平成4890日目

2002/05/29

この日のできごと(何の日)

【英・ストロー外相】インド首脳と会談

インドとパキスタンの緊張緩和を目指し調停外交を行ったストロー英外相は29日、ニューデリーでバジパイ首相やシン外相らインド政府首脳と相次いで会談、平和的な事態打開を要請した。

ストロー外相は一連の会談の後、記者団に「情勢は危機的だが、戦争回避は可能だ」と期待感を示した。外相は協議結果を欧州連合(EU)や米国に伝え、さらに外交努力を促進する。

外相は「両国は戦闘の準備を進めているが、戦争を望んでいないのは明白だ」と指摘した。

これより先、ストロー外相はシン外相と共同記者会見し「解放闘争に名を借りたテロも含め、いかなるテロにも反対する」と述べ、カシミール地方でパキスタン側から侵入したイスラム過激派のテロにいら立ちを募らせるインドに理解を表明。ムシャラフ大統領に対しテロ抑止に向けた効果的な行動を求めたことを明らかにした。

また、カシミール問題がインドとパキスタンの二国間問題だとするインドの主張を支持し「軍事的な緊張拡大は問題解決につながらない」と両国の対話再開を促した。

一方、インドのフェルナンデス国防相は地元テレビのインタビューに「新たなテロ攻撃があれば、直ちに行動する。無限の忍耐力はない。状況は差し迫っている」とあらためて事態の深刻さを指摘。別のインタビューでも「パキスタンが核兵器を使うならインドもためらわない」と言明した。《共同通信》

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【小泉純一郎首相】インド首相と電話会談

小泉純一郎首相は29日午後、首相官邸からインドのバジパイ首相に電話し、カシミール問題をめぐり緊迫するパキスタンとの関係について冷静に対処するよう要請、バジパイ首相はパキスタンを非難した。

小泉首相は「対立がエスカレートし、戦争という悲惨な結果を生まないよう自制心と指導力を発揮してほしい」と求めた。バジパイ首相は「戦争は絶対に避けなければならないが、一方で戦争を押しつけられている。耐えることにも限界がある」と批判。同時に「パキスタンが行動をとれば、インドはパキスタンへの反応を変える用意がある。私は戦争を避けたいと思っている」と述べ、紛争回避に向け、柔軟に対応する考えを示した。小泉首相のインド訪問も招請した。

小泉首相は「いろいろなルートを通じて戦争にならないようにパキスタンに働きかけていく」と強調。インド訪問を「真剣に検討したい」と答えた。小泉首相はこの後、インド・パキスタン情勢について「非常に緊張が高まっているが平和的解決に努力したい。戦争寸前、という苦しい状況のようだが、後のことを考えれば努力し、戦争を回避したい」と首相官邸で記者団に強調した。小泉首相は28日夜にパキスタンのムシャラフ大統領とも電話で会談し、自制を求めた。《共同通信》

【高円宮同妃両殿下】訪韓

日本と韓国が共同開催し、アジアで初めて開かれるサッカーの第17回ワールドカップ(W杯)が31日に開幕する。日韓両国が、未来志向で取り組んできた開催準備はすべて整い、31日午後7時半から韓国の首都ソウル西部に新設]されたアジア最大のサッカー専用スタジアム、ソウルW杯競技場で開会式が行われる。開会式に出席する高円宮ご夫妻は29日、皇族として戦後初めて韓国を公式訪問した。

31日は開会式に引き続き、同8時半から前回優勝のフランスがセネガルと開幕戦を行う。日本での開幕は6月1日で、新潟と札幌で2試合が行われる。日本代表は同4日に埼玉でベルギーと1次リーグ初戦を行う。決勝戦は同30日に横浜で行われる。

ソウル市内は、カラフルな垂れ幕や旗が5月の風に揺れ、華やかな祭典ムードだ。

高円宮ご夫妻は29日午後、空路韓国入りされた。到着後、ソウルの国立墓地「顕忠院」を訪れ、韓国軍兵士が居並ぶ中、朝鮮戦争で亡くなり身元が分からない兵士をまつる塔に白菊の花輪をささげ、焼香して黙とうした。

夜は外交通商相夫妻主催の夕食会に招かれ、高円宮さまは「W杯の共催は天から与えられたチャンス。日韓は何十年も自然でない関係があったがこれが新たなスタートになる」とあいさつした。

