平成4883日目
2002/05/22
この日のできごと(何の日)
【瀋陽日本総領事館駆け込み事件】脱北者5人が韓国へ
中国・瀋陽の亡命者連行事件で、瀋陽の日本総領事館から中国の武装警官に連行された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のキム・グァンチョルさん(28)の一家5人は22日午後10時15分すぎ、北京発アモイ経由の中国南方航空機でマニラに到着、約1時間後、大韓航空624便に乗り継ぎ、韓国の仁川国際空港へ向かった。
5人は事件発生以来、14日ぶりの出国となり、23日早朝には韓国入りする。
南方航空機には、北京の日本大使館の斎藤法雄領事部長がソウルまで同行するため同乗しており、中国側は、5人の移送への関与を求めてきた日本側に一定の配慮を示した。フィリピンと韓国の外交官も同乗したもようだ。
中国が身柄を拘束した北朝鮮からの脱出者を第三国へ向けて独自に出国させたのは初めて。
中国外務省の孔泉報道局長は22日夜「国内法と国際慣例、人道主義に基づき5人を適切に処理した」との談話を発表した。
一方、川口順子外相は同夜、記者会見し(1)中国出国の情報は21日深夜に内々に得た(2)北朝鮮住民への日本政府の事情聴取は、今後時機をみて行いたい−と述べた。《共同通信》
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【トヨタ・アルファード】発売
トヨタ自動車は22日、新型ミニバン「アルファードG」「アルファードV」を発売した。国産ミニバン最大級の室内空間と高級サルーンの上質な乗り心地、静粛性を実現した。「G Edition」2WDで399万円。《共同通信》
【大相撲】
大相撲夏場所11日目(22日・両国国技館)単独トップの横綱武蔵丸が小結栃乃洋を力強く寄り切り、初日からの連勝を11に伸ばした。1敗だった2人、大関千代大海と平幕の出島はともに敗れ、2敗に後退した。千代大海は武双山との大関対決に押し出しで敗れ、出島は小結若の里に寄り倒された。武双山は勝ち越し。残る大関陣は栃東が大善を突き落として勝ち越しを決め、魁皇は7勝目を挙げた。関脇朝青龍は勝ち越した。若の里は6勝目で栃乃洋は5勝6敗。全勝の武蔵丸を2差で千代大海と出島が追う展開となった。《共同通信》
【IWC総会】
山口県下関市で開かれている国際捕鯨委員会(IWC)総会は22日、イヌイットなど先住民に特別に認められている鯨の新たな捕獲枠などを討議。先住民捕鯨を基本的に支持してきた日本が米国の提案の一部に強い難色を示して投票にかけるよう強く要求したため、会議はたびたび中断し審議が全く進まない異常事態となった。結局、この日の議題はすべて23日以降に持ち越された。
総会では、4カ国計15種の鯨の捕獲枠のうち、米国とロシアが共同提案したホッキョククジラ枠が最初に議題となった。米国などはこれまで通り、5年間で280頭(年平均米国51頭、ロシア5頭)の枠を求めたが、ノルウェーが2年枠とするよう要求、投票で否決された。
これを受けて議長は、投票にかけず総意で了承するコンセンサス方式で合意するよう提案した。
しかし、日本は「日本の捕鯨地の窮状を緩和するためのミンククジラ50頭枠に反対しながら、米国は資源状態の悪いホッキョククジラの捕獲枠を要求している。二重基準だ」との立場を取り、あくまで投票にかけるよう強硬に求めた。
総会は、審議を中断して代表者会議を開催。総会再開後、議長が再びコンセンサス方式での合意を提案したが、日本はこれを再度拒否。議長は遺憾を表明し、メキシコ代表も「代表者会議では日本だけが反対した」と非難するなど、総会は終日混乱した。
記者団に囲まれた日本政府代表団の小松正之水産庁参事官は「米国のダブルスタンダードに反対したことを記録しないと、国民に説明がつかない」と述べた。《共同通信》
【知的財産戦略会議】
22日、官邸で知的財産戦略会議(第3回)が開催された。会議では、7月初めにも決定する「知的財産戦略大綱(仮称)」の中で、将来の知的財産立国を実現するための国家戦略の道筋を示す「知的財産基本法(仮称)」を制定するよう提言することで合意した。《首相官邸》
【MLB】
米大リーグ、ドジャースの野茂投手は22日のブルワーズ戦に先発。6回を4安打、無失点で今季4勝目(5敗)を挙げた。野茂は毎回の7奪三振。味方の好守にも助けられた。試合は1−0でドジャースが勝った。
