人と新たに判明した曽我ひとみさん=同(19)=の5人について本人と断定。

死亡したとされる8人の死因について北朝鮮側は「病気、災害で殺害はない」と伝達。有本恵子さん=同(23)=は就寝中に石炭ガス中毒で家族全員が死亡、横田めぐみさん=同(13)=は自殺、田口八重子さん=同(22)=は交通事故死と伝えた。横田めぐみさんの娘とみられる女性の髪の毛を採取、聞き取り調査の内容から本人の確度が高い。

今回の調査に対し、北朝鮮側は既に安否を伝えている14人以外の拉致はないと強調した。

調査団は生存者の最終的な本人確認のため生存者の写真、ビデオ、血液などを持ち帰った。日朝両国は詳細な調査継続を確認しており、政府は家族の訪朝や被害者本人、家族の早期帰国に最大限努力する方針だ。

地村さんら4人は「両親や家族に会いたい」としながらも、「子どもは日本語が話せない」「仕事がある」などと証言し、明確な帰国の意思は示さなかった。

死亡したとされる八人の大半について北朝鮮側は「1995年の大洪水で墓が流出した」などと回答。調査団は洪水被害の地域から遺骨群を採集したが、本人のものか特定できず、最終確認は難しい状況だ。

田口さんについて、北朝鮮側は朝鮮名コ・ヘオクで、李恩恵という日本人女性はいないと回答。また曽我ひとみさんとされる女性は、調査団に対し母親のミヨシさんは、拉致されて以来、消息を知らないと答えたという。

政府は同日午前、中山恭子内閣官房参与、安倍副長官らが内閣府で、横田めぐみさんの父、滋さんら被害者家族連絡会の代表に調査報告書を手渡し、斎木団長らが調査の詳細な結果を説明した。滋さんは記者会見で死因説明について「不自然」と疑問を示した。《共同通信》

「生存者本人と断定して差し支えない」「うつ病で自殺した」。政府調査団が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から持ち帰った調査結果は驚愕の内容だった。2日午前、内閣官房から初めて家族に伝えられた衝撃的な情報。「墓は大洪水で流された」との説明も。これが真実なのか。あまりにも思いがけない知らせに「どんな結果でも受け止める」と話していた家にも動揺と困惑が広がった。

正午すぎ、東京・永田町の首相官邸で安倍晋三官房副長官が会見。有本恵子さん=失跡当時(23)=は「暖房用の石炭による中毒で子どもを含む家族全員が死亡」。横田めぐみさんは「病院でうつ病により自殺」。次々と衝撃的な言葉が続く。

発表内容は北朝鮮の言い分を伝えるものだ。安倍副長官は「遺骸も確認されてない」とさらに調査する意向を示した。

生存が確認されたとする地村保志さん(47)の父保さん(75)は福井県小浜市の自宅にいた。地村さんらは早期帰国を望んでいないとの情報。「家族5人を早急に帰してほしい。北朝鮮のペースに乗らないでほしい。一日も早い帰国を政府に要請したい」と訴えた。

同じく生存が伝えられた蓮池薫さん(45)の父秀量さんは、テレビで安倍副長官の会見をメモを取りながらじっと見詰めていた。

有本恵子さんの父明弘さん(74)は、経営する兵庫県明石市内の鉄工所で、安倍晋三官房副長官の記者会見のテレビ中継を見守った。画面を見詰めたまま、終始無言だったが、会見が終わると「みんな洪水で流れたなんて信じられるか。いいかげんなねつ造の言葉だ」と怒りをあらわにした。

母嘉代子さん(76)は神戸市長田区の自宅で「やっぱり想像通りで、作り話だと思う。100パーセント信じられない。事故死だとか、墓が流れたとか、そんな話を承知できるわけがない」と語った。

この日午前の内閣官房参与室。横田めぐみさんの両親ら家族代表5人と安倍官房副長官らが向かい合って座り、調査結果が伝えられた。

北朝鮮の日本人拉致事件で、政府調査団の調査結果について説明を受けた家族連絡会代表で、横田めぐみさん=失跡当時(13)の父滋さん(69)らは2日午後、都内で記者会見。「真実かどうか疑問」などと語り、調査結果には納得できないとの姿勢を示した。

めぐみさんが自殺したと伝えられ、父滋さんは顔を真っ赤にして、涙を流し続けた。「死亡と言われた人々の死亡の経緯は不自然」。墓が洪水で流されたとの情報についても「これからも遺骨が出てこないかもしれない。真相解明は難しいかも」と漏らした。

早紀江さん(66)は「決して負けないで生存を信じていきます」と訴えた。

安倍官房副長官は2日の記者会見で、「死亡した」とされる田口八重子さん=失跡当時(22)=が1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫・元死刑囚の教育係「李恩恵」ではないかとされる問題で、北朝鮮側が「李恩恵という日本人女性はいない」と回答したことを明らかにした。

田口さんが「李恩恵」と同一人物であることを認めれば、北朝鮮が大韓航空機事件への関与を認めることになるため、韓国などが対応を注目していた。調査結果によると、田口さんは同じ拉致被害者である原敕晁さん=失跡当時(43)=と1984年に結婚していたことも分かった。《共同通信》

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【能越自動車穴水道路】着工

能越自動車穴水道路(輪島市三井町洲衛−穴水町此木)の起工式と安全祈願祭は2日、穴水町川島の現地で行われた。能登空港や同空港関連施設へのアクセス道路となり、国土交通省金沢工事事務所は能登有料道路に接続する此木IC−能登空港IC(ともに仮称)間6.2キロの平成10年代後半の暫定供用を目指す。