30日には金大中大統領夫妻を表敬訪問し、31日にはW杯開会式に出席後、開幕戦を観戦。日本の皇族から朝鮮王族に嫁ぎ「最後の皇太子妃」と呼ばれた李方子さんが晩年を過ごした昌徳宮などを訪れる。

6月1日に釜山に移り、慶州でユネスコの世界文化遺産に指定される仏国寺や石窟庵などを見学。ウルグアイ対デンマーク戦などを観戦して3日、釜山から帰国する予定。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ機構は29日、オールスター戦(7月9日・ミルウォーキー)ファン投票のア・リーグ分第1回中間結果を発表し、イチロー外野手が22万5774票を獲得し、外野手部門だけでなく、リーグ全体の得票でもトップに立った。

イチローは昨年のファン投票で約337万票を獲得し、新人として史上初めて両リーグを通じた最多票を得ており、今季も順調な滑り出し。28日に発表されたナ・リーグの第1回分で最多得票だったバリー・ボンズ外野手(ジャイアンツ)の23万1890票にはわずかにとどかなかった。ア・リーグ全体の2位は、現在指の骨折で故障者リストに入っている強打者のマニー・ラミレス外野手(レッドソックス)で18万1892票だった。

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は29日、セントピーターズバーグでのデビルレイズ戦に「1番・右翼」で先発し、4打数1安打2打点だった。打率は3割5分9厘。

イチローは第3打席まで凡退したが、マリナーズが3−2と勝ち越した七回、さらに一死満塁の好機で左前適時打(打点1)。九回一死三塁の第5打席は左犠飛で追加点を奪った。

マリナーズは5−2の九回に佐々木投手が登板、3者凡退で11セーブ目を挙げた。

エクスポズの大家投手はブレーブス戦に先発登板し、7回を5安打6奪三振2失点で、勝敗は付かなかった。大家の降板時点でエクスポズは1点リードされていたが、九回に試合を逆転し4−3で勝った。

メッツの小宮山投手はフィリーズ戦の六回に2番手で登板し、1回1/3を1安打無失点。ロイヤルズの鈴木投手はエンゼルス戦の五回途中から2番手で今季初登板し、2回を3安打4失点。いずれも勝敗には関係なかった。

レンジャーズの伊良部投手はツインズ戦に8−8の九回から登板し、1回を1安打無失点。その裏、味方が1点を奪ってサヨナラ勝ちし、2勝目(3敗11セーブ)を挙げた。《共同通信》

【この日の民主党】

家西議員、医療費3割負担の根拠のあいまいさを指摘

29日の厚生労働委員会において、民主党の4番手として家西悟議員が質問に立ち、政府の健康保険法改正案による患者自己負担引き上げの根拠などを追及した。

家西議員は健康保険法改正案の質疑に入る前にまず、埼玉県深谷市の診療所で治療を受けた患者6人が昨年、急性C型肝炎と診断され、28日に新たに5人の感染者が判明した問題に言及。県の調査で、感染源が点滴セットの使い回しだった可能性が高いと判明したことについて「許されざる行為だ」と指摘し、事実解明を急ぐとともに、原因が明らかになった時点では医師免許剥奪も辞さない厳しい姿勢で対処するよう厚労相に求めた。坂口厚労相も「1人に1つの薬品を使うのは大原則」とし、調査を徹底した上で厳正に対処するとした。

次に先天性低フィブリノゲン血症の患者に対する血液製剤の供給を中止するとしている三菱ウェルファーマの企業責任を追及。「旧ミドリ十字社と合併した企業である三菱ウェルファーマは負の遺産もいっしょに担ったはず」とし、求める患者が現実に存在する中で供給を停止しようとする同社の姿勢を批判した。同時に、血液製剤によるC型肝炎の感染が二度と起きないよう、検査体制の拡充・徹底の必要性を重ねて指摘した。

続いて家西議員は、5年前の厚生委員会の質疑で、医療費の自己負担について国保が3割、本人負担を2割とすることの整合性を質したのに対して、「公平公正な負担の中で考えた」との答弁を得たことを説明。そして、当時は公平公正な負担としながら、今回の改正で本人負担を3割として横並びにしようとすることの論理矛盾を指摘し、今後、高齢化に伴って保険財政が悪化すれば、負担率が4割、5割と増えていく可能性もあるとして、抜本改革の必然性を訴えた。