マリナーズのイチロー外野手はデビルレイズ戦で4打数1安打1打点。打率は3割4分7厘の3位に後退した。長谷川投手が八回、佐々木投手が九回と1回ずつを無安打、無失点。2−3で敗れたマリナーズは今季初の4連敗。
ジャイアンツの新庄外野手はダイヤモンドバックス戦で5打数3安打。今季2度目の3安打で7試合連続安打とし、打率を2割4分5厘に上げた。レンジャーズの伊良部投手はツインズ戦で2失点ながら11セーブ目をマーク。メッツの小宮山投手はフィリーズ戦で2回を無安打、無失点。《共同通信》
【この日の民主党】
中川議員、瀋陽総領事館事件で外務省の対応批判
22日の衆議院予算委員会で、民主党の中川正春議員が質問に立ち、瀋陽総領事館事件をめぐる現地調査を踏まえ、外務省の対応のまずさを追及した。
中川議員は「ビデオを見ると外交のあり方にショックを受ける。副領事は最初にどう行動すべきだったのか」を首相に質した。首相は「非常時の対応としては生ぬるかった」と初動のまずさを認めた。
さらに中川議員は「中国の武装警察の大隊長と宮下副領事がともに5人を亡命希望者と認識していた時点で2人の連行がなされたが、宮下副領事は何らの意思表示もしていない。抗議も、われわれの管理下であるとも言っていない」と指摘。田中アジア大洋州局長は「阻止する行動はしていない」と認めた。
続いて中川議員は「2時20分頃、副領事が電話で総領事に連絡した際に、何らの指示・命令もなく『大使館に連絡したか』だけだった。外務省の中国課長からの命令で初めて、“抗議しろ、連れ戻せ”となっている」点を追及。川口外相は「その時点では総領事は何が起こったか判断できなかった。総領事が命令をすべきだった」と最初の段階でのミスを認めた。
中川議員は「事実をしっかりと前提にして交渉しないと、中国はあいまいな点をついている」として、事実の解明と交渉による早期の解決を求めて質問を終えた。
[衆院内閣委]個人情報保護法案で政府の答弁不十分と審議中断
個人情報保護法案が審議されている衆議院内閣委員会で22日、民主党から後藤斎、武正公一、河村たかしの3議員が質疑に立った。この中で、河村たかし議員が「個人情報保護法の成立が住民基本台帳番号制度施行の前提」という小渕内閣当時の首相答弁についての現内閣の認識を質したのに対し、福田官房長官、片山総務相が不誠実な答弁を繰り返したことから委員会が紛糾。公明党議員の質疑を済ませて一時休憩となったが、結局、政府が答弁を出さなかったため、この日の委員会は共産党・社民党などの議員の質疑時間を残したまま散会となった。
五島議員、患者負担増による保険給付費削減を批判
22日、衆議院厚生労働委員会において民主党の五島正規議員が質問に立ち、健康保険法改正案をめぐり、診療報酬改定による医療費の引下げ効果、医療のIT化の課題、健康増進法などについて質した。
五島議員はまず、診療報酬の1.3%引下げと薬価の1.4%引下げによる医療費の削減は7400億円としているが、削減効果が予想よりも大きいことが明らかになった場合、診療報酬の再改定は考えているか、と質した。大塚保険局長は「今回の改定によって想定を超えるような事態が生じるとは考えていない。実績動向は見守っていくが」などと答えるにとどまった。
次に五島議員は、患者医療費の負担増による保険給付費の削減と、それによる受診抑制によって大きな保険給付費の削減になるとしている政府の見方に関して、「本当に保険給付費の抑制になるのか」と疑問を呈し、医療費増加の最大の要因は医療の高度化によるとものとされてきたが、それは実際には極めて限られていると指摘。また高齢者の受診回数も減少傾向にあるとし、「それにもかかわらず自然増があるのは、受診抑制、あるいは必要な受診がされないこと、さらにメディカルコントロールができないことによって、結果的に重症化する患者が増え、医療費の高騰につながっているから」と指摘。こうした要因の改善・検討の必要性を提起した。同時に、健保法改正案にはALSの患者などへの配慮がまったくないという問題も指摘した。
さらに五島議員は、レセプトの電子化と電子カルテプログラムの推進など同法案が示す医療のIT化をめぐって質問。その実現に向けては、厚労省自身が統一モデルとなる電子カルテシステムをつくり、それを医療機関などに配備させるなどして、導入コストの削減をしないかぎり実現は不可能だと分析した。また、新たなインフラ整備とセキュリティ対策および責任所在の明確化の必要性も指摘した。