コスト縮減と工期短縮を図り、全国の高速道路で初めて片側一車線で着工した。幅員12.75メートル、中央分離帯付き、80キロ走行が可能。輪島市洲衛の能登空港ICは珠洲道路(県道柏木・穴水線)に平面取り付けされ、同空港と結ばれる。穴水町の此木ICは延長1キロのすり付け区間を設け、能登有料道路に接続する。

能越自動車道は、富山県で北陸自動車道小矢部砺波ジャンクション−高岡IC間が供用され、高岡−氷見間が着工。県内では田鶴浜IC−徳田大津IC間6キロが暫定供用されている。氷見−七尾間で測量や用地買収が進み、残る七尾−田鶴浜、能登空港−輪島間がルート未定となっている。《北國新聞》

【競泳・北島康介選手】アジア大会で世界新

釜山アジア大会は2日、競泳男子200メートル平泳ぎで日本の第一人者、日体大の北島康介(20)が2分9秒97の世界新記録をマークして優勝した。

日本選手が競泳で世界新記録を樹立したのは、2000年4月に女子50メートル背泳ぎで出した中村真衣(中大=当時)以来。従来の記録はマイク・バローマン(米国)が92年に出した2分10秒16だったが、北島はこれを10年ぶりに更新した。《共同通信》

【東京六大学野球】

東京六大学リーグ、早大の和田毅投手(21)=4年=が2日、神宮球場での法大戦で11奪三振を奪って通算444三振とし、「怪物」と呼ばれた江川卓投手(法大、元巨人)の持つリーグ通算最多奪三振記録443を、25年ぶりに更新した。

和田投手は島根・浜田高校出身の左腕。高校時代は、横浜高(神奈川)の松坂大輔投手(現西武)らとともに甲子園大会で活躍した。早大では1年生の秋季リーグで初登板し、4年生の春までに通算400個の奪三振を記録していた。

同投手は、この日の法大戦でも次々と奪三振を増やし、九回に新記録を達成した。しかし試合は1−2でサヨナラ負けした。プロ注目の左腕はダイエー入りが有力視されている。《共同通信》

【ヤクルト・池山隆寛内野手】引退会見

今季限りでの現役引退を表明していたヤクルトの池山隆寛内野手(36)は2日、東京・新橋の球団事務所で引退会見を行い「もし来季も、今年と同じ状況(故障と不振)になった場合、やっていく自信が持てず、非常に悩み抜いて決断した」と時折、大粒の涙を流しながら現在の心境を語った。

1日に多菊球団社長に引退を了承された後、若松監督やチームメートらに引退報告は済ませていたが、19年間包んでくれたユニホームとの惜別が、感激屋の「ブンブン丸」を泣き虫にさせた。「(全盛期の)ビデオの中の自分が懐かしく、別人に思えた時、自然と涙が出た」と絶句した。《共同通信》

【西武・カブレラ内野手】55号本塁打

近鉄4−1西武◇2日◇西武ドーム

西武のアレックス・カブレラ内野手(30)は2日、西武ドームで行われた近鉄最終戦の八回、岡本晃投手から左越えへ今季55号本塁打を放ち、1964年の王貞治(巨人=現ダイエー監督)、昨年のタフィ・ローズ(近鉄)がマークしたシーズン最多本塁打のプロ野球記録に並んだ。

開幕からチーム135試合目での55号は、昨年のローズと同じ試合数。西武は5試合を残しており、56号の新記録樹立への期待がかかる。《共同通信》

【川口順子外相】米国務次官補と会談

川口順子外相は2日午前、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との協議に先立ち来日したケリー米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と外務省で会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題など安全保障情の懸案解決に向け、日米両国が緊密に連携していく方針を確認した。

外務省は席上、「米朝間で粘り強く、建設的な対話を続けることを期待する」と述べたのに対し、同次官補は「懸案は対話を通じて解決させるのが最善の道だ」と強調した。

また、同次官補は竹内行夫外務次官補らとの協議で、国際原子力機関(IAEA)の核査察受け入れに向け、日米両国が同機関などと協調していく方針で一致した。《共同通信》

【社民党・土井たか子党首】「地方から小泉政権変える」

社民党の土井たか子党首は2日、金沢市内で開かれた社民党石川県連合の集会で講演した。この中で、来春の統一地方選では全国で現有1300議席を2000議席に拡大することを目標に掲げ、「弱肉強食の小泉政権に対抗し、市民の立場から政治を変える社民党の姿を地方から訴えてほしい」と求めた。

小泉政権については「経済、福祉、雇用は不安だらけ。その上、憲法9条を生かすという歴代政府が持っていた最低限の抑制機能さえも失われている」と批判。他党議員にも呼びかけて非核3原則を法制化するための法案を臨時国会に提出する意向も示した。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉に関して土井氏は、「(政府が)国交正常化に向けて交渉の場を再開すると決めたのは、非常に大きな意味を持つ」と一定の評価を下した。ただ、日本人拉致事件については「互いが納得できるような状況でないと、国交正常化の問題もスムーズに進まない」と述べるにとどまり、2日に政府調査団が発表した拉致事件の調査結果などには言及しなかった。《北國新聞》

【この日の民主党】

民主党の鳩山由紀夫代表は2日、「横田めぐみさんは自殺、石岡さん・有本さんはガス中毒死」などとする政府の拉致事件調査団の調査結果について、記者団に「よくもこんな報告書でご家族にお伝えできたものだ。北朝鮮側の発表をそのまま鵜呑みにしたもので、これが事実かどうかも判然としない。これではご家族は到底信じられないだろう」と述べるとともに、「全容解明をさらに徹底的に行わないかぎり、国交正常化交渉入りは到底承服できない」との考えを明らかにした。《民主党ニュース》



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