また、家西議員は乳幼児8割給付をめぐって、将来の保険制度の担い手という観点からも国庫が全額負担する形を考慮すべきではないかと提起。さらに、海外で医療行為を受けた場合も利用できる海外療養費制度については、制度の存在を知らないために巨額の医療費を自己負担しているケースが多くあることを明らかにした上で、PRの徹底を求めた。

筒井議員、防衛庁リスト問題を厳しく追及

民主党の筒井信隆議員は、29日、衆議院武力攻撃事態特別委員会で質問に立ち、防衛庁が情報公開請求者の個人情報142人分のリストを作成していた問題について追及した。

始めに、筒井議員は今回の問題について「本来、情報開示請求書には氏名・住所・連絡先しか記入しないはずだが『反戦自衛官』『市民グループ』『住所の転居先』などの個人的な情報や、女性に至っては旧姓に及ぶまでリストに項目を整理していた。これは極めて大きな問題である。情報公開制度そのものを否定する行為だ」と指弾した。

さらに「この行為は具体的な法律に違反する行為である」と柳沢防衛庁官房長に確認。柳沢官房長は「法に接触しているかどうかは調査の途中であるため、具体的にどの部分がどうかということは結果を待たなければならない」と述べ、認識の甘さを露呈するかたちとなった。

加えて筒井議員は、政府の個人情報保護法案では官には罰則規定がないことを指摘し、今後それを盛り込む形での修正を検討するよう求めた。あわせて、今回の問題では防衛庁が組織的にリストを作り、活用していたにもかかわらず、三等海佐個人の責任にしようとしていることを批判。問題の全容解明に向け、三等海佐の参考人招致を求めるとともに、中谷防衛庁長官に徹底的な調査と報告を要求した。

仙谷議員、患者本位の医療改革の必要性を説く

民主党の仙谷由人議員は29日、衆議院厚生労働委員会で健保法改正案についての質疑を行った。仙谷議員は、「(官僚の説明は)『徐々にではあるが改革は進んでいる』と聞こえるが、国民はそのようには見ていない」「政府与党は、抜本改革よりも関係業界との微温的な関係の維持を選んでいるのではないか」と政府与党の姿勢、改革を阻んでいる真の原因を質した。

これに対して坂口厚労相は、「よくよく考えてみると、われわれと官僚の抜本改革への考えは若干違う。政治家のいう抜本改革は、政治家自身が手を染めてやる以外ないと思っている」と述べるにとどまった。

仙谷議員は、最近自らが胃ガンの手術を受けた体験に触れながら、「医療現場で働く人たちも大変な苦労をしていることが大病をしてはじめてわかった。ここには大きな矛盾がある。医療制度の抜本改革とは、保険財政だけ確立できればよいのではない。患者本位の医療があまねく行きわたることこそが重要だ」と述べ、カルテの開示、インフォームド・コンセント、患者と医師の共同決定、医療機関の第三者による評価などの改革を患者の視点で進めていくことの重要性を説いた。

仙谷議員はまた、わが国の現在の保険制度では「混合診療」が認められないため、治療の一環として米国内で承認され国内未承認の新薬を使用すると、治療費全額が保険適用外となってしまうことを指摘し、こうした仕組みを改善するよう求めた。坂口厚労相は「何とかしなければならないと思っている。すべてが適用外になるのはひどすぎる。至急認められるようにする」と約束した。

前原議員、有事下で制限される国民権利の内容を追及

民主党の前原誠司議員は、28日の武力攻撃事態特別委員会で質問に立ち、政府法案が想定する武力攻撃事態下での国民権利保護の問題などを具体的に追及した。

前原議員は冒頭、瀋陽総領事館事件に関連して、在外公館の警備体制強化の方針を質した。川口外相は、館員の増員やハード(設備)面の強化を検討しているとしたが、前原議員は「あれが逆に亡命希望者でなくテロだったらと考えると、やはり危機管理の専門家を公館におく必要がある」と述べ、自衛隊員や警察官を配置することを検討するよう求めた。福田官房長官は、接受国との関係を踏まえながら検討する考えを示した。