最後に五島議員は、伝染病の時代や、労働災害や業務上の疾病が多くを占めた時代の健康対策は、いまや行き詰まりをみせていると分析した上で、今日の状況にあわせた疾病監視システムの確立と地域に根ざした安全衛生保険相談業務の確立などを検討するよう求めた。
金田議員、保険者の再編成などの改革像示す
金田誠一議員は22日、衆議院厚生労働委員会で健康保険法改正案の質疑に立ち、保険者の再編成の具体的あり方、患者一部負担の目的と適正水準について自らの改革像を示し、坂口厚労相の見解を質した。
金田議員は、保険者の再編成についての基本的な考え方として、一定程度の競争原理を働かせるため民営化を基本にすること、適正な保険者の規模を確保するために保険者の数を現在の5千数百から十分の一くらいに減らすことが必要だと前置きした上で、具体的に「政府管掌健保は都道府県単位の健保組合に分割民営化する。国民健保は都道府県単位の国保組合に統合民営化する」という案を示した。
これに対して坂口厚労相は、「保険者数を500程度に減らすことは、目標として大変参考になる」「国保は現在、加入者3千人以下のところが30数%あり、今後なかなか維持するのは難しい。統合をめざすべきで、都道府県単位は有力な選択肢の1つ。しかし、東京のようなところが1つでいいのかという議論はあろう。大いに参考にさせていただく」と答えた。
金田議員はまた、小泉首相が患者負担を2割から3割に引き上げること自体が構造改革だと述べていることについて、「確かに自己負担がタダでは『念のため』の受診も増えるが、モラルハザード防止の観点で考えるならば、高齢者も現役も1割の自己負担でよいはず」「小泉首相が自己負担にこだわる真の目的は、社会保険の守備範囲を縮小し、民間保険の事業範囲を拡大することや、事業主負担を軽減することにあるのではないか」と質した。
坂口厚労相は、「各自の健康管理を促すという面や財政事情などもある」「国民皆保険は将来ともに維持しなければならない」などと答えたが、金田議員は「自己負担を増やすことと皆保険制度を守ることは何の関係もない」と厚労相の答弁を批判。保険料と自己負担のシェアが制度の効率にどのように関係しているか、具体的な数字の問題としてきちんと検討すべきだ」と結んだ。
土肥議員、辻褄合わせの健保法改正だと批判
22日、衆議院厚生労働委員会において、民主党の土肥隆一議員が健康保険法改正案をめぐって質問に立った。
土肥議員は冒頭、小泉政権が国債発行額30兆円枠にこだわり、総じてデフレ政策を採っているために、医療費も削減せざるを得なくなったのではないかと分析。平成14年度の医療関係予算の自然増は5500億円で、2800億円削減しないと今年の医療費が成り立たない。そこで、医療費圧縮の方法として考えられたのが今回の制度改革だとの考えを示し、「抜本改革といえども辻褄合わせにすぎない」と指摘した。
その上で土肥議員は、初めて引き下げられた診療報酬と薬価の改定について「政治決着でこれまで決められてきた診療報酬が引き下げられたのは評価する」としながらも、診療報酬1・3%と薬価1・4%とした根拠について質した。大塚保険局長は「(診療報酬は)賃金・物価の動向、昨今の経済動向・保険財政の状況などをふまえて引き下げの方向で検討。(また薬価は)市場適正価格に基づき引き下げた」とした。それを受けて土肥議員は社会経済情勢等の変化に応じて今後も変更される可能性があると質したが、政府側は明確な答弁を避けた。
続いて土肥議員は、サラリーマンの医療費自己負担3割引き上げをめぐって、「負担増を強いるのであれば丁寧な説明が必要であるはず」と指摘。健康保険制度の将来像をきっちりと提示し、サラリーマンが納得できる裏づけがない限り、取りやすいところから取っているだけという印象は払拭できず、政治不信の増大になりかねないとの見方を示した。
さらに土肥議員は、高齢者医療保険対象者の70歳から75歳への引き上げについて「これも付け焼刃的だ」と指摘。老人医療費が上がり、健康保険財政が逼迫してくるなか、その解決策として対象年齢を引き上げたことはあまりにも安直だと批判した。これに対して大塚保険局長は「対象年齢をどうするかについてはこれまでも常に議論の的だった」とし、全体のグランドデザインのなかで避けて通れない道だったと説明。これを受けて土肥議員が次は80歳引上げの不安が払拭できないと指摘したのに対しては大塚保険局長は、「それを議論する段階ではない」などとした。
土肥議員はさらに老人医療費の伸びの抑制のための「指針」が策定され、「マイルドな抑制のため」などと説明する政府の姿勢を問題視し、「抜本改革と言いながらこんなものまで含まれているということか」ときびしく批判。国民不在の実態を浮き彫りにした。
鍵田議員、医療制度の抜本改革放棄を批判
民主党の鍵田節哉議員は22日、衆議院厚生労働委員会において質問に立ち、健康保険法改正案は患者負担の増大を先行し、医療制度の抜本改革を先送りするものであると厳しく批判した。
鍵田議員は冒頭、1997年の健康保険法改正の審議で当時の小泉厚相が2000年までの医療制度の抜本改革を公約したにもかかわらず、今回は、その点を盛り込まずに、患者の負担増だけを強要しようとしているとして、政府の公約違反を強く批判した。
また、97年当時、現厚労相の坂口議員が「抜本改革を先送りした改正案は許されない」と猛烈に反対していたことを指摘し、「その大臣がなぜ、改革先送りの改正案を提出するにいたったのか」と一貫性のなさを質した。厚労相は、「過去において、抜本改革なくして医療制度改革なし、と言っていたが、言い過ぎた面がある」「抜本改革は上手く進まない」「来年4月には改革をスタートさせたい」などと抜本改革の断行を先延ばしする答弁に終始した。
鍵田議員は、97年の改正から5年が経過したにもかかわらず、一向に医療制度の抜本改革が進展していない点を取り上げ、「5年の間、なぜ抜本改革を進められなかったのか」と政府の怠慢を質した。厚労相は、「一言で言えば、いろいろなご意見があり、合意に至らなかった」と発言し、自身のリーダーシップの欠如を露見させた。鍵田議員は、政府・与党の改革先送り・負担先行の政治では、「抜本改革は、来年になっても実現できない」と厚労相の見通しの甘さを喝破した。
さらに鍵田議員は、医療費の自己負担については「国民的議論の上で決めるべきだ」との考え方を示した上で、3割が極限の自己負担とする厚労相に対し、「それが変えられないという保証はあるのか」と質問した。厚労相は、「10年、20年後までその考え(3割自己負担)でしばることはできない」と抜本改革への道筋に全く触れることなく、さらなる自己負担増の可能性も滲ませる答弁を行った。
上田議員、支援委員会廃止の決断迫る
22日の衆議院予算委員会において民主党の上田清司議員が質問に立ち、北方四島支援事業をめぐる不正の舞台となった支援委員会の廃止を求めた。
上田議員は質問の冒頭、阿南中国大使が「館内に入れないよう、入った場合は追い出せ。ビデオに映ってもかまわない」と発言したことを取り上げ、事実かどうか確認を求めた。川口外相は田中アジア大洋州局長の「不審者に対する警備の強化を述べた」との答弁を受け「そう承知している」と答えた。上田議員は「違う事実が出たらどうするか」と詰めたが、川口外相は「局長の言ったとおりと承知している」との答弁を繰り返した。
続いて上田議員は、鈴木宗男議員の暗躍の舞台となった支援委員会について「プレハブ住宅建設や、発電所建設は協定違反」として、「公務員には告発義務がある。どうして告発しないのか」と厳しく迫った。また、鈴木議員による外務省職員に対する暴行事件も含め告発を求めた。北島官房長は「事実関係を十分調査し告発に値するか、慎重に検討する」と答弁した。
また上田議員は、支援事業の一環として提供された自航式はしけのパネルを提示し、協定からの逸脱を重ねて指摘。協定の規定を引きながら、「このはしけは物品か、器材か」と外務省の認識を質した。斎藤欧州局長は「物品、器材等の等に該当する」と回答。この答弁を聞いた首相は「言葉の定義はともかく、上田さんの言う通り。外務省改革はなぜこんなおかしいことをやったのか、反省することから始まる。今の答弁は反省が足りない。よく指導する」と言明した。
最後に上田議員は支援委員会を廃止すべきと迫った。川口外相は「私としては廃止したい」と明言した。
松本(剛)議員、支援委員会の未解明の疑惑に切り込む
民主党の松本剛明議員は、22日、衆議院予算委員会の集中審議において、外務省現職職員の逮捕者を生みだした支援委員会問題について未解明の点を追及した。
松本議員はまず、鈴木宗男議員公設秘書が業務妨害容疑で逮捕されている国後島「友好の家」(通称ムネオハウス)建設工事入札問題を取り上げ、外務省の調査報告書では入札参加資格決定以外では問題は確認できなかったとしているが、それ以前の段階でも情報漏洩があったはずだ、と追及。関連して、コンサルタント会社「日本工営」が支援委員会に“詫び状”を提出したのは、どのような情報を漏洩したからなのか、と質した。これに対して川口外相は、「ヒアリングしたが、わからなかった」などと曖昧な答弁に終始。松本議員は、「きちっと調べる気がないのか」と厳しく批判した。
次に松本議員は、外務省の佐藤前主任分析官と前島元ロシア支援室課長補佐が背任容疑で逮捕されたイスラエル学会出張問題について質問。まず、支援委員会からの出張経費支出に対する決裁(前島元課長補佐が起案)は適正だったと思うか、と質した。川口外相は、「(支援委員会の設置に関する)協定違反になるか否かは、捜査当局の結論を待ちたい」などと悠長に答弁したが、松本議員は「決裁者全員が逮捕される恐れもある事態だ」と畳みかけ、東郷元欧亜局長ら決済者全員に委員会で証言させることを求めた。
また松本議員は、支援委員会の日露医学医療交流事業が、自民党の中山太郎議員が理事長を務める日露医学医療交流財団に委任されていることを指摘。事業の実態を調査すべきことを指摘した。
海江田議員、首相の「自虐的」発言を追及
民主党の海江田万里衆議院議員は22日の衆議院予算委員会で、小泉首相が瀋陽総領事館事件の民主党調査団に対して「自虐的」と発言したことを取り上げ、その真意を追及した。
海江田議員は「われわれは、中国側、日本側双方に対する事実関係の確認を含め、14時間かけて調査を行った。どこが自虐的なのか。中国に行ったこと自体なのか」と首相に迫った。首相は「日本の非をあげつらうのは、どうか」と答えたが、さらに海江田議員は「昨日の委員会質問で、福田官房長官が民主党の調査を高く評価しているし、参議院でも安倍官房副長官が『中国の拡声器』発言を撤回している」と追及。首相は「日本側の立場も考えてもらいたい。あまり外務省の非ばかりをあげつらうのはどうか」と答弁。
海江田議員は「政府を信頼しろ、付いて来い、では発言の自由を押しつぶそうとしていることになる。具体的にどこが自虐的なのか」と論戦を挑んだ。首相は「発言を撤回せよというのは、それこそ言論統制。日本の言い分が間違っているような言い方はどうか。中国側が正しいという印象を与える」とし、最後には「私がどう考えても、どう思ってもいいでしょう。表現の自由だ」などと開き直った。
有事関連法案をめぐり全議員政策懇談会を開催
民主党は今国会の重要課題の1つである有事関連法案について議論を深めるため、22日午後、党本部において全議員政策懇談会を開いた。
終了後の記者会見で岡田克也政調会長は、懇談会で特別委員会での審議経過報告と、それを踏まえた論点提起をし、さまざまな意見が出されたことを報告した。
その上で岡田政調会長は、改めて同法案のずさんさを指摘するとともに、「党としては、とにかく議論を重ねていくという姿勢が大事であり、今回、おおむね了承されたこの8つの論点に重点を置いて委員会で議論をしていく」と強い決意を表した。
さらに、岡田政調会長は「今後党として最終的な意思決定をすることになる時には、党がなぜその意思決定をしたか国民にわかるように、現在の論点をさらに明確に提示していきたい」と語った。
本懇談会での同法案の論点提起は以下の通り。
(1)「武力攻撃事態」の定義について、(2)民主的統制(国会の関与)について、(3)国民の安全と基本的人権の確保について、(4)地方公共団体、指定公共機関等について、(5)自衛隊法関連、(6)米軍との関係、(7)安全保障会議設置法改正案関連、(8)その他鳩山代表、有事法案の徹底審議を強く求める
22日、民主党の鳩山由紀夫代表は定例記者会見を行い、与党が有事関連法案の十分な審議もせず採決を目論んでいることについて、「内容がないから暴走してごまかすなどということが、許されていい訳がない」と厳しく批判し、徹底審議を求める意向を明らかにした。
鳩山代表は、与党が法案採決の前提となる中央公聴会の日程を野党ぬきで強引に採決したことについて、「国民の命に関わる有事の問題は慎重な審議が必要。せめて100時間以上はかけるべきだ」と批判。「法案が欠陥商品であることがバレてしまうからといって、野党や国民のみなさんの声を聞かないなどということは許されない」として、十分な審議を行うことを強く求めていく考えを示した。
また、有事法制に対する民主党の立場について、「早くわれわれの考える緊急事態法制を示し、政府との違いを浮き彫りにしていく必要がある」と述べ、今月中にも党としての考え方をまとめる意向を示した。《民主党ニュース》