続いて前原議員は、前回の委員会質問を引き継ぐ形で、武力攻撃事態下では国民のいかなる権利・自由が制約されるかについて質した。官房長官は、「武力攻撃事態法案は基本理念を定めたもの。制限される権利の内容などはこれからの個別法案の検討において問題になることであり、答えられない」と答弁。前原議員は「こんないいかげんな法律はない」と非難するとともに、さらに先の委員会での政府答弁にあった「絶対不可侵の権利」の中身を質した。津野内閣法制局長官は、思想・良心の自由(憲法19条)、信仰の自由(同20条)など、内心の自由にとどまる限りは武力事態下においても絶対的に不可侵だとする見解を明らかにした。なお、武力攻撃事態下において制約される権利・自由の内容とその程度、またその制約に対する救済措置についての政府見解を求める件を、理事会で協議することとなった。

また前原議員は、具体的なケースの想定に即して武力攻撃事態の認定基準を追及。まず、ある国が尖閣列島を占拠し実効支配しようとした場合に、武力攻撃事態に認定するか、と質した。官房長官は「想像の話をされても困る」としたが、前原議員は憤慨し「自らの国の主権が脅かされそうになった場合についても、認定しうると答弁できない内閣など、やめたほうがいい」と厳しく指弾した。

さらに前原議員は、サイバーテロ、サイバーウォーによって経済活動が壊滅的な打撃を受けた場合についても質した。官房長官は「一般論としては認定されえない」とし、現行法で対応する考えを示したが、前原議員は「テロやゲリラで多大な被害が出ていることに対して緊急事態だと認定できないなら、それは法の不備だ」と指摘し、情報通信社会に特有の形態のテロなどについても有事法制内で扱うべきだと主張した。官房長官は、サイバーテロなどについては、関連法で対策を検討する可能性が高い、とした。

山井議員、医療情報開示、老人医療費問題など質す

民主党の山井和則議員は、29日の衆議院厚生労働委員会で健康保険法改正をめぐって質問。医療制度の抜本改革と医療サービス向上を促す立場から、(1)医療情報開示、(2)歯科の訪問診療制限、(3)老人医療と介護基盤整備、について厚生労働省の見解を質した。

山井議員は、まず医療情報開示について、政府の健康保険法改正案の付則で「医療情報の提供を開始する」とされていることを取り上げ、「何を、いつまでにやるのか」と質した。坂口厚労相は、医療機関の報告制度やインターネットを通じた情報提供の拡大などを挙げるとともに、カルテの開示についても、山井議員による繰り返しの要請を受け入れる形で、1カ月くらいのうちに専門家らによる検討会を立ち上げることを表明した。

山井議員はさらに、死亡患者のレセプトの遺族への開示をめぐって、社会保険庁が医療機関に遺族の開示請求情報を無条件に伝えていることを取り上げ、それを定めた同庁のマニュアルを遺族の承諾を条件とするよう改正することを求めた。坂口厚労相は、「医療機関と患者の風通しを良くすることの方が大事」などと突っぱねたが、山井議員は、「大きな覚悟を持たないと開示請求ができないという状況を変えなければ、風通しも良くならない」と厚労相の姿勢を批判した。

次に山井議員は、4月の診療報酬改定で歯科の訪問診療が大幅に制限された理由を質した。厚労省の田村政務官は、通院可能な人が訪問診療を受けている事例が多数報告されていることを挙げたが、山井議員は「問題は(通院可能か否か)グレーゾーンの人が多いこと。そこでの判断は、ある程度現場の医師が行うことを認めるか」と質した。厚労相は「常識的にやっていただけばいいと思う」と認めた。

また山井議員は、老人医療費の伸び率適正化に関連して、「患者負担増はその受け皿となる介護保険施設整備とのセットでなければ論じられない」と指摘し、厚労省の施設整備状況に関する認識について質問。とりわけ、特別養護老人ホームの定員の4倍もの待機者を抱える名古屋市の例を挙げながら、「これで施設が足りていると言えるか」と追及した。厚労相は、「一概には言いにくい」「在宅介護中心というのが介護保険の理念」などと述べたが、山井議員は「在宅で利用しやすいような介護保険の抜本改革の方向性もいまだに出ていない」と切り返し、介護サービスは利用しにくく、医療も受けにくいという高齢者の“たらい回し”状態の解決を求めるとともに、老人医療費の伸び率を抑えるための安易な患者負担拡大にクギを指した。

最後に山井議員は、「医療制度の抜本改革こそ必要であり、それができなければ患者負担増は見送るくらいの気持ちで取り組んでほしい」と強く訴えて、質問を終えた。

大島議員、今後の健康保険制度のあり方を提起

民主党の大島敦議員は29日の厚生労働委員会において、健康保険法改正案をめぐる質疑に立ち、今後の公的健康保険制度のあり方をめぐって、坂口厚労相らに質問した。

大島議員はまず、民間の損害保険会社から公的健康保険制度では保険対象外となる高度医療のがん治療を対象とした医療保険の商品「自由診療保険」が発売されたことを指摘。今後、一般の病気に対する治療や薬剤費をすべてカバーするような保険商品の許可申請があった場合は認可するのか、と質した。これに対して金融庁は「保険料が妥当なもので問題がないということになれば認可する」とした。

大島議員はこの商品が登場した裏には、治療上有効だと認められる最先端の医療技術にもかかわらず、特定療養費制度で指定されたものでなければ混合診療が認められず、全額自己負担となってしまう背景があることを指摘した。特定医療費制度や健康保険制度の適用範囲の見直しが進まない限り、民間の自由診療保険の商品が歪んだ形で誕生し、公的な健康保険制度の存在価値が薄れ、根底から崩れてしまうことになりかねないと提起した。

続いて大島議員は、一連の審議の中で、保険料率は値上げしたとしても上限10%とし、医療保険制度の給付率は7割を維持するとした坂口厚労相の発言について確認。厚労相は「保険料も自己負担も抑制されるのが望ましいが、現在の人口動態を見て、将来を含めて考えると、その数字が上限と考える」とした。

そうした答弁を受けて大島議員は「高齢化が進むと現在は30兆円となっている医療の予算が今後増えていく可能性は大きい」と指摘。その中で保険料率10%・給付率7割を維持するとなると、10年後の予算は10~15兆円増える予測があるとして、「どこを削り、どう改正していくのか、先を見越した割り切り・議論が必要だ」とした。

大島議員は「今回の改正は抜本的な改革とは言いながらも、10年後、20年後を見越したものではない」と指摘。国民が直面している制度の矛盾を抜本的に改革し、新たな制度を確立しておかない限り、民間企業が歪んだ形で参入し、国民皆保険制度が崩壊することになりかねない、と重ねて提起。同時に、自由診療、高齢者医療の問題に対する慎重な対応を求めた。

「有事法制の審議にも影響」防衛庁リスト問題で鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は29日、防衛庁が情報公開法に基づく情報開示請求者の身元を調査してリストを作成していた問題で、政府の個人情報の取扱いにいわゆる目的外利用の懸念があると言及。また、この事件が防衛庁ぐるみのものであれば、非常に大きな事件であるとし、個人情報保護法案はもとより、有事法制の審議にも大きな影響を与えるとの見方を示した。

防衛庁リスト問題については、同日昼、熊谷弘国会対策委員長も言及。「情報開示請求者に対する防衛庁の調査は違法行為に他ならない。いったい防衛庁に有事法制の議論をする資格があるのか。防衛庁の体質そのものに疑問を向けざるを得ない」と語気を強めて批判した。

連合座り込み集会で菅幹事長が連帯挨拶

連合所属の労働組合員約1000人が29日、健保法改正案の廃案や有事関連3法案の成立反対を訴えて、議員会館前の歩道に座り込んだ。正午から衆議院第二議員会館前で開かれた集会には民主党所属議員も多数激励に駆けつけ、代表して菅直人幹事長が連帯の挨拶を行った。

◆連帯挨拶の要旨

皆さんと共に闘う連帯の挨拶を申し上げる。
健保法改正案は、抜本改革を先送りにした彌縫(びほう)策に過ぎず、改革の名に値しない。民主党も連合と全く同じ考えで法案に反対だ。
有事関連法制の政府案は、内容的にも手続き的にもあまりにもいいかげんで、到底賛成できない。国民の権利保護を最大限に考えるべきだが、すっかり抜け落ちている。野党そろって法案成立を阻止する。
政府・与党は会期延長を考えているようだが、姑息な考えだ。廃案にして、出直すべきだ。
6月19日までの会期の中で、われわれの主張である、あっせん利得処罰法の改正と、公共事業受注企業からの政治献金禁止法はぜひとも成立させたい。《民主党ニュース》



5月29日 その日のできごと(何の